夢を見た。
どこかの国で革命が起きている夢。
それがどこなのかわからない。どうしてこんな夢を見ているのかもわからない。
ただ、なんだか懐かしい感じがする。少しだけ。
たくさんの人が傷ついて、たくさんの人が死んでいって、悲しんで、喜んで。
いつの時代もこんな争いばかり。一体争いが何を生むっていうのさ。
(あっ)
1人、なんとなく知っている人を見た。
ロールキャベツさんだ。
どうしてあの人がここに……?ていうかこれ壁じゃなくない?もしかしてこれ鏡?
じゃあ、じゃあ、もしかしてロールキャベツさんは──
「僕……?」
朝だ。
窓からは陽の光がカーテンの隙間から零れるように射し込み、雀かなんかの声が聞こえる。
「あれ、なんの夢見てたんだっけ……」
すごく濃い夢を見たはずなのに内容が思い出せない。
けれど夢は覚えてることの方が珍しいみたいだし、特に深くは考えなかった。
グーと腹の虫が鳴ったので朝ごはんをさっさと食べようとキッチンへ向かった。
「あ、兄さん。おはようございます。」
「おはよう。癒空。」
キッチンには癒空が居た。
朝食を作っているようだ。
「もう少しでできるので、少し待っててくださいね。」
そう言ってせっせと朝食を作る。
「そういえば、癒空と僕って一体いつから一緒に居るんだろう……」
「へっ?!」
ふと口から出てきた思いもしない言葉。
自分でもかなり驚いた。
「や、やだな兄さん。生まれた時からに決まってるじゃないですか。」
そう言う癒空の顔は笑っていたが少し引きつっていた。
「だ、だよね!ごめん変な事言って!あ、そ、そうだ!ちょっと散歩に行ってくるね!散歩!」
「えっちょ、ご飯……」
そう言って慌てて外に出てきた。
どうせなので気持ちを落ち着かせるためにも少し散歩することにした。
しかし、どうしてあんな言葉が出てきたんだろう。
生まれた時から一緒なのは兄弟なんだし当たり前で、それにいつもくそも無いんだけどな。
「なにか、お悩みですか?お兄さん。」
後ろから声をかけられた。
振り返るとそこには長くて綺麗な黄色い髪にエメラルドグリーンの瞳を持つ少女が立っていた。
「なにかお悩みでしたら、お聞きしますよ。」
そう言って彼女は微笑んだ。
「はぁ?!そんなこと言ったんですか!?」
「は、はい……」
少女に話してみると心底びっくりしたのか大きな声でそう言われた。朝とはいえ公園には散歩していた人も居たので何事かと見られてしまった。
「うひゃ〜妹さんかっわいそ…しかも自分でも言った理由がわからないだなんて本当にどうしようもないですね……」
「おっしゃる通りです……」
ここから説教が始まった。どうして僕は初対面の女の子に説教されているのだろう。
「あ、そうだ。説教はここまでにしておいて、ひとつあなたに聞きたいことが。」
何かを思い出したのか、突然そう聞いてきた。
「な、何……?」
「あなた、夢を見ませんでしたか?」
夢?どうしていきなりそんな事を……
「見たけど……」
「!どんな!?どんな夢ですか!?」
「えっ?!い、いやあの、夢を見てたのはわかるけど内容までは覚えてないって言うか……」
「お、ぼえて……ない……?」
少女は一瞬困惑した顔を見せたあとに笑顔に戻してそうですか、と言った。
「覚えてないならそれでいいんです。どうか、そのまま思い出さないで。その方があなたにとっても、癒空にとっても……」
そう言って少女は去っていった。
でも僕、癒空の名前は出してないんだけどなんで知ってたんだろう……?
ふと公園の時計を見ると9時。すっかり話し込んでしまった。
家に帰ったら癒空に怒られそうだなあ……うう……
「た、ただい……」
「兄さん?!一体どこほっつき歩いてたんですか!!!」
「ひぇっ……ご、ごめん!」
「全く…朝ごはんはみんなで食べ切りました!兄さんの分なんかありませんから!!」
そう言ってプリンを押し付けてきた。
怒らせたのは僕なのになんでプリンなのか……
「今日の夕飯は兄さんに作ってもらいますから。いいですね!プリンは朝食替わりです!」
「え、あ、うん」
そう言って癒空は部屋へと行ってしまった。
……夕飯はロールキャベツにしようかな。コンソメもいいけど、デミグラスソースもいいよね…。あ、でもでも唐揚げも捨て難い…
癒空からもらったプリンを食べてそんな事をのんびり考えていた。
「あの2人には兄妹で居てもらわないと困ります。どうか、そのまま出てこないで頂戴。■■」
シリアスすぎておふざけ要素がなかったんじゃ〜〜〜〜