ウマ娘良バ場の愛短編集   作:レヴァナロク

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緋き女王の求める一番

 はぁ…どうしたもんか…。

 

俺は悩んでいた。その悩みの種は、色んな事で一番を目指そうと日々並々ならない努力をしている俺の担当ウマ娘ダイワスカーレットについてだ。

 

しかし、彼女に何かしら問題がある訳ではない。問題は自分にあり、それがスカーレットについてであるから悩んでいた。

 

俺は彼女に抱いてはならない感情、恋慕という感情を持ってしまった。彼女はトレセン学園に在籍しているウマ娘だ。つまりは学生だ。そして俺はトレーナーだ。立場的には俺とスカーレットの関係は、多少の違いはあるが学園内での指導者とその教え子と言っても概ね差し支えはない。教師と生徒と言い換えても良い。

 

彼女はとても魅力的だ。これは全てのウマ娘がそうだが、基本的に外見が可愛いか綺麗、美しいに集約される。例に漏れずスカーレットもとても可愛い。そして性格は、一言で表すならツンデレである。彼女は基本的に礼儀正しいが、俺や寮で同室のウマ娘などには結構当たりが強い。しかし根は素直な良い子だ。そういう面がツンデレっぽさを演出しているし、俺の心を揺さぶってくる。極めつけは彼女はとてもスタイルが良い。彼女は中等部に在籍している、要は中学生だが本当に中学生か疑いたくなる程にスタイルが良い。そして彼女はまだ成長期だ、つまりまだまだ伸び代がある。正直理性にダイレクトアタックされている。

 

自分の担当ウマ娘であり学生であるという立場を無視して、女性としてだけ見るのであれば惚れない要素が無いと言っても良いスカーレット。しかし、彼女は担当ウマ娘であり学生なのである。社会人の俺が、教え子的立ち位置の彼女にそんな感情を抱くのは決して良いものではない。故に常時鋼の意思で己を律し続けている。いるのだが…。

 

「どうしたのよ、トレーナー」

 

 いや、なんでもない。昼飯どうするか考えてただけ。

 

今スカーレットは、俺の隣で、しかも肩と肩でぶつかってしまう程に近い距離で勉強をしていた。現在いる場所は俺が個人的に借りているアパートの部屋だ。その部屋に何故かスカーレットが訪れ勉強をしていた。一応、勉強を教えて欲しいという話だったので部屋に招いたのだが、教わる部分があったのか特につまづく事無く問題集を解いていく。

 

まあ、それは別に問題ではない。問題は俺との物理的な距離だ。肩と肩がぶつかりそうな距離。少しでも腕を動かそうものなら簡単に当たる程の距離にスカーレットが座っていた。少し離れてもまた近づいてくる。立ち上がって反対側に座ろうとしたら、勉強を教わるなら隣にいてくれた方が良い、と言われたので反対側にも行けない。結果、この近すぎる距離の場所に座る事となった。スカーレットは結構頑固だ。どう足掻いても距離を離すことは出来ないだろう。

 

別にこの距離感の居心地が悪い訳ではなくむしろ良いくらいだ。だが、問題は俺の中に渦巻くある種邪なこの感情だ。この距離感はただの担当ウマ娘とトレーナーの距離感じゃない。この近い距離感でどこまで俺の鋼の意思がもつかどうか…。

 

「ふーん、そう。何にするかは決めたの?」

 

 いや、まだ決めてないな。こういい感じの物が思いつかない。

 

実際は全く別の事を考えていた為、昼食のことなど全く考えていなかった。

 

 なんかリクエストとかあったりするか?これを食べに行きたいとか。

 

「そうね…。ならアタシはアンタお手製のハンバーグが食べたいわ!」

 

 料理を作れって事か?別に得意な訳じゃないんだけど…。

 

「別に一人で作れなんて言うつもりはないわ。アタシが手伝ってあげる。なんなら、アンタはアタシに作って、アタシがアンタに料理を作ってあげるわ」

 

 うーん…、ならお言葉に甘えようかな。スカーレットが料理上手なのは知ってるから、楽しみだ。

 

「決まりね!じゃあ、早速作りましょうよ」

 

 え、今すぐ?いやまあ良いけど、勉強の方はいいのか?

