獅子王・アルトリアペンドラゴンと王達の行くオーバーロードの世界 作:アルトリア・ブラック(Main)
捏造に捏造があります。
ー王様の一日ー
この世界に転移して来てから数百年
最近は毎日変わらない生活が続き、アルトリアも平穏な日々に満足していた。
朝7:00ちょうど、メイド達数人が部屋に入ってくる。
「…おはよう、ガレス」
朝、すぐそばにいるガレスに声をかける。
「おはようございます。陛下」
そう言って肩に羽織をかけてくれる。
ブリテン王国内で何があったかをまとめた書類を受け取り、読み始める。
新聞を読みながらガレスが淹れてくれたコーヒーを飲む
8:00になり、朝食を摂る為に大広間にいく
「おはよう、アルトリア」
大広間にいたのはソロモンで、先に食事をしていた。
「今日も早いな」
そう言って座る。
「そうかなぁ?6時って早いかな?」
「早い方だな」
食べ終わり、それぞれ執務室に向かう。
8時以降になればオジマンディアス達も起きて来始めるが、ネロだけはいつも11時と遅かった。
「ネロは相変わらず自由気ままだな…」
そう呟くとガウェインがうんうんと頷いていた。
「今日も変わらないか?」
「はい。周辺諸国の変動も特にありません。自国内につきましては…」
言葉を濁したガウェインに「どうした?」と問いかける
「ここ最近、ビーストマン連邦からの避難民が後を絶ちません。避難民による物資略奪もあり、騎士達が対処しているのですが…」
ビーストマン連邦による苛烈な侵攻。
人間達はバハルス帝国かブリテン王国に逃げている。
無作為に入れる事はキャメロット内の安全から考えれば、あまりしたくないのだ。
無論、明らかに無害な人々は順立って向かい入れているのだが、それでも、避難民の待機場所では犯罪が横行している。
犯罪が横行しているという事はそういうことだ。
「…キャメロットの首都に入ってきた際に犯罪の可能性がある…か」
「はい。検問を厳しく設けてはいるのですが」
「………」
悩んでいると
「!」
キャメロット内を囲っている障壁が揺れるのがわかった。
『アルトリア、白銀の鎧が来たぞ』
《伝言》でイスカンダルが言ってくる。
「わかった。今行く」
歩きながらガウェインに事情を話し、イスカンダルの横に転移する
「…珍しいな、一人で来るとは…他にいたか?」
だいたい、ここに来るのは十三英雄のリーダーとプレイヤーの一人ぐらいだ。
白銀の鎧もといツアーは単独ではここに来ない。
「それがなぁ?辺りを見渡しても、特におらんのだ」
「そうか、戦いに来たわけではなさそうだな」
そう言ってアルトリアは結界の外に転移する。
「久しぶりだな、ツァインドルクス=ヴァイシオン」
「……あぁ」
一言で返してくるツアーに首を傾げる。
「どうした、わざわざ此処に来るなんてどうかしたか?」
ツアーとアルトリア達はお世辞にも仲良いとは言えない。
仮にも50年前に戦った仲だ。
「…リクが病気になった」
「何?」
『リク』
十三英雄のリーダーにして、自分達キャメロットのメンバーと同様に、この世界に転移してきたプレイヤーだ。
自分たちと違い、二人だけでこの世界に転移してきたプレイヤーだ。
「治癒魔法を使っても治らないんだ、どうして良いのか分からない」
「…だから、私に頼ってきたわけか…」
50年前の戦いの際にツアーと戦いを行い、知り合い程度の仲になったアルトリアとツアー
「…すまない」
「別に謝る必要はないが…良いのか?私に相談して、君の仲間は酷く怒るんじゃないか?」
竜王達はプレイヤーをかなり嫌っている。
この世界にとっては脅威でしかない力を持ち、なおかつ自分たちは50年前まではこの世界を派手に荒らしまくった存在だ。
ゲーム感覚が無くならなかった所為でもあるが
「それでもいい」
「………」
