鋼鉄の歯車の使い魔~転生したのはいいけど・・・これ!?~   作:零城

70 / 113
祝!! 
UA40,000人突破!!

感想も
アラガミを喰らう艦息睦月改二 さん
にゃんた2525 さん
安嬉夫 さん
シャルンホルスト さん
ラミエール さん
ありがとうございます!!

ほのぼの回って言ったよなぁ?
あれは嘘だ
あと、今回は少しシリアスシーンが入ります


六十七発目 戦争後

勇者を殺した後、朝日が昇り俺は勇者が籠っていた城に一度戻り元護衛とその妻と合流した。

 

「もう絶対に放さない」

 

「ええ♡ あなた♡」

 

アーク「……」

 

城に戻ると元護衛の夫と奥さんがいちゃついていた。

 

アーク「( ゚д゚) 、ペッ (末永く核爆発しとけ糞が)」

 

「あ、アークさん!! 本当にありがとうございます!!」

 

アーク「おう、お前もよかったな奥さん帰ってきて」

 

「はい!! 本当に……本当にありがとうございます!!」

 

「感謝しか言えません!!」

 

アーク「……おう、とりあえず外に出るか(とりま、俺の目の前でいちゃつくな)」

 

「はい!! それじゃ帰ろうかハニー♡」

 

「ええ♡ あなた♡」

 

アーク「……」

 

何でだろう……妙にイラって来る

やっぱ監獄にぶち込んでた方がよかったかも。

 

少し悪意が出てきたが心の中で我慢し、国外に脱出し他国の軍と合流した

アークは姿を見られたくないので元護衛氏とはここで別れ、遠くの方から様子を見た。

 

アーク「……任務完了……帰還……する前に行くところがあるな」

 

国民の救出、諸外国の要人の保護、勇者の殺害という依頼は完了したがあと一つ残っている。

 

アーク「会いに行くか……彼女(ノエル)に」

 

遠くの方で他国の騎士たちが救出されたバサビィ共和国国民を介護している間にアークはサイボーグの跳躍力で移動した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アーク「到着っと」

 

ミール聖教国が担当する陣に到着した。

やはり、宗教の国のせいなのか他国みたいに豪華ではなく純白の鎧をまとっており、清楚な感じであった。

 

アーク「どっか狂王みたいな豪華ではなく質素だが美しいデザイン……カッコいいな」

 

シンプルイズベストな鎧に見惚れるが俺はノエルに用があるんだ。

 

もう慣れた陣内に潜入する。

どこもかしこも「つらかったねぇ」や「無事でよかった」とか聞こえてくるが……中には「死神って案外いい奴なのか?」「虐殺の権化ではなかったのか?」?とか聞こえてくる

いや、マジで世界から見た俺の評判ってなんだよ

 

アーク「殺しはわかるが疫病とか災害を俺のせいにいてほしくないんだよなぁ」

 

風評被害はおやめにいただきたい。

ミール聖教国の陣に潜入し騎士に見つからないよう影から影に移動し進んでいくと

 

アーク「これか?」

 

進んでいくと一つの小さめのテントを見つけた。

護衛をしている騎士も多かった。

 

アーク「あんなに小さいのに護衛の数が多い……軍のトップならもう少し大きいテントだがあのテントは成人男性一人くらいの大きさだ」

 

するとテントの中から二人の女性が出てきた。

金髪にいつものシスターの服を着て、助ける際に約束を結んだ少女……ノエルだ

 

アーク「……いた」

 

クリサリスで助けた際に正体を話したが……謝らないとな

 

出てきたノエルとマザーは騎士たちに護衛されながら一際大きなテントに向かって行く。

気づかれないよう後ろからついていった。

テントにつき耳を立てると

 

アーク「……なるほどね」

 

どうやら、今回のことで本国に帰るらしい

しかも、出発がこの後すぐらしい

 

アーク「……また今度……っていうわけにはいかないか」

 


 

「……では二時間後、出発するので準備をお願いします」

 

ノエル「……はい、わかりました」

 

「……申し訳ございません……本当は休みたいはずでしょうが本国からの命令でして」

 

ノエル「いえ、大丈夫です……では、失礼します」

 

軍のトップからいろいろと聞いた後、ノエルとマザーはテントから出た。

先ほど軍のトップと会って様態は大丈夫かと聞かれたりした。

 

ノエル「ねぇ……マザー……」

 

「なんでしょうか? ノエル?」

 

ノエル「……アーク……トオル様のことなのですが……」

 

「……やはりあの声はトオル様ですよね?」

 

だが、一つだけ心残りがあり

アークのことだった。

 

