対魔忍者と極道兵器   作:不屈闘志

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第五章 急襲!ブレインフレーヤー!
Weapon 15 異次元イカ野郎 未来編


「ハァッ! ハァッ! ハァッ!」

 

荒廃した地下鉄の線路を、まだ二十歳にもなっていない少女が小瓶を抱えて必死な顔で走っている。少女の名前は、サユリ。病気の仲間の為、薬が残っていると思われる封鎖区域に来た対魔忍である。

 

(後少しで出口なのに、まさか感染者の集団に出くわすなんて! あまりにも感染者に出会わないから油断した!)

 

サユリが走るスピードを落とさずにちらりと後ろに視線を向けると、彼女が数秒前に通過した線路の暗闇の中から何十人もの人間が現れた。

 

「「「「「あ~……」」」」」

 

ただの人間ではない。サユリを追いかけているにも関わらず焦点の合っていない目。怒っているわけでも喜んでいるわけでもない虚ろな表情。異常な点はそれだけではない。所々に出血している黒い肌、異常に朽ち果てている服。その姿はまるでホラー映画に出てくるゾンビそのものだった。

 

(あと少しでゆきかぜさんが待つ集合地点に着く! ゆきかぜさんなら、あいつらでも…ハッ?!)

 

「ギシャアッ!!!」

 

サユリの向かう逃走経路を塞ぐように、曲がり角からいきなり怪物が現れた。その怪物は人間よりも一回り大きく、目と皮膚が無い代わりに鋭い爪と牙を持っており、鼻らしき物をクンクンと動かすとサユリの方に近づいてくる。

 

「バ、バーバリアン…うぅ…」

 

サユリは、目の前のバーバリアンと呼ぶ怪物を見た途端、諦めたかのように歩みを止めた。

 

クンクン…クンッ!!

 

バーバリアンは、サユリを鋭い嗅覚で捉えたらしく、素早い動きで彼女に迫って来る。背後の感染者の集団も後五秒ほどでサユリに追いつくだろう。

 

(も、もう駄目だ…ゆきかぜさん…約束守れなくてすいません。けれど、この薬だけは絶対に守りきります!)

 

サユリは薬が入っている小瓶を素早く瓦礫の影に置くと覚悟を決めた顔になり、壁を背後にして忍者刀を構えた。

 

「来いっ!!!」

 

「「「「「うあ~~~~!!!!」」」」」

「ギシャァァァッッッッッ!!!!!!」」

 

先頭の感染者とバーバリアンが、涎を垂らしながらサユリに襲いかかる。

 

その時…

 

ダダダダダダダダダダダダ!!!!!!!!

 

ボロボロの天井の穴からサユリを守るようにマシンガンの弾が降り注いだ。弾は先頭の感染者とバーバリアンの頭部を打ち抜き即座に昏倒させる。

 

「だ、誰?!」

 

ガラガラ…ザッ!

 

サユリが上を向く前に、一人の男が細かい瓦礫と共に彼女の目の前に降り立った。

 

「ただの人間が何しとる…ここらはわしとあいつらで十年以上もシマを巡って争うとる戦場だぜ。」

 

「あ、貴方は?!」

 

右手にマシンガンを持った男は、見た目は三十代後半の年齢でボロボロのカンカン帽子を被り、黒いシャツに腹巻を巻いていた。しかし、少女が驚いたのはそこではない。男の左腕は肘先から無く、右足には手作りらしい粗末な義足をはめ、さらに右目には眼帯をした欠損だらけの体だった。

 

「見つけたぜ〜! わしじゃなく、こんなガキに入れ込むとは中々連れないのう。」

 

サユリの問いを無視した男は欠損だらけの体にも関わらず、恐れを微塵も感じない笑顔で、感染者の集団とバーバリアンに一歩近付いた。

 

(こ、この人は一体誰なの? いや、それよりもあんな欠損だらけの体じゃ殺されてしまう!)

 

そんな体では無理ですと少女が叫ぼうとした時、感染者とバーバリアンに異常が起こった。

 

「「「「「ウァァァァァァ????!!!」」」」

「ギシャャッッッ????!!!!」

 

飢えしか感情が無いはずの感染者とバーバリアンが、男が近付いた途端に倒れた体を起こし、一心不乱に逃亡したのだ。

 

「待たんかいっ! おどれらぁ!!」

 

男は、マシンガンを捨て片脚が義足とは思えない程跳躍する。そして、空中で背中からポン刀を取り出し、一瞬で逃げる感染者達の集団に追い付いた。

 

「「「うぁ……」」」

 

ズババ!!!

