獅子王・アルトリアペンドラゴンと王達の行くオーバーロードの世界 作:アルトリア・ブラック(Main)
アインズ、ギルガメッシュやアルトリア目線の話です。
キャメロットがいる都合上、原作が少し変わっております。
最近バイオ5にどハマりしてしまっている…
ーカッツェ平野ー
カッツェ平野での戦いを行うと決定した際にデミウルゴスは『ブリテン王国』の動きを警戒してアインズの供としてシャルティアとマーレの二人が付き人としてやってきていた。
(…いないな)
超位魔法はユグドラシルというゲームの中では強大な魔法だ。
その為、大規模戦の際には超位魔法を使おうとする者を最初に潰すべく行動するのが基本だ。
(…遠くから聖槍の光が飛んでこない以上、アルトリアさん達はこの戦いには参加してないのか…)
この場にユグドラシルプレイヤーはいない。
誰にも悟られず仮面の下でアインズは笑う。
「もはや、囮になる必要もなしか」
ユグドラシルプレイヤーと遭遇しなかった事は喜びだ。
もし万が一、キャメロットが存在していた場合、シャルティアや己が中心に戦闘を行わなければならない。
己をそれなりに知るアインズは強敵と出会わなかったことに感謝する。
アインズが手を開くと、そこには小さな砂時計が姿を見せた。
「あぁ、楽しみだ」
今から放つ超位の攻撃魔法は王国軍にどのような結果を示すことになるのか、ユグドラシルの時はさほど強い魔法ではなかったが、この世界においては、どれだけの結果を出すのだろう。
「黒き豊穣への貢!イア・シュブニグラス!!」
黒い息吹が、王国軍左翼の陣地を吹き抜け、そこにいた左翼七万。
その命が即座に全て奪われた
ーキャメロット娯楽室ー
キャメロット内の娯楽室にて、円卓の席に座る王達はカッツェ平野で行われた戦闘の様子を眺めていた。
「《黒き豊穣への貢》か」
「一撃で七万を殺戮か…そりゃそうだ!」
オジマンディアスは超位魔法を観察し頷き、ネロは当たり前の光景に頷く
「…しかし、実に楽しそうだな、彼は…」
アルトリアは無表情でモモンガを見ていた。
「アンデットになった影響なのだろうが、これほどまでに罪悪感を感じていないとは…」
「余達の方が特殊だと思うけどな〜」
ネロの言葉にソロモンは『英霊と竜人って基本的に人間に性格が似たり寄ったりだからねぇ』と返す。
確かに、この世界に来て異形種の生き死にに対して特に何も感じないのだが、人間が死ぬ瞬間を見るのはどうしても慣れない部分がある。
といっても人間の時ほどの恐れは感じていないが
唯一例外があるとしたら…
アルトリアはギルガメッシュを横目で見ると、彼は特に人間の死に対して何も思っていないのか、興味なさそうにしていた。
「…ところでギルガメッシュ。私達に隠してることはないか?」
そう問いかけると少しビクついた気もしたが、ギルガメッシュが『何のことだ?』と嗤って返してくる。
「なんか挙動不審だなぁ、ギルガメッシュ」
ソロモンの言葉にギルガメッシュは何も言わないのを貫こうとしたが…
「………聖槍」
「分かった分かった。そのような武器をここで出すでない」
アルトリアの言葉にギルガメッシュが咳払いして話し始める。
「ガセフ・ストロノーフに神器級アイテムを渡したぁ?!」
イスカンダルの大声と呆れるアルトリアとソロモン、『お前だって人のこと言えないだろう』と少し怒っているネロとオジマンディアス。
「…神器級とはいえ、この戦いに参加している戦士に渡してあちらに回収された場合はどうする?」
アルトリアの言葉にギルガメッシュは『平気だ』と答える
「あの雑種に渡した神器級のアイテムは他のプレイヤーの物になど絶対にならん、そのように細工しておるからな」
ギルガメッシュの言葉にソロモンは『あぁ…やったんだなぁ』と呟く
ギルガメッシュは巨大複合企業の副社長の立場を利用して《ユグドラシル》ではやりたい放題していた。
まず、運営に賄賂を渡して自分のキャラに特別待遇。
ギルガメッシュの持つ職業である『特殊職』は本来ならありえない職業であり、魔法詠唱者でありながら特定のスキルを使用すれば物理職にも変化出来るというチートを使っている。
「それでユグドラシル内でギルガメッシュをPKする動きが流行ったではないか、その火の粉が余達にまで飛んできたし!」
ネロのふてくされた表情にアルトリアは何度も頷く
「まぁ、昔のことは良いではないか、我の職業のおかげで100年前に複数の国家を滅ぼせたのだからな!」
自信満々な言葉に場がシーンとなるが、ギルガメッシュはそんなものは御構い無しなのか、話し始めようとしたのでアルトリアはモニターの方を見てガセフ・ストロノーフとアインズが話し始めていることを伝える。
