ウマ娘良バ場の愛短編集   作:レヴァナロク

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今回のお話と全く関係ありませんが、ナリタブライアン当てました。なにあの驚異的な胸囲を持ったイケメン…。


名脇役は人生の主役となる

 なあ、ウチの担当がさあ、自己肯定感低くてさあ、どうにかなんないのかねえ。ほら、ウマ娘ってさ精神力が物理的な力に変わって速く走れるって言われてるじゃん?明確な根拠はまだ出てるわけじゃないけどさ、俺は信じてるわけよ。だからどうにか自己肯定感を高く持って欲しい訳なんすよ。どうすれば良いのかね?

 

「ねえ、それライバル視してるボクに聞くぅ?」

 

俺の担当ウマ娘ナイスネイチャ、の同級生であり同じ時期にデビューをしたライバルでもあるトウカイテイオーが文句を言う。

 

 いやー、やっぱ無敵のテイオー様なら妙案を思いつくんじゃないかと思いましてねー。強くてカッコイイテイオー様ならウチの担当ウマ娘を助けてくれるんじゃないかなーと。やっぱ最強だよなートウカイテイオー。

 

「ふふん、そんなに褒められたら期待に答えてあげないとね!なんせ無敵のテイオー様だからね!」

 

うーんチョロい。

 

 でだ、どうすれば良いと思うよ?

 

「自信を付けれればいいんだよね?ならもっとトレーニングをして絶対の自信を付けるとか?」

 

 俺もそれ考えたんだけどな?今のトレーニング以上にスパルタにしてもむしろ悪影響になるんだよな。身体を壊しかねない、それだけは絶対にダメだ。そんな事したら俺は俺を許せなくなる。

 

「そっかあ。そうだなあ、ボクだったらさっきみたいにめちゃくちゃ褒められたらすっごい嬉しいけど、ネイチャってそういうタイプじゃないもんねー」

 

 ふむ…、いや、ありかもしれねえな。

 

「えぇ?ネイチャだよ?絶対に効果ないってー」

 

 俺の信条は押してダメでもとことん押せ!だからな。褒め続ければ効果ある筈だ。

 

「なんかさっきと言ってる事違くなーい?ボクが出したトレーニングもっと頑張るっていうの否定した癖にぃ」

 

 そりゃ引き際はわきまえるさ。押し続けた結果壊れて押せなくなったら元も子もないだろ?そこは見極めたいとな。

 

「ふーん」

 

 ヒントくれてありがとなテイオー。ほれ、さっきそこで買ったはちみーだ。濃いめ硬め多め…だったか?やるよ。

 

「ほんと!?やったー!ありがとーネイチャのトレーナー!」

 

 前回の重賞は負けたからな、次は負けん。

 

「ふふん!ボクも負けるつもりはないよ!」

 

テイオーと別れて自分の担当ウマ娘であるナイスネイチャの元へ向かう。行うは褒め殺し大作戦だ!

 

 

 

 

 

 

 

ネイチャがいるであろう、俺が使ってるトレーナー室へ向かう。最近は何故かトレーナー室に入り浸っているのだ。

 

 おっす~ナイスなねーちゃん、お店やってる?

 

「おっす~トレーナーさん。アタシはねーちゃんじゃなくてネイチャだし、ここはお店じゃなくてトレーナー室だけどねぇ」

 

 流石ネイチャ、しっかりツッコミ入れてくれるねえ。

 

「いやそんな事で褒められても嬉しくないし。で、今日はどんなトレーニングするのトレーナーさん?」

 

 今日は精神力のトレーニングだ。

 

「精神力のトレーニング?なに?根性でも鍛えるって事?アタシあんまり根性論好きじゃないんだけど…、ていうかトレーナーさんも根性論嫌いじゃないっけ?」

 

 おう、根性論は好きじゃねえ。が、精神力が強いに越したことはない。ってな訳である人物からヒントを得たトレーニングやるぞ。

 

「…ちなみに誰からヒント貰ったの?」

 

 テイオー。

 

「嫌な予感しかしないんだけど…」

 

俺は先程テイオーと話した内容をネイチャに伝えた。

 

「あートレーナーさん?アタシ具合悪くなったから帰っていい?」

 

これから起こるであろう事を想像して、既にネイチャの顔は赤くなっている。

 

 ダメです。さっきまでピンピンしてたじゃないの。

 

「いやいやいや!無理だって恥ずかしいし!」

 

 それを乗り越えて強靭な自己肯定感を身に付けるんだよ!

 

「強靭な自己肯定感って何!?」

 

 じゃあ行くぞ!

 

「やめてってー!」

 

 ネイチャ可愛い!

 

「ねえ聞いてよトレーナーさん!」

 

 ネイチャ超可愛い!

