ブルグント騎士団国
オストパリ中央病院
アンナは病室のベッドにいた。
一時期、彼女は危険な状態であったが、現在では回復し、自分の赤ちゃんを抱けるほどにまで回復した。
子供の名前は何にしよう? ラース? フリードリヒ?
そんなことを考えている彼女の元に一人の看護婦がクリップボードを持ってきた。
「アンナさん? こちらにサインをお願いします。」
アンナはクリップボードに挟まれている紙を読んだ。死亡証明書!?
「あなたの子供には明確な蒙古症(ダウン症)の兆候が発見されたため、1951年の遺伝子疾患予防法に基づき、安楽死させられました。こちらの書類にサインが必要です。」
アンナは看護婦が何を言っているか分からなかった。
彼女は涙を堪えながら言った。
「もちろん・・・ 私たちの民族のために・・・」
彼女は書類にラースと記入した。
看護婦はそのクリップボードを引っ掴み、病室を出ていった。
誰もいなくなったあと、彼女は泣いた。
「どうして・・・ どうして・・・」
病室には彼女の嘆きと泣き声が響いた。
一方、看護婦はトイレに籠もり、吐血していた。
「どうして・・・ 私は何人殺せばいいの・・・ 何人の子供を殺せばいいの・・・」
翌日、その看護婦はイラティの森で遺体で発見された。
死因はフッ化水素酸を飲んだことによるショック死であった。
後に彼女の遺書が発見されたことにより、自殺であることが分かった。
遺書にはこう書かれていた。
私はこれまでに政府の命令で何人も殺してきました。ですが、周りはそんな私になんの罰も与えてくれませんでした。なので、私は自分で罰を与えることにしました。もし、これを私の愛し子が読んでいるのであれば一つ言っておきます。もう、私を母親だと思わないでください。私には貴方を育てる資格はもうありません。私は仕事とはいえ、何人もの子供を殺してしまったのです。そして、夫へ。貴方は私が疲れているときにはよく心配してくれました。私の子供をよろしくおねがいします。私の愛し子をどうか、学校に通わせ、美味しい食事を食べさせ、当たり前の生活をさせてやってください。そして、私の兄へ。6歳から今まで、見ず知らずの私を育ててくれてありがとうございました。私の死を乗り越え、前進してください。狂気の怪物を打ち倒すためには勇者が必要なのです。さあ、行きなさい。振り返らず、涙を流さずに。どうか、私達の子孫を狂気の怪物の魔の手から守り通してください。
カタリーナより