ウマ娘良バ場の愛短編集   作:レヴァナロク

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今回は以前書いたアグネスタキオン短編の後日談です。


ニブチンモルモットと不器用探求者/After Story

「トレーナーく~ん、紅茶を淹れておくれよ~」

 

 じゃあ私の膝の上からどいてもらっていい?これじゃ紅茶用意出来ないよ。

 

「まったく、仕方がないなトレーナー君は。君は私の座椅子なのだから早く戻ってきたまえよ?」

 

そういって渋々と彼女は私の膝から体をどかす。彼女は私が担当しているウマ娘のアグネスタキオン、様々なレースでトロフィーを獲得した優駿なウマ娘だが、今では私と恋人関係にある子だ。きっかけは…詳細は省くけど最終的にタキオンに襲われてそのままくっついてしまった。でもまあ、うん、良かったよ。襲われたと言っても優しかっし。

 

今私達は、私の部屋で過ごしていた。休日はいつもここでダラダラしている事が多い。まあ、タキオンはなにかと研究の事を考えているようだが、私とのひと時は大事にしている様で研究より優先してくれている。私もタキオンの事は大好きなので素直に嬉しい。今では私の部屋ではあるが半ばタキオンとの同棲部屋の様になっていた。彼女のお気に入りの紅茶の茶葉を始め、彼女用の寝具に衣類、生活用品など、大体の物はこの部屋に置いてあった。

 

今ちょうど淹れている紅茶が、彼女のお気に入りの紅茶だ。

 

 はい、タキオン、紅茶だよ。

 

タキオンの前に置いてあるテーブルにタキオン用のティーカップを置く。彼女は極度の甘党なので中身の紅茶には大量の砂糖が入っている。私は私で用意した甘いカフェオレの入ったマグカップを置く。ちなみに私は紅茶よりはコーヒーの方が好きだ。

 

「ほら、トレーナー君、早く座りたまえ。私がそこに座るんだから」

 

 分かってるよ。

 

私が胡座でテーブルの前に座るとすかさずその上に横向きで座るタキオン。

 

「おや、トレーナー君はコーヒーではないんだね?いつもはコーヒーを飲んでいるはずだが」

 

 うん、だってタキオンと一緒にいる時にコーヒー飲んでるとタキオン間違って私のコーヒー飲んじゃうでしょ?私が悪い訳でもないのに不機嫌になられるのはヤダし。一応、タキオンに嫌な思いはさせたくないし。

 

「一応ってなんだい、一応って。そもそも君がコーヒーを飲もうとするのが悪いんだよ。だいたいなんだいあの苦いだけの飲み物は。人間やウマ娘が飲んでいい代物じゃあないだろう。初めに飲もうと考えた人物の気が知れないよ。とにかく、コーヒーを愛飲してるトレーナー君が悪い」

 

 ええ…、結局私が悪いの…?少しは苦いの克服したら?このカフェオレなら相当甘いよ?

 

「カフェオレだってコーヒー飲料だろう。どんなに甘くても飲まないよ」

 

 そう。本当にコーヒー嫌いなんだね~。よくそれでカフェちゃんと仲が良いよね。

 

「カフェは素直に認めないがね。それよりトレーナー君、随分親しげにカフェの名前を口にするじゃないか」

 

 まあ、お互いコーヒー好きだからね。よくこの喫茶店のコーヒーが美味しかったとか、コーヒーの美味しい入れ方の話とかしてるよ。

 

「ふーん、私抜きで随分楽しそうじゃないか」

 

 …タキオンもコーヒー飲む?

 

「…飲まない。…はあ、まったく。君は少し私の所有物だと自覚してくれたまえよ。ちゃんと私にも構ってくれ」

 

 分かってるよ。一番好きなのはタキオンだし、タキオンのお願い事とか一番に優先して聞いてるでしょ?まあ、今の状態だとタキオンが私のものみたいになってるけどね。

 

「あながち間違いではないだろう。なにせ、君は私のもので、私は君のものなんだから」

 

 ふふっ、そうだね。

 

こちらを向くタキオンの唇に軽くキスをする。

 

「…ふむ、このコーヒー風味なら甘くて私でも口にする事が出来そうだよ」

 

 …?あっ、このカフェオレなら飲める?用意しようか?

 

「そういう事を言ってるんじゃないよ。ホントにどれだけ鈍感なんだい君は。こういうことさ」

 

今度はタキオンからキスされる。先程よりも長く。

 

「…理解したかい?」

 

 なるほど、私とチューするならコーヒーの苦味も甘く感じるって事ね。

 

「恥ずかしいから声に出して説明しないでもらえるかな、まったく…」

 

呆れ顔のタキオンだが耳や尻尾の動きを見るにどうやら嬉しいみたいだ。

 

再びゆったりとした時間が流れる。タキオンは紅茶を、私はカフェオレを飲み他愛も無い話をしながらまったり過ごす。たまにタキオンの頭を撫でたり尻尾の毛を梳いてあげたりする。そうするとタキオンは嬉しそうに耳を動かす。ホントは耳を触ってみたいのだが、触ると怒るので自重する。

 

「ああ、そうだ忘れていたよ」

 

タキオンが唐突にそう言うと、すっと立ち上がりタキオンが持ってきていた荷物を漁る。すると中から出てきたのは幾つかの小ビン。中には綺麗な色をした液体が入っていた。

 

 それなに?

