エデンズダンガンロンパ 希望の生徒と絶望の楽園 作:M.T.
そんな…
嘘だろ…?
何で筆染と宝条が…
さっきまで、あんなに元気だったのに…
「Ahhhhhhhhhhh!!?エマ…ユメノ…!!」
「いや…いやあ…!そんな…!!」
「絵麻…!?夢乃…!?何で…!!」
「うぅっ…ひ、酷い…」
「帰る帰る帰る帰る帰る帰る帰る帰る…」
みんな反応はそれぞれだったが、半数ほどはパニックを起こしていた。
冷静だったのは、枯罰と黒瀬くらいだった。
「…チッ。悪趣味な事しよってからに。」
「絵麻ちゃん、ゆめちゃん…」
「…絵麻?」
弦野は、呆然とした表情で焼けた部屋に一歩ずつ近づく。
そして、見てしまった。
焼けた部屋の隅に転がる手首と壊れたヘアピンを。
その直後、弦野は膝から崩れ落ち肩を震わせた。
「っ…あ゛っ…あ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
「弦野…!?」
弦野は、大声で叫ぶと取り乱して現場を荒らそうとした。
「おい!!やめぇやド阿呆!!」
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
枯罰は、暴れる弦野を取り押さえた。
弦野は、枯罰に取り押さえられた後も暴れていた。
本来なら現場を荒らすのは責められるべき事なんだろうけど、今は弦野の気持ちがわかる。
ここに来てやっと心を許せる存在に巡り会えたのに、それを目の前で残酷に奪われたんだ。
「枯罰さん、僕が説得してみるからそのまま押さえてて。」
「言われんでもやるわ。」
…それにしても、ひどい有様だ。
筆染の死体は吹き飛んで原型がほとんど残っていない。
「ッ…!!」
俺は、吹き飛んだ部屋であるものを見つけ思わず目を見開く。
焼けた部屋の壁には、大きな文字で『BOMBER』と書かれていた。
そんな…まさか、現れたのか…爆弾魔が…
「…っ」
文字を見た仕田原は、顔に冷や汗を浮かべてガタガタと震えていた。
…そうだ。
仕田原の恋人は、爆弾魔に殺されてるんだ。
「…大丈夫か、仕田原。」
「……はい。ありがとうございます。」
もしこの殺人が爆弾魔の仕業なら、仕田原のためにも犯人を見つけないと…!
『うぷぷぷぷ!いやー愉快痛快!連続殺人なんて、♂♀凹凸擦っちゃった時なんかよりもっと興奮するよね!』
「モノクマ…!」
『あーあ、筆染サンひどい有様だね。もうグッチャングッチャンじゃん!これ、シロに勝ち目ある?』
「オマエ、何しに来やがった!?」
『やだなぁジョンクン!ボクは、オマエラが今一番気にしてる事について教えに来たんだよ!』
「気にしてる事…!?」
「今回は被害者が二人やけど、処置はどないなるのかっちゅう事やろ?仮に筆染と宝条をそれぞれ別の奴が殺してたとしたら、二人ともクロになるんか?」
『はい枯罰サンいっつも冴えてて凄いけど今回は不正解ー!その場合は、ズバリ早い者勝ちだよ!学級裁判では、先に殺した人だけをクロとして扱います!』
モノクマがそう言った直後、ルールが追加された。
ーーー
十七、クロが複数人いる場合、クロとして扱われるのは先に殺した1人のみです
ーーー
「なるほどなぁ。ようわかったわ。ほれ、用は済んだやろ?早う失せんかい。」
『全くもう、最近の若者はホントクマ遣い荒いよね!はいはいモノクマファイル!それじゃ捜査頑張ってねー。』
そう言ってモノクマは去っていった。
「今回は被害者が二人いるわけだが…検視はどうする?」
「さすがに別の場所を捜査できるんが4人っちゅうんはキツいで。もうこの際見張りは1人でええんとちゃう?」
「そうだね…じゃあ僕は宝条さんの検視をするよ。」
「え、安生…お前、大丈夫なのか?」
「だって、全員が全員医療に詳しいわけじゃないし仕方ないじゃないか。二人の仇を討つためにも、僕がやらなきゃ…!」
そう言う安生だったが、手が震えていた。
本当は怖いんだ。
「…わかりました。では、自分が安生さんのサポートをします。」
「筆染の方はウチがやるわ。どうせお前ら誰もやりたないやろ?」
「じゃあボクは環ちゃんを見張りますっ!」
「…。」
すると、ようやく落ち着いたのか弦野はゆっくりと立ち上がった。
「…弦野?」
「………俺は倉庫を見てくる。」
「そっか。弦野、お前もう大丈夫なのか?」
「ああ。さっきは悪かったよ。もう大丈夫だ。大丈夫だから………」
弦野は何でもないかのように振る舞うが、その瞳はどこまでも深く暗く沈んでいた。
…何か、悪い事を考えてなきゃいいけど。
俺は不安を抱きつつも、捜査を始める事にした。
ーーー
《捜査開始!》
まずはモノクマファイルを確認しておこう。
モノクマファイル③
被害者1人目は【超高校級の収集家】宝条夢乃。
死亡推定時刻は午後7時15分頃。
死体発見場所はカラオケエリアの17号室。
死因は脳挫傷。
後頭部を損傷しており出血が見られる。
脳挫傷か…
死体の状態を見る限り、間違いないだろう。
コトダマゲット!
