俺達は砂漠を歩く
「砂が服の中に入ってじゃりじゃりする…!」
「我慢しろ。正しい進路であっても砂嵐が無い訳ではない。これでもルート外よりは幾分マシだ。それに、私の読みではそろそろ晴れる。…ほらな?」
砂嵐が晴れて、ゼノビアは得意げな顔をする
「待って、砂嵐が晴れて分かったけど。誰かそこにいない?」
そこには斎藤さんがいた
「斎藤さんだな」
「やれやれ、砂嵐に巻き込まれてツイてないねぇ。ま、それはそれとしてコイツはラッキーかな?1人だけ手ぶらってのも恰好付かないし、どうしたもんかと思ってたのよ。んじゃま―――そこな道行く旅人さん。僕は三番隊隊長…じゃなかった、盗賊番号ナンバースリー。雇われのはぐれサーヴァントってやつ。というわけで。大人しく身ぐるみ剥がされてくれる?」
「「恐喝じゃねえか!」」
「警官やってた手前、ちょっと抵抗あるけど、一応、紳士的に話し合いからってね」
「シーフ、ローグ、盗賊ね~♪降りかかる火の粉は~~殺すわ~~♪話し合いは~その後に~♪」
「え?どういうノリ?」
「いい度胸だ。このパルミラの女王本人に対して盗賊行為とはな。やはり裁判の必要は無さそうだ。現場判断にて処置する。後始末は砂漠に埋めればOKだ。将来的にナツメヤシの苗床にでもなれば盗賊でもパルミラの役に立てたという事になる。喜べ」
メイヴも似たような事言ってた気がするな
「…あら?」
2人はじりじりと距離を詰める
「はーい、降参降参~!いやあ。確かに盗賊の一人ではあるけどさぁ。負ける戦いはしないってのが一ちゃんの信条ってわけ」
「速やかなる投降。いい判断だ。それでは埋めよう」
「苗床~苗床~♪」
「割とマジでやめたげてよぉ!」
「降伏したんだからそりゃないでしょ、情状酌量って知ってる?」
「そうねえ。盗賊っていっぱいいるんでしょう?折角だから、他の奴らの情報とか聞いてもいいんじゃない?」
「司法取引というヤツか。ふむ…。悪くない。パルミラが野蛮な地だと思われるのも癪だしな。それではきりきり吐いてもらおう。その身をナツメヤシの糧にしたくないのならばな」
「司法取引だか、脅迫なんだか…」
「どっちもどっちですが?」
「はは、そりゃそうだ。んじゃま、ペラペラ喋りますか」
斎藤さんから情報を聞く。
どうやら、これから向かう岩山は盗賊の本拠地で、洞窟に入る為の岩戸の開け方はボスしか知らないとの事。
肝心のボスは、岩との奥に籠りきりみたいで、斎藤さん達は出てきてもらう為の作戦に手分けして従事してる途中だったようだ
「ふん、やはりパルミラの治安と風紀の維持の為に捨て置けん集団だ。集まるというなら都合がいい。バリスタで一網打尽にしてくれる」
「どの道、行くしかないよね」
「だな」
「はいはい、ご案内しますよ。こっちは囚われの身なんでね」
俺達は斎藤さんについて行く。何か引っ掛かるな…
~岩山~
本拠地に着く
「はい、到着ー。あ、もう皆帰ってきてるみたいね。準備も始まってるか」
「あれって、宴の準備か?」
宴?天岩戸か?
「ていうかていうか~♪盗賊達、何か多くないかしら~?後色々おかしくないかしら~?」
確認できただけでも。エイリーク、メフィスト、ビリー、小太郎、聖杯怪盗、ミストレスC、ウィリアム、切嗣がいた。闇鍋か?
「まあ、盗賊っぽいのもそうでないのもいるけど。数は勿論、
これで確定した。これは『アリババと40人の盗賊』だ
「どうしたのトーマ?まあ40人は多いわよね」
「さて、それじゃあ、行きますか」
斎藤さんは先に行く。さすが新選組3番隊隊長、縄もお手の物だな
「あれっ、いつの間にか縄が!?縛ってた筈なのに!」
「おーい。お客さんのご到着だよー」
「盗賊達の宴へようこそ!」
「詳しい事はよく分かりませんが、とりあえず私達が盗賊なのは確かですわ」
海賊も盗賊と似たようなもんじゃないのか?
「そうですね、って、それはそれとして、盗賊よりももっと奇妙な事がですね」
「はい、どうして着替えただけの私がここに並んで存在するんですかね!しかもよく見ると、向こうに遠い昔の私までいるんですが!」
それを言ったらアルトリアはどうなのさ
「まあまあ。何かここって夢の中っぽいし、そういう事もあるんじゃない?」
「そうですわねえ。深く考えなくてもよいのではないかと?」
げぇ…、水着アンメアまでいんじゃねえか…
「「「「はい、というわけでこれで4人ぶーん!」」」」
何がというわけだよ…
「嘘、ホントにこの調子で40人の盗賊がいるの?」
「正直、私だけでよかったと思うのだが。あるいはネモ達という手も…」
「かんら、から、から!そんな風情の無い事を言うものではないぞう?」
百貌の言う事も最もだけど、鬼一師匠の言う事もあるからな?