 

ボトボトボト…

 

地面に降り立つ前に三人の感染者の首を片手で刎ねる。

 

「ヒヒヒ……」

 

感染者の断末魔を間近に聞いた男は、本当に楽しいと言わんばかりに舌なめずりした。

 

そこからは一方的な殺戮であった。感染者は、逃げるのを止めて襲いかかる者とそのまま逃亡する者の二種類に別れた。しかし、襲いかかる者は男の刀さばきに倒れ、逃げる者は刀を口に加え、右手が自由になった男の腹巻から出したコルトパイソンに足首を撃ち抜かれ地面に倒れたところを次々とトドメを刺されていく。

 

「どりゃぁッ!!」

 

ズパァッ!!!

 

逃げる感染者の集団に追いついて数分後、男は足を銃撃され地面を這うことしかできない最後の感染者の上半身を縦に二つにした。

 

最後の感染者の動きが止まったことを確認した男は、辺りを見回す。

 

「ふんっ…デカブツは逃したか…」

 

どうやらバーバリアンは逃亡し、感染者は先程切った者で最後だったらしく、男はコルトパイソンを腹巻きにしまうと鼻を鳴らしながら刀を肩に置いた。

 

(あ…しまった…)

 

男の戦いを呆気に取られながら見ていたサユリは、我に返る。そして動く者が皆無であることを確信すると忍者刀を鞘に収めながら助けてくれた男に近付く。

 

「あ、あの…貴方は? 」

 

男は、初めてサユリの方を向いて口を開いた。

 

「俺は極道兵器だ…」

 

「極道兵器?! え、その人は確か十年も前に…『バリバリバリバリ……!!』キャ?!」

 

サユリが極道兵器という名を聞いて困惑した時、薄暗い地下道がけたたましい音とともに一瞬だけ、真昼のような明るさになる。その後、すぐに肉が焦げたような異臭が辺りを包んだ。

 

サユリと男が、轟音がした方向を向くとコツコツと暗闇に戻った出口側の地下道から、こちらに向かう足音が聞こえてくる。

 

男は、再度気を引き締めた顔になり、足音がする方向に刀を構えて向かおうとする。しかし、急いでサユリが男を止めた。

 

「待って下さい! あの電撃は…」

 

やがて、暗闇から一人の女性が現れる。年齢は二十代後半、ショートカットに褐色の肌、そして、赤と黒が混じった対魔スーツ。その女性は、二人を瞳に捉えるとゆっくりと口を開いた。

 

「危ないところだったわねサユリ。逃げたバーバリアンは、さっき殺したわ。それと…まだ生きてたのね。将造…」

 

「十年振りじゃのう。ゆきかぜ…」

 

岩鬼将造と水城ゆきかぜ、約十年ぶりの邂逅であった。

 

 

『大丈夫だよ、ゆきかぜ! 俺は絶対に君の元に戻る。だから安静にして傷を癒やしてくれ。将造さんに着いて行って、今まで負けたことがないのは知ってるだろ? 今回もきっと三太郎さんや拓三さんと大笑いして帰ってくるよ!』

 

『なんで達郎が感染者になって、あんただけが生きてるのよぉっ! 私はあんたらヤクザが何人死のうと達郎だけは生きていて欲しかったのに…そうよ、全部あんたが悪いんだ! あんたが達郎を殺したんだ! うわぁぁぁっっっ!!!!!!』

 

 

 

十分後、ゆきかぜとサユリは将造の隠れ家に居た。そこは廃ビルの一室で、部屋の中はそこかしこに武器が収納されてはいるが、その他は小綺麗に整理整頓されていた。

 

二人はソファーに座り、コーヒーでも入れると言って台所の部屋に行った将造を待っていた。

 

「…………」

 

「ゆきかぜさん、あの人って。」

 

将造に隠れ家に案内すると言われた二人だが、将造とゆきかぜはその道中、十年振りに再会した知り合いにも関わらず、ずっと会話を交わさなかった。

 

サユリは、将造が他の部屋に入ったのを確認するとついに痺れを切らして、ゆきかぜに質問したのだ。

 

「あいつの名は岩鬼将造。『あの日』以前はでかいヤクザ組織の組長をしていて、一時的に私達対魔忍と同盟を組んでいた。」

 

「じゃあ昔、ゆきかぜさんが言っていた…」

 

「そう、私の命の恩人であるとともに大切な人が死ぬ原因を作ったあの『極道兵器』よ。」

 

「……コーヒー出来たぜ。」

 

ビクッ!