 

「最近行っていた実験により作成出来た薬だよ。というわけで早速モル…トレーナー君には飲んでもらおうか」

 

ずいっと小ビンを差し出すタキオン。

 

 良いんだけど…せめて効果は教えてくれないかな?それと副作用があれば。

 

「ふむ、では一つずつ行こうか。まずその水色の薬だ。これは以前話した君との子供を作る為に、という事で作成した薬だ。それで効果なんだが…その…」

 

急に言い淀むタキオン。

 

 どうしたの?

 

「ああ、いや、実はなかなか口に出すのは恥ずかしい効果でね…。ネットを利用してこの言葉を調べれば理解出来るんじゃないかい?」

 

そう言われて、渡された紙に書いてあったのは『両性具有』の文字。実はオタクの端くれの私。一瞬で理解した。

 

 あ、そういう事…。タキオンのためなら生えても構わないけど、どうやって知ったの?タキオンこういう知識無いでしょ。

 

「私は君にその手の知識があったのに驚きだよ。いや、たまたま同室のデジタル君に女性同士で子を作る方法について聞いてみたら言い淀んでね。何か知ってるようだったし、知ってる事を話すように迫ったら白状したよ。何故かその後ベッドの上に横になって、両手を胸の前で組んだと思ったら仰向けのまま動かなくなってしまったが」

 

 まあ言う事でもなかったし、人によっては嫌悪するジャンルだからねぇ…。それよりも同士デジたん…君の犠牲は忘れないよ…。

 

「犠牲て。彼女は死んでいないよ」

 

 大丈夫、分かってるから。それよりもこの水色の薬を飲めば私にアレが生えると。

 

「まあ、そういう事だよ。残念だが確実にとはいかないがね」

 

 そっか。…じゃあ飲むよ?

 

「ああ、グイッといってくれたまえ」

 

水色の薬を一気に飲み干す。

 

 思ってたよりは不味くないね、今回の薬。

 

「味については気にする余裕はなかったんだが、それなら良かったよ。…それで?変化はあったかい?」

 

…特段変化なし。下腹部も何ら違和感は無い。

 

 特に変化はないかな。

 

「そうか。実験失敗とするには些か早計だが、一応は失敗にしておこう。遅効性の可能性もあるから何かあったら報告するように」

 

 分かったよ。ちなみにタキオンは飲んだの?

 

「もちろん飲んださ。しかし私にも効果は現れなかった。飲んでから時間もそれなりに経っているが…変化は無し。少なくともウマ娘には効果がない可能性が高いだろうね」

 

 なるほど。

 

「では、次の薬だ。次はこの緑色の薬を飲んでもらおうか」

 

 はいはーい。それで効果は?

 

「先程の水色の薬に近いものだね。あちらは…その…アレが生える薬だが、こちらは身体を男性化させる薬だ」

 

 ふむふむ。じゃあ飲むよ。

 

「ああ」

 

緑色の薬を飲み干す。

 

「どうだい?変化はあったかい?」

 

 んー特にはないかな。うん、変わらないよ。

 

「そうかいそうかい」

 

 あれ?実験が失敗した割に少し嬉しそうだね。どうして?

 

「…少しだけ不安だったんだよ。私は君の事が大好きだ。だがもし君が男性になったときに君の事を嫌いになってしまったらと思うと怖かっんだ。だから正直失敗で良かったと思うよ」

 

 なら用意しなきゃ良かったのに。

 

「君との子供を残せるのであれば可能性に賭けないとね」

 

 そっか。

 

「…ニコニコしながら頭を撫でないでくれるかな?」

 

 やめちゃう…?

 

「…実験が終わったら続きをお願いするよ」

 

 うん!

 

「では残りの薬だよ。残りはこの二つの薬だ」

 

残った二つのビンには両方とも桃色の液体が入っていた。しかしそれぞれに『弱』『強』と記載されている。

 

「この二つの薬のうち片方はスカーレット君に頼まれて作成したものなんだ。もう片方はそれを受けて私が好奇心で作ったものになる」

 

 なるほど、じゃあどっちから飲めば良い?

 

「そうだねぇ…。では『弱』と書いた方から飲んでもらおう。こちらはスカーレット君の頼みで作った薬だ。彼女の頼みは惚れ薬が欲しいというものだったのだが、恐らく彼女のトレーナーに飲ませる気なのだろう」

 

 スカーレットちゃんのトレーナー…、アイツかぁ。あれ?彼女等って両思いじゃないの?

