ウマ娘良バ場の愛短編集   作:レヴァナロク

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未来を照らす大輪の輝き

「トレーナーさん…」

 

 ん、またか?もの好きだな、お前も。

 

「トレーナーさんだからですよ?…はい、お願いします…」

 

そう言って彼女は無防備に体を俺に預ける。彼女が求めているものがこれではない事を分かっているが、先に指先で優しく触れる。

 

「んっ…。もう、トレーナーさん、焦らさないで下さいっ」

 

 まあまあ、これはこれで気持ちいいんだろ?

 

「そうですけど…んんっ」

 

気持ちよさそうにしている彼女を横目に俺は取り出した棒を彼女にあてがう。

 

 もちろん優しくはするが、痛かったら言えよ?

 

「はい、お願いします…」

 

彼女の感触を堪能させてもらった後、ゆっくりとその棒を彼女の中へと入れていく。ある程度中に侵入させた棒を別の方向へ動かす。壁を感じる場所で止めたあと、上下にゆっくりと動かしていく。

 

 どうだ?痛くないか?

 

「はい…んっ、痛くないですよ。あっ…、もう少し強くしてもらっても、大丈夫です」

 

ほんの少しだけ力を込めて動かす。

 

「ひゃっ!」

 

 大丈夫か?

 

「はい、気持ちよすぎて、変な声出ちゃいました」

 

 気持ちがいいなら良かった。痛かったら遠慮せずに言ってくれよ?

 

「はい…あっ、…んっ」

 

しばらく同じ動作を繰り返していく。かなり心地よかったようで、何度か声が漏れ、彼女の表情がトロンとしている。そして十分な時間行ったので、棒を引き抜く。

 

「終わり…ですか…?」

 

切なそうな目でこちらを見てくる。

 

 もっとして欲しいのか?

 

「はい…」

 

 でも、ダメだ。これ以上やって痛めちゃ問題だからな。

 

「分かりました。ありがとうございますトレーナーさん。トレーナーさんの耳かき、とーっても気持ち良かったですぅ」

 

そう言って彼女は俺の膝から頭をどける。俺の担当ウマ娘、スーパークリークは笑顔でこちらを見ているので満足したようだった。

 

 満足したみたいだな、良かったよ。にしてもホントもの好きだよな。俺に耳かきして貰いたいってさ。クリークって他人に耳かきされるの苦手だったよな?

 

「はい、そうなんですけど~。トレーナーさんに耳かきして貰うのだけは大丈夫みたいで、すっごく気持ちいいんですよ」

 

 なんでだろうな?

 

「それは…分かりません。ところでトレーナーさん…もう一つ、良いですか?」

 

 はいはい、良いよ。

 

「ありがとうございます!じゃあ、私にぎゅってしてください」

 

言われるがままに俺はクリークへ抱きつき、そのまま体を預ける。そして。

 

「うふふ、トレーナーさん、いい子いい子~」

 

クリークが俺の事を抱きしめながら頭を撫でてくる。これが俺とクリークの日常だ。

 

俺の担当ウマ娘、スーパークリークはとても母性の強いウマ娘で、どんな相手でも甘やかしお世話する事で有名なウマ娘だ。特に彼女と仲のいい二人のウマ娘はよくお世話されている。一人は驚く程に食いしん坊なウマ娘なのだが、そいつの腹を満たしてあげては嬉しそうな顔をしている。そいつも嬉しいようで、「ありがとう、またお願いしても良いか?」と大きく出たお腹を擦りながら満足そうにしている。もう一人は小柄ながら面倒みの良いウマ娘だ。クリークに抱きかかえられる度に「ウチは赤ん坊やないで!」と叫ぶが、素直に甘えさせられているので、クリークの事を理解して彼女の為を思う優しさが垣間見える。

 

そして、例に漏れず俺も甘やかされている。しかし、俺だけは甘やかされるだけではなくクリークを甘やかしている。俺とクリークがこんな風に、甘えて甘やかしてとする様になったのはいつからだったか。それはもう忘れてしまったが、きっかけは彼女が他人を甘やかしても元気になれなくなってしまった時だ。

 

スーパークリークというウマ娘は、凄まじいまでの母性を持ったウマ娘で、他人を甘やかして世話をしていれば不調も治り、絶好調になれるようなウマ娘だった。しかし、ある時急に他人を甘やかしても調子を取り戻せない時期があった。理由は今でも分からないが、その時気まぐれで俺が彼女を甘やかしてあげたら調子が良くなり元の彼女へと戻った。それ以来、クリークは他人を甘やかす事はもちろんするが、俺にだけ甘えるようになった。俺も今まで通り彼女に甘えた。