アーク『ノエル!! 帰ったら君に言うことがあるから助けさせてくれ!!』

 

アーク『今は言えないけど……()()()!!』

 

あの声は明らかにトオルの声だった

最初は単に声が似ているのであろうと思っていたが自分の名前を言った瞬間、トオルだと確信した。

 

ノエル「なんで……トオル……」

 

テントから出た後、トボトボと二人で並んで自分のテントに戻り中で話し合う二人

 

「ノエル……もし、ですが……また彼と会う機会があっても話そうとせずに速やかに立ち去りなさい」

 

ノエル「え、ええ!? なんでですか!?」

 

「彼は世界中でバケモノと呼ばれている怪物です。私たちは彼の正体も知ってしまったので彼が私たちを口封じで殺しに来るかもしれません」

 

ノエル「こ、殺しに来るって……トオル様はそんなことしません!!」

 

ノエルはアークはそんなことはしないというが

 

「では、しないという根拠は何ですか? 彼と一緒に一時ですが過ごしたから? だけどそれは勇者……あの大馬鹿野郎を殺すための演技だとしたら? 本性を現していないだけで本当は私たちまで殺そうとしているのでは?」

 

ノエル「トオルはそんなことをしません!! 彼はダンジョンの時に褒めてくれる優しさもあるしみんなが言っていた残虐なバケモノなんてことはありません!!」

 

ノエルは生まれて初めて育て親のマザーに反論した。

別に暴力で言えなかったとかではなくマザーは普段から自分のことも考えて行動してくれているので言う必要がなかったが

声が枯れるくらい叫んだ。

 

「でも彼はノエルを利用しようとしたのですよ!?」

 

ノエル「そ、それでも彼はそんなことをするような人ではありません!!」

 

「そう言える根拠は何ですか!?」

 

ノエルはアークは優しい人だと反論するがマザーは戦争で一方的に虐殺した人物が優しいとは思えないから会うなと口論になる。

 

ノエル(確かにトオル様がアークではないという確証はありません……だけどせめてあと一回でもいいから確かめたいので会いたいのです!!)

 

そんな口論になっている二人がいるテントの中に

 

 

 

アーク「あ~……お取込み中か?」

 

 

 

一人の死神がやってきた。

 

ノエル「トオル様!?」

 

「ッ!? アーク!?」

 

音もなく入り口にアークが立っていた。

 

アーク「よぉ? ノエル? 約束通り来たぜ?」

 


 

ふぃー……警備が割と厳しくて入るのに時間がかかったな

なんか中から大声やら聞こえてきて少しビビったが問題はないようだ。

 

ノエル「トオル様……」

 

「アーク……何をしに来たのですか?」

 

アーク「ん? 何って助けに行ったとき会うって約束したし?」

 

「口封じに殺しに来たのですか?」

 

アーク「いや、だったらあの時見捨ててるし」

 

マザーに警戒されている……まぁ、それが正しい対応だが

 

アーク「んで? お二人さんは怪我はないか?」

 

「馴れ馴れしく話しかけないでくれますか?」

 

アーク「ん、その様子だと何もないようだな」

 

ノエル「トオル……」

 

アーク「あ、もうトオルじゃなくてアークでいいよ」

 

ノエル「……あなたは本当にアークなのですか?」

 

アーク「……そうだ、俺は歌う死神こことアークだ」

 

ノエル「……騙したのですか?」

 

アーク「騙した……騙してはいないさ……君と一緒にいた時のあれがありのままの俺だし」

 

ノエル「でも!! あなたはそんな殺すように生まれた人間には思えません!!」

 

アーク「それは人間としてはだろ? 俺はもう戻れない道に入ってしまったから人間じゃなくて化け物さ」

 

ノエル「化け物って……トオルはいいのですか!! あなたは異世界の人でで争いなんてなく平和な世界で生まれた人間なのですよ!?」

 

アーク「別に? 確かに俺は戦争や争いの……まぁ、少ない世界から来たが俺は受け入れてるぜ? 受け入れてるから先の戦争も俺が勝ったんだから」

 

ノエル「ッ!? 罪悪感とかもないのですか……」

 

ノエルは顔を伏せ俺に問う

 

アーク「……俺は決意を固めて死神になるんのを決めたんだ……決めていなかったら今頃、怖がって出てきやしてないさ」

 

ノエル「なんで……なんで……」

 

するとノエルは目から涙を流しながら言った……否、叫んだ

 

 

ノエル「なんで戦争をしたのですか!!」

 

 

アーク「……なんで戦争をしたのかって? そりゃ、相手に自分の力を示して二度と戦わせないためだが?」

 