 

「勉強はご飯食べてからでも出来るから問題ないわ。さ、作りましょ?」

 

スカーレットに急かされて、調理の準備を開始する。自炊は普段からしているが、ハンバーグの材料はあったかな…。

 

 

 

幸いにもハンバーグを作る為の材料は冷蔵庫の中に入っていたので安心した。問題はウマ娘であるスカーレットの腹を満たすだけの量になるかどうかだが、俺の分を減らすなり付け合わせを充実させるなりすればどうにかなりそうだ。早速料理を作っていくが、普段から料理をしているのか手際の良いスカーレット。俺自身、料理は苦手なわけではないが得意なわけでもないため非常に助かる。

 

 …ん?ちょっと待て、ストップだ。

 

「え!?な、なによ?」

 

少しだけ挙動不審になったスカーレットを止める。

 

 その手に持ってるもんはなんだ?

 

「ナ、ナニモモッテナイワヨ?」

 

めっちゃ片言で否定するスカーレット。嘘がバレバレである。だいたい指摘された瞬間俺から見えないように後ろ手に持ってしまったら肯定しているのと同じだ。しかも持っていたものが小さなビンの様なもので、中身が蛍光色の桃色だったためにすごく不安になる。

 

 別に怒る訳じゃないから、素直に教えてくれ。

 

「これはアレよ…、そう!隠し調味料よ!」

 

今度は片言ではなかったが目が泳いでいる。

 

 嘘つけ。そんな今にも発光しそうな色したピンク色の調味料があってたまるか。

 

「うっ…」

 

 なあスカーレット、本当の事を言ってくれよ。アレだろ?タキオンから渡された薬かなんかだろ、それ。お前がタキオンの事尊敬してるのは知ってるし、彼女が本当に害のある物を作らないのも知ってる。だから、正直に答えてくれ。

 

諭すように話す。スカーレットが意を決した様に声を出す。

 

「…………よ」

 

なにか喋ったようだがほとんど聞き取れない。

 

 すまん、なんて言ったんだ?

 

「…れ…すりよ」

 

 ごめん、まだ聞こえない。

 

「…惚れ薬よ」

 

 …はい?

 

「だから!惚れ薬よ!」

 

 ほれぐすり…?惚れ薬…?惚れ…薬…!?

 

「そうよ!」

 

顔を真っ赤にして叫ぶスカーレット。

 

 えっ…と?何故…?

 

理由など一つしかないと分かっていても、聞いてしまう。

 

「ああ、もう!なんで分かんないのよ!アンタに飲ませるために決まってるでしょ!」

 

 だ、だよな…。なんで俺に飲ませようと…?

 

これも何となく分かるが、つい聞いてしまう。

 

「す、好きな人と、アンタと両思いになりたかったからよ!悪い!?」

 

 うん、そうだよな…。そういう意味だよな…。スカーレットが俺の事好きだなんて思ってなかったけど…、なんで惚れ薬なんか飲ませようと…。

 

「だって…だって!必死にアピールしてるのに、全然気づいてくれないんだもの!」

 

 そうだったのか。…もしかして今日俺の部屋に来たのも、俺に好きだってアピールするため?

 

「そうよ!」

 

 勉強する為にって言ってずっと隣にいさせたのはそれが理由か。

 

「その通りよ、このアタシが勉強を教えて貰うほど成績が悪い訳ないじゃないの。成績だって一番なんだから」

 

 あー、確かに。…じゃ、じゃあその服装も?

 

「そ、そうよ…。アンタの為に恥ずかしいの我慢して着てるのよ」

 

 お、俺の為に?

 

数多の目を引いてしまうであろうスカーレットの豊満な胸。それをさらに強調するかの様に押し上げるような形の服。しかも少しだけ谷間が見える程に露出度がある。正直見ないように必死だった。

 

「アンタ、ちょくちょくアタシの胸見てたでしょ。分かるものよ」

 

マジか…。いつも見ないように意識していたが、全然そんな事なかったのか…。

 

「別に、悪い気分じゃなかったわ。好きでもない奴なら、何見てんのよ!って怒ってるけど、アタシが好きなトレーナーが相手だったから。胸を見る事が多かったけど、アタシの事見てくれてるって思うと嬉しかった」

 

 そっか…。なあ、スカーレット。

 

「な、なによ?」

 

多分俺の気持ちも何となく分かってるんだろうが、これはケジメだ。言葉に出してはっきりと伝えよう。

 

 俺はお前の事が、スカーレットの事が好きだ。スカーレットの全てが好きだ。笑ってる時の顔も怒ってる時の顔も可愛くて好きだ。一番になりたいっていう自分の願いのために必死に努力できる所が好きだ。ちょっと素直になれなくてツンツンしちゃうその性格が好きだ。その…あんまり口に出さない方が良いかもしれないが、その魅力的な身体付きも好きだ。

