ドイツ郊外の廃工場、その工場内のの一室で、2人の女が驚愕の表情を浮かべて立ち尽くしていた。彼女達の目の前にはさっきまで屍だったはずだった少年が、黒いオーラを纏いながら変質する様子だった。
やや色白だった肌は黒へ、顔は鉄仮面の様になり、目は朱色になり吊り上がり、口元は耳元まで裂け歪んだにやけ顔の様に吊り上がり、身体中に紅い模様が浮き上がり猫背になり、胸の中央には紫の丸いクリスタルのようなものが嵌め込まれている。
それは、史上最悪の闇の王とまで言われた悪のウルトラマン、ウルトラマンベリアルそのものだった。
スコール「あ、貴方何者!?」
ベリアル「俺はベリアル、ウルトラマンベリアルだ」
オータム「ハン!ベリアルだが何だか知らねぇが、男ごときがISに勝てると思うなぁ!」
そう言うとオータムは自分の専用機であるIS「アラクネ」を展開してベリアルに襲いかかった。
ベリアル「フッ」
ベリアルは手から極小の闇の光弾を1発だけアラクネに放った。その1発、たった1発でアラクネはシールドエネルギーSEを失い、待機状態に解除された。
それを見た2人は先程以上に驚愕して立ち尽くした。
オータム「な、なんだ?何が起こった?」
スコール「ISをたった1発で...貴方本当に何者?」
ベリアル「言ったはずだ、ウルトラマンベリアルってな。」
拳銃を構えるスコールとオータム、対して仁王立ちで余裕そうにしているベリアル、そんな緊張状態をぶち壊す
束「いっくーん!!」
まあ篠ノ之束だ。
束「おいてめぇ!?いっくんをどこへやった!」
雰囲気ぶち壊しである。
ベリアル「一夏は俺だよ、束さん」
そう言ってベリアルは一夏の姿に戻る。それを見て束は目を見開いた。
束「ええ∑( °口° )!?いっくんISを起動できたの!?」
一夏「いや、あれはISとは全く違う、どちらかと言えば俺の真の姿的なやつだ。」
束「真の姿?」
一夏「あぁ、俺はベリアル、ウルトラマンベリアルだ。」
そう言ってまたベリアルの姿に変わる。
束「(・д・。)はぇー・・・」
呆然とする束にベリアルは苦笑する。
ベリアル「驚いたよな、まさか親友の弟が人工生命体どころか人間ですらないなんてな。」
束「それでもいっくんはいっくんだよ!」
ベリアル「ありがとう、ただ暫く地球を離れる。」
ベリアルの言葉に束はまた驚く。
束「な、なんで!?」
ベリアル「この世界に生まれ落ちる前、俺には息子がいてな、俺はそいつに父親らしいことは何一つしてやれなかった。その息子が今危機的状況に立たされてる。」
束「なんでそんなこと分かるの?」
ベリアル「何、俺達ウルトラマンにはウルトラマンにしか見えない秘密のサインみたいなのがあってなちょうど窓の向こうに写ってる。」
その言葉で振り返る束達ただ窓の向こうには夜の闇しか写ってない。
束「何も写ってないよ」
ベリアル「ウルトラマンにしか見えないって言ったろ、しかもなりふり構わず乱発してるっぽいからな、息子以外のウルトラマン達もかなりやばい状況だろう。」
束「いっくん、それじゃいっくんも戦いに行くの?」
ベリアル「あぁ、それが俺の、故郷を裏切ったウルトラマンのせめてもの償いだからな、つっても死ぬつもりはさらさらない。さっさと終わらせて帰ってくる。千冬姉には怪我が酷いから暫く束ねさんに世話になるって言っといてくれない。」
束「任せなさい!」
そして、ベリアルはスコール達に向き直る。
ベリアル「なあお前ら、俺と取引しないか?」
スコール「取引?」
スコールは眉を顰める。自分を殺そうとした人間に取引を持ちかけて来るなど怪しい以外の何物でもない。
ベリアル「俺の配下になれ、その代わり衣食住の保証はしてやる」
スコール「どうして?私達は貴方を殺そうとしたのよ?」
ベリアル「何、俺はお前らを気に入っただけだ。さっきのオータムつったか?お前の戦闘能力は配下としても申し分ないしな。」
スコール「そう、ならそうさせて貰うわ。ただ、もう1人加えたいんだけどいいかしら?」
ベリアル「それは戻ってから決める、一応連れて来い。暫くは束と共に居てくれ。」
スコール「分かったわ、オータムもそれでいいわね?」
オータム「お、おお」
束「まぁかなり強引だけど...任せなさい!」
ベリアル「あぁ、じゃあ行ってくる、シェアッ!」
掛け声と共に窓から飛び立つベリアル、その姿はドイツの夜空へ消えた。
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