 

サユリは、いきなり声をかけられ背筋を震わせる。

 

いつの間にかコーヒーを三つ、片手だけで器用に持った将造が、二人の後ろにいた。

 

「いいの? コーヒー何て貴重品でしょう?」

 

サユリに対して少しも動じていないゆきかぜが、コーヒーが入った湯呑をテーブルに置く将造に問う。

 

「わしは酒の方が好きなのを忘れたんか? こんなもんいくらでも備蓄しとるから、帰りに持ってけ。」

 

コーヒーを置き終わった将造は、二人の正面の一人用のソファーにドカリと座った。

 

「あ、頂きます。」

 

「………」

 

サユリは畏まりながら、ゆきかぜは無表情を崩さずに無言でコーヒーを啜る。二人のコーヒーを啜る音がその場を支配する。

 

ズズズズズズ……

 

そして、二人が湯呑みを口から話すタイミングで将造が先に口を開いた。

 

「で、ゆきかぜ。この封鎖された感染者だらけの区域で何かようか?」

 

「薬よ。私達の仲間が珍しい感染症にかかったから、ここの都市の病院に残ってるらしい薬を探しに来たのよ。でなかったら、こんな危険なところ好き好んで来ないわ。」

 

「ほうか…じゃったら、こんな所でコーヒー啜ってええんか?」

 

「気遣いは無用よ。少しくらいの時間はあるわ…今度はこっちから質問をさせて。あんた、この感染者だらけの場所で今までどうやって生きてたの? 生きていたら何で十年間も私達に連絡をくれなかったの?」

 

ズズズ…

 

今度は将造がコーヒーを啜った後で静かに喋りだした。

 

「懐かしいのう。最後にぬしと別れたのは、感染した極道連合を隔離するために、この地区を封鎖する作戦の時か。」

 

「「……」」

 

ゆきかぜは少し睨みながら、サユリは真剣な顔で将造の話を聞いている。

 

「あの時は命知らずが多くいた極道連合が、ブレインフレーヤーの馬鹿達が撃ち込んだBC兵器で、まさか丸々敵になるとは思わんかったわい。感染者になった連合のモンが外に散らばらんように、ぬしら対魔忍達が土遁でこの都市の地上や地下を封鎖する中、わしは首領たる務めで奴らを足止めするためにここに残ったんじゃったのぉ。」

 

遠い目をした将造が、味方が丸々敵になったと言った辺りでゆきかぜの顔が僅かに歪む。

 

「そこまでは覚えているわ。私が知りたいのはその先よ。」

 

「簡単じゃ…わしは十年間、ただ普通に奴らを介錯していただけよ。」

 

将造は嘘偽りない真剣な顔でゆきかぜに告げた。

 

その言葉を聞いたサユリは信じられない顔になる。

 

「本当に…目も腕も足も片方しかなくて忍術も魔術も使えない一般人が、十年以上たった一人でこの封鎖区域で感染者達を狩っていたんですか? ましてや感染者に噛まれたり引っ掻かれでもしたら一発でお終いなんですよ! 信じられない!」

 

「ああ、確かに何度かやられたぜ。」

 

将造はシャツをずらすと、首元や胸にもう治癒している歯型や引っかき傷をサユリに見せた。

 

「?!」

 

傷痕を見たサユリは、さらに驚愕した顔になり、ゆきかぜの方を向いた。

 

「無駄よ、サユリ。一番最初にBC兵器を撃たれた時も将造だけが、何故か発症しなかった。その時に色々調べてワクチンを作ろうとしたけど、対魔忍や米連、ノマドでさえも何故発症しないのかはついに解明出来なかったのよ。なんかあいつは、理解を超えた者に取り憑かれているって桐生先生は苦し紛れに言ってたわね。」

 

「じゃから、十年前に唯一感染しないわしが感染者達との戦いで殿を任されて、今も戦い続けているというわけじゃ。例え、義体が動かなくなってもあいつらに負ける極道兵器じゃないぜ。それにBC兵器は食料には感染しないけぇ、この都市の残った保存食だけでもう五十年は優に生きられる。連絡しなかったのは、まだすべての組員を介錯しとらんからじゃ。」

 

ゆきかぜは、将造の言葉を聞くと数秒間目を閉じて『あの日』を含めた過去のことを思い出す。海座の騒動のすぐ後に突如、ブレインフレーヤーという異次元の住人達が、この世界に侵攻して来たこと。彼らの力は凄まじく、遂に対魔忍、ノマド、米連関係なく異なる種族が一丸となった大規模な反抗作戦が行われたが、多大な犠牲を出して敗れたこと。将造率いる極道連合が敗走する軍団の殿を務めて予想以上に粘ったために、業を煮やしたブレインフレーヤーにBC兵器を打ち込まれたこと。その時に達郎を含めた連合の者達が、肉を貪る感染者に成り果て、傷だらけの将造一人だけが帰還したこと。半死半生の将造に達郎が感染者になり介錯したことを告げられ、半狂乱でなじったこと。魔界医達がワクチン製造の為、噛まれても感染しない将造を調べたが、何も解らず皆が落胆したこと。最後に実力ある極道連合の感染者の封じ込め作戦で、怪我を押して参加した将造を怨みの目で見送ったこと。

 