【モノクマファイル③】
モノクマファイル④
被害者2人目は【超高校級の画家】筆染絵麻。
死亡推定時刻は午後7時25分頃。
死体発見場所はカラオケエリアの19号室。
死因は爆死。
爆発により、左手首以外の部位が吹き飛んでいる。
今回はちゃんと死因がわかってるのか。
それはひとまずよしとするか。
身体吹き飛んでて死因までわからないとなるとお手上げだからな。
コトダマゲット!
【モノクマファイル④】
よし、それじゃあ調査を進めるとするか。
今まではみんなの捜査情報をまとめるのが仕事だったけど、今回は被害者が二人もいるし俺も積極的に証拠を掴みに行かないと。
俺は、まず19号室を調べてみる事にした。
「Hey,マドカ。」
俺は早速19号室を調べていたジョンに話しかけられた。
「ジョンか。どうした?」
「一緒にevidence探そうぜ。」
「おう。」
俺は、ジョンと一緒に証拠を探す事にした。
「まず気になるのは…この文字だな。」
「BOMBERって書かれてるって事は、Ultimate bomber…【超高校級の爆弾魔】の仕業か?」
「おそらくな。」
「But…何でこのletterだけは燃えてないんだろうな?」
確かに…BOMBERの文字だけ焼けていないのは不思議だ。
コトダマゲット!
【壁の文字】
「あとは…」
ん?何だこれ?
床に何か落ちてるな。
辛うじて形状を留めているが…これは…警棒か?
コトダマゲット!
【警棒】
あと気になるのは…このロッカーだな。
何でカラオケボックスにロッカーがあるのは甚だ疑問だが、今はツッコまないでおこう。
一応この中も調べてみるか。
「…うぉっ。」
「What up?」
「…すげぇなこのロッカー。見ろよ、部屋が丸焦げなのにロッカーの中だけは完璧に無事だぜ。」
見るからに頑丈そうではあったけどな。
まさかここまで丈夫だったとは…
コトダマゲット!
【ロッカー】
「あれ?」
ロッカーの中にレインコートが入ってる。
白い粉みたいなもので汚れてるな。
「何だこれ…?」
コトダマゲット!
【汚れたレインコート】
「あと気になるのは…ん?」
床に何か大量に散らばってるな。
これは…紙か?
もうほとんど炭になってるけど、辛うじて書かれてる文字が読めるものがある。
F…L…………R?
コトダマゲット!
【大量の紙切れ】
「あと気になるのは…うわ、ドアまで見事に吹っ飛んでるな。」
「…Huh?」
「どうした?」
「Look.This lock,閉まってるぜ。」
「本当だ…」
ドアの鍵は内側から閉まったまま吹き飛んでいた。
という事は、密室殺人だったって事か?
コトダマゲット!
【ドアの鍵】
「枯罰、お前は何かわかったか?」
「ド阿呆。見てわからんのかボケ。身体が吹っ飛んどるんやぞ?わかるわけないやんか。…なんて、言うと思たか?」
「って事は何か分かったんだな。」
「当然やろが。見ぃ。」
枯罰は、筆染の手首を掴むと俺達に見せてきた。
「Ugh!?」
「う゛っ…わかったから、顔に近づけないでくれない?」
「…これ見てみぃ。」
俺の主張は完全無視ですねわかります。
俺は枯罰の態度に不満を覚えつつ、吐き気を覚えそうになるのを堪えて枯罰が見せようとしたものを見た。
「爪の隙間に血と皮膚が付いとるやろ?これ、誰かを引っ掻いたっちゅう事ちゃうか?」
なるほどな…
コトダマゲット!
