転生特典が動体視力?これ、無理ぞ   作:マスターBT

85 / 86
サブタイ詐欺な気がするけど、許して。


カルデア探検

「筋力B+++、耐久A、敏捷B、魔力E-、幸運E、宝具EX……君、本当に戦闘の逸話がない神直日神の擬似サーヴァントなのかい?」

 

「あの神様は俺に力を与えるだけ与えて、スヤスヤしてるから多分そのステータスはサーヴァントになったからって理由で底上げされた俺自身のステータスだと思う」

 

「……本当に現代を生きた人間?」

 

「そうですよ?逃げ腰ドクター?」

 

 カルデアにて再召喚された俺は、ロマニ・アーキマンとあのレオナルド・ダ・ヴィンチに軽く質問をされていた。人理修復という前代未聞のミッション、その先駆けになる戦力で呼ばれたのが神の名前を名乗る擬似サーヴァントって事で色々と心配なのだろう。オルガマリーちゃんは、完全に俺を信用してるからこの場に入る資格与えられなかったよ……絶対、拗ねてるけど良いんだろうか。

 

「うぐ……そういう態度なのは認めるけどもう少し言葉を選んで欲しいなぁ」

 

「そう言われてもな。アンタを見た時から、思った事を口に出しただけだし」

 

 俺の言葉に更に凹むロマニ。まぁ、なんなとなくってだけだから安心してくれよ。言峰の奴みたいに引くほど破綻してる気配は感じてないから。

 

「会話が成立するのも不思議だね。まぁ、君の狂化はDランクだから短い会話なら不思議なことではないが……しかし、この保有スキルの脳筋振りはケルト神話とかの方が似合うんじゃない?」

 

 端末を叩きながらダ・ヴィンチが見せてくる俺の保有スキル。狂化D、鋼鉄の決意A、神性C+、不撓不屈EX、無窮の武練B……あの時盗んだランスロットの技能、生涯をかけてここまで伸ばしたんだな俺。っとここまでは至って普通だ。これと言っておかしなところはない。

 

「しかし、この二つ。黒き聖杯の祝福EXと千里眼(動)Aは明らかに異質だね。何か思い至る事は?」

 

 心当たりしかない。前者は間違いなく、生前身に宿し何度も苦痛を与えてきたモノであり、最も俺が頼りにした存在だ。そして、後者はこれが無ければ子供の頃に死んでいたと思うズバ抜けた動体視力の事だろう。

 

「……そうだな。此処とは違う世界線だが、生前俺は聖杯戦争に関わりを持っていた。そこで、汚染された聖杯、人を呪う為だけに存在する様な泥に触れて何故か生き延びた。それがスキルになったのが黒き聖杯の祝福で、千里眼は遠くを見るのも、ましてや過去や未来も見る事は出来ない。代わりに、ほぼゼロ距離から放たれる音速の攻撃であろうと見切る目、それがスキルになってるんだろうな」

 

 精神的な呪いに対して優れた耐性を得る代わりに幸運が著しく下がる祝福と、動体視力のみを強化する千里眼の亜種スキル。どう考えても生前の俺である。もう少し何かなかったのか神直日神よ。そんな事を考えていると、目の前にいるロマニとダ・ヴィンチの呆れた視線が刺さる。

 

「え、なに?」

 

「現代の人間ってなんなんだろうって思っただけだよ」

 

 酷いなぁ。まぁ、元々規格外だらけだからこの説明で納得した二人は俺を解放してくれた。しかし、人理修復か……世界は此処カルデアを残し全てが焼かれて人類が存在していたという形跡は何も残ってないという。つまりだ、カルデアがいや最後のマスターである藤丸立香に人類全ての命が託されている。魔術師でもなければ、士郎の様に正義の味方を目指してる訳でもないただの女の子に。

 

「……世界の命運はただの1人に託されたか……はぁ、気に入らない展開だな」

 

