そして今回は新しくオリキャラも登場しますが、時間の都合上キャラ紹介は本編で初登場の時に行いますことお詫び申し上げます。
それではどうぞ。
時は大晦日、この日は年の最後で次の年を迎える……終わりと始まりにとって大事な1日でもある。
この日京介はお昼くらいからMorfonicaのメンバーと一緒に年越しの準備をしている最中である。
そうなった経緯は……お互いの学校が冬休みに入ってからはバンド練習に熱を入れていたが、年の終わりが近づいた時からは各々の家で大掃除等もある。
しかしほぼ全員の家は特に目立つ箇所が無かったため1日たらずで終わったが、問題は七深の家だ。
七深の両親は双方共に芸術関連の仕事をしている身なので、画才用具や道具が尋常ではないほどの量であった。そこでMorfonica全員は普段アトリエを使わさせてもらってる身なので、アトリエの大掃除を自分達をやる事を買って出たのだ。そして大掃除をして2日で終わらせたのであった。
終わった日が大晦日の前日であったので、疲れを癒すと言う意味合いで大晦日や正月三が日の練習は完全オフにしたのである。
そして練習オフになった事を聞いた透子が早速『モニカで年越ししましょうよ!』と提案してきたので、全員が了承(一部は説得したが)したのであった。
「しかし今年は大所帯だな……。」
京介はそう呟きながらリビングのテーブルで何かの生地を綿棒で延ばした。それも粉をまぶして綿棒で生地を延ばす……という繰り返しをしたいた。
「てかきょーさん、蕎麦打ちなんて出来たんだ。」
「意外な特技ですね。」
透子とつくしが京介の一連の動作を見ながら呟いた。それもそのはず、先程から見ていて二人が思った事は、京介が慣れた手つきで手際よく蕎麦打ちをしているのである。
そして生地を延ばし終えた京介は生地を折り畳んで、こま板を生地の上に乗せてから包丁で均一になるようリズムよく切っていく。
「一丁終わり、っと。桜雪、天ぷらを揚げる下準備は出来てるか?」
「いつでも衣を付けて、油の温度をセットすればいつでも揚げられますわ。」
蕎麦打ちを終えた京介は片付けながら桜雪に声を掛けた。ちなみに桜雪も自宅におり、今は京介と別で年越しそばに入れる天ぷらを揚げる前に下拵えをしているのであった。しかし、既にいつでも揚げられる準備まで終わったようだ。
「あれ?二人とも、もう蕎麦の準備終わったのか?」
そこに突然、此処にいる誰でもない人物の声がした。声の方向には寝癖の酷い黒いセミロングの髪のヨレヨレのパジャマ姿の40代男性が欠伸をしながらリビングに入ってきた。
「あとは調理に入るだけだ。それと親父、仕事が休みだからって昼まで寝るな。それと幾ら寝起きだからってパジャマ姿はないだろ……一応客人がいるんだぞ?」
「おっとゴメンゴメン。そうだったか」
京介に指摘された彼の父親は『りょーかーい。』と言ってからリビングを出た。そして15分くらい経つと、黒い髪を一つに縛って腕を捲った水色のシャツとベージュのスラックスといった恰好に着替えた京介の父親がリビングに入ってきた。(ちなみに裸足である)
ちなみにこの男は京介と桜雪の父親、
「しかしよくお昼まで寝てましたね〜……。」
「年末の月末は『反抗期』で特に多忙だからなぁー。オジさん、これじゃあ『画用紙』しちゃうぞー?」
『『反抗期』……? 『画用紙』……?』
七深は竜胆の多忙さを呟いた。一方の竜胆は社会人特有の『多忙の多さ』に愚痴を溢したが、所々変な部分があったので、京介と桜雪以下の全員が首を傾げて頭に疑問符を浮かべた。
「親父、それを言うなら『繁忙期』と『過労死』だ。言葉の発音的には似てるが全く別の言葉だ。」
「そ、そうとも言うな……。」
「そうとしか言わん。」
しかしすぐさま言葉の間違いを京介が指摘した。それに対し竜胆は指摘したが、京介に一蹴されたて少しへこんでしまった。
余談だが竜胆は時々言葉やことわざを間違えたりする癖があるのだ。一例を挙げると『大人の魅力』を『大人のみりき』と読み間違うほどである。
「おっとそうだ。 すっかり忘れるところだった。」
京介は何か思い出したのかスマホを取り出して何処かに電話をいれた。
「もしもし千聖さん?先日言ってた蕎麦なんですが、打ち終えたので今からMorfonicaのメンバーに届けさせます……はい…分かりました、それでは。」
連絡を終えた京介はスマホを切ってすぐに閉まった。
「今のは白鷺さんですよね? 何故連絡したのですか?」
「この前大晦日の話になって毎年蕎麦打ちしてますよと俺が言ったら『是非京介くんが打った蕎麦を食べてみたいわ♪』ってお願いされたから千聖さん含めたパスパレの分まで蕎麦を打ったんだ。」
「なるほど……だから蕎麦の量が多いんですね。」
瑠唯が何故そうなったのか疑問に思ってたが、京介が丁寧に事情を説明した。そしてましろも今此処にいる人数の分にしては蕎麦の量が多いと感じたようだ。