 

「これは推測だが、互いにすれ違っているんじゃないかい?」

 

 確かにアイツ鈍いからね~。

 

「君が言うんじゃないよ…。じゃあとりあえず飲んでみてくれたまえ。効果だが惚れ薬と銘打ってはいるが、ちょっと気分を高めて素直にするだけの薬だ。彼女達ならそれで十分だろう」

 

 それ、私が飲む必要ある?

 

「たまには君の本音を聞きたいじゃないか、さあ飲みたまえ」

 

 いっつも本音で喋ってるんだけどなあ。…んぐ。

 

「さてさて…効果は出るかねぇ…。じゃあ早速本音を喋ってもらおう」

 

 私の本音?んー、タキオンめっちゃ好き。普段は凛々しい顔しててかっこいいけど、うまぴょいの時の顔は可愛いでしょ?頼み事する時にちょっとだけ甘える様に頼むのも可愛い。あと機嫌が悪い時の不貞腐れた雰囲気も、「ご機嫌取りする為に構え」って言ってるみたいですごく可愛いくて、たまにわざとちょっとだけ不機嫌にさせようとしちゃう。

 

「今聞き捨てならない事を言った気もするが、それは置いておいてちょっとやめてくれないかい?」

 

タキオンが顔を赤くして止めてくる。こうなる事は分かってた可愛い。

 

 もうダメ?

 

「ああ、少し恥ずかしいよ…」

 

 それは残念。

 

「トレーナー君、薬の効果が出てるのかい?わざとやってるんじゃないか?」

 

 うーん、自分じゃ分かりにくいけど多分薬の効果は多分出てるよ?なんかいつもより素直に自分の考えてる事がスラスラ出てくる感じ。

 

「なるほど?ふーむ、もちろん見た目で分かる変化が出る訳ではない…か。もう一つ、用意するべきだった様だ。私自身でも効果を感じる必要があったね、これは私の落ち度だねえ」

 

 別に大した失敗じゃないし良いんじゃない?

 

「…反省はまた今度にして今は実験を終わらせる事に集中しよう」

 

そういって、タキオンは『強』と書かれたビンを差し出す。

 

「これが最後の薬だよ。先程も言ったがスカーレット君から頼みで作った薬を私の好奇心でアレンジしたものだ。まあ、どちらかというとこちらの方が惚れ薬に近い筈だ」

 

 これも私飲む必要ある?私タキオン大好きなんだけど…。

 

「うん、それは嫌という程知っているよ。ただの知的好奇心だよ。惚れ薬を飲んだ時に惚れている相手を目の前にした時、どのような反応をするのか知りたくなったんだ」

 

 そっか。じゃあ飲むね?

 

最後の薬を飲む。程なくして体が熱を持つのが分かる。これは…。

 

 はあ…はあ…、ふぅ…。

 

「トレーナー君!?大丈夫かい!?まさか体に悪影響が!すまないトレーナー君!今すぐ救急車を…っ!?」

 

気が付くとタキオンの上に私が覆い被さる構図になっていた。つまり、私はタキオンを押し倒していた。

 

「ト、トレーナー君!?」

 

 ふう…ごめんねタキオン。はあ…ふぅ…多分これ、薬の影響。ふー、体が火照ってしょうがないよ。嫌なら跳ね除けて…?

 

「…そうしたいのはやまやまだが、どうやら薬のせいか君の力が強くなってる様で、君を押し退けようとしても力で勝てないんだよ。まあ、そもそも嫌じゃないから…せめて優しくしておくれよ?」

 

 善処する…。

 

タキオンの唇に力強く自身の唇を押し付ける。深く、熱いキス。

 

「…ぷはぁ、普段は、君を攻めているが、たまには攻められるのも悪くないね」

 

色っぽいタキオンの顔を見て、我慢ならずタキオンに触れる。そして私たち今日も愛し合った。




読了ありがとうございます。

今回はダイワスカーレットの短編を書いた時に出たネタを利用してアグネスタキオンの後日談を書かせていただきました。タキオンの違う話を望んでいたモルモットトレーナーの皆様、お待たせ致しました。
(実はまだ書いてないウマ娘のネタが思いつかなかったので苦肉の策で後日談書いてたりします。現在は何個かネタが出来たので次は新しいウマ娘の作品が出来ると思います)

ちなみに以前書いたダイワスカーレットと世界線は一緒の設定です。そしてスカーレットに渡した薬は『強』ラベルの薬です。後付け設定なので矛盾があっても許してください新しいウマ娘の短編書きますから。

感想、評価、お気に入りをして下さると作者が狂喜乱舞してモチベが上がります。なのでお願いします。

今後書いて欲しい短編の内容を教えてください

  • まだ出ていないウマ娘
  • 既出のウマ娘で後日談
  • 既出のウマ娘で別世界線
  • コメ欄に要望書くから俺(私)の愛バを書け
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