私はマルタ
ただのマルタ
お姉さんのマルタ
弟妹達の事が大好きなマルタ
この日…
皆で、あの人をお出迎えしたの
お弟子さんと旅をしながら、
大切な事をしている、あの人
私の家にやってきた、特別なお客様
私はいつもお客様にそうするように、
お料理を拵えて…
それで…
同じ食卓に
つかせてもらったような気もするし、
近くに佇みながら、
そっとお話を聞いたような気もする。
それから…―――
~トーマサイド~
「出来たー!」
俺、ヴァーリ、オーフィスの3人で待ってると、チキンとターキーが焼き上がる
「完成!…って、ああっ、焼き上げちゃった!?」
「二度ある事はサンドマンなのだな!寄らば魔神柱の陰とも言う」
「パーティーの始まるタイミングにぴったり合わせて焼き上げなきゃなのに、またやっちゃったわ!あわわわわわ…。まだ食材はあるから、もう一回作る?でも作り上げちゃったこれは、ええと一番最初に3人に食べてほしいけど、パーティーの前にっていうのはウーン!」
「魔術で何とか出来るだろ」
「その通り。これまで通り、魔術で対応できる。焼き上がった状態で保存しておく。暇をしているキャスター達に維持を頼もう」
この時、一部のキャスターの鼻がむずったのを俺らは知らない
「シュトレン、特製サラダ、エッグベネディクト、ホワイトシチュー、七面鳥の丸焼き。ローストチキンも多数用意してある。これで一通りの料理が出来たわけだが…」
「さっきも言ったけど、クリスマスと言えばもう一つあるよね?特別なデザート!具体的に言うと―――はい、3人共。何だろうね?」
「k「クリスマスの締めにはケーキっしょ!」はぁ…」
答えようとしたらオーフィスが先に答えた
「そうだな」
「そうなのね、そうなのね。分かったわ。それじゃあ決まり、って事でいいかしら?」
全員賛同する
「最後に、クリスマスケーキを作ります。これが最後の食材探し。皆、力を貸して!」
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そしていつも通り地下食糧庫に行く
俺は火炎魔術でヴァーリとオーフィスを暖める
「あったけぇ…」
「むっふっふ♪シュトレンがあると言えばあるのだが、やはりケーキはどーんとでっかいのが欲しい!なので我ら厨房英霊組、最後の食材確保の旅なのであった」
「次はどんなエリアかしらね?屋内かな、屋外?」
「最初と同じエリア、というパターンも有り得るだろう」
「そっか、必要な食材は似てるものね」
「シュトレンを作る際の卵とミルクについては、厨房にあるものを使ったが…。それらについてもすでに、地下から確保した最良の食材がある」
「新規エリアではない可能性か…。その辺りは、女王に聞けば判明するかな」
「そうだな。…の前に、お決まりの氷結エネミーだ。蹴散らしていくぞ!」
「ヴァーリ!オーフィス!迎撃するぞ!」
「おう!」
「おけまる!」
「いっくわよ!お料理、開始!」
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オーフィスは八極拳で、ヴァーリはステゴロで、俺は火炎剣烈火で氷結エネミーを倒す
「はい突破!」
「心躍る寒々しさにも慣れた。我が肉球でかき氷にされたい獣はもういないか?」
「肉球、霜焼けしてない?大丈夫?」
マルタはキャットの様子を見るが、距離を取られる
「おっと気を付けるのだ!不用意に肉球に触れるイズデッドダイ!」
「!?」
「どうどう。まだ寒さでテンションが上がってない、キャット?」
そこにマシュからの通信が来る
『―――トーマさん!ヴァーリさん!オーフィスさん!状況解析、終了しました!大変長らくお待たせいたしました、皆さん。微弱なものですが…地下倉庫に、聖杯の反応が検知出来ました!』
「何!?」
「地下倉庫ってここだよね!?」