そして京介はプラスチックのパックに打ち立ての蕎麦を入れて、輪ゴムで留めてエコバッグに入れた。
「それじゃあつくし、これを千聖さんの家まで届けてくれないか?」
「分かりました。」
そのまま京介はエコバッグをつくしに差し出して千聖に届けるようお願いした。つくしもOKしたのでエコバッグを受け取って千聖の家に行こうとしたが、透子が急に手を上げた。
「ふーすけ待って! あたしも行く!」
「ちょっと透子ちゃん⁉︎」
そして透子もそのままつくしに付いて行く形で、そのまま彼女と一緒に家を出た。
「全く透子ときたら……。」
「それが桐ヶ谷さんですよ。 特に最近はずっとあのように元気の状態を保ってますよ。」
「あ〜、あの時だね〜。そういえば二週間経つな〜。」
透子のいつもの行動に呆れた京介は瑠唯に宥められながら出て行った。しかしその時透子の行動に心当たりがあったようで七深も納得したが、事実を知らない竜胆は首を傾げた。
「『あの時』……?」
「あー、そういや知らなかったな……それじゃあ親父に話すか。アレはそうだな……」
そう言って京介は透子の元気のワケをまでの記憶を遡った。
時は遡る事約1ヶ月前、冬の寒さも本格的になり12月も目前としたこの頃である。
京介達Morfonicaはいつも通りアトリエでバンド練習をしている最中の休憩時間の事である。
「お前の誕生日なんだが……」
「きょーさん、話しの本題にいきなり入らなくても……。」
休憩に入ってすぐに京介は急に透子に彼女の誕生日の話を持ちかけてきた。
「お前、先月ドタキャンしただろ?」
「うっ‼︎」
何故京介が透子にそんな話を持ちかけてきたのか不明であったが、どうやら透子に問題があったようだ。曰く『家の用事があった日を間違えて京介に伝えたため、その日の予定が大幅に狂ってしまった。』との事である。
「しかしそんなお前に朗報だ。 ドタキャンなんて容易にできなくなる程の誕生日の予定を伝える。」
「どんな予定なんですか?」
京介が透子の誕生日の話を持ちかけてきたのだ。つくしはそれが気になって京介に質問したが、彼は無言で自分の鞄から何かを取り出した。そしてそれを机の上に出した。
「これは……何かの招待状?」
どうやら取り出したのは便箋封筒のようで、宛先は京介のものとなっているが、京介は透子に『開けてみろ。』と言って開けるよう指示した。すると透子は何も言わずそのまま封筒の封を開けるのであった。
「これは……‼︎」
「どうしたのとーこちゃん?」
封筒から一枚の紙を取り出した透子はそれを見た瞬間、眼を輝かせたのであった。
「今SNSで有名なファッションデザイナーの招待状じゃん!」
透子の言葉を聞いた京介以外の全員が、彼女の見ている招待状を覗き見た。
「これは確かに本物のようね……。」
「凄いなぁ……。」
「確かに〜……。」
「この人って、前に透子ちゃんが言ってたファッションデザイナーだよね?」
「そう!めっちゃ有名な人だぞ! いやぁー会いたいと思う人物に会えるなんてラッキー!」
全員が関心しながら招待状の中身を見ながら各々で感想を呟いた。その間透子はジリアンなる人物について熱弁してた。
「でも何でとーこちゃんを招待したの〜?」
「咲恋の知り合いが友達のようで、以前開催されたトーコレに興味を持ち出したようで、TOKOに会ってみたいって言ってたそうだ。」
京介の幼馴染…咲恋にそんな人脈が……と思いつつ、『そういえばそんな事あったな』と感じつつ全員が招待された理由に納得した。
「で……その交渉の結果、お前の誕生日とか都合を合わせて行う事となった。そしてそのパイプ役を担った咲恋はもちろん、俺達も透子の友達として一緒に招待されたわけよ。」
「流石きょーさんと咲恋さん!神!マジ神!」
そして京介も交渉したようで、透子の誕生日に合わせてくれたようだ。京介の振る舞いについて、流石の透子も京介と此処にいない咲恋に頭を下げてお礼をしたのだ。
「よし、それじゃあ透子の誕生日当日は学校が終わって全員正装してからファッションショーに行く。服装は正装で来てくださいとの事だ。 あとはくれぐれも遅刻はするなよ?」
『了解しました(!)』
京介は透子の誕生日当日のスケジュールを大まかに説明した。それを聞いた全員はもちろん口を揃えて了承した。
そして時間は流れ、12月16日 17時30分 とある高級ホテル前
学校を終えた一向は一度ファッションショーに行くために咲恋の家で正装に着替える等準備をした。何故そうなったのかは、ましろは正装を持ってなかったため、咲恋から借りて参加するとの事である。他のMorfonicaのメンバーは正装を持っていたため事前に咲恋の家に着替えを置いといて学校終わってから着替える、と言う事になったのであった。
そして正装に着替え終えた一行は咲恋の家の車でファッションショーが行われる会場まで向かった。
「しかし凄く豪華な所で行われるんですね……。」
「それほど有名だからな……こういう所を急ぎで借りられるのも納得するな。」