【筆染の爪】
「それにしても…犯人はどうやって筆染を殺したんだ?爆弾魔のメッセージも残してるし、やっぱり爆弾で爆破したのかな?」
「…そうとは限らんぞ。」
「どういう事だ?」
「匂いや。この部屋、派手に吹き飛んどる割には火薬の匂いが全くせぇへんねん。爆弾は大抵の場合何かしらの爆薬が使われるもんなんや。せやけど、この部屋は爆薬の匂いがせぇへん。つまり、爆弾で殺されたわけやないっちゅうこっちゃ。」
「なるほど…」
コトダマゲット!
【部屋の匂い】
「枯罰、お前は事件当時何してたんだ?」
「事件当時気持ち良く寝とったくせに偉そうな事言うなやボケカス。」
「すまん。」
「…まあええわ。ウチは、弦野と一緒に多目的ホールの控室で最終調整しとったで。」
「控室か…そこで何か不審なものを見たりしなかったか?例えば、ホールから誰かが出ていくのを見たとか…あ、黒瀬以外で。」
「見とったら言うとるわボケ。ウチはおかしなもんは何も見てへん。弦野も多分同じやろ。」
「だよな。黒瀬は何かわかった事とかあるか?」
「そう言われましてもボクはずっと環ちゃんを見てただけなのでー。あ、環ちゃんは変な事してなかったよ。」
「そうか。じゃあお前は事件当時何してたんだ?」
「おしっこ。」
「いや…その前後の話をしてるんだけど。流石に何十分もトイレにいたなんて言わないよな?」
「んぇーっとね。部屋のおトイレ使ったんだけど、何かすぐ眠くなっちゃったからベッドで寝てたの。それでうわーやっばい寝ちゃったーってなってすぐ多目的ホールに行こうとしたんだけど、途中で2階の窓から煙が上がってるのが見えたから様子見に行ったの。そしたら部屋が燃えてたからとりあえず火を消したら絵麻ちゃんが木っ端微塵になっちゃってたのでみんなをチャットで集めましたー、というわけなのですー。」
状況説明は具体的だな。
信憑性は高そうだ。
「…なあ、黒瀬。」
「何ですかー。」
「黒瀬がトイレ行きたくなったのって、俺と一緒にドリンクを飲んだ直後だったよな?」
「そうですー。」
コトダマゲット!
【黒瀬の尿意】
「なあ、そのドリンクって、どうやって用意したんだ?」
「ふにゃ?ドリンクバーに入ってるみんなの好きな飲み物を紙コップに入れたんだよ?」
「それって、お前が自分でやった事か?」
「んーん。ボクがドリンクを配る係になったからやったんだよー。」
コトダマゲット!
【黒瀬の証言】
「ありがとう。参考になった。」
「えへへー、どういたしましてですー。」
19号室で手に入れられる情報はこれくらいかな。
俺は、次に17号室を調べてみることにした。
「あ、円。」
俺は、17号室を調べていた速水に声をかけられた。
「速水か。どうした?」
「いや、アタシ夢乃と違って証拠探しとか得意じゃないからさ。ここの捜査手伝ってくれる?」
「もちろんいいぞ。一緒にやろう。」
俺は、速水と一緒に証拠を集める事にした。
「さて、捜査を進めていこうか…って、部屋が荒らされてるな。」
「そうなんだよねー。誰かが荒らしたのかな?」
コトダマゲット!
【17号室の状態】
「あれ?」
床に包丁が落ちてるぞ。
先端の部分に少しだけ血が付いてるな。
「うわ、包丁が落ちてんじゃん。しかも血がついてるし。これって夢乃の血じゃないの?」
「どうだろう…」
コトダマゲット!
【血の付いた包丁】
「ねえ、円。これ見て。」
「どうした?」
「こんな所に血が跳ねてるよ。」
床を見ると速水の言う通り、宝条の死体からだいぶ離れた位置に血が付いている。
「これも夢乃の血かな?」
「んー…死体からだいぶ離れてるし微妙だな。」
コトダマゲット!
【床に跳ねた血】
「あれ?」
ローテーブルの角に少し血がついてるな。
宝条の死体とも位置が近い…
無関係とは思えないな。
コトダマゲット!
【ローテーブルの角の血】
「…あ。」
「どうしたの?」
「そういえばさ。黒瀬がドリンク配った時、お前『頼まれたものを持ってきたか』って聞いたよな?」
「えーっと…そうだったっけ?そうだったような気がしなくもないけど…」
「いや、そこはハッキリ覚えてなくていいんだ。俺が知りたいのは、黒瀬がドリンクを配ったのはお前の指示なのかって事だよ。」
「んー…ビミョー。アタシの指示っていうか…」
「微妙?」
「元々、せっかくだしみんなの分のドリンクを用意しないかって話になってたんだよ。コンサートの準備をしてたアタシと環と奉子と絵麻の4人でね。で、そこにましろが遅れて来て何すればいいか聞いてきたから、みんなの分のドリンク持ってくるように言ったわけ。」
「なるほどな…」
コトダマゲット!
