輝けなかったウマ娘トレーナーは芽吹く新芽に何を思うか   作:にらたま定食

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おはこんばんちゃ。にらたま定食です。

お久しぶりです~。皆様お元気にしてましたでしょうか。私は来週あたりに整形外科に行ってきます。なんか左の小指が痺れるんですよね。職業病っぽい気はするのであまり気にはしていませんが、さっさと治してきます。

それはそれとして、今週は主人公の容姿とかスリーサイズとかを決めてて時間が思うように取れなかったんですよね笑
いつか形にできればと思っていますが、画力はないので期待しない方向でお願いいたします。


それでは、第5話スタートです!


約束

「はぁっ、はぁっ……ご〜る。」

—お疲れ様ライス。今日は貴女が一番乗りよ。

「えへへ、やったあ……!」

—少し歩いて、水を飲んだら少し休憩しておきなさい。

 

 

 新しい子達が来て一週間が経った。

 基礎練習として、まず準備運動と柔軟、筋力トレーニングを入念に行う。次にスタミナ強化の為、朝夕に30分を目標に学外の決められた20km程のコースを走らせている。とはいえ体力が足りない子は40分ほどかかってしまう。

 一番にゴールしたライスシャワーに続いてメジロマックイーン、そしてダイワスカーレットが校門に帰ってきた。

 

 

—2人ともお帰りなさい。次は筋力トレーニングだけど、その前に水分補給して休憩よ。

「ぜぇっ、ぜぇっ……んあ”~~~!!!また負けた~~~~!!!」

「はぁっ、はぁっ……スカーレットさん、早く行きますわよ……キツいのはここからなんですから。」

 

 

 基礎トレーニングにはそれぞれ担当を付けている。

 まず筋力トレーニングはゴールドシップ。腹筋の時に突如メディシンボールを落としてきたり、腕立て伏せの時に背中に乗ってきたりするが、重さを変えたり、足をつけてかける体重を減らしたりするなど、彼女なりに加減はしているみたいだ。

 次の20km走はサクラバクシンオー。ライスシャワー達と一緒スタートするのだが、毎回25分くらいで「バクシン……バクシン……」とヘロヘロになりながら一人で帰って来た後、5分ほどその場に倒れ込んでオグリキャップとゴールドシップが帰ってくる頃に起き上がる。

 そしてストレッチはオグリキャップ……なのだが、体の柔らかいオグリキャップが手本を見せるが、正直ついていくのがやっとといったところだそうだ。「ストレッチの途中で『どうしたんだ?そこから体を前へ、倒せないのか。そうか、残念だ。』だなんて言われ、その後も淡々と進められるから他の二人が意地になっている」……とライスシャワーが日記で教えてくれたので、ストレッチは私が担当することになった。

 その後ゴールドシップと筋力トレーニングの担当となったが、数日前、V字腹筋をしているダイワスカーレットの顔を無表情で覗き続け、メディシンボールをいつでも落とせる位置に構えているのがとてもシュールだった。

 今を走っている子達を見ていると、チームトレーナーとして面倒を見るのも悪くない気がしてくる。

 

 

「なぁなぁ、最近アタシのメニュー厳しくなってきてないかぁ?」

―あなた来月の頭に天皇賞出るんでしょうが。それ終わったら自由なんだから、あまり馬鹿なこと言わないでちゃっちゃとこなしてきなさい。

「へ~い。」

 

 

 トレーニングが終わり、レースを控えたゴールドシップに喝を入れたあと、メジロマックイーンがすごい剣幕で近寄ってきた。

 

 

「トレーナーさん……今()()()と聞こえたのですが、お間違いないですか?」

―びっっくりした。どうしたのマックイーンちゃん。

「私より!先に!!あのゴールドシップが!!!天皇賞に出るというんですのよ!!??」

―あ~はいはい落ち着いて落ち着いて。ゴルシちゃんに先越されるのが悔しいのは理解したけどひとまず落ち着きなさい。

 

 

 鬼のような形相でがっついてくるメジロマックイーンを引き剥がす。

 天皇賞に対する思い入れというか、執念というか、その強さは評価するがこうなってしまうのでは意味がない。

 とりあえずマックイーンが落ち着くのを待つことにした。

 

 

―落ち着いた?メジロ家のしきたりは多少耳にしているけれど、ゴルシちゃんが出るくらいで取り乱しているようじゃこの先思いやられるわよ?

「返す言葉もございませんわ……。」

―まだデビューすらしていないんだから、今はきっちり走れるようにしなきゃでしょう?

「はい、まったくもってその通りですわ。はあ……。」

―大丈夫よ、安心しなさい。私が面倒を見るのよ?天皇賞に出るくらいどうってことないわ。でもそこで勝てるかはマックちゃん次第ね。準備するのは早いほうがいいわ。今はまだその段階よ。いい?

「……トレーナーさん。もし、ですよ?もし、春と秋の天皇賞に勝ちたいと言ったら……私の背中を押してくださると、約束してくださいますか?」

 

 

 いつも気丈に振る舞うメジロマックイーンだが、先程大衆の面前で暴れた事への気恥ずかしさからか、考え方が少し引きこもり気味になってしまっていた。

 

 

―もちろん。でも忘れないで、あくまでも私はあなたの道導。実際に走るのはほかでもないメジロマックイーン、貴女よ。

「それはわかっていますわ。では、期待してもよいのですね?トレーナーさんのその手腕を。」

―お姉さんに任せなさい。約束よ。

 

 

 少しは肩の荷が下りたのか、メジロマックイーンは少し笑っていた。

 「約束」と言ってふと最近の出来事を思い出した。

 

 

―――――――――

――――――

―――

 

 

 

 『皇帝』シンボリルドルフ——チームを立ち上げた当日のトレーニングの直前。なんの前触れもなく彼女はやってきた。

 

 

「これは一体……。」

―後で直させるから気にしないでいいよ。それで?()()()がこんなところになんのご用件でいらしたのですか?それとも()()()()()として私の顔を見に来たの?

