オレ氏、デウスエクスマキナ的なアラガミになる   作:真鳥

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ようやく、ようやく擬人化(美少女)に………



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12 魔境を超えて

 

 

 

 

 

 

 

 銀を纏わす白蓮の獅子が唸り、吠え猛る。

 

 すべてを塗り潰す圧倒的なまでの威圧と殺気。

 

 

 全身がビリビリする。震える。恐怖にではない。高揚感。強敵に対峙した武者震い。

 

 そして怒り。アインさんたちをあんな目に遭わせたことに。敵に。不甲斐ない自身に。

 

 ゴッドイーターが大好きな、オレのココロを弄んだこと思い知らせるために。

 

 このメスガキにわからせる。

 

 オレのココロに聳えたつ、失われたマイわからせ棒が奮い勃つ。

 

『お仕置きの時間だッッッ』

 

 ミサイル、レーザー、ガトリングを全弾あらん限り発射する。すかさず、炎熱球、氷球、雷球をも次々と撃ち放つ。

 

 出し惜しみは無しだ。相手はただの敵ではない。イベントボスだ。全力で叩く。

 

 だが、白銀の獅子の前面に蒼白いフィールドの壁が。予想通り弾幕は届いていない。

 

『…………だよなぁ、やっぱ、そう来るよなッッッッ』

 

 オレはブースターを加速、両腕のブレードを構えて全速で斬りかかる。

 

 衝突する刃。火花が迸る。獅子を守護するフィールドが軋みを上げる。

 

 嘲笑うように獅子の口が大きく開いた。

 

『ヤバッッッ!!?』

 

 滅却の極光。

 

 オレはシールドを何重にも展開する。弾ける白煌の熱波。アラガミ細胞を重ね合わせた幾つもの盾が、易々と、溶ける、融ける、解ける、とけ…………

 

 ゴッッッ

 

 獅子の巨体のショルダータックルがオレを半壊した盾ごとひしゃげさせ押し潰す。

 

 凄まじい衝撃。大型ダンプカーにでも正面衝突されたのかってぐらい吹き飛ぶオレ。

 

 遮る障害物が何もない空虚の空間をどこまでも突き抜けるが、ブレードを白い地面に突き刺し急ブレーキをかける。

 

『くっ!?』

 

 影が重なる。その場から飛び退く。真上から獅子の巨体が落ち、地面が陥没する。

 

 白銀の獅子が鬣から幾重にもブレードを形成して斬り飛び掛かる。

 

 ブースターを逆噴射しブレードで迎え討つ。

 

 斬り結び、ぶつかる両者の刃。

 

 穿ち、突き、斬り、断ち、払う。

 

『ぐっうっ!?』

 

 刃の隙間を縫う獅子の鉤爪の腕がオレの横腹を大きく薙ぎ削ぐ。

 

 オレはウィングブースターを展開し、空宙に飛び上がり、『オーディン』の槍を展開して王の財宝(ゲートオブバビロン)のごとく衝撃波と一緒に撃ち込みまくる。

 

 獅子は白石結晶のファンネルを召喚し、絶槍の雷雨を尽く排除する。そして背中からウィングスラスターを展開し飛翔して追いかけてくる。

 

 弾幕の嵐を物ともせず獅子が迫る。

 

 両腕のブレードを構え、ウィングブースターを全力加速して突貫する。

 

 一閃。

 

 互いが空中で擦れ違う。

 

『…………なんだよ…………メッチャ強いやん…………』

 

 オレの両腕のブレードと、ウィングブースターがバラバラに砕き割れて、全身に剣痕が刻まれ────落ちた────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ******

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『…………う…………』

 

『最初かラこうシてれバ良かっタのに。回りクどいからナぁ、お姉ちゃんワ』

 

 白銀の獅子が可愛らしい似つかわない声を発してズタボロのアメノハバキリ変異種を見下ろし、鋭い爪の前脚で踏み付ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 視界が霞む…………

 

 白い獅子のアラガミがオレを足蹴にしている。

 

 ああ、オレ、負けたのか…………

 

 なんだ、あんなにイキって結局オレはやられるとは…………

 

 無双していたと思って調子に乗って…………ご覧の有り様…………

 

 空間の画面に黒い龍が暴れている。

 

 アインさんたち…………ゴメン…………

 

 アラガミになったのに…………たくさん捕食して強くなったのに…………

 

 ハバキリからアメノハバキリに進化して…………

 

 もっと捕食すれば良かったのか…………? 

