皆さん、お読みくださりありがとうございます。さあ、聖なる探索に出発しましょう。
「…………ふう…………いい湯加減…………」
煙る白い湯気が立ち昇る中、女主人公がゆったりと寛ぐ。
「本当…………癒される…………はぁ…………」
湯船に双丘を浮かばせ、吐息を洩らすクレア。
「フィム、お風呂大好きっ! みんな一緒っ!」
バシャバシャ泳ぐはしゃぐフィム。
「日々の戦いで疲れた身体がリフレッシュされるな…………んんっ」
髪を結ったルルが赤らめた火照り顔で、しなやかな身体を伸ばす。
「…………思いきって大浴場に改修したのは正解だったわね。もう味気ないシャワーだけじゃ物足りなくなっちゃったわ。毎日は流石に無理だけど」
頭にタオルを巻いたイルダが豊満膨よかな美肉を湯に浸し、満足そうに言う。
「…………確かに毎回大量の水を確保する労力は大変ですが、それに見合うだけの価値はありますね〜」
同じく頭にタオルを巻いたエイミーが気持ち良さげに同意する。
「…………………………」
大浴場にて女性陣の艶かしい肢体を前にし湯船に浸かるオレ。
いや流石にちょっとこれは倫理的にアウトっぽいね。
ゲームやアニメ、漫画なら謎の光や湯気や影で隠されてしまう入浴シーンあるあるなのだが、実際にはそんな事はなかった。まあ、すでに自身の身体で確認済みだからね。本当にありがとうございます。
ちなみに衣服について。身体の外皮、一部として着脱、変形自在である。ただ同じ形状の服しか出来なかった。ただ、服のデザインやら種類を覚えれば、色々な格好が出来るだろう。あと、フィムの普段着もオレ同様、普通に着脱出来た。
しかし、女性陣のみんな、ナイススタイルだね。オレのもぷかぷか浮かんでるし。そこはゲームキャラだからかな。フィムはまだ子供だから、これからの成長に期待大。……ルル、それはそれで需要はあると思うぜ。元気出せよ。
「…………そこはかとなく哀れみの視線を感じるのだが…………気のせいか? ブクブク…………」
ルルが死んだような暗い眼で周りの女性たちのタワワをジーッと顔半分だけ湯から出して見ている。
「えっと……肩は凝るし、着る服は限られるし、戦闘中は邪魔になるから……」
クレアが困り顔でフォローする。何処を見てフォローしているか。敢えて言わないのも優しさだろう。
「確かに戦闘中は凄く揺れるからね。結構痛いし」
女主人公もタワワを湯船に浮かべ頷く。
「まあ、大きければ良いってものじゃないけど……自分の体のことだから、その利点を活かすに越した事ないわ。実を言うと私は普段からあんな大胆な格好してるけどワザとなのよね、あれ」
「えっ!? そ、そうなんですかオーナーっ!」
「イルダさん、そんな趣味が…………」
イルダのカミングアウトに驚きを隠せない女性陣。
「違うわよ。勘違いしないで。あの格好は相手との交渉時に有利なのよ。男性相手の場合は特に、ね」
「……ああ、なるほど。どうしても視線が行っちゃいますよね。男の人の視線って、分かりやすいですから」
イルダの言葉に合点し頷くクレア。
「相手の精神を乱し、有利な交渉の場に引き摺り込む…………すでに戦いが交渉前から始まってるんですね。流石、百戦錬磨のクリサンセマムのオーナー。伊達に強豪たち相手に渡り合っていませんね。素敵ですっ!」
エイミーが改めて感心する。
「…………そういう戦い方もあるのか。でもアラガミ相手には効きそうにはないかな」
女主人公が自分のタワワを持ち上げる。
…………みんなデカい。オレもデカいが、イルダもデカい。女主人公も負けていない。クレアもやっぱりデカい。エイミーもデカい。服の上からじゃ分からなかったが、着痩せするタイプか。…………ルル。涙拭けよ。