ツアーが頼むなんてよっぽどのことだろうと思ったものの、頼みを断るほど残酷でもない。
「少し待っていてくれ、用意してくる」
そう言って結界内に戻り、同行するNPCと共に十三英雄が拠点を置いてる場所にくる
「ガウェイン、外に待機していてくれ」
「かしこまりました」
テントの中に入ると…
「…なるほど…」
リーダー『リク』はかなり弱っていた。
主に精神面に関してなのだが
「…リク」
そう声をかけそばに座ると
「……驚いた、君が来たんだ」
リクが日本語で話しかけてくる
「リーダー?」
リグリットが心配そうに声をかけてくる。
「ツアーが、何処かに行ったからなんだろうと思ったけど、君を呼びに行ってるなんて」
「…相当心配していたが」
リクともう一人、ユグドラシルプレイヤーがいない。
「…不治の病にかかったのかもしれないから、見に来て欲しいと私に直接頼んできた」
「あはは、ツアーらしくないなぁ」
リクとアルトリアが聞き覚えない言葉で話しているのをツアーとリグリットは黙って見ていた。
「…それで?敵である私が来たわけだが、寝込んだ理由は仲間を失った所為か?」
「そうだね、それもあるよ、それと…今は日本語で話してるから、そのロールプレイしなくても大丈夫だよ」
「……今やめると、これからも大変な気がするからこのまま続けた方が良いと思ってるんだ」
「俺と違ってNPCも一緒に転移してきてるからね」
笑うリクの目の下に隈がハッキリと映る
「…それで?その、不治の病を治すには何をしたら良い?」
不治の病と言ったら不治の病なのだろうが、本人が立ち直る気がなければ治らないのだ。
「………」
リクは遠くを見つめ
「……帰りたい、アイツと一緒に帰ってバカしたかった。君たちみたいに恵まれた家庭に生まれて無くても、幸せだった」
貧困層と富裕層に二極化されたとしても、あの世界には確かに大切なものがあった。
「………」
「…この世界に来て、意味が分からないまま右往左往して戦い続けて…もう疲れちゃったんだよ」
体育座りのような姿勢になる。
「……少し待っててくれ」
そう言って耳に手を当てる。
「ギルガメッシュ、少しアレを貸してくれないか?」
そう聞くと、向こうで何か言ってきたのか、アルトリアが「……茶化すんなら早くくれない?」と敬語が崩れていた。
そう言って、アルトリアが手元に出したのはお守りのような袋だった。
「はい」
そう言って渡されたモノをリクは握る。
「……これって…」
「ユグドラシルアイテム『思い出の欠片』だ、ユグドラシルじゃ使い捨てのアイテムだが、まぁ…使い方はわかってると思うけれど…」
「…ありがとう、アルトリア」
この世界の言葉に直して礼を言ってくる。
「……こんなもので、本当に申し訳ないな」
穏やかに死ねるような自爆アイテムを渡したことに謝罪する。
リクの病気は物理的に治せるようなものじゃない。
「ううん、このアイテムは俺も持ってなかったから助かったよ、ありがとう」
「それじゃ、私はこれで帰る。あまり離れているとギルガメッシュがいたずらをするからな」
「引き止めてごめんね」
マントを翻してその場から立ち去る。
〜数百年後〜
「……懐かしい夢を見た…」
アルトリアは一人、寝室で独り言をつぶやく
同じプレイヤーである『リク』が死んでから数百年経過したかもしれない。
リクが死んでからあまり外を出歩く事が無くなった。
「…命の終わりか…」
アルトリアは空を見上げる。
「…まぁ、まだ終われないけれど…」
ナザリック地下大墳墓の到来、人間国家の危機
ギルガメッシュが本格的に愉悦に乗り出していること
「アルトリア様、おはようございます。ネロ様が話したいことがあるとのことです」
「分かった」
そう言って着替え始める。
(…今日は早いな)
いつもは誰よりも遅くまで寝ているネロがいのいちに起きて、何の用だろうか