【速水の証言】
自分で調べられるのはこれくらいかな。
安生に話を聞いてみよう。
「安生、大丈夫か?」
「…うん。仕田原さんが手伝ってくれたから、何とか検視できたよ。とは言ってもほとんど仕田原さん任せだったけどね。」
「そんな、汚れ仕事は自分がやりますんで安生さんは無理をなさらないで下さい。」
汚れ仕事って…宝条に失礼じゃないか?
まあいいか。
「それで、何かわかった事は?」
「ええっとですね。モノクマファイルに書かれていた通り宝条さんの後頭部には傷がありました。直角の部分があり、一部が平たくなっているんです。まるで、角のあるものに強くぶつかったような…」
角だと?
あれ?
どっかで見たような…?
コトダマゲット!
【宝条の外傷】
「それ以外の外傷は無かったんだな?」
「ええ。」
「なるほど…あ、そういえば、仕田原。」
「何でしょうか?」
「コンサートの準備はお前と黒瀬、枯罰、速水、筆染の5人で進めてたんだよな?」
「そうですよ。黒瀬さんは途中参加でしたが。」
「具体的にはそれぞれ何をやってたのか教えてくれないか?」
「ええとですね、枯罰さん、速水さん、筆染さんの3人が会場の準備と弦野さんの身支度の手伝いを、黒瀬さんがドリンク作りを、そして自分がコンサートに使う機材のチェックと備品の調達ですね。」
「速水、間違いないか?」
「あー、うん。大体そんな感じ。」
コトダマゲット!
【仕田原の証言】
さてと。俺も自分で調べられるところは調べてみるか。
今のところ怪しいのは…ドリンクバーだな。
俺は、ドリンクバーを調べてみた。
ドリンクバーには、全員のそれぞれ好きな飲み物が用意されている。
…ん?何か細工した痕があるな。
コトダマゲット!
【ドリンクバー】
ここで手に入れられる情報はこれくらいかな。
多目的ホールの方は確か一が捜査してくれてたな。
行ってみよう。
「一、お前は何かわかった事とかあるか?」
「今調べてるとこ…先にホールを調べといてよ。」
「わかった。」
そういう事なら、先に調べてみるか。
一階席は…特に変わったところはないな。
一応二階席も調べてみるか。
俺は、一度廊下に出て二階席に向かおうとした。
「…。」
すると、ホールから出てすぐにホールの隣に窓がある部屋がある事に気がつく。
ここは確か控室だったな。
枯罰と弦野はここで最終調整をしてたっつってたな。
…しっかし、この窓からだと廊下の様子がよく見えるんだな。
これなら誰かが外に出たらまず見逃す事はなさそうだ。
コトダマゲット!
【控室の窓】
俺は、廊下にある階段を登って二階席へ向かった。
二階席も特に変わったところは無いな…
俺は、登りに使った階段とは反対側の非常階段を通ってホールの外に出た。
…ん?待てよ?
非常階段を使えば、廊下を通らなくてもホールの中に入れるよな?
コトダマゲット!
【非常階段】
俺は再びホールの中に入り、捜査をしていた一に声をかけた。
「なあ、一。」
「…何?」
「あのさ、非常階段を使えば廊下を通らずにホールを出入りできるよな?」
「うん。でも、非常階段は使われてないんじゃないかな。」
「どうしてだ?」
「だって、仮に非常階段を使ったとして、一階席と二階席を移動するには廊下の階段を使わなきゃいけないわけだから結局枯罰さん達に見つかるよね?」
「まあ…そっか。」
「犯人はホールの外にいた人に違いないよ。」
そうやって決めつけていいのかな?
コトダマゲット!
【一の証言】
「それで、お前は何を調べてたんだ?」
「えっと…この機械なんだけど…」
一が調べていたのは、ホールの西側に設置されている、座席を移動する機械だった。
「それがどうしたんだ?」
「二回だけ使われた形跡があるんだよね…でもいつ使われたのかまでは…」
誰かが知らない間に機械を使ったって事か。
コトダマゲット!