ゆきかぜは、記憶の旅を終えゆっくりと目を開ける。そして、何を思ったのか、急に湯呑み大きく傾けてコーヒーをゴクゴクと勢いよく飲み始めた。

 

「?」

 

その様子を不思議そうに眺めるサユリを無視して、数秒でコーヒーを飲み終えたゆきかぜは、湯呑みを机に割れる程強く置き、将造に宣言した。

 

「ぷはっ! 将造、私達と一緒に来て! あの極道兵器がまさか生きていて、さらに私達に合流すればきっとレジスタンスの士気も上がるし、それが周りに広まれば、未だあんたの信仰者が多いレイダーの奴らもこっちの味方になるかも知れないわ!」

 

レイダーとは食糧難になって我慢出来ずに人肉に手を付け、同族を襲うようになった者共である。

 

だが、十年前なら絶対に断らないであろうゆきかぜの誘いの言葉に、将造は首を横に振った。

 

「ゆきかぜ、それは出来ん…」

 

「なんでよ?! 十年間もたった一人で連合の感染者を介錯していたら、もう十分に務めを果たしたことになるわ! もしかして私のせいなの? 解ったわ。達郎が死んだ時、殺したい程怨んだけど、最近やっと心の整理が付いたの。土下座しろって言うなら今すぐにでも…」

 

「そうじゃねぇ!!」

 

将造は、地面に手を付こうとするゆきかぜを止めるように大声を出した。

 

サユリだけがその声に再度ビクリと背中を震わす。

 

「…付いて来い。」

 

将造はソファーからゆっくりと立ち、二人に背を向けてどこかに歩いていく。

 

ゆきかぜとサユリは、少しだけ顔を見合わせると何も言わずに将造に付いていく。

 

将造は、ソファーから数m程離れた扉に着くとその扉をゆっくりと開いた。ゆきかぜとサユリはすぐに部屋を覗き込むが、部屋には窓が無く暗闇に覆われていた。しかし、将造には配置が分かっているらしく、暗闇の部屋の中をどこにもぶつからず進んで行き、腹巻からライターを取り出して、中央にある蝋燭に火を付ける。

 

その瞬間、二人の目に部屋の全貌が写った。

 

炎の灯りに照らされた部屋には、タンスや椅子はなく、あるのはいくつか物が乗っている大きい机だけだった。

 

サユリは、不思議そうに机に乗っている物を見るだけであったが、ゆきかぜはそれを見ると目を見開いた。

 

「将造…これってまさか?」

 

「懐かしいじゃろう?」

 

机に置かれていたのは、割れた丸いサングラス、迷彩柄のシャツの切れ端、針の折れた注射器などサユリに取ってはよく分からない物であったが、将造とゆきかぜにとっては思い出深い品々だった。

 

「最初はわしもここの封鎖が完了すれば、義手や義足が動くうちに出ていくつもりじゃった。しかし、都市を脱出する時に偶然感染者になった三太郎を見つけてのう。これは極道連合を率いた者の責任で、達郎の時と同じく介錯したのが始まりじゃ。」

 

再び遠い目をした将造が、机の上にあった丸いサングラスを指でイジる。

 

「わしがこの都市を出て行こうとする度に、引き留めるように連合の顔馴染みに会いよる。拓三、てっちゃん、左素利妖吉、阿傍、三船阿修羅、特に三ヶ月前に戦った北斗の源ニには手を焼いたワイ。」

 

次々と介錯した連合の者の名前を挙げる度にその者達の遺品を懐かしそうに触る将造だったが、その手を急に止めた。

 

「じゃが、なよ子だけはいくら探しても見つからねぇ。それに感染者を介錯して、七、八年経つとあっちもわしには絶対に勝てないと理解したのか、生前に強かった者を除いて、逃げるようになって探しにくくなりよった。しかしのぉ…」

 

将造は、二人に向き直る。

 

「わしはなよ子だけは、何年かかってもこの手で介錯したい。それまではこの都市を出ねぇ。これはわし自身の務めじゃ…」

 

十年前の将造には有り得ないほどの真剣な言葉に、ゆきかぜは何も言えなかった。

 

(なんで、十年前は気づかなかったんだろう? 将造もあの時に私と同じく大切な人を失っていたのに…)

「………わかった。それが理由ならもう私は何も言わない。」

 

「いいんですか…ゆきかぜさん?」

 

サユリは、困った顔でゆきかぜに問う。

 

「別にいいわ。岩鬼将造が生きているという情報だけで十分価値がある。特に細胞具の叔父貴さんは、死ぬ程喜ぶだろうし。」

 

ゆきかぜは、少しだけ寂しそうな笑顔を浮かべた。

 

 

一時間後、ゆきかぜとサユリは将造の部屋の前で別れの言葉を交わしていた。

 

「ありがとうございます! 将造さん! こんなにお土産を頂いて、きっとアジトの仲間たちも喜びます!」

 