 

「うにゃー!」

 

 可愛いって言われて照れるネイチャ可愛い!

 

「だからやめてー!」

 

 ネイチャはマーベラス!

 

「何がー!?」

 

こうして俺の褒め殺しとネイチャの叫び声は続いた。

 

 

 

 

 

 

 くっ…流石に可愛いだけじゃ限界があるな…。

 

「うん、アタシも慣れてきましたよ。流石にちょいと恥ずかしいのは変わらないけどね」

 

 じゃあ方向性を変えるか。ネイチャはめっちゃ家庭的、料理も上手いし。

 

「あっはい、ありがとうございます」

 

 残り物であんな美味い料理作れるし、前に作って貰ったチャーハンも美味かったし。

 

「そういえば結構トレーナーさんに手料理振舞ってるよね~」

 

 料理だけじゃなくてその他家事もしっかり出来るし。

 

「いや、そりゃ誰だって出来ますよ」

 

 面倒見も良い。子供の相手とか優しさが滲み出てるし。

 

「まあ、子供は嫌いじゃないからね」

 

 同級生とかの世話もよく焼いてるし。

 

「それターボの事?あの子ほっとけないんですよねー」

 

 それにネイチャといると心が休まる。なんだろう…実家の様な安心感?

 

「それ褒めてる?」

 

 褒めてる褒めてる。やっぱり人生は安定感よ、そういう意味ではネイチャ最強、安心安定の癒し。

 

「いや意味分かんないんだけど」

 

 人生共にするならネイチャみたいなやつとだなー。

 

「…はい?」

 

 家事が上手くて一緒にいて心が休まる、優しさもありながらこっちがしょげてる時に尻を叩いてくれる胆力もある。奥さんにするならネイチャが一番だな~。

 

「ちょちょちょ、ちょっとストップ!トレーナーさん!」

 

 おん?どうしたネイチャ。

 

「ささささっきなんとおっしゃいました!?」

 

 え?…安心安定の癒し?

 

「いやいや、もっと後!」

 

 んー?…尻を叩いてくれる?

 

「そこだけ聞くと変態みたいじゃん!もう少し先!」

 

 えーと?奥さんにするならネイチャが一番……んー?んー!?

 

「そうそこ!どういう意味ですかトレーナーさんや!?」

 

 えー、それはですね、えー、そのままの意味でですね、えーありますね、はい。

 

「つ、つまりそれってアタシと、け、け、結婚したいって事なんですか!?」

 

 えー、端的に言ってしまえばそうなりますね。

 

「はえ…ほえ…そうなんですか…」

 

プシューッという効果音と共に蒸気を吹き出してもおかしくない程真っ赤になるネイチャ。

 

 ………。

 

「………」

 

気まずい空気が流れる。

 

「…ねえトレーナーさん。その…アタシのどんなところをす、す、好きになったの?後、いつから…?」

 

ネイチャが意を決した様に聞いてくる。だから俺も覚悟を決める。

 

 …一目惚れ。

 

「…はい?」

 

 だから…一目惚れです。ネイチャの事をスカウトしにいった時点で惚れてました…。

 

「はああああ!?えっ嘘!?そんな昔から!?あの時から何年経ってると思ってんの!?」

 

 いや、ほら、流石に出会ったばかりなのに「惚れました」なんて言えないだろ。それで、時間が経ってある程度距離が縮まったら告白しようと思ってたんだけど…。ちょっと…勇気が出ませんでして…その頃には思った以上に距離が縮まってて、この関係が壊れるのが怖くて言い出せなかったんだよね…。

 

「あーうん、関係が壊れるのはやだよね。じゃ、じゃあ、アタシのす、好きなとこは…?」

 

 言った通り最初は一目惚れ。うわ、めっちゃ可愛いウマ娘いる!しかもウマ娘としても優秀!これはスカウトしたい!って思った。

 

「優秀とか、か、可愛いって思われたのは嬉しいけど、優秀より可愛いが先なのは喜んで良いんですかね…?」

 

 実際可愛い。それで、いざ担当ウマ娘になって一緒に歩み始めたら、まあなんて自分の事を卑下するんだこの子はって思った。周りみたいにキラキラしてないし、強くもないし、自分は脇役だし、って思ってるからさ。努力する奴はみんなキラキラしてる、名前通り良い才能を持ってる、ネイチャだって主役になれる、そう教えたくなった。で、キラキラしたくて、強くなりたくて、脇役じゃなく主役になりたくて、頑張ってるネイチャがめちゃくちゃ可愛くて惚れ直した。俺はちょっとひねくれてるけど精一杯頑張ってるネイチャが可愛いと思ってるし、好きだ。

 

「うぅ…褒めすぎ…」

 

再度真っ赤になるネイチャ。顔を両サイドに纏めた髪で隠そうとしてるが隠せてない可愛い。

 

 だからナイスネイチャさん、結婚を前提にお付き合いして下さい!