「こまった。イリヤとイリヤに挟まれてとても嬉し…いや大変、でもやっぱり嬉しい…ふふふ…」
「片っぽ私が引き受けようか?ダブルで魔力供給してもらえるなら、さすがに満腹になっちゃうわねえ…」
クロエはそれでいいんじゃないか?満腹になれば戦う時間も増えるだろうし
「…確かにこれは非常事態だね。困った」
「ヒャハハハハァ!何も困らねえよ、楽しいじゃねえか!」
ジキルとハイドはノーコメ
「オレもたくさんいてよさそうなモンだが。逃げたか…?」
ご愁傷様です…
「酒吞、しゅてーん!盗賊と言えば吾らだろう、どこにいるー!?」
「しゅてーん!「…あっ」」
鏡で自分を見た猫みたいになってんぞ
「と、とにかく40人の盗賊がいるのは分かったわ。でも何でパーティーなんてしてるの?」
「決まってンだろが!洞窟の中に閉じこもってるボスには、どうあっても出てきてもらう。ボスがいるだけで眼福…、じゃねえ、盗賊団としての示しがつかねえだろうが」
おい今、眼福って言ったぞコイツ
「だが、どう説得しても出てこない。力尽くでも無理となりゃあ…。
「はいはい?」
「仕事はきっちり済ませたのか。酒でもツマミでもなんでもいい。宴席のアテになるようなモンを一人一つ用意してくる…。そういう話だったな?」
向こうでは、ガラテアを担いでる荊軻がいた
「私は用意してきたぞー。これ!…んー?ありゃー、とっても綺麗な彫像担いで盗んできたかと思ったら君か!」
「…恐縮です。おろしていただけますか?」
「まあいいや!酒の肴になるのは変わんないし!飲もう!飲もう!」
スゲー酔ってんなオイ
「はは、僕もアレと似た感じかな?酒の肴タイプ」
「おう、ならさっさと出しやがれ」
「や、だからほら。持って来たでしょ?
ま、そうなるわな
「ほう」
「貴様…」
「宴にゃ身体を動かすような余興も必要でしょ。好き嫌いとは別にさ」
「えー。40人のいるなんて~♪相手するのは大変そうじゃない~♪」
「なに、所詮は夢ってやつ?本物と比べりゃ、ささやかなもんですよ。きっちり40人…いや、ボス除いたら39人ですけどね?そういう祭りだと思って付き合ってもらいましょうか、―――ねぇっ!」
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俺らは何とか39人を相手する
「はぁはぁ…。戦うのはいいが、数が多い!」
「やっぱし39人いたか…!」
「一人一人は大した強さはではなかった、普通に数が多すぎて面倒だったな…」
「斎藤ォッ!岩戸の様子はどうだ?」
「はいはい。えーと、どれどれ?」
斎藤さんは岩戸の様子を見る
「なんの騒ぎかと思えば39人の盗賊が次々とワンパンで惨殺されるバトル…。なんと恐ろしい。死んでしまいます。やはり、とてもここからは出られません…」
ボスことシェヘラザードは岩戸をそっ閉じする
「ちいっ、ダメか!」
「ま、そりゃそうだ。いや、誰も惨殺されてませんけど?とはいえ、どうしたもんですかね。盗賊団はやはりボスがあっての盗賊団。上に立つ奴がいないと、どうも締りが悪いんだよねぇ」
「困ってるのは~、ららら、こ・ち・ら・よ~♪でも、いいかしら?
「ダメ出し?」
「何か気付いたのか?」
「
「合言葉だな」
「え?40人の盗賊と言えば、の合言葉がある?」
「افتح يا سمسمって言うんだけど」
「え、何だって?」
ヴァーリが聞き返す
「イフタフ・ヤー・シムシム。日本語に訳すと『開けゴマ』だ」
「そんなの知らなかったけどつまりアレね。心に響く歌詞って事ね?いいわ、アンタがそう言うなら歌詞に採用しましょう!そしてもっと基本的な事を言えば、宴自体の楽しさがもうダメダメよ。もっと本格的に…唄わないと!ふふん。というわけで、アンタ達はラッキーね。ここに真のミュージカルアイドルがいるのだもの。
「うーん。ここでこの盗賊団を壊滅させても、根本的な解決にはならないようだしな…。ひとまずやりたいようにさせてみるか」
「いい判断よ。さあ、それでは協力できるメンバーは準備なさい!イカレた奴らを紹介する~♪メンバー紹介パートの~、始まりよ~♪」
「では伴奏とバックコーラスは彼と私が。ご心配なく、サポートメンバーである事は理解しています」
「いや、場違いじゃね?何で俺ここにいんの?」
「突如現れた謎の童話系アイドルと突発コラボ!?ハァハァ、期間限定ユニット、推せる!」
「うん、スルーしてくれ…」
ミスクレーン、何でいんだよ…
それと、
「それなら私はバックダンサーね。踊るのは得意よ。あ、でも目立ちすぎるのは良くないわね。控えめ控えめ…」
元祖イッセーホイホイのマタ・ハリさん、それでいいんです。
それとヴリトラはさっさと見せろって顔してるな。
まあ、そんなこんなでエリちゃんのショーが始まる
「行くわよ!ららら、勇気を~、出して~♪扉を、開いて~♪怖い事は何もないのよーう、そう、合言葉は~♪ひ・ら・け、ゴマ~♪あるいはオープン・セサミ~♪」
「ああ…特に不快という訳では、ないというか。寧ろ今の所は済んだ歌声、なのですが」
「もひとつトドメに♪افتح يا سمسم~♪」
ネイティブ!俺と同レベル!