サユリは、布製の袋一杯に入ったフルーツ缶とコーヒーの瓶を両手に掛けながら、満面の笑みで将造にお礼を言う。

 

「別にええ…それよりも教えた安全なルートを間違えずに帰れよ。」

 

対象的に将造は、ぶっきらぼうに答える。

 

「じゃあね、将造。会えて良かったわ。」

 

ゆきかぜも薬を大事に持ちながら、わずかに笑みを浮かべて将造にお礼を言う。サユリの目には、心なしかこの部屋に入った時に見えた暗い表情の影が薄れたようだった。

 

「食料品やら何やらが足りなくなったら、いつでも来いや。」

 

別れの挨拶を終えた二人は、そのまま振り向こうとした時、ゆきかぜだけが何かを思い出したような表情で将造に問う。

 

「そう言えば将造、今更だけど十年振りなのによく私がゆきかぜだって解ったわね? 結構髪型とか背丈とか変わってたのに?」

 

ゆきかぜの問いに対して、将造は昔のようにニタリと笑い返す。

 

「何を言うとる。わしは一瞬でぬしと解ったぜ。あの電撃、勝ち気な表情、そして特に十年経ったのに全く成長してない可哀想な程控えめなその厶…『バリバリ…』ぎゃん!」

 

将造は、一瞬で憤怒の顔になったゆきかぜの電撃を食らって昏倒した。

 

「将造さん?!」

 

「その下品な言動は変わって欲しかったわ。行きましょ、サユリ。」

 

「あ、はい…失礼します。」

 

ゆきかぜとサユリは、今度こそ帰り道を歩き出した。その後ろ姿に向かって体は寝転がったままだが、喋れるほどに回復した将造が声をかける。

 

「ゆきかぜっ! なよ子を見つけたら必ず連絡するけぇのぉ! 合流したら今度こそ異次元イカ野郎を昔みたいに一緒に皆殺しにしようぜ!!」

 

「!!……早く来なさいよ…でなかったら私達だけで全滅させちゃうんだから…」

 

ゆきかぜは、表情を見られたくないかのように正面を向いたまま将造に答えた。

 

「ぐわはははははは……!!!!!」

 

廃ビルに将造の大きな笑い声が鳴り響き、それを聞いた感染者が急いで遠ざかるなか、ゆきかぜとサユリはアジトへと歩いて行く。

 

(将造…十年間も怨んでごめんなさい。けど、安心して。私達の反撃はここからなのよ。タルコフスキー博士、海座、細胞具の叔父貴さんが協力して改造した異次元移動装置で過去に戻って、絶対にテセラックを破壊してみせる。そうしたら、もしかして将造の願いも叶うかも知れないわ。)

 

ゆきかぜは悲しい顔を止め、力強く足を踏み出した。

 

 

核ミサイルの事件から二週間後の東京キングダム、賑やかさを取り戻したこの街のとあるカジノで始まった大捕物が、今まさに終盤を迎えていた。

 

「ようやく、追い詰めたぜ〜! ピエロ野郎! よくもわしのカジノを荒らしてくれたのぉ!」

 

岩鬼組の将造、三太郎、拓三と対魔忍のゆきかぜ、凛子、達郎は、一人の太った白塗りのピエロを取り囲んでいた。ピエロの名は『ミスター・フール』。フールは、かつてヨミハラでカジノのオーナーを隠れ蓑にして悪事を働いていた。しかし、ノマドの支配が弱まった故にヨミハラに侵入した対魔忍に破れ、現在は逃亡しながらも各地で窃盗や障害を繰り返す愉快犯である。

 

(クソ! ここは雑魚の神魔組が経営するカジノじゃ無かったのか? まさか、今話題の極道兵器のカジノで騒ぎを起こしてしまうとは…)

 

金が足りなくなったフールは、比較的小さい組織である神魔組のカジノで騒ぎを起こし、それに乗じて売り上げ金を盗もうと考えていた。しかし、各地で騒ぎを起こしていたフールにさすがに裏の住人達も我慢の限界に来ており、岩鬼組に情報提供があったのだ。

 

「もう! アサギ先生の命令とはいえ、何であんなピエロ一匹に私達が出張らなきゃいけないのよ!」

 

ゆきかぜは、プリプリと怒りながら達郎に愚痴を溢す。

 

「まぁまぁ、あいつの能力は遊撃隊が取り逃がす程厄介なんだ。まだ大事になってない今のうちに捕まえてしまえってことなんだよ。」

 

対象的に達郎は、また将造と戦えるのが嬉しいようで、笑顔でゆきかぜを宥める。

 

「達郎の言う通りだぞ、ゆきかぜ。それに先程まで、達郎と一緒にカジノを楽しんでいたではないか?」

 

凛子は、笑顔で怒っているゆきかぜを茶化す。

 

「そ、それは…」

 

三人は和やかに会話しているが、標的であるフールからは視線を少しも外しておらず、全く逃がす気はないのがフールにも解っていた。

 

「若、こいつどうしやしょうか?」

 

拓三が相変わらずの笑顔で将造に問う。

 

「俺は二度と悪さ出来んよう指詰めがいいと思いま〜す。」

 

次に三太郎がにこやかに手を上げて意見する。

 

「そうじゃのう…」

 

(今だ!)