【ホールの機械】
「一応、みんなの座席の位置を確認しておくか。それで犯人が絞れるかもしれないし。」
座席は、西から東に向かって番号が増え、北から南にアルファベットが進んでいくように配列されている。
座席番号は、俺がG24、黒瀬がG25、ジョンがF26、安生がH30とH31の間、聞谷がD23、速水がD22、仕田原がI18、一がI19だ。
うーん…これだけじゃ犯人を特定できないな。
コトダマゲット!
【着席位置】
多目的ホールで調べられるのはこれくらいか。
あとは…そう言えば聞谷が一応ホテルの方も調べてみるって言ってくれてたな。
ホテルに行ってみよう。
俺は、ホテルで聞谷を探した。
すると厨房に聞谷がいたので話を聞いてみる事にした。
「聞谷、お前は何かわかった事とかあるか?」
「ええとですね。安生さんに一応厨房を調べて欲しいと言われたので調べたのですが、包丁が一本無くなっていましたの。」
「何?包丁が?」
「ええ。」
俺も一応確認してみると、包丁立てに刺さっているはずの包丁が一本無くなっていた。
コトダマゲット!
【厨房から消えた包丁】
「それともう一つ…」
「まだあるのか。」
「ええ。実は、厨房にあったはずの小麦粉が大量に無くなっていましたの。」
「小麦粉が?」
「事件には関係ないと思いますけどね。」
コトダマゲット!
【小麦粉】
あとは…
弦野が倉庫と診療所を調べてくれてたな。
弦野に話を聞いてみよう。
倉庫内を探していると弦野を見つけたので、俺は話を聞いてみる事にした。
「弦野、お前は何かわかった事とかあるか?」
「ああ。倉庫から不燃性の塗料と刷毛、それとスタンガンが盗まれてた。」
スタンガンだと…!?
物騒だな。
コトダマゲット!
【不燃性の塗料】
コトダマゲット!
【刷毛】
コトダマゲット!
【スタンガン】
「それと、安生に言われて一応診療所も調べたんだけど、薬品が二種類無くなってた。」
「二種類?」
「即効性の睡眠薬と、遅効性の睡眠薬だ。即効性の方は飲んでから数秒から数分後に眠気が襲って、遅効性の方は数十分後に眠気が襲ってくるらしい。それと、遅効性の方は利尿剤みたいな副作用があるそうだ。」
なるほどな…
コトダマゲット!
【即効性の睡眠薬】
コトダマゲット!
【遅効性の睡眠薬】
「用はそれだけか?」
「ああ。」
「…そうかよ。」
「弦野。絶対、二人を殺した犯人を見つけ出そうな。」
「…たりめーだろ。絶対絵麻を殺した奴を炙り出してやる。」
「…。」
俺は、弦野の胸ポケットに不自然な膨らみがあるのを見逃さなかった。
多分、倉庫から何かを拝借してこっそり懐に入れたんだろう。
コイツ、やっぱり何か企んでるんじゃ…
「…あのっ。弦野…
ピーンポーンパーンポーン
『えー、もう待ちくたびれたので捜査時間を打ち切らせていただきます!オマエラ、ホテル1階のエレベーター前まで集合して下さい!15分以内に来ないとオシオキしますよー!』
クソッ、こんな時に…!
でも、今はここで弦野を問い詰めてる場合じゃない。
俺は、覚悟を決めてエレベーター前に向かった。
◇◇◇
俺と弦野がエレベーター前に到着した時には、既に他の8人は集まっていた。
その直後、アナウンスからちょうど15分になった。
『うぷぷぷ、ちゃんと全員集まりましたね?それでは裁判所へレッツゴー!』
モノクマがそう言った直後、エレベーターの扉が開く。
10人全員が乗り込んだ直後、エレベーターの扉が閉まり下に動き出した。
…未だに信じる事ができない。
この中に筆染と宝条を殺した犯人がいて、ソイツが爆弾魔かもしれないなんて…
だが、迷っている時間はない。
真実を暴かなければ、俺達に未来はない。
筆染と宝条、そして大切な人を亡くした弦野と今も爆弾魔のせいで苦しんでいる仕田原のためにも、俺が真実を明らかにしてみせる…!!
ー生存者ー
【超高校級の講師】赤刎円
【超高校級のカウンセラー】安生心
【超高校級の香道家】聞谷香織
【超高校級の脚本家】黒瀬ましろ
【超高校級の???】枯罰環
【超高校級の家政婦】仕田原奉子
【超高校級の冒険家】ジョナサン・ウォーカー
【超高校級のヴァイオリニスト】弦野律
【超高校級のソフトウェア開発者】一千歳
【超高校級のランナー】速水蘭華
ー以上10名ー