 

世間からはバカップルとまで言われたが、クリークとそういう関係になるのは悪い気はしなかった。クリークと話した事はないが、恐らく彼女も同じ事を思ってくれているだろう。

 

そして今もクリークは俺を胸に抱いて俺の頭を撫でている。俺も俺で彼女の胸に顔をうずめてされるがままにされている。傍から見れば、成人男性が女学生の胸に顔を突っ込んでいる構図に他ならず、十分通報案件だが世間は理解があるのか微笑ましく思っているのか不干渉だ。

 

ある意味異常な関係だが、俺はこの関係がとても心地よい。

 

「トレーナーさん?もしかしてお疲れですか?」

 

クリークは俺を甘やかしながらそう聞いてくる。

 

 んー?よく分かったな、流石クリーク。

 

「トレーナーさんの事はいつも見ていますから~。それで、どうしたんですか?」

 

 最近、記者やらなんやらからの取材が多くてな。一部はクリークも受けてるから知ってるだろうけど、それ以上に取材の申し込みが多くて、もうてんてこ舞いよ。

 

「なるほど~。でしたら私にいーっぱい甘えて、疲れを癒して下さいっ」

 

 ああ、そうさせてもらうよ。こうされるのは気持ちいいからな。クリークの柔らかくて大きな胸に包まれるのは最高だ。良い香りもするから心も落ち着く。

 

「もう、言い方がえっちですよ?」

 

 そいつは失敬。いやだったなら離れるが。

 

「いえ、嫌じゃないです。なのでもっと甘えてください」

 

 そっか、じゃあ遠慮なく。

 

先程以上に脱力してクリークの身体へと沈み込む。力を抜き切った為に眠気が襲いかかってくる。

 

 くっ、ふわぁ…。

 

「あらあら、トレーナーさん、眠いんですか?」

 

 んむ?…ああ、さっきも言ったけど疲れてるからな、眠い。けど、ここで寝るわけにはいかないしな。

 

そう言いつつも既に瞼は重い。このまま寝てしまうのも時間の問題だ。

 

「このまま寝てしまっても構いませんよ?」

 

 流石にそれはクリークの負担になる。出来ればベッドで寝たい。ソファに寝ると疲れ取れないし。

 

「トレーナーさん、ここの隣のお部屋は確か仮眠室でしたよね?そちらに行きますか?」

 

どうやら本格的に頭が回らなくなってきたようだ。隣の部屋が何だったかも出てこなくなってきた。

 

 ああ、そうだったな。じゃあそっちで寝るよ。

 

「分かりました。トレーナーさん、添い寝して上げても良いですか?子守唄も歌ってあげたいです」

 

 ん?ああ…うん…良いんじゃない?

 

「まあ!ありがとうございますぅ!」

 

ふわっと体が持ち上がった様な気がした。

 

「このままベッドの所に行って、寝かしつけてあげますからね~」

 

そう言うクリークの声を聞きながら、俺は微睡みの中へと意識を落としていった。

 

 

 

 

 

 

意識の戻った感覚。それと同時に体に伝わる温もり、顔に感じる柔らかな感触、鼻腔をくすぐる甘い香り。徐々に意識がはっきりとしていく。

 

…あれからどうしたんだっけ?確かクリークに抱き着いたまま眠くなって、それから…ああ、クリークに抱きかかえられてベッドに寝かしつけられて、今のいままで寝てたんだな。…あ、クリークも寝ちまってるなこれ。

 

今、俺はクリークの胸に抱かれる形で横になっているようだ。頭上から安らかな寝息が聞こえる。俺は俺でクリークの胸に顔を埋めている状態で抱きついていた。まるで母親と一緒に眠りについた子供の様だった。

 

…起きるか。

 

目も覚めた事だし、クリークを起こさないよう慎重にベッドから抜け出ようとする。

 

「んん…。あっ…トレーナーさん、お目覚めになりましたか?」

 

俺が動いた事によってクリークも目を覚ましてしまったようだ。

 

 ありゃ、起こしちまったか。悪いな。

 

「いえ~、構いませんよ?うふふっ」

 

 なんか随分機嫌が良いな。そんなに熟睡してたか?

