如何にして彼はバカの巣窟へ赴くことになったか   作:mkdn

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やあ (´・ω・`) ようこそ、バーボンハウスへ。
このテキーラはサービスだから、まず飲んで落ち着いて欲しい。 うん、「また」なんだ。済まない。
仏の顔もって言うしね、謝って許してもらおうとも思っていない。
でも、このSSのタイトルを見たとき、君は、きっと言葉では言い表せない 「ときめき」みたいなものを感じてくれたと思う。
殺伐とした世の中で、そういう気持ちを忘れないで欲しい そう思って、この駄文を書いたたんだ。
じゃあ、注文を聞こうか。


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(いよいよ春休みももうすぐ終わり……。再来週は振り分け試験かー……。面倒くさいなぁ……。)

 

そんなことを考えながら、「僕」こと「藤村 北兎」はすっかり春休みの間に習慣付いてしまった昼寝をしていた。

どうせ数年後社会人になったら朝から晩まで会社に居るはめになるんだろうし、学生の今ぐらいこうやって昼寝を堪能していてもバチは当たらないだろう。

僕の通う文月学園ではテストの点数によってクラスが決定される。それがさっき出てきた「振り分け試験」と言うやつだ。

優秀な順に「A」から「F」まで6クラスあり、各クラスによって教室の設備などが異なり、格差も付けられている。

例を挙げるならAクラスは冷暖房完備、一人一人にノートPCが支給される上、姿勢に配慮された勉強机と椅子、ドリンクバーや茶菓子まで完備。

逆にFクラスであれば冷暖房どころか隙間風が入ってくる窓に床はボロボロの畳、勉強机は年季の入ったちゃぶ台となっている。もちろんドリンクバーやお菓子なんぞあるはずもない。

なので普通の学生ならば少しでもいい点数を取って上のクラスに行くために勉強するべきなんだろうけど………生憎と一切気が乗らない。

 

(あー、ホンットに面倒くさい。もうFクラスでもいいかなー、振り分け。けどノートPCにお菓子食べ放題ジュース飲み放題の特典取りに行かないのもなぁ……。)

 

さらに言うなら一切勉強しなくても僕が通う「文月学園」のクラス分けの中で最高ランクのクラスであるAクラスに余裕で入れてしまう学力を持ってしまっているのも相まって、余計に勉強する気が起きないのだった。

そう、僕はありがたいことに無駄に頭が良かったのである。

いやぁ、こればっかりは親に感謝だね。

ありがとう、今は遠い空の下にいるお父さんお母さん。(海外へ長期出張中)

あなた達のおかげで僕はこの春休みをひたすらグータラ過ごせています。

ただ、時間つぶしの為に始めたゲームも春休みの間であらかたやりたい事が終わってしまったのでいまいち気分が乗らない。

 

「うーん……何しよっかなー………。」

 

なのでそのままベットでゴロゴロと寝ころんだままスマホをいじっていると―――

 

「…ん?これって……」

 

 

 

 

 

 

 

「ふっふっふ……。よしよし、このペースなら今日中にラスボスまで行けるんじゃないか…?!」

 

僕、吉井明久は波に乗っていた。

攻略サイトを見た限り、ここはかなりみんなが手古摺っているステージらしいけど、初見クリア出来そうだぞ…?!

 

「…えっ?!ちょっ、そこで第二形態は聞いてnあああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」

 

『GAME OVER』

 

「ふざけんなー!!!攻略サイトめ、ゲージ一本で終わるって書いてあったじゃないかぁ!!!」

 

くっそぉ……っ!所詮僕は、偽情報に踊らされる愉快な道化でしかなかったというのか……!

攻略サイトを編集した人物をひたすらに呪いつつ、今度はしっかりした情報を探そうとスマホに手を伸ばすと、新着のメッセージが入ってることに気付いた。

どうやら僕の友人である藤村北兎からのようだ。

なんの用だろう。特に今日は通信プレイする予定も遊びに行く予定も無かったはずだけど……。

メッセージアプリを立ち上げて内容を確認すると、そこにはこう書いてあった。

 

 

『明久、僕振り分け試験の日イベント行くから休むわ』

 

 

前々から思ってたんだけど北兎ってひょっとしたら僕よりバカなんじゃないかな?

 

 


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