俺達がISに乗れる事が発表されたのはあの日から一週間後であった。当然ながら俺達の家には沢山のマスコミがやって来た。一夏は既にIS学園の寮に居るそうで、俺も新学期からは同室になる予定だ。一方こちらは、じいさんが「話がしたきゃ、ちゃんと手順をふんで迷惑にならないように来い。それが出来ないなら、話す事はない」とぶったぎったので、世間で言う昼休みが終わって食堂が一段落した頃にやってくるようになった。余談だが昼の忙しい時間帯に話しかけてきたマスコミは文字通りつまみ出されていた。
そしてとある日の夜
「もすもすひねもすー!みんな大好き束さんだよー!弾くん元気かい!?」
メカ兎ねーちゃんから俺のケータイに電話がかかってきた
「お久し振りです。元気にやってますよ、そちらはどうですか?」
「いっつも元気に決まってるじゃない!」
「それは何よりです。何の用でしょうか?」
なんとなく分かってはいるがね…
「んー、それはねーぇ私が弾くん達のISを造る予定なんだけど希望ある?ついでに何で乗れたの?」
「ついでの方が重要じゃないんですか…」
「この天才な束さんにも分からない事があるなんて悲しいよーグスン」
束さんにも分からないのか…というか、束さんに分からないなら俺に分かるわけないじゃないですか!
「そんな事より何がいい?」
「主語を付けて下さいよ…」
「んーとね、どんな武器が使いたいとか、どんな見た目がいいとか色々だよ」
「ちょっと待ってくださいよ!そんな事急に言われても!」
「40秒で考えな!」
どこの女頭領ですか…
「えっとじゃあ、強いて挙げるなら」
「うんうん」
「パイルバンカーですかね」
「ほほぅ、それはどうして?」
「カッコいいじゃないですか」
「なるほど、使い勝手が悪くても漢らしい武器がいいと」
「…なんかマズイ気がする…」
「そんな事ないよ!《その武器どうするんだよ!》みたいなのになるだけだから!」
「十分にマズイじゃないですか!」
「とりあえずパイルバンカーは装備するから!新学期から頑張ってね!」
なんか最後の方は押しきられた感じがするが、相手が束さんなので諦めた。一夏の方はどうだったか聞いておくか、寮の状態もあるしな。
「もしもし一夏生きてるか?」
「あぁ、生きてるぜ?」
「何故に疑問系なんだよ」
「だってよ、家からとりあえずの物を持ってくるじゃん?着替えとかさ。んで、校門の所に寮長が居るからそこに行けって千冬姉に言われてたんだけど、その寮長ってのが千冬姉でさ…」
「え?どうゆう事?分かりやすく三行で説明してくれ」
「実は千冬姉は
IS学園の
教員でした」
「なるほど理解した」
「んで、そのあとは学園じゃ織斑先生と呼べって言って間違えたら殺人級の出席簿アタックされて、寮長室の掃除してで大変だったんだ」
千冬さんは昔から家事方面に関してだけは、あまり言いたくはないが下手だったので部屋は、文字通りの散々な状態だったんだろう。
「で、周りの女の子達は?」
「まだ、新学期が始まってないんだから人が居るわけないじゃん。しいて言うなら荷物を届けにくる人ぐらいかな」
「それもそうだわな」
後で聞いた話だが寮は三年間同じ場所だそうだ。毎年引っ越しするには無駄に労力と時間がかかるからな。
「んで、本題なんだけども、メカ兎ねーちゃんから連絡あった?」
「…なかった」
「俺の方はISに関する話がきたんだ」
「それなら俺は千ふ…織斑先生と話したぜ」
「いまさら飲み込んでも遅いと思うぞ?」
「だよなー」
それから俺達は向こうの寮の消灯時間まで電話で様々な雑談をした。最後に一夏が、「そういえば、入学式の日の空いた時間でいいから二人で生徒会室に行けって言われてた」とのことで(もっと早めに言えっての)俺は忘れない様に近くにあったメモに書き留めておいた。
束さんが一般的な常識を手に入れました(使うかどうかは別にしてですが)こんな束さんは受け付けないという方には申し訳ありません。