 

ボムッ!

 

将造が少しだけ考える素振りを見せた途端、フールは隠してあったジャグリングボールを炸裂させた。

 

「ビバ! カジノラビリーーーーンス!」

 

ボールから出た七色の煙が辺りを包みこんだ。

 

「ゲホゲホッ! 達郎っ!」

 

「はいっ! 風遁の術っ!」

 

ビュゥッ……!!!

 

達郎は将造の指示で風遁で突風を起こし、煙を素早く散らした。

 

「大丈夫ですか? え? 若?!」

 

三太郎がいち早く将造に近寄ろうとするが、驚きの顔で歩みを止めた。

 

他の四人も、煙が晴れると三太郎と同じく驚きの顔で将造を見た。

 

「このピエロ野郎! よくもわしに化けおったのう!」

「…………」

 

将造は、二人になっていた。

 

ミスターフールは、高い変身能力と演技力を持っており、この能力故に対魔忍や裏の住人達から、何度も逃亡出来たのだ。

 

右の将造は、怒り顔で左の将造に怒鳴っており、左の将造は無表情で右の将造を見ている。

 

(外に逃げるつもりだったのにまさか風遁使いがいるとは…しかし、どうだ! 私の演技と変身能力は! 見たところお前がここのリーダーだろう! 今までもリーダーに変身すれば、部下は傷付けるのを恐れて何も手が出せなかった! 後は隙を見つけて外に逃げて通行人に…え?)

 

将造に化けたフールは、他の五人の顔を見た途端、表情には出さないが胸中で驚く。

 

最初こそ驚きの顔だった将造以外の五人の表情が、余裕の表情に変わっていたからだ。

 

「あ~あ…まさか将造に化けるなんて運の無いやつね。」

「いや、これは自業自得だよ。」

「哀れだな。」

「クククク…」

「ヒヒヒヒ…」

 

「……ぬしらは手を出すなよ! ここはわしが『ボグシャアッ!!!』ホゲぇッ!!」

 

怒り顔の将造が、無表情の将造にいきなり殴られて鼻血を噴出しながら吹き飛んだ。そして、間髪入れず殴った将造は、馬乗りになり、次々ともう一人の将造の顔面に拳を浴びせ始めた。

 

ボゴッ!ボゴッ!ボゴッ!

 

「ぐぁっ! このピエロ野郎! 中々やりおる!! ぬしらも笑ってないでこいつの頭、撃ち抜かんかい!」

 

殴られている将造は、笑顔で眺める五人に対して怒鳴るが、五人は一向に加勢する気がない。

 

「運が無いのぉ、ピエロ野郎…わしらは、ぬしに化けられた時の為に合図を決めとったんじゃ。他の奴は合言葉だが、わしに化けられた時は、お互いに殴り合って本物を決めるんじゃっ!」

 

「グェ?! クソ…ならば!」

 

ぼん☆

 

「何!?」

 

いきなり、殴られている将造がゆきかぜに変わり、逆に達郎の隣にいるゆきかぜがフールに変わった。

 

「いやっ止めて! 将造!」

 

将造に馬乗りにされているゆきかぜは、訴えかけるように涙ぐむ。

 

「ちょっと! よりにもよってなんで私を狙うのよ!」

 

達郎の隣に立つフールが、野太い声で将造の下のゆきかぜに非難の声をあげる。

 

「おのれ! 自分とゆきかぜの姿を入れ替えるとは卑怯な!………隣にいるのはゆきかぜ…であってるよな? 達郎?」

 

「え、えと? 多分、ゆきかぜだよね?」

 

凛子と達郎は、隣にいるフールを自信なさげに見る。

 

一方、困惑する凛子と達郎とは対象的に、拓三と三太郎はフールを指差して大笑いをしていた。

 

「わはははは!!! ゆきかぜがデブいピエロになった!!」

 

「胸のサイズが増えて良かったな、ゆきかぜ!!」

 

「ムキッー! あんた達、ピエロより先に死にたいらしいわね!」

 

青筋を立てたフールが、バチバチと電撃を放ち始める。

 

「私の真似して気持ち悪い声を上げないで! 将造! 私を解放して! すぐにあいつを始末して…『ボゴォッ!』ホゲぇ!」

 

「気持ち悪いのはぬしのほうじゃ…」

 