ーカッツェ平野・ガセフー
「どうした?ガセフ・ストロノーフ。私の配下となれ」
アインズ・ウール・ゴウンが花の手を差し出してくる
その手を掴めば多くの命を救うことができる。
ガセフは迷ったが、はっきりと首を振る。
「断る。私は王の剣。王から受けた恩義に懸けて、これを譲ることは出来ない」
「結果、より多くの民の命が失われてもか?お前はカルネ村を救うために己の命すらも投げ出して戦いに挑んだ。そんな男が救えるはずの命を投げ出すと?」
ガセフは切り付けられたような痛みを心に感じた。
(…なるほど、あの御仁が言っていたことはこういうことだったのか…)
かつてギルガメッシュ王に言われた『貴様はいろいろ厄介なものに気に入られているようだしな』
厄介なものという言葉はおそらくアインズ・ウール・ゴウンを指しているのだろう。
ガセフは剣を握りしめる
「愚かな男だ。では」
ガセフはそれ以上の言葉を言わせず、レイザーエッジをアインズに突きつける。
「…なんだ?」
「ゴウン殿。恩義を受けた身で無礼を謝罪する。汝に一騎討ちを申し込む!」
アインズの表情は変わらない。
しかし、声は出さずともその動揺が手に取るように伝わってきた。
「……本気か?死ぬぞ」
「間違いなくそうなるだろうな」
ガセフはクライムに開始の合図を頼み、己は剣を構える
「では…!」
クライムの緊張した声、ブレインの息を呑む音が聞こえてくる
「はじめ!!」
その瞬間、時が止まった…
ーカッツェ平野・アインズー
《時間停止》によって止まった世界。
アインズはまっすぐ歩きながらため息をこぼす
「…時間停止対策は必須なんだがな…」
剣を振り上げるガセフを見る。
時間停止の時間を数えながらガセフにトドメを刺そうとすると…
「!!?」
物凄い程の黄金色の光がガセフから立ち込める
「ゴウン殿!!!」
「!?」
ガセフが時間停止中であるのに動き、剣を振り下ろしてくる
アインズは慌てて避けて後ろにわずかに下がる
(…なんだ…?時間停止対策?ガセフのレベルじゃ対策は出来ないはずじゃ…!あれは!)
時間停止が止み、時が動き出す。
ガセフの懐から僅かに出ていた黄金色の短剣を見て、間違いなくアレは神器級アイテムだと判断し、ガセフが振りかぶった剣を飛ばす。
「!」
「…惜しい、斬ったと思ったんだが…」
ガセフは悔しそうに再び剣を構える
「………ガセフ・ストロノーフ、一つ質問する」
「なんだ、ゴウン殿」
「…その懐に入っている黄金色の短剣はなんだ」
アインズの中でプレイヤーの存在がちらつく
あの黄金色の短剣を持つプレイヤーは一人しかいない。
ユグドラシルにおいて猛威を振るった嵐のようなプレイヤー
キャメロットに所属するギルドメンバーの一人
「この短剣は…ある御仁から貰ったものだ。黄金の髪をする他国の王だ」
「…そうか、やはりあの男も転移してきていたか…」
アインズにとってあの男の存在は危惧すべき問題だろう。
常識というものはあの男には通用しないのだから
考えていた頭を一度リセットし、目の前の戦士長を見つめる。
ーキャメロットの娯楽室・ギルガメッシュー
加勢に行く事も少し視野に入れたが、ガセフの選択にすっかり関心がなくなり、神器級アイテムの回収を行う準備をする。
オジマンディアスやイスカンダルは結果が分かりきっていることに関心がなくなったのか、立ち上がり自身の領域に戻ってしまった。
ネロは机で寝始めているがアルトリアとソロモンは続行して見ていた。
(…結果的に彼奴は普通の人間だったということか…)
ガセフ・ストロノーフは己の願望のために多くの市民の命をかなぐり捨てた。
それは人間としてはつまらなく、ギルガメッシュの関心を削ぐことになった。
ガセフが敗北したのを見て短剣を回収する。
人間は生きてこそだ、生きて選択し続けるからこそ面白いというのに
「終わったな」
アルトリアの言葉にソロモンも頷く
すると…
「失礼致します。アグラヴェインです」
部屋の外から声が聞こえてきて開けるようにメイドに言うと開ける。
アグラヴェインは頭を下げ話し始める。
「ビーストマン連邦が挙兵、こちらに進行しております」
その言葉にアルトリア達は「え?今?」と揃う
「我が行く、お前達は部屋で休んでおれ」
ギルガメッシュの言葉にアルトリアは『頼んだぞ』と返してネロを背負って歩き始める。
その後に続いて退出するアグラヴェイン
ソロモンは去り際に『頼むからキャメロット周辺を孤城にしないでね』と言って退出する。