距離感がエグい幼馴染みナリタタイシン概念 作:Freezing
なんかすごいランキング乗っててびっくりしました…皆さんに謝謝です。
あとトレーナーの描写とか多くてスミマセン。なるべく少なく考えているんですけどね。
ナリタタイシンよりトレーナーが主人公まであるwwww
トレーナールーム前にて立ちすくんでいるのはナリタタイシンのトレーナーである。
先程の理事長から頂いた条件の提示に心は揺らいだままのトレーナーはトレーナールームの扉に手を掛けたまま立ちすくんでいた。
ナリタタイシンという娘は反骨魂に溢れているものの、人の感情の機敏にはとても聡い娘である。それはこのトレセン学園においてはこのトレーナーが嫌というほど知っている。
T(大丈夫…平然と…タイシンは今目黒記念と天皇賞を控えているところでこの話をするべきではない…)
T(落ち着け。一度この話はすべて忘れろ。決して悟られないように。)
ガラッ
T「うーい。待たせたな」
タイシン「…」
T「今日は坂路でのトレーニング中心でやるか。長距離走るためのスタミナと3コーナーの坂対策でパワーが要る。そこでペースを落としてしまうとラストの追い込みにも影響してくるからな。 」
T「坂路が終わったらそのままランニングマシンで3200想定しての走りをしてもらうから。何か質問あるか?なければこれで… 」
タイシン「なにかあったの?」
息が、詰まった。
T「何の話だ?」
顔に出すな。平然と返せ。
おもむろにタイシンが手を握ってきた。心なしかひんやりとした手がまるで嘘は許さないと言うようで。
タイシン「 何年一緒にいると思ってんの。アンタ私がそんなことわからないとでも思った?」
T「なんのことだかさっぱりだな。ドラマの見すぎじゃないのかタイシン。」
タイシンの瞳は変わらず俺の内面を捉えているような、そんな目線だ。やめろ。そんな目で見るんじゃない。
T「タイシン?」
タイシン「…そう。まぁ、アンタが何も言いたくないなら聞かないであげる。…トレーニング行くよ。」
そんな寂しそうな顔するなよ。別に隠し事の1つや2つ、お前にもあるだろ。
T「…行くってお前、手を握りっぱなしで部屋から出るつもりか。」
タイシン「…ッ!!!」/// バッ
しかし、思ったよりも顔に出ちまうもんだ。ちょっと先輩たちに相談してみるか…
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―――――
結局タイシンのトレーニングもほどほどに切り上げ、俺はトレセン学園付近にある小さなバーに足を運んでいた。
お酒はあまり嗜まない方なのだが、今日はとりあえず痛飲して一度痛い目を見たい。そんな気分であった。
「よぉ…元気してっか。T。」
「あなたからの呼び出しなんて珍しいわね。T君。」
T「お久しぶりです沖野先輩、東条先輩。いきなり呼び出してスミマセン。」
沖「いやぁなに、気にすんな。それに奢りで飲めるって聞いたんでな…」
沖野先輩がカラのガマ口財布をヒラヒラさせて力なく笑う。沖野先輩のチームはブラックホール級の胃を持つオグリキャップと同等レベルの日本総大将とスイーツ狂いのメジロ家御令嬢がいる。
元々ウマ娘に寄り添って指導する先輩のことだ。高給取りと言われているトレーナーの給料を持ってしても金欠に陥ってしまう二人の食欲に戦慄した覚えがある。
元々トレーナー養成機関での先輩後輩同士の間柄である故に、自然と困ったことがあったら相談する回数が増えたという次第だ。
T「実は今日、海外のトレセン学園での留学の話をいただきまして…その際に指導の効率化の為のチーム結成を要請されているんです。」
東「なるほど…あなたミスターシービーの移籍の際にもマンツーマンだったわね。」
T「あの件は東条先輩にご迷惑をおかけいたしました…」
東条先輩は注文したミモザに口をつけ、ほうと一呼吸置く
東「アレはあの娘の意思を尊重しただけ…あなたは何も気にしなくていいわ。私達は何よりあの娘達の思いを尊重しないといけないの。」
T「先輩…」
沖「…で本題だが、お前はその話…どうするつもりなんだ?」
T「…かなり迷っています。全てにおいて」
T「重賞レースが続いてある状態でこのことをタイシンに伝えてよいものか…俺にチーム指導が務まるのか…」
沖「なるほどな…」
東「まだナリタタイシンにはこの話…伝えてないのね?」
T「えぇ…」
東「難しいわね…トレーナーとしてはあなたの行動はよく分かるけど…あなた達の関係性を見る限りでは、指導するべきウマ娘としての距離を超えてしまっているわ。」
沖「あんだけ仲のいい関係なんだ…先に言ってしまったほうが良いと思うが…」
T「ですが、今回の春の盾はなんとしても取りに行かなきゃならないんです。アイツの為にも余計な情報は…入れさせたくないんです。」
沖「お前…」
アイツがトレセン学園に来る前に、その身長とぶっきらぼうな性格から、からかわれることが多かった。俺が一緒にいるときはそうでもなかったが、おそらく離れて帰宅した際に言われたのであろう。機嫌が悪い日は黙って俺の部屋に入ってきて無言のまま寝ていた。
そして決まって次の日にはTシャツの背中は濡れている。アイツがどれだけ悔しかったか俺は知っている。どれだけ周りの目を見返したかったかも。その無念を知っているから、皐月賞だけでは足りない。
沖「あまりできることも少ないが…相談ぐらいならいくらでも乗ってやる。」
東「あなたの場合、後輩の奢り目的でしょう?」
沖「バレたか」
前哨戦となる目黒記念はあと一月 お酒は天皇賞が終わるまで控えよう。そう思い彼はグラスに入ったものを飲み干したのだった。
アンケートのグラスワンダー編はタイシンのストーリーが終わり次第書こうと思います。
よろしくお願いいたします。
次作の考えている案
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ポンコツグラスワンダー
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悪友ウオッカ
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逆に可愛がりスーパークリーク
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地方巡業で堂の入ったスマートファルコン
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その他(感想にどうぞ)