将造は、容赦なくゆきかぜの顔面に拳を叩き込む。

 

「しょ、将造! 私が本物のゆき…『ボゴォッ』グェッ!」

 

「ぬしが本物のゆきかぜなら、殴られる前に容赦なく電撃を放つはずじゃ! それに情報に寄ればぬしは以前そうやって姿を変えて逃げったって聞いてるぜ! しかし、偽物でも女子供を殴れんわしの性格を利用するとは見下げ果てた奴じゃ! ぬしを利用する案はもう辞めじゃ! 命までは取らんが、このまま悪事を働けんようPTSDを発症するまでゆきかぜの顔じゃろうが殴り続けたるわい!」

 

女子供は殴れないと言った将造は、その言動に反してゆきかぜの姿をしたフールを容赦なく殴り続ける。

 

それを複雑そうに眺める凛子、達郎、そして今だフールの姿をしているゆきかぜ。

 

「なんか、合言葉なしですぐに見破ってくれて嬉しいけど、即決し過ぎて逆に複雑だわ。それに化けていても女子供を傷付けるのは許せんとか言ってる割に、女である私の顔を容赦なく殴ってるし…そう言えば、あいつを利用する案って結局何だったの?」

 

ゆきかぜが何気なく拓三に問う。

 

「ああ、お前らのエロい姿を配信しようとした仕返しに、奴をブラックに変身させてAVビデオを作る予定だった。SM、ス○カ○、獣○何でもありのどぎついゲイ向けシリーズを。もちろんブラックに化けたあいつが掘られたり、しばかれる役だぜ。」

 

ブラックは、公に明かしている企業であるノマドのトップ故に全身が載っているネットの画像がいくつもあり、フールが変身するなら容易だっただろう。

 

それを聞いたゆきかぜと凛子は、呆れたような顔になる。

 

「あんた達…そんなの作って配信したら、イングリッドが光の速さでやってきて、ダークフレイムで皆殺しにされるわよ?」

 

「私達のことを考えてくれたのは有り難いが、悪党とはいえ何にも関係ないあのピエロを変身させて、そんなものを作ると聞かされれば、ああやって殴られ続けられる方がマシに思えるな。」

 

だが、ゆきかぜと凛子が話している中、達郎だけが見るに絶えず目を反らした。

 

「けれど、俺にはやっぱりゆきかぜが殴られている風にしか見えない。これ以上見続けることは辛くてできないよ。」

 

「達郎♡…」

 

達郎の言葉で、ゆきかぜは愛しそうに達郎の腕に組む。

 

「ははは…」

 

しかし、将造以外の三人は、仲睦まじい二人を複雑そうに見ている。

 

「…………なぁ三太郎…あれはちょっとなぁ…」

 

「ああ…拓三、あれじゃまるで達郎がゆきかぜを捨てて、でぶピエロを恋人にしたみたいに見えるな…なぁ凛子ちゃん?」

 

「言うな……」

 

その後、すぐにフールとゆきかぜの姿は元に戻ったが、フールはそのまま殴られ続けた。そして、ようやく将造の鬱憤が晴れた時には、フールの丸かった顔面はデコボコに変形しており、急いで仲間の対魔忍の手で病院に運ばれた。

 

「じゃあね、将造。もう変なことで呼ばないでよね!」

「全く活躍出来なかったが、良い骨休みになった。今度は手応えあることで呼んでくれ。」

「将造さん、また何かあったらいつでも呼んで下さい!」

 

ゆきかぜ、凛子、達郎は、アサギヘ任務成功の報告のために五車町に帰って行った。

 

一方、カジノの一件が片付いた将造、三太郎、拓三は五車町には戻らずに東京キングダムの岩鬼組のアジトとして使っている、元々はマッスルジョーが所有していたビルに向かって歩いていた。

 

「将造さん、チィッ〜ス!」

「ショーちゃん、今日は遊んで行かないのぉ?」

「将造さん、良い酒仕入れましたよ! また店に来て下さい!」

 

将造が東京キングダムの大通りを通ると、核ミサイルからこの街を救った将造を知っている者達から引き止められ、引っ切り無しに挨拶される。

 

「すまんのう! 一仕事終わってこれから帰るとこなんじゃ!」

 

元々将造に取っては、普通の町より東京キングダムの方が性に合っており、すぐに町の者と打ち解けることができた。 

 

「最初に来たときは、ゴチャゴチャした島だと思いましたけど、慣れればいいとこですね!」

 

「魔界の奴らも、話せば意外と気の良い奴らが多いですしね!」

 

「それに日本政府の手が及ばんから、堂々とカジノで儲けることができるしのぉ!」

 

そのままガヤガヤと騒ぎながら三人は、大通りを離れてアジトへの近道である人気のない狭い路地裏に入る。

 

その時だった。

 

ピクッ…

 

「「「……?」」」

 