ノエル「戦争しなくても話し合えばよかったのに!! それじゃ、ますますトオル……いえ、アークが悪い人になってしまいます!! 戦わずとも手と手を取り合って話せば戦わなくてもいいはずです!!」

 

アーク「手と手を取り合うかぁ……ノエル……一つ教えてやるよ」

 

本当はなるべくオブラートに行きたかったが……現実を見せてやるか

 

 

アーク「平和ボケもいい加減にしろよ餓鬼が

 

 

ノエル「っひ!?」

 

「な、なんですかこれは」

 

少し殺気と怒りを込めた言葉をノエルにぶつける。

 

アーク「手と手を取り合う? 妄想も大概にしてほしいな。そんなことができているなら今頃、この世界には戦争なんてないんだよ。」

 

ただ言葉を投げつける

 

アーク「俺の世界でもいたよそんな平和ボケしている奴が確かに平和はいい……だけど、もし他国から侵略されば大人しく従う気か? 家族が目の前で殺されてもただ見ておくだけなのか? それが嫌だから人間もエルフもみんな武力を持つんだよ……大切な家族を守るために」

 

ノエル「で、でも!! 大切な家族を守るためならどの道、武力なんて持たなければ!?」

 

ノエルも負けじと反論するが足が震えており説得力がない。

 

アーク「……俺が生まれた国(日本)も平和主義という他国には侵略しない、戦争をしない、武力を持たないっていう国だがそんな国でも武力を持ってるんだぜ? 笑えるよな? 平和を掲げているのに平和を守るために武力を持つなんて? 寝言は寝て言えだ。羨ましいよなぁ? お嬢ちゃんみたいな温室育ちは戦争や殺害の辛さなんて知らないんだから」

 

ノエル「ッ!! いいえ!! わかります!!」

 

アーク「わかるなら、もう二度と言うな」

 

テントの中から叫び声が聞こえてしまったのか、外から鎧の動く音が聞こえてくる。

 

アーク「潮時か……最後にノエルに一つだけ言っておくよ。戦争で勝利し英雄って呼ばれた人間はそりゃ名誉なことだろう……だけど戦争が終わればそいつは殺してきた奴らの悪夢を見だしたり戦争を忘れた奴から怪物呼ばりされる。それに……この世界の住民にはわからないと思うが結局兵士の安息の地なんて戦場しかないんだよ」

 

ノエル「……もう……いいです……ええ、わかりましたよ!! 私があなたに会うのが間違いでした!!」

 

するとノエルは泣きながら俺に向かった暴言を吐く。

 

アーク「ああ……こんな俺と会うなんて運が悪かったな? ……さて、出ていくか。あ、あと言っておくが別に俺の正体を暴露しても構わんが、だからっと言って俺の主人に危害を加えるなよ」

 

ノエル「……最後に一つだけいいですか」

 

アーク「なんだ?」

 

ノエル「なんで……歌う死神になるのを受け入れたんですか?」

 

アーク「なんでか……さぁな? でも、俺は大切な主人(アリス)を守るためならどんな罪でも犯すきだよ。それに……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

ノエル「アークみたいなのが?」

 

アーク「もしこの世界に悪を知らない奴らだけになってしまったら、悪の甘い蜜に溺れてしまったら出るのが難しくなる……だから俺みたいに「反面教師」を作り出し、あいつみたいにはなりたくないって思ってくれればそれだけで少しは平和になれる……それだけさ」

 

ノエル「……それって」

 

アーク「まぁ、簡単に言ったら()()()()()()さ……さて、それでは失礼するよ」

 

アークは言うこと言うのを終えた瞬間、テントから出ていきミール聖教国の陣地から脱出した。

 

「マザー! シスター・ノエル! どうかされましたか!?」

 

アークがテントを出た数秒後に騎士がノエルのいるテントに入ってきた。

 

「大変です!! アークが来ました!!」

 

「死神が!?」

 

マザーが騎士にアークが来たと話し、騎士は大慌てで付近の捜索に出ようとする。

だが、アークはサイボーグの機動力の前ではすでに脱出している。

 

ノエル「……必要悪」

 

そんな慌ただしい空間の中、ノエルは一人立っていた。

 

ノエル「アークって……そんなつらいことが……」

 

そして、ノエルは一つのことを決めた。




どうもパソコンが壊れてPSvitaで書いたけどすごく書きにくかった零城です

次回はアーハム帝国に戻ります

あなたの推しは?(作者が気になったので出しました)

  • アーク
  • アリス
  • リン
  • クロエ
  • ノエル
  • 逆に勇者

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。