「ははは……学園内(ここ)でその呼び方は控えてくれると助かる。」

―わかりました。今日はどのようなご用件でこちらにいらしたのですか?

 

 

 彼女をソファに座らせて、コーヒーを淹れる準備をする。

 

 

「貴女がようやく重い腰を上げられたと聞いたので伺いに来たまでです。」

―凄いねえ。生徒会長ともなれば既に把握済みですか。

「……先程貴女のメンバーに会いました。」

―そう。それで?

「今度は一体何を企んでいるのですか?」

―そういえば砂糖とミルクは?もういらないんだっけ。

「話をはぐらかさないでください。」

―別にぃ?何も企んでなんかいないわよ。はい、ブラックコーヒー。

 

 

 サイフォンで淹れたコーヒーを怪訝そうな顔をするシンボリルドルフに差し出す。

 私はデスクに置いていた飲みかけの冷めたコーヒーを取り、テーブルを挟んで正面に座った。

 

 

「先輩だった貴女のクセくらい、私は覚えてます。」

―先輩呼びされる筋合いはないわよ?もともとあの事故は起こるべくして起こったもの。私に大舞台で走る資格なんてなかったのよ。

「そんな事は!貴女もその心の病さえ治ればすぐにだって……!」

 

 呑気にコーヒーを飲む私を見て、今までキツく締めてきた堪忍袋の緒が切れたのか、テーブルを思い切り叩いて怒鳴った。

 ただその昔同じチームのメンバーだったというだけの間柄の私を心配してくれているのは先輩だった身としてとても嬉しい。

 しかし、今彼女が私に向けているその目だけは気に入らない。

 

 

―ルドルフ、それ以上私への同情を口にするくらいなら今すぐ出ていけ。

「……申し訳ない。」

―……ほら、座りなさい。

 

 

 唇を噛みしめて、まっすぐこちらに向けられていた耳がしおしおとヘタれていく。

 七冠を達成し、今や皇帝と呼ばれ、周りよりも大人びている彼女でも、中身はまだまだ年相応の子どもなのだ。

 少しだけ大人気ないことをしてしまっただろうか。

 

 

―……でも、そうね。企むとかじゃないんだけど、少し試したいことがあるとだけ言っておくわね。大丈夫、あなた達に迷惑はかけないつもりだから。

「そう、ですか……承知しました。」

―う~ん……あ、そうだ!今度時間ができたらご飯食べに行かない?色々あって七冠達成のお祝いできてなかったし、どう?

「それもいいのですが、その……」

 

 

 先ほどとは一変して、少し返答に迷っている様子だ。外食は嫌だったのだろうか?そう思って「じゃあ車借りて遠出でも」と言おうとしたら、小声で何かつぶやいた。

 

 

―今なにか言った?

「外食ではなく、初めての合宿の時に作ってくれた夏野菜カレーだと嬉しい……です。」

 

 

 シンボリルドルフは両手で顔を隠しながら、ぎりぎり聞こえる声量で答えた。

 ソファに尻尾が何度も叩きつけられている様子から、普段のあの立ち振舞いとは離れすぎて恥ずかしかったのだろう。

 彼女のリクエストで昔の記憶が頭の中で再生される。まだ入学して間もない彼女が学内の強豪が集う私の所属していたチームに馴染めていなかった頃の話だ。

 なんだか懐かしくなって笑みがこぼれた。

 

 

―わかった。ちゃんと用意するから時間ができたらちゃんと教えてね。約束よ?

 

 

 その後少しだけ談笑して、「皇帝」に戻った彼女と別れた。

 

 

 

――――

――――――

――――――――

 

 

―そうだ、マックちゃん。この後美味しいスイーツがあるレストランに連れて行ってあげる。

「す、スイーツですって?!あ、でも本当によろしいのでしょうか。ここ最近トレーナーさんの指示でノートへ書き出す(現実を受け止める)ようにになってから、多少とはいえ把握できてきましたし……。」

―じゃあみんな連れて行こっか。みんな~!今日のトレーニング終わったら外に行くわよ~!

「あ、ちょっとトレーナーさん?!」

「「は~い!」」

―はい、決まり。観念して奢られなさい。

「はあ……分かりました。こうなったらとことん食べてやりますわ!」

 

 

 ぷりぷりと怒るメジロマックイーンだったが、耳と尻尾はこの上なく喜んでいる様子だった。




お疲れさまでした。
どこで区切っていいか迷っているうちに長文になってしまいました。笑

最後に、以前言っていた主人公達の設定等を公表していこうと思います!

では、今回は少し早いですが、また次のお話で。


◯アダマスマッシュ(アダマス/マッシュ)
・あだ名は「マッシュ」
・髪
 栗毛(マヤノトップガンとイクノディクタスの中間くらい)
 長さはセミロング。
 だいたい真ん中で分けたストレート。
 環星……白いアホ毛が前に垂れ、おでこのところに大きな丸(というより6?)を作っている。
 走る時は後ろ半分だけを下の方でまとめる。
・目
 比較的細目。というか基本線。開くとつり目気味。
 瞳は濃い赤褐色。瞳孔は横長。全体的に暗め(特に上半分)
 眉はハの字型
・容姿
 身長160cm、B83、W58、H85
 体重:増減なし

「トレーナーに一回だけドロップキックしたことあんだけど、マジでビクともしなかったぜ?あ、鼻血は出てたな。」
「あなたトレーナーに向かって何て事してますのよ……。」
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