 

覚悟を決めて告白をする。

 

「…ねえ、トレーナーさん、ちょっとだけアタシの話聞いてくれる?」

 

俺の一世一代の告白へ答える前にネイチャが聞いてくる。

 

 お、おう、いいぞ?

 

「ありがと。…えっとね?最初スカウトされた時、なんて物好きなトレーナーなんだろうって思ったんだ。なんで選抜レースの時に一緒に走って一着だったテイオーや二着の子じゃなくて三着のアタシをスカウトしたんだろうって。まあ、理由はさっき分かりましたけど。そんで二人三脚でここまで走ってきたけど、アタシみたいなひねくれて可愛げのないウマ娘をずーっと支え続けて来てくれた事がすごい嬉しかった。こんなアタシでもキラキラ出来るんだって教えてくれて、証明してくれて、それも嬉しかった」

 

ネイチャは一度深呼吸を入れてから言葉を続ける。

 

「いつからか、トレーナーさんが隣にいてくれる事が嬉しい、じゃなくてトレーナーさんが隣に居てくれないと嫌だ、に変わってたんだよね。トレーナーさんが近くにいるだけでドキドキするのに凄く安心する。トレーナーさんが近くにいる時に感じる温もりとか匂いとか、凄く安心する。多分アタシもトレーナーさんの事、好きになってたんだなって」

 

もう一度深呼吸をするネイチャ。その顔は真っ赤に染まり、瞳は潤んでいる。

 

「だからね、トレーナーさん、えっと、よ、喜んでお受け致します。ふ、不束者ですが、よろしくお願いします…」

 

 ネイチャ!

 

俺はネイチャに抱きついた。

 

「キャッ!?トレーナーさん!?」

 

 ありがとうネイチャ!ありがとう!

 

「トレーナーさん涙目じゃん」

 

そう言うネイチャも顔が真っ赤で涙を溜めている。

 

「ねえ、トレーナーさん…。抱きしめるだけで終わり…?」

 

ネイチャが上目遣いで、顔をこれでもかと真っ赤にしてそんな事を言う。

 

 ネイチャ…、随分大胆だな。目、閉じて?

 

「良いじゃん。アタシ結構欲張りなんですよ?ん……」

 

俺はネイチャに口付けを落とす。

 

「………キス、しちゃったね、トレーナーさん」

 

上目遣いでトロンとした瞳。真っ赤に上気した頬。これ以上ないくらい扇情的で、魅力的で、そして可愛いナイスネイチャ。

 

俺とネイチャの間に、一瞬とも取れる、永遠とも取れる、そんな時間が流れる。

 

 これからは恋人として、これからも担当ウマ娘として、よろしくなネイチャ。

 

「うん、これからは恋人として、これからもアタシのトレーナーとして、よろしくねトレーナーさん」

 

もう一度、愛しい人にキスをする。

 

これから訪れる長い幸せの、最初の幸せを二人で分かちあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

直後。

 

「ネイチャー!遊びに来たぞー!…えっ!?」

 

 ッ!?

 

「んっ!?」

 

トレーナー室に飛び込んできた一つの小さな影。青い髪をツインテールにし、オッドアイが特徴であるネイチャのクラスメイト、ツインターボだった。俺とネイチャの姿を見て固まった後、外に走り出した。こう叫びながら。

 

「ネイチャとネイチャのトレーナーがチューしてるぅぅ!?」

 

「ちょっ!?ターボォ!?」

 

ターボを追いかける為に、全身全霊で走り出すネイチャ。

 

しかし、ターボを捕まえて口を塞ぐ頃にはトレセン学園中に俺とネイチャの関係が広まっていたのだった。




読了ありがとうございます。

個人的に過去最高の会心の作品だと思います今回。

正直最後のくだり無くて良かったんですけど、あくまでラブコメであってラブロマンスでは無い。というわけでしっかりギャグでオチをつけましたとさ。ネイチャ可愛いよネイチャ。


最近、お気に入りやコメント、評価が増えてきてめちゃくちゃモチベーションが上がります。ホントありがとうございます。これからもお気に入りやコメント、評価をつけて下さると嬉しいです。

あ、アンケートもよろしくお願いします。思ってたより回答して下さる方多くて嬉しい。
あと意外と既出ウマ娘の後日談を希望してる人がいるので驚いてます。そちらも少しずつ書き始めますかね…?

今後書いて欲しい短編の内容を教えてください

  • まだ出ていないウマ娘
  • 既出のウマ娘で後日談
  • 既出のウマ娘で別世界線
  • コメ欄に要望書くから俺(私)の愛バを書け
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