いきなり尋常ではない殺気を感じ、三人は立ち止まって警戒しながら辺りを伺う。しかし、喧騒から離れた裏路地には、ネズミ一匹確認できない。ただの人間の殺気なら、一瞬で敵を特定できる三人だが、明らかに人間とは違う種類の殺気故に見つけることができない。

 

「何処だ? 何処に…ん?」

 

ポタッポタッ…

 

辺りを警戒する将造の頬に液体がかかる。雨と感じた将造は、無意識に頬を拭うがその液体は、水滴とは違う粘性と生臭い臭いを放っていた。その異常を感じた瞬間、将造は叫ぶ。

 

「……上じゃっ!!!!!!」

 

GYAAAAAAA!!!!!!!!

 

夜空からいきなり、三m程の鋭い牙を持つ魚が空中を泳ぎながら、将造に襲いかかってきた。

 

ダダダダダダダダダ!!!!!!

 

将造は、素早く左手を抜きマシンガンを怪魚に浴びせる。  

 

GYAAAAAAA……

 

ボタ…ボタ…ボタ…

 

怪魚達は、その牙を突き立てる前に内蔵をぶち撒けながら、次々と地面に落とされる。

 

拓三と三太郎も銃を取り出して、将造に加勢しようとするが…

 

「「?!」」

 

GYAAAAAAA!!!!

 

今度は路地裏の前と後ろを塞ぐように人間大のイカの化け物が現れた。

 

ズドン! ズドン!

 

拓三と三太郎は、目標を空中の怪魚から前と後ろのイカ達に銃撃するが、倒されても死体を踏みつけて次々と迫るイカに徐々に距離を詰められる。

 

空中と地面一杯に迫る怪生物達に、将造達は追い詰められてゆく。

 

「囲まれちまいましたよ! 若!」

「逃げ道がねえ! 畜生!」

「ガタガタ抜かすな! 撃ち続けろ!」

 

将造は、路地があまりにも狭すぎて、右足のロケット弾を発射出来ないことに苛つくが、このままでは押し切らるのは時間の問題だろう。

 

「仕方ねぇ! ちぃと危険じゃが右足を使って一気に突破するぜ!」

 

ガチャッ!

 

危険を覚悟した将造の膝が上下に割れたその時…

 

バリバリバリバリバリバリ!!!!!!!!!!

 

空中で襲いかかる無数の怪魚達に轟音とともに電撃が走った。

 

「「「?!」」」

 

将造達が銃撃を止め呆気に取られる中、雷のような電撃で焼き魚に成り果てた無数の怪魚が頭上に落ちて来る。

 

ボタ!ボタ!ボタ!ボタ!……

 

「イタッ!…イタッ!…」

 

「イテテテテ!!!」

 

「なんじゃ?! さっきの一撃はゆきかぜか?! まさか戻って…?!」

 

バリバリバリバリバリバリ!!!!!!!!

 

将造が疑問を投げかけた途端、今度は、出口から殺到していたイカ達が輝いて一瞬でイカ焼きになる。

 

そして、一つの影が黒焦げで倒れるイカ達と驚く将造を飛び越え、空中で後ろのイカ達に向けて電撃を放った。

 

バリバリバリバリバリバリ!!!!!!!!

 

後ろのイカ達は、影が地面に降り立つ前に黒焦げになり二度と動かなかった。

 

スタッ!

 

香ばしい匂いが漂うなか、将造達は自分達が苦戦していた怪生物達を一瞬で倒した者に注目する。

 

その者は、ショートカット、日焼けした肌、スラリとしたシャープな体、そして、目を見張る点は対魔スーツを着ていること…ではない。真に注目すべき点はその顔だった。

 

「え?! ぬしはゆきかぜか?!」

 

突如降り立った雷遁を操る対魔忍の顔は、いつもの子供っぽささが消えたクールな雰囲気を漂わせていたが、少し前に達郎と共に将造達と別れたゆきかぜとそっくりであった。

 

ゆきかぜに似た女性は、将造達を見ると嬉しさと寂しさが混じった表情で微笑んだ。

 

「久し振り…いえ、また会ったわね将造…」




将造が十年も一人で戦い続ければ、流石にゲッターの隼人みたいに少しは落ち着くんじゃないかと思います。

後、賛否両論ある対魔忍RPGの未来編ですが、私は死ぬ程好きです。あの無常感や荒廃した感じ、特に○ー○○が仲間が死んだことを朧気に理解しながらも、仲間を探して何年もオボ猫と彷徨っているのがすごく良いです。

最後に最近気付いたんですが、ユキカゼに出てくるゾクトはオークではなく、イングリッドと同じ魔族でした。オークに見えるのは、ただ太っていただけでした。気付いていながらも、指摘せず本作を読んでくれた方は、どうもありがとうございます。
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