 自らその在り方を選んだと言うのなら、何も文句はない。士郎がそして何より俺がそうだったのだから。だが、彼女の場合はそれしか選択肢がなく巻き込まれ、逃げる事も出来なくなった先に強制的に選ばされただけだ。そんなの人柱と何が違うと言うんだ。そんな事を考えていると、目の前から少女達の話し声が聞こえてくる。霊体化でやり過ごそうと思ったが、それより早くマスターは俺に気が付き手を振るのだから霊体化は諦めた。

 

「あ、話し合い終わったんですね影辰さん!」

 

「お疲れ様です影辰さん」

 

「おう。マシュちゃんに案内されて施設探索ってところか?俺の事は気にせずに探索続けてくれて良いぞ」

 

 俺がそう言うと図星だったのかマシュちゃんが驚く。分かりやすい子だな。

 

「よく分かりましたね……はい、先輩はカルデアに来てから時間が経っていませんから案内をしていたところです」

 

「マシュが自分から案内してあげるーって言ってくれたんです。凄いんですよマシュってば、結構広いカルデアを迷いなく歩いて何処の施設を見ても詳しく教えてくれるんです!あ、そうだ!影辰さんも一緒にどうですか?サーヴァントも施設の事は知っていた方が良いですよね?」

 

 元気だなおい……淀みなく口を動かし距離を詰めてくる彼女。その気迫に思わずたじろぎながらも、マシュちゃんを見るが、彼女はその視線の意味が分からずにキョトンと首を傾げるだけだった。どうしたものか……ぶっちゃけ一人で色々と考えておきたいのだが。

 

「ダメですか?折角、召喚に応じてくれましたしもっと影辰さんと仲良くなれればなぁ〜って思ってるんですけど」

 

「んー……その気持ちは大変嬉しいけど俺はサーヴァントだし、召喚の時にも言ったけど戦う時の道具みたいな扱いで良いよ?」

 

 時にはそういう非情な判断も問われるだろうと思っての発言だったが、マスターには嫌な言葉だったのが顔を顰めてしまう。まぁ、見るからに優しいもんなこの子。

 

「うーん……それはそうかもしれないんですけど……私は、サーヴァントのううん英霊の人たちの力を借りないと何も出来ない子ですから。力を貸してくれる人達とは仲良くしたいんです!それくらいの恩返ししか出来ませんから!!」

 

 ……サーヴァントと同じ目線に立ってくれようとしてくれるのは良いけど。それは君が傷付く要因を増やすだけだぞ。戦いは非情なものであり、ましてやサーヴァントは友好を育んだとしても敵として姿を現す事があり得る存在だ。そんな存在に過剰に心を砕くのはあまりお勧め出来る行為ではない。だけど、その甘さが、その優しさがなんだか士郎と似ていて俺は言えなかった。

 

「ちょっと部屋の前で何騒いでるのよ……って貴方達、何してるの?」

 

 俺が黙りを決めているとオルガマリーちゃんが眉間に皺を寄せながら部屋から出てきた。此処は所長室じゃなかったと思うけどっと思いながら視線を向けると、資料室の看板が見えた。何か調べてたのかな?

 

「あ、オルガマリー所長!今、カルデアを探検してるところです。所長も一緒に行きませんか?」

 

「え……いや、良いわよ。私は此処を知り尽くしてるし何より、上司が居たら楽しめないでしょう?」

 

 自分が誘われたことに驚きながらも嬉しさを滲ませていたオルガマリーちゃんだが、即座に自分の立場を思い出し申し出を断った。だが、それに凹む事はなく、マスターは俺をチラリと見る。……なんだろう、凄く嫌な予感がする。

 

「今なら影辰さんも一緒ですよ!所長」

 

「おい行くとは「本当!?なら、私も行くわ。ほら、行くわよ影辰」……はい」

 

 俺の手を掴み歩き出すオルガマリーちゃんに抵抗する事を放棄する。恨みがましくマスターを睨むが、あはは〜っと受け流されてしまった。結局この後、マシュちゃん、オルガマリーちゃん、そしてマスターである立香ちゃんと一緒に最後までカルデア探索をする事になった。まぁ、息抜きになったのならそれで良いか。

 




次回はオルレアンかな。多分、ダイジェスト気味になる予定。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。