「イルダ、凄ーいっ! カッコいいっ! 魔しょーの女だねっ! フィムもイルダやクレアやお母さんみたいに、早く大きなって、ボンッ! キュッ! ボンッ! な大人になりたいっ!!」
湯船からザバーッと勢いよく飛び出す、すっぽんぽんのフィム。
何処でそんな言葉覚えたフィム? ジークか? ジークの野郎だな。(確信)
「でも、フィムなれるかな……? 人間じゃないから…………」
自身がアラガミということを理解している故に、不安げになるフィム。
「…………なれるさ。オレもアラガミだから解る。きっとフィムならお母さんみたいな美人な大人の女の人に、きっと」
オレはフィムの濡れたツヤツヤの髪を外骨格の掌で傷付けないように優しく撫でてやる。
「えへへ……ありがとうっ、カラサビっ!」
「おっとぉっ!?」
フィムは嬉しそうに顔を赤らめ、オレのタワワにダイブし抱き付く。
「…………んとね……フィムは赤ちゃんじゃないけど……カラサビとこうしてると…………とっても不思議な感じがするの…………」
オレは苦笑いしつつ、ぴったりフィットするフィムを谷間に抱いて頭を撫でる。
みんな優しい表情でオレとフィムを微笑ましく見守る。
フィムの額の角を鋭利な鉤爪でそっと触れる。オレの頭にも長い人外の角がある。確かにお互い人間ではない。
でも、この肌に伝わる温もりは、人だろうが、アラガミだろうが関係ない。
護りたい、大切に想う愛おしい気持ち。
そこには嘘偽りない歴とした感情がある。
しばらくそうしていると、沈没していた深海棲艦ルル級が唐突に立ち上がった。
「……なんだ、ココは……? タワワな灰域……? 目の前に……タワワなアラガミどもがたくさんいる……討伐……討伐しなければ…………」
真っ赤な茹で顔の白眼を剥いた表情で
「きゃあああああああッッッ!!?」
「クレアッッッ!!?」
めちゃくちゃ揉んでいる。揉みまくっている。これでもかってぐらいに。ナニをとは言わない。察しろ。
「あわわっ!? こ、これは、暴走っ!? 大変ですっ! クレアさんがルルさんに捕食されましたっ! 対象のバースト確認っ! バストだけにっ!!」
「オペレーションしてる場合っ!? くっ! 二人ともっ速やかに対処しなさい! これは命令よっ! 私は先に上がるわっ!」
「あっ!? オーナーズルいっ! 私も失礼しまーすっ! 後はよろしく〜ッ!!」
イルダが脱兎の如く撤退し、エイミーも後を追いかけていく。
湯船にぐったり浮かぶクレアから女主人公とオレにロックオンする裸身のルル。
完全に目が逝っちゃってるぞっ!!
いつの間にかスヤスヤ寝てしまったフィムを抱いたオレと女主人公は互いに視線を交わし肯き合う。
「「エンゲージッッッ」」
新たなる強敵の出現にオレたちは戦いの火蓋を切ったのだった。
「風呂場の方が妙に騒がしいんだが…………いいのか?」
ニールが読んでいたバガラリーの漫画本から顔を上げる。
「あ〜、いつもの事だから気にすんなって。でも今回は、いつもより派手だなぁ」
「新メンバーがいるからだろう。下手に手を出すと巻き添え食うからな。放って置けばいいんだ」
ジークがベッドで携帯ゲームし、ユウゴがテーブルで帳簿を付けている。
「……そういうものなのか。ならいいが…………(明らかに戦闘している気配なんだが、一体風呂場で何が起きているんだ……?)」
ニールは訝しみつつ、漫画の続きを読み出した。
「…………おいおい。風呂場壊すなよな……修理すんの俺なんだから…………」
リカルドが遠くで聴こえる破砕音に溜め息を吐きつつ、フロア掃除をしていた。アインは外出、キースはラボに篭って研究している。寝子は寝そべり欠伸をしていた。
聖なる探索。それは浪漫…………夢、希望を追い求める果てない旅路。
喧騒は続く…………。