『はい、その通りです。詳細までは判明していませんが、恐らく、地下に格納した聖杯と…偶然、スカサハ=スカディさんのルーンで活性化した地下食料保管庫が結合状態にあるようです』
なるほどな…
「…理解はできる。納得もだ。氷結エネミーが発生した理由が、聖杯と言う事だな」
『その通りだ。…うっかりしていた。すまぬ』
「じゃあ、毎回飛んだ先の食材エリアのエネミーは何だ?」
『アレは私がルーンで自動設計したモノだ。スフィンクス以外はな。本来はエネミーではなく、自立稼働するので運搬が便利な存在の筈が…』
「なるほど。食材が歩いてくれるなら、それは便利だ」
『それがお前達に襲い掛かる羽目になった。よもや、聖杯の悪戯とは。私の不徳だ。すまぬ』
「カルデアじゃよくある事だ。気にするな」
「一度上げ出したらキリが無いしな」
「とりまスカスカ、気分アゲてこー!」
『…ん…』
「3人は優しいのね。それでこそだわ。お姉さんは鼻が高いです」
「あ、そうだ。ボスがナビの性質に似た傾向だったじゃない?そういうデザインになったのも、聖杯のせいじゃない?」
「だろうな。ファラオの冬の宮殿となった領域だけは、聖杯も手が出せなかったようだが…」
「聖杯―――カルデアの獲得してきた聖杯というのは、何というか、難儀なものが多いようですね。いやはや…。何とも…」
「ふむふむ。なぁーるほど」
マルタは少し考える
「お姉さん、大体分かったわ。聖杯っていうのは危ないモノなのね?スカサハ=スカディさんの好意を捻じ曲げて、襲い掛かってくるエネミーを作り上げちゃって…。そんなの放っておけないわ。お姉さん、ちょっと怒ってます」
「危険っちゃ危険だな」
「…聖杯、元のマルタ的にはどうなんだ?」
ヴァーリが気になった事を聞く
「確かに、妙な具合になっているな」
「へ?どゆこと?」
「元の霊基であれば、まずしない言い回しだ」
「そもそも聖杯自体の由来は諸説があり、アーサー王伝説などの聖杯伝説は、
「万能の…願望機?救世主?あ―――」
マルタは倒れる
「マルぴ!」
「「マルタ!」」
何とか立ち上がる
「だ、大丈夫、ちょっとふらついただけ。ホント大丈夫…。でも何だろう…。何だか、少しだけ、記憶が繋がった感じだわ。聖杯…聖杯…―――。
(聖杯。聖なる杯。それは…。尊い物、大切な物。その辺に放ったりしてはいけない特別な器。
どうしましょう、どうしましょう!」
マルタは慌てだす
「落ち着いて落ち着いて、はい、どうどう。記憶はぼんやりしたままだけど、聖杯が特別なモノだって事は思い出した感じ?」
「曲がりなりにも聖女マルタの影法師―――英霊だ。救世主に関わる器となれば慌てもするだろう」
「まずは聖杯を探し出す事が最優先だ。魔力リソースとしての聖杯はちょっとした事で暴走するケースが多い。このままだと事態が悪化する可能性がある!聖杯だと分かった以上、放っとけない」
「最後まで協力するぜ、トーマ」
「ウチも!」
「管制室。聖杯の位置は?」
『北東、50m先です!』
「行くぞ!」
「う、うん!」
俺達はその場所に行く
『聖杯の反応です!皆さんの前方すぐ、高魔力反応があります!』
俺らマスター組は微妙な顔で構える
「前方。アレか」
「アレ、の事…で、いいの…?」
肝心の聖杯はたくさんの目がある柱になってた。そう…
「「「魔神柱だコレ!」」」
キャット、ヴァーリ、オーフィスの言う通り、魔神柱の見た目になってたのだ。何でさ
「しかしこの質感、この甘ァ~い匂い!苺風味の生クリームに覆われたスポンジ体!つまり…ケーキだこれ!」
「何で魔神柱型のケーキなんだよ」
「すっごい魔力量。臨戦態勢、寄らば襲い掛かるって感じ」
「…これって。これって、ええっと
「マルタ!?」
「うんうん、分かるぞ。即ち!鴨が葱を背負って来たのだな!」
「食材というか、異形のケーキが動いてるけどな」
「あのね!お姉さん、分かっちゃったわ!