 

 意地張らず、人間も捕食すれば良かったのか…………? 

 

 いや、そうしたらオレは本当に身も心もアラガミと同じになってた…………

 

 くそ…………もっと力が…………もっと捕食して、力を…………

 

 でも捕食するものがここにはない…………

 

 この精神世界には、オレと目の前の白い獅子…………

 

 ああ、あるじゃないか…………最高の餌が…………

 

 

 

 

 

 

 

『さっサと食べチゃって黒イ大蛇のアラガミを完全制御化しナいと…………なっ!?』

 

 白銀の獅子が足蹴にしたアメノハバキリ変異種の残骸の異変に気付いた。

 

 アメノハバキリ変異種の身体がいつの間にか巨大な口裂の捕食形態に変わっていた。

 

 バッグゥウウウッッッ!!! 

 

 勢いよく閉じられた口裂。

 

 白銀の獅子は瞬時に後ろに下がった。だが。

 

『こ、こいツ、ボクの脚を食べヤがっタ…………っ!!!』

 

 前脚の大部分が抉られ、ごっそりと捕食されていた。

 

 驚愕の表情の獅子。

 

 アメノハバキリ変異種のズタボロの身体が突如、不気味な触手群に飲まれていき、包まれる。

 

『ナにっ!? 何ガ…………っ!?』

 

 変容する身体。やがて漆黒の球状になった。

 

 それはつるりとした真ん丸い卵。

 

 まるでこれから雛でも産まれそうな。

 

『マさか…………進化、シてルっ…………!?』

 

 ピシッ

 

 漆黒の球体にヒビが走る。

 

 そして、ガラスが砕け散るように黒い殻が粉々に弾け飛んだ。

 

 

『!!!?』

 

 

 キラキラと舞う黒燐の輝きの中から現れたそれは人間のよう────だが、禍々しい黒塗りの外骨格の両腕には鋭利な人外の鉤爪を持つ。

 

 濡れ羽色の艶やかな黒鋼の輝きを放つは、夜の闇を落とし込めた腰先まで流れるゆったりとした長き黒糸の麗髪。

 

 側頭部の左右に禍々しく雄々しい両角が聳え伸びる。

 

 たおやかに浮かぶは豊満過ぎる危険かつ特大な双乳。拘束具のような漆黒のビキニが僅かな面積で危うく支える。艶かしい鍛えらた腹筋の腹部、手折れてしまいそうなほどに括れた曲線的な腰周り。

 

 ピッタリとした黒い際どいスパッツが下半身を纏う。魅力的な肉付きのいい臀部と、しなやかな太腿。膝から脚先は黒色の外骨格の具足であり、尖刃のレガースブーツが覆う。

 

 少女。

 

 そこには勇ましい絶世の美少女が存在した。

 

 相対する黒に映える淡雪のごとく白く艶やかな肉感的な肌。物憂げな相貌。垂らす長い睫毛。整った鼻先。紅い唇。

 

 目蓋が開き、凛々しい紅金色の瞳が光を宿す。

 

 無骨なガントレットの鉤爪状の手を伸ばす少女。

 

 何もない白い空中を塗り込めるように鋭いノコ刃を連ねる身の丈を優に越す連刃の大曲刀が彼女の下に顕現する。

 

 

「…………オレは、もう二度と負けない………さあて、第二ラウンド、いや、最終(ファイナル)ラウンドにしてやるぜ、メスガキライオン」

 

 

 黒曜の戦乙女が大曲刀を構え、その切っ先を向けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 



イメージは、TV版ブラックロックシューターのブラックゴールドソーまんまです。気になる方は検索してみてどうぞ。
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