目的地に到着したや否や、青を基準としたドレスを着たましろが会場となるホテルを眺めながら呟いた。一方、黒いスーツと紫のワイシャツを着て赤のネクタイを付けている京介は、ましろとは対照的でマジマジとホテルを見ていた。
「さ、あたしらも行くわよ。 此処にいても仕方ないでしょ?」
ワインレッドを基準としたドレスを着た咲恋は、本来の目的があるため此処で道草を食わずに早くホテル内に入るよう促した。それに対して全員はホテル内に入った。
そしてホテルに入ってフロントで招待状を見せながら事情を説明した。するとスタッフが会場まで誘導してくれるようで案内してくれた。
数分後、スタッフの案内で到着したのはホールの扉で、スタッフが扉を開けて入るよう促された。そして全員がホールに入ると、照明が薄暗いがファッションショーで行われるランウェイや観客席が設置されていた。
「……一応開始時刻を確認したけど、あと30分後よ。」
「そうなんだ〜、だから静かなんだね〜。」
瑠唯は念のために招待状に書かれている開始する時間を確認した。開始時刻まで少し時間があったため、七深は会場内がまだ静まり返っているのに納得した。
しかしそれも束の間、ファッションショーのスタッフ思わしき人物ば数人入ってきて打ち合わせを数分行なったのを皮切りにスタッフらしき関係者や観客といった人物達がホール内に入ってきてあっという間に満席になった。
そして開始時間になった時、照明が消えてホール内が暗くなった。しかし数十秒後にまた照明が明るくなった。
そしてそこから今回の目玉である透子が注目してるファッションデザイナーがデザインした衣装を着た人達がランウェイの上を歩いていた。
これには思わず透子はもちろん京介や瑠唯がまでも見惚れていた。これはそう、幻想的なサーカスを見ているかのように……。
「いやぁー凄かったなー!」
「うん!凄かったよ!」
「確かに魅力的だったね〜。」
ファッションショーが無事終わり、ホールを出た透子が伸びをしながら素晴らしかったと賞賛した。これには思わずつくしと七深も透子に同意した。
「さて、透子ちゃん。これから皆でレストランで行くわよ。そこで食事を終えたら今日は此処で泊まるわ。」
「ホントに⁉︎やった咲恋さんホント神‼︎」
なんと咲恋の口からレストランで食事の招待をされた。透子は思わず嬉しそうにその場で飛び跳ねた。
もちろん全員で食事をするので、全員このまま食堂に向かう事となった。
そして時は戻り、現在……
「へぇ、そんな事があったんだな。」
「嗚呼。」
京介の話を聞き終えた竜胆はソファの上で胡座を掻きながら納得したように頷いた。
「で、その日から今に至って常にハイテンションになってなぁ……冬休みの宿題も2日で終えたそうだ。」
「全く……普段からこのくらいしっかりしてほしい所だわ。」
その後の詳細ももれなく伝えたが、宿題を早く終わらせた事については瑠唯は呆れながら此処にいない透子に苦言を呈した。
「……じゃあ、そろそろ年越しそばを作るとするか。」
『はい。』
「「ただいま帰りましたー!」」
「透子ちゃんたちも帰ってきましたね。」
ふと時計を見た京介だが、時間は5時を指していたのでそろそろ作業に戻る事になったが、途中透子とつくしも帰ってきた。
その後は全員で年越しそばを食べ終えてからはテレビを見ながら過ごしている内に今年もあとわずかとなった。そして……
「「「3!2!1……あけましておめでとう(ございま〜す)!」」」
「みなさん、五月蝿いわ。」
竜胆と透子と七深が数秒前からカウントダウンをとって、新年になった瞬間大声でその時を告げたが、瑠唯に注意されたのはいうまでもない。
それを見たつくしは苦笑いしてたが桜雪は呆れてた。そして京介は全員が見てない内にましろに近づいた。
「ましろ、あけましておめでとう。今年もよろしくな。」
「あけましておめでとうございます、京介さん。今年もよろしくお願いします。」
そしてお互い向き合って新年の挨拶をした。その時除夜の鐘が鳴り出したのであった。
ーー桐ヶ谷透子生誕記念回、完
まずは最後まで読んでいただきありがとうございます。こんな拙作読んでくれるだけでありがたいです。
今回は透子の生誕記念回でしたが、D4DJでのヒロインの生誕記念回と合同小説で大遅刻をかましたことにお詫び申し上げます。
そして今回初登場のオリキャラは京介と桜雪の父親になりますが、執筆時間の都合上今回ではなく本編で初登場した時にキャラのプロフィールを掲載いたしますのでご理解のほどよろしくお願いします。
そして此処で今年は筆納めいたします。次回の投稿は本編かレイヤの生誕記念回を予定しておりますのでお楽しみに下さい。
それでは最後に……次回もお楽しみに♪そして良いお年を♪
R-18の小説を……
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