「―――面白い。何せ、ケーキで出来た魔神柱だ。食材エネミーと同質の存在に見えない事もない。スカサハ=スカディのルーンの効き具合次第ではあるが、これまでのエネミーと同じく、撃破すれば食材を落とす可能性は、頭ごなしに否定できない。むしろ私としても!撃破を勧めたい所では、ある!」
「エミヤンもノッてきたな!流石はサンタム!」
「おおっとノーコメント!」
「私は無論、聖女殿予感に従うとも。どうあれ聖杯で悪戯をするモノは放っておけない!」
「うし、撃破するぞ!」
「おけまる!」
どうやら満場一致のようだ。俺も撃破をするけど
「こっちはいつでも火炎魔術を撃てるぞ」
「食材確保と事態解決!いっぺんにやっちゃいましょう!この大きさ、この迫力…ええ、ええ!―――相手にとって不足なしってなものよね!」
「え、いつものマルタっぽくなってないか?」
「…じゃなくて、頑張りましょうね!」
「あはは、いよいよ根性見せて来たね!それでこそマルタ!」
「えーっと、えーっと。お料理全開でいくわね!タラスク!」
マルタに呼ばれたタラスクは駆けつける
(うおおーー!うおおおおー!)
「いっくわよー!」
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「■、
『臨界状態です!魔神柱型ケーキ、消失します…!』
フーガでトドメをさすと、魔神柱は消える
『聖杯及び原初のルーンの影響によって拡大s手板地下食料保管庫、通常に戻りました!それに伴い、皆さんの現在地も微妙に変化して…地下ではありますが、地下食料保管庫とは異なる場所に―――あっ、聖杯です!聖杯が出現します!』
聖杯が出現する
「聖杯…これが…?」
「大規模な魔力リソースとしての存在だ。少なくとも、救世主の血を受けたソレではないさ」
「そう―――なのね。でも、これ以上悪さする前に止められて良かったわ。お姉さん一安心!」
「そんな事より聖杯だ!そんな事より食材だ!聖杯&食材、いっぺんにダブルゲットなのだな!」
「ええ!ダブルゲットね!」
「これで全食材ゲットしたな」
「あ゛ぁ゛~、つ゛っ゛か゛れ゛た゛ぁ゛…」
飯食って風呂入って寝たい…
「お疲れ様!それに、皆ありがとう!3人もここまで力を貸してくれて、本当にありがとう。結構大変な道のりだったと思うし、皆が大変だったのも見て来たけれど。それでもね、こう思うの。―――楽しかったわ!心から!」
~食堂~
ヴァーリとオーフィスも他のサーヴァントと一緒にクリスマスパーティーで盛り上がる中、俺はコーヒー飲む。身に染みるなぁ…
「クリスマスケーキも完成っと!」
「無論、ここにあるだけではない―――厨房には無数のケーキがあるので、安心してもりもり食べるように。いいね?」
「おおおーめでたい、めでたいだワン!これにてクリスマス料理作戦一巻の終わりなのだな!」
「その通り。ここから先はクリスマスパーティーだ。いい具合に人も英霊も集まってきた頃合いだ。パーティー開催の宣言が必要だろう。今回の立役者はやはり―――」
「サンタマルタだな」
「そうですね!」
「はい、マイクでち。年に一度の晴れ舞台。気張るでちよ!」
「えっ、マイク?えっあっ(キーン)わっ。えーと、えーと…―――今年のサンタクロースをやっています、マルタです。スカサハ=スカディさんからは、サンタマルタと名付けていただきました。普段のサンタと多分違う感じだろうから、もし皆を驚かせちゃったら、ごめんなさい。今回のクリスマス、私は私に出来る事をやりました。それがこれです!とっておきの、クリスマスパーティー!心を込めて、厨房の皆と3人のマスターとで食材を集めて…全霊をかけてお料理したわ!皆、どうかたくさん食べて、たくさんたくさん楽しんで…普段の疲れを癒してね!メリー・クリスマス!」