「(ブルブル)何でしょう、この不安感は。いつ調子が崩れるのか分からなくて逆に怖い、と言いましょうか。そう、まるで…ずっとロシアンルーレットをやらされているような気分で。これがずっと続くと、ああ、ああ、ドキドキしすぎて死んでしまいそうです…!」
「…私が思うに、彼女には根性がある。そして心の底から歌が好きなのだろう。どうあれその岩戸が開かない限りは唄い続ける。これは女王的予言だ。間違いない」
「アイドル志望だもんね」
「そんな…」
「その死にそうな未来の不安感から逃れたいというのであれば、岩戸を開けて我らを先に進ませるしかないのでは?開けば歌声は止まるだろう。我らには行くべき場所がある故、ここで足を止めはしない」
「俺らが行った後は、好きに籠ればいいさ。司法取引って奴だ、パルミラの女王は約束を違えたりはしないぞ。インディアン嘘つかなーい」
「パルミラの女王…。…苛烈では、あるのでしょうが。恐ろしき王とは、少し、違うようですね。信じて…みましょうか…」
「ああ、信じてくれ。さっき、チラリと見えた印象で言えば、さてはお前もローマに屈辱を与えられた系女子。そんな服の露出度だった。その悔しさ、無念、怒り…私なら分かってやれる。私はお前の姿を嘲笑ったりしない。私達は、仲間だ!」
時代どころか、地域すら違うんですがそれは
「この衣装は、その、別にそういうわけではないのですが…!?ふう。やはり、悪い人では、なさそうですね…」
不夜キャスは岩戸を開ける
「開いたわ!?やっぱり~♪
「と、止まらない…!?騙されましたー!?」
不夜キャスは閉じようとする
「待て待て待て。あれはただの、戦車は急には止まれない、というやつだ」
「開いたからさっさと行くぞ!時間をロスした分取り戻せ!」
「ホントはまだ唄い足りないけど…まあいっか。ミュージカルって途中休憩を挟む気もするし。後半戦は帰りにね?」
「よし行こかー」
俺達は先へ進む
「どうあれ、ホントに天岩戸を開けるとはね。いや、大したもんだ。さて副長、これからどうしま―――」
「よしお前ら。俺達はボスあっての盗賊団だ。ボスこそが俺達の象徴で!豊満で!眼福だ!全力で付き従え、付き従えねえ奴は腹を切れ!行くぞォオオオオ!」
「副長ってこういうとこあるよね。ま、面白いからいけいけー」
「ひ、ひぇえええ…何故そんな勢いでこっちに!?死んでしまいます…!」
~ナレーションサイド~
「( ˘ω˘)スヤァ…」
「ふっふふー、ぐっすり眠ってるねー。…いやホントよく寝るなこの子!やっぱりシンデレラだけじゃなくて○○姫も混じってる?メルヘンを基礎とした特異点だから?なのかぁ?ま、まあ眠ってるに越した事は無いし、もうちょっと睡眠誘導の香を強めにしとこっか…」
エリちゃんは起きる
「ぴゃぁぁ、起きた!」
「…ここどこかしら…」
「え、えっと…。ふふふ…。ここはチェイテシンデレラ城。そして貴女は囚われのお姫様なの。マドモアゼル・サンドヨリン…。そう―――シンデレラ?」
「そうなの!?
逆マリオ?
「囚われ、って言ってるでしょー!?脱出はNGで!このお城から出なければ、それでいいですから!ちゃんと“王子様”も助けに来る予定ですから!」
「王子様が!?
「ええ、ええ。それではお眠り下さいな」
「そうするわ、おやすみー。ところでアンタ…一体誰…ふにゃ…」
エリちゃんは寝る
「夢を見て夢を想い夢を描く。軸であり芯である貴女は、そうであるが故に全てを振り回す。ああ―――鮮血の貴婦人、エリザベート・バートリー。貴女という
「ふぁうううああああううう…。うへへへへ…。満員御礼札止め…。ドームコンサート…ドタキャン…はしない…」
「…よだれ…垂れてる…」
افتح يا سمسم←これ、読める人いる?