 

一拍置く。

 

 だから、その…、ダイワスカーレットさん、俺と付き合ってください。

 

スカーレットに俺の考えていた事を全て伝え、告白した。アパートの一室という、ムードもへったくれも無いような場所だが、俺は思いの丈をぶつけた。

 

「トレーナー…。アタシもアンタの事が好き、ううん大好き。一番になりたいっていう、ちょっと分かりにくい願いを叶えようと一生懸命になってくれる。いつもアタシの事を考えて、アタシの喜ぶ事をしてくれる。さっきも言ったけど、アタシの事を見てくれてる。ちょっとえっちな目線だったりするけど、見てくれてるって思うとすごく嬉しかった」

 

スカーレットが間を置く。

 

「だから、告白してくれてとても嬉しい。…ぐすっ、その、よろしくお願いします!」

 

彼女は一筋の涙を流しながら、俺の告白を了承してくれた。そんな彼女を抱きしめる。

 

 これからよろしくな、スカーレット。

 

「ええ!アンタがアタシの一番なんだから!」

 

そう高らかに宣言する俺の一番、ダイワスカーレット。彼女を世界で一番幸せな女性にしよう、そう思っているとスカーレットが目を吊り上げる。

 

「…っていうかさっきの告白に一言言いたいんだけど!最後の言葉は要らなかったわよ!」

 

早速怒られてしまった。

 

 あ、やっぱり…?

 

「そうよ!アタシじゃなきゃビンタされて振られてたわよ!」

 

しっとりとした雰囲気からいつもの雰囲気に戻ったスカーレット。これから先、こんな風に彼女の尻に敷かれるようになるのだろうが、スカーレットの一番の笑顔をいつでも見れるのであれば構わないと、そう思うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なあ、ところでこの惚れ薬どうすんの?

 

「え?あー、どうしよう。タキオンさんから効果の程を教えてくれって言われてるのよね。しかもアタシのために用意してくれたみたいだし…ホント、タキオンさんって優しいわね」

 

 じゃあ、俺が飲もうか?

 

「ううん、アタシが飲むわ。せっかくタキオンさんが用意してくれた薬を無駄にしちゃったんだもの。アタシが責任取るわ」

 

 そうか。大丈夫だと思うけど、万が一具合が悪くなったらすぐに言えよ。

 

「大丈夫よ。んっ」

 

スカーレットが小さなビンに入った惚れ薬を飲み干す。飲んでから十数秒、スカーレットから荒い息遣いが聞こえる。

 

 スカーレット!?大丈夫か!?

 

「だ、大丈夫…身体が熱いだけ…」

 

 ホントか?明らかに辛そうじゃ…っ!?

 

俺の体が倒れる。スカーレットがのしかかるような体制で。要は、スカーレットに押し倒された。

 

「身体が熱いわ…トレーナー。ねえ、鎮めて…?」

 

 おい待て!?まさかあの薬びや…っ!?

 

スカーレットが自身の唇で俺の口を強引に塞ぐ。

 

 …ぷはぁ!おい、スカーレット!

 

「はあ…はあ…、ちょうどいいわ」

 

 何がだ!?

 

本能的に逃げようとするが、逃れる事が出来ない。

 

喰われる…!

 

「逃がさないわよ…?アタシがアンタの一番なんだから!」




読了ありがとうございます。

最後、鋼の意思発動かうまぴょい(意味深)をしたかは各々の想像におまかせします。

普段より執筆に時間が掛かってしまい、前回投稿から一週間以上経ってしまいました。一応投稿不定期と銘打っていますが申し訳ありません。言い訳としましては一週間程頭痛による体調不良が原因です。そのせいもあって、「なんか…雑じゃね?」と思いましたが、投稿することにしました。ともかく、面白いと思って頂けてれば幸いです。

前回投稿してから評価バーに色が付きました。ありがとうございます!もう感謝しかありません。モチベ自体は爆上げです。これからも頑張って甘めの作品を投稿していきたいと思います。

後書きで三百文字越えしてしまいましたが、お付き合い頂きありがとうございます。良ければ感想、評価、お気に入り登録よろしくお願いします。

今後書いて欲しい短編の内容を教えてください

  • まだ出ていないウマ娘
  • 既出のウマ娘で後日談
  • 既出のウマ娘で別世界線
  • コメ欄に要望書くから俺(私)の愛バを書け
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