 

「いいえ、違うんです。その、トレーナーさんが私に甘えるようにお休みになって、それがすごく可愛らしくて。うふふっ、まるで子供を寝かしつけているような気分になれて、とーっても幸せな気分だったんです!」

 

 可愛らしいとか子供みたいって、嬉しくはないなぁ。

 

「ふふっ、ごめんなさい。でも本当に可愛くて可愛くて、胸がキュンッてしちゃいました」

 

 そうっすか…。

 

「はい、本当の子供みたいにママって呼んで欲しいくらいです。…呼んでもらえたりしませんか?」

 

 流石にそれは勘弁してくれ…。それにいつかは結婚して子供を授かるだろ。そしたら子供にママって呼んでもらえば良いんじゃないか?まあ、まずは相手を見つける所からだろうが、クリークは美人だしすぐに見つか「でしたらトレーナーさんが良いです」る…はい?

 

クリークが珍しく俺の言葉に被せて発言する。

 

「結婚して子供を授かるならトレーナーさんが良いです。トレーナーさんと結婚して、トレーナーさんとの子供を授かりたいです」

 

 あー、そうか。

 

正直、こういう返事が返ってくるのは予想通りだった。話した事はなかったが、俺はクリークの事が好きだし、多分クリークは俺の事を好いていると思っていた。でなければ恋人の様な距離感で互いに接したりはしないだろう。つまり、口には出さないだけで相思相愛なんじゃないかと思っていた。

 

 本当に俺で良いのか?

 

「はい、トレーナーさんだから、良いんです」

 

彼女はこちらをじっと見て言葉を紡ぐ。

 

「担当して下さるトレーナーになってもらえた時は、単純に甘えて欲しいという思いだけだったんです。でも、いつからかそれだけでは無くなったんです」

 

彼女は何故かバツの悪そうな顔をした。

 

「多分、羨ましく思ってしまったんです、他のウマ娘の子とトレーナーさんの関係が。頼り頼られる関係が、です。あっ、トレーナーさんが頼りないという訳ではないですよ?いつも私がトレーナーさんを甘やかして、トレーナーさんはそれを拒否しないで受け入れてくれて、それはすごく嬉しい事でした。でも、ほんの少しだけ、トレーナーさんが私を甘やかしてくれないかしらって、ちょっとだけ欲をかいてしまったんです」

 

再び笑顔を見せるクリーク。

 

「だから、トレーナーさんが私を甘やかしてくれた時、とても、とーっても嬉しかったんですよ?そして思ったんです。きっと貴方は運命の人なんじゃないかと。でなければ、一緒に居てこんなに心の安らぐ人な訳ないと思います」

 

そして今度は不安そうな顔をする。

 

「いままで言葉にした事はありませんでしたが、私はトレーナーさんの事が大好きですっ。私を恋人に、お嫁さんに、母親にして頂けませんか?えっと…私なんかではダメでしょうか…?」

 

クリークが告白する。

 

 ダメなわけないだろ。俺もクリークの事が大好きだ。最初は甘やかされてばっかで、甘やかされないようにならなきゃって思ってたんだ。けど今じゃクリークが甘やかしてくれないと調子が出なくなった。それに今の俺はクリークを甘やかしたくてしょうがないんだ。クリークが俺から離れていってしまったら…なんて正直考えたくないくらいだ。クリークにはずっとそばにいて欲しい。だから、俺の恋人に、結婚して妻に、将来産まれる俺とお前の子供の母親になって欲しい。

 

「はい、もちろんです!不束者ですがよろしくお願いしますっ」

 

どちらからともなく、抱き合い、口付けを交わす。永遠とも取れる、刹那とも取れる、そんな時間。互いに唇を離す。

 

「トレーナーさん、お願いがあります」

 

 奇遇だな、俺もだ。

 

再び二人の距離は近づき、密着する。先程よりも激しく情熱的に。二人がまた離れると一度目にはなかった銀色の橋が作られていた。

 

 実は、ずっと我慢してたんだ。クリークはすごい魅力的だからな。

 

「私もです。トレーナーさんの温もりや匂いを感じる度にもっと欲しくなってしまっていました」

 

時刻は夜。窓から覗く月明かりが彼女の顔を照らしだす。その表情は、どんな闇夜の中だろうと決して曇る事のない大輪の輝きを放っていた。

 

そして二人は互いを求め合うのだった。




読了ありがとうございます。

実はウマ娘の中の最推しはスーパークリークだったりします。彼女、めちゃくちゃ魅力的ですからね。ああ、クリークとうまぴ(自主規制)。
なのでかなり気合い入れて作りました。最後の展開が個人的にGoodです。まあ、言い逃れは出来ませんね。という訳では最後に一言。

こいつらうまぴょいしたんだ!!

今後書いて欲しい短編の内容を教えてください

  • まだ出ていないウマ娘
  • 既出のウマ娘で後日談
  • 既出のウマ娘で別世界線
  • コメ欄に要望書くから俺(私)の愛バを書け
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