オレ氏、デウスエクスマキナ的なアラガミになる   作:真鳥

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5 破壊の主

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そのアラガミ『アメノハバキリ変異種』は我々グレイプニルが責任を持って対応する。お前たちミナトに属するゴッドイーターは速やかに撤退しろ。これは命令である」

 

 突如現れたグレイプニルを名乗るゴッドイーターの集団が一個師団ズラリ。

 

 軍隊染みた統制を伴ない神機を手に命令してくる。

 

 なんだコイツら。何かワケワカラン理不尽極まりない頭悪いこと抜かしてやがる。

 

 ん? コイツらの軍服見たことある。

 

 あっ、思い出した。いつもちょっかいかけてくるヤツらだ。なるほど。コイツらグレイプニルだったのか。

 

「グレイプニル所属のゴッドイーターだと? そのグレイプニルがただのアラガミ一匹だけにこれだけ大所帯とはな」

 

 アインが鼻で笑い皮肉げに答える。

 

「ふん。ソイツはただのアラガミではない。貴様らのような凡雑な神機使いには手に余る相手だと言っている。生命を粗末にしたくなければ、大人しく引き下がるがいい」

 

 隊長だろうガタイがいい軍服の厳つい神機使いが高圧的に見下す。

 

「誰が凡雑だっ! テメエらよりよっぽど場数踏んでるつーのっ!!」

 

 ブーストハンマーを引っ提げてジークが鼻息荒く走ってやってくる。

 

「ああ、確かにこの人数でアラガミ一匹相手するとはキナ臭い。何かあるとしか思えないな」

 

 ロングソードを担ぎ、ユウゴが訝しみながら、駆け寄る。

 

「こんな貴重なアラガミをどうするつもりだ? また良からぬ実験でも企んでいるのだろう」

 

 ルルがバイティングエッジを構えて胡乱げにグレイプニルの集団を睨む。

 

「ウチは少数精鋭なんでな。クリサンセマムの鬼神を知らないわけじゃないだろう。あんたら」

 

 アインが意地悪く口をにやりと歪ませる。

 

 クリサンセマムの鬼神。

 

 そう聞いて、たじろぐグレイプニルの神機使いたち。

 

 クリサンセマムの鬼神って主人公のことじゃんっ! いるのか、主人公っ! アインさんいるからもしかしてユウゴたちもいるのかと思ったらいたし。生の主人公とフィム、クレアちゃんやイルダさんに逢えるかも? テンション上がるうっ! 

 

「くっ…………だが、鬼神の姿は見えないぞっ! この場にいない英雄など痛くも痒くもないわっ! 構わん、作戦を開始しろっ!! ターゲット『アメノハバキリ変異種』鹵獲せよっ!!」

 

 グレイプニルのゴッドイーターたちが勝手に戦闘を開始する。

 

 そしてオレに向かい神機をそれぞれ構える。

 

 なんだなんだ? 結局は闘うのか? 主人公はいないの? アインさんたちはどないするの? 

 

 キョロキョロするオレを取り囲み、陣形を組むグレイプニル勢。

 

「コイツらマジで戦闘おっ始めやがったっ! どーするよっ!?」

 

「…………どうせ、はなからそのつもりだったんだろうぜ。アイン、ヤツらの言う通り撤退するか? それとも…………」

 

 ジークが慌てるが、ユウゴは冷静に状況を見据える。

 

「撤退はしない。だが、ヤツらの自信満々さが引っかかる。あの変異種の強さはヤツらも見ていたはずだ。灰域種を安易と駆逐する様をな」

 

「なるほど。一旦アイツらをけしかけて出方を見るのだな。手の内を探るのと漁夫の利も合わせた狡猾な作戦だ」

 

 アインの言葉に頷くルル。

 

 アインたちは距離を取り、グレイプニルのゴッドイーターたちと渦中のアラガミとの成り行きを見守ることにした。

 

『はぁ〜〜〜。アラガミってだけで目の敵されんの勘弁して欲しいなぁ〜〜〜。毎回毎回。こっちは人間襲ったことなんて一度もないのに』

 

 ため息を吐くオレ。人畜無害100%アラガミ印なオレをハントするべく神機使いたちが次々に攻撃してくる。

 

 仕方ないな。とりあえず軽くコイツら蹴散らしてアインさんたちと話の続きしたい。

 

 まずは、この無礼な有象無象の神機使いどもに進化したオレの力を見せつけて"わからせ"る必要がある。

 

 オレは半機械の肉体をフル駆動させ、戦闘態勢に移行する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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『アメノハバキリ変異種』

 

 それが確認されたのはごく近年。それまでのハバキリ変異種とは一線を画す存在。接触禁忌種指定アラガミ。

 

 進化したアメノハバキリの亜種、あるいは変異体と思われる。まるで闇色の鋭角な甲冑をその身に纏ったような妖艶な女性体の半身を持った戦士、騎士の姿を模す。

 

