総隊長の孫娘〜その者、最凶の料理人につき…〜 作:名無しのナナ
『期間は千年以内、それ迄に虚圏への調査が出来るよう見通しを立て後進の育成に励む事。
また、それに伴い真央霊術院で教鞭を振るい死神全体の兵力を高めるよう尽力せよ』
これが600年前に四十六室にて沙汰を渡されたボクの今の任務である。
ユーハバッハの件で三界を監視でもしたくなったのだろうか、気持ちは分からなくはないが虚圏に繋がる黒腔を開く研究もしろと来たものだ。
まぁ、黒腔に関しては
が、人を育てるとなると簡単には行かないものだ。
調査隊を派遣するという事は少なくとも隊長であるボクと肩を並べられる程度には実力が伴わなければならない。
カリキュラムも四十六室たっての命という事もありある程度自由に振る舞えてはいるとはいえ、…どうしたものかな。
というか、あれから600年かぁ…最近胸が邪魔になってきたと思っていたけど、月日が流れるのは速いものだ。
「お、おはようございます山本隊長!」
「おはよう、渡部さん、今日は君の苦手な鬼道の授業をするから頑張ってね」
うへぇ、と嫌そうな声をあげる女子生徒を他所に眼鏡を掛けた男子生徒が此方に近付いてきた。
「おはようございます、山本隊長。本日の授業とは関係ないのですが宜しければ今日も…」
「おはよう、藍染君。うん、構わないよ」
「ありがとうございます、では何時もの場所で…」
そう、原作では詳しい年齢はついぞわからずじまいであった藍染惣右介がボクの受け持つ生徒であった。
彼よりも100年程前に浦原喜助と四楓院夜一を生徒に持ったが彼等も彼等で或る意味手の焼ける生徒ではあったが。彼は何故かボクに懐いてくれているので表立って無碍にも出来ず鍛えている。
教師としては
───というか、声だけ聞いてたら毛根死滅してそうな
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「はい、お昼休憩の時間だよー」
「っしゃ!飯だ飯だ〜」
「男子ってやぁね、これだから」
「あはは…まぁ、沢山作ったからね、食べて食べて」
食育として作る給食はボクが全学生分を賄っているがどうしても一人で回らない時は七番隊の子達にも偶に手伝って貰っている。
期せずして料理人としての道を進めているのは四十六室と七番隊の皆に感謝、といった所だろうか。
ちなみに今日のメニューは白米と地鶏の唐揚げ、厚揚げと根菜の煮物と旬の果実100%ジュースだ。
「隊長、私頑張るんで私のお嫁さんになってください〜」
「うぅん、じゃあ今日の授業で
「うぇ、…が、がんばりまーす…」
渡部さんは本気かどうかは兎も角、やれば出来る子だから頑張って欲しい。
「………」
「…?藍染君、どうかした?」
じっと私の手元を見ていた藍染に小首を傾げ問うも彼はすぐに何でもないように首を振る。
「いえ、山本隊長を娶れる男性は幸せそうだな、と思っただけです」
「あー…まぁ、そうなのかな?」
まさかそんな事を言われるとは思っていなかったから面を食らった。
ボクとしては元の性別としての意識もある分女性の方が好ましく思う面はある。
が、多分性別は関係無く好ましい人と結ばれたらな、程度の認識しか今の所無いのが現状だ。
結局は“何方でも構わない”のが現状だろう。
「取り敢えず、皆食べ終わったら今度は座学を始めるよー」
「「「はーい」」」
面を食らっている間に食べ終えた生徒達の元気な返事に口元を抑えながらボクもボクの分の料理を食べ終える。
「さ、藍染君も食べちゃお?」
「…えぇ、いただきます」
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藍染惣右介side
私は生まれて初めて理解者になり得るかもしれないあの人に執着している事に気付き口角を吊り上げ嗤う。
あの人の教えで何故あの程度の事も出来ないのか理解に苦しむ。
あの人と言葉を交わして何故あんな低俗な言葉しか出てこないのか…。
この世界の程度に合わせる事に慣れてしまったあの人はこの世界を愛しているのだろう。
それ故に、この世界が何れあの人を殺す事を私は許容出来ない。
「…ならば」
あの人がこの世界に、あんなものに殺されるならば。
「私が、天に立つ」
無理矢理にでも、この手にしてみせよう。
「だが、今の私には足りないものが多い」
それ迄は、唯の生徒として貴女の傍に…
山本千歳、私が必ず貴女を…。