 ハバキリ変異種が数多の灰域種アラガミを捕喰し昇華したという情報があるが、真偽は不明。自然災害などの外的要因によって変異したとの見方が現在は有力である。

 

 攻撃力、機動力ともにアメノハバキリを大きく上回り、神出鬼没の鋭い斬撃は正に迅雷を想起させる。一瞬の油断が命取りとなるため常に警戒が必要。

 

 またあらゆるアラガミを捕食したためか、様々な特徴的かつ多彩な戦闘方法を用いるため思わぬ攻撃に要注意。

 

 その異能性は驚嘆の一言であり、さらに信じられないことにまだ進化途中であると一部の研究者は提言している。

 

 しかしながら積極的に人間を襲うことはなく、これまで被害は報告されていない。これは偏食志向の対象が人間以外と推測されるが定かではない。

 

 だが、襲われた場合はその限りではなく、絶望をその身に刻むだろうことは難くない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「各自散開しろっ! 一箇所に固まるなっ! 狙い撃ちされるぞっ!!」

 

「なんだコイツっ!? 情報とまるで違うぞっ!! デタラメな強さだっ!!」

 

「オペレーターッ! 状況をっぐわああああッッッ!!!」

 

 

 阿鼻叫喚。

 

 戦場はまさに地獄さながらの有り様を呈す。

 

 凄まじい衝撃を伴ない、空中から高速で滑空するアメノハバキリ変異種。

 

 背中のウィングブースターを加速させ、幾重にもミサイルと雷球の機雷を雨あられとバラ巻き絨毯爆撃する。

 

 劣勢の中、果敢に挑む神機使いたち。

 

『……戦いに敗れ、欲するものが手に入らなかった場合、挫折感と敗北感を味わい傷つき…そして次なる戦いのとき「恐怖」を感じることになる………オレは「恐怖」を克服することが「生きる」ことだと思う………』

 

 スパークする雷撃と爆撃と熱波の応酬。逃げ惑い、戦い、飛来するブレードが薙ぎ払われ、ひとり、またひとりと戦闘不能に追い込まれる。

 

『世界の頂点に立つ者はッ!ほんのちっぽけな「恐怖」をも持たぬ者ッ!わかるかっ神機使いどもッ!?オレはッ!安心を得るためにッ!生きるッ!!!』

 

 オレは『バルムンク』のキャノンの砲身を肩から生やし、電光弾と『ラー』の炎熱球をバカスカぶっ放して神機使いで射撃シューティングを行う。

 

『無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァーーーッ!!!!』

 

 縁日の的当て景品のように喰らった端から神機使いたちは面白いようにスタンしまくるので、すかさず『アヌビス』の鉤爪ブレードでぶった斬りまくり無双し、舐めプする。

 

『ちょっと前にアラガミの身体になったが、これほどまでにっ!なじむ、実によくなじむぞっ!最高に「ハイ!」ってやつだアアアアアアハハハハハハハハハハーッ!!!』

 

 這いつくばりなんとか逃げようとした神機使いを『ヌァザ』の触手でぐるぐる絡めとり、『ドローミー』の醜悪な顎門を形作ってたっぷり威嚇してやる。

 

『「勝利して支配する」!それだけが…それだけが満足感(ゲス顔)っ!』

 

 悲鳴を上げて泣き叫ぶ拘束された神機使い。食われるとでも思ってるのか? オレは人間は喰わない。まったく実に哀れで情けない。死なない程度にこっちは加減して遊んでやっているのにこの程度か。

 

 ぎゃーぎゃーうるさいからキュッと締め落とし静かにしてポイっと捨てる。

 

 ビカッビカッと閃光がオレを包む。眩しい。またスタングレネードか。バカのひとつ覚えにも程がある。トラップとか状態異常はあんまりオレには効かないけどね。

 

 ドリルで穴掘って潜り、ウザいトラップごと神機使いたちをドッカンドッカン纏めて地面ごと吹き飛ばし蹂躙する。

 

『WRYYYYYYYYYYYYYYYYーーーッッッッ!!!!!!』

 

 遠距離から銃撃してくるヤツらとレーザーピットの光線でチュィンチュィンと撃ち合う。

 

 いやしかし、腐ってもコイツらもゴッドイーターだね。半数以上壊滅してるのにしぶとく喰らい付いてきてるのは感心した。まあ、向こうはリンクエイドやエンゲージとかあるし。真にチートとはまさにプレイヤーであろう。

 

 だけども、いい加減相手するのが面倒くさくなってきた。

 

 キリがないので、ここいらで終わらせるか。

 

 オレは、大規模なエネルギーの波動を空気中に集約させる。周囲に鋭い槍状の物質が旋回しながら次々と展開される。

 

 

 

 そして、迸る炎柱ーーーー

 

 

 

 

 ーーーー極衝撃の津波がすべてを飲み込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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