白き蝶に導かれて……   作:なかムー

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 明けましておめでとうございます! えっ、もう2月の半分だって?……知ってる。

 実は予定を大幅に変更いたしまして、年明け最初の投稿は新しく執筆した小説にしまして、本作の年明け投稿は2月になってしまった事を深くお詫び申し上げますm(_ _)m

 さて、前置きはさておき……今回は今作メインヒロインの倉田 ましろの生誕記念回となっております!だから少しだけ気合い入れて執筆しました。

 それでは、どうぞ!


倉田ましろ生誕記念回 前進

 2月19日 駅前

 

 この日は日曜日なだけあって人通りも平日にも劣らずに電車やバスの利用客がいる。

 

 「……9時15分か。」

 

 そんな中、駅前のロータリーにあるベンチに腰掛けてる京介が腕時計を見ながら待ち合わせている最中であった。

 

 ちなみに京介の恰好は、紫のシャツの上からグレーのセーターに、襟がファーになってる黒を基調としたロングコートを羽織っており、パンツと手袋も黒で統一されていた。

 

 そんな京介だが、ましろの誕生日を祝うためのデートの約束をしており、集合時間の30分前…9時に待ち合わせ場所に来たのだ。

 

 「お待たせしました、京介さん。」

 

 腕時計を時折見ながらスマホを弄ってましろを待っていた。そして暫くすると当の本人が到着したようだ。

 

 今のましろは、白のファーコートを羽織っており、水色を基調としたプリーツスカートを履いていた。そして肩には青色のポシェットが掛けられていた。

 

 「いや、待たせてないから大丈夫だ。じゃあ行こうか?」

 「はい!」

 

 そう言って京介はましろの手を握り、駅の方まで向かい、電車に乗るのだった。

 

 しかし、そんな2人がいたベンチから少し離れた路地裏から双眼鏡を覗きながら監視している人物がいた。

 

 「おのれぇ……私のキョウ兄様とデートをするとはどういった了見でしょう。絶対に許しませんわ!」

 

 京介の妹…桜雪が呪詛の言葉をグチグチと呟きながら2人を監視していた。ちなみに桜雪は今黒一色で統一されたジャンパーとズボン、ニット帽とサングラスを着用しており、手袋と、白のマスク…所謂不審者のような恰好をしているのであった。

 

 桜雪は事前に京介とましろがデートする事を独自で調査して知ったのであった。

 

 「だが安心して下さい、ましろさん。私が貴女を楽にして差し上げますわ♪」

 

 そして桜雪はこれを機にましろを亡き者にしようと画策していたようだ。2人の後を見失わないように尾行を開始した。しかし……

 

\チクッ!/

 

 その直後、桜雪の首元に小さい針のような物が刺さったようだ。この時桜雪は、針が小さすぎたのか、刺された事に全く気づいてなかった。

 

 「(流石に電車や駅内では他の乗客の迷惑になります。仕留めるのは駅に降りてすぐですわ。さて……早くいかな…)」

 

 桜雪がましろをどのタイミングで仕留めるが考えながら尾行していた。

 

 しかし……

 

\バタンッ!/

 

 駅のホームに着く前に突然桜雪が倒れたのだ。その事によりその場にいた周りが慌て、ふためいた。

 

 一方……

 

 「……長瀬先輩、標的(ターゲット)に見事に命中(ヒット)しました。」

 『了解しました、八潮さん。私が桜雪さんを回収してお仕置きをしておきますので、貴女は先に他のメンバーと合流して下さい。 お仕置きが終わり次第私も後で合流しますので。』

 「かしこまりました。」

 

 桜雪のいた路地裏から少し離れたビルの屋上で瑠唯がスナイパーライフルのスコープを覗きながら優奈と連絡を取り合ってた。どうやら瑠唯が桜雪を狙撃したようで、撃ったのは弾丸ではなく麻酔弾であるのようだ。

 

 瑠唯の報告を受けた優奈は、即座に彼女に指示をした。この2人も桜雪がましろを襲撃する事を事前に知ったようで、邪魔をされないように桜雪の妨害を施したようだ。

 

 そして優奈の指示を受けた瑠唯は狙撃に使った道具を片付けてMorfonicaのメンバーが集う場所に向かうのであった。

 


 

 電車を降りて駅を出た京介とましろが最初に向かったのは、とある動物園であった。と言うのも先日透子から動物園のペアチケットを貰ったのをキッカケに行く事になったのだ。ちなみにその時透子がニヤニヤしながら京介を茶化したが、その直後制裁を受けたのはまた別の話である。

 

 「見て下さい京介さん! 色んな動物達がいます!」

 「分かったから落ち着け……。」

 

 ましろは眼を輝かせながら京介の手を引いていた。一方の京介も困惑と同時に年相応だと呆れながらも満更ではなかったようだ。

 

 「まあしかし流石人気の動物園だけあるな。放し飼いに近い状態だから本来の動物達の生活がよく伝わってくる。」

 

 京介は辺りを見渡しながら動物園の評価をした。確かに京介の説明通りに動物達が放し飼いに近い状態で飼育されていた。

 

 これは『動物達を自由な姿で展示するため』という動物園側の意向であり、従来の動物園とは異なり檻ではなく壕で飼育されているのが特徴である。更に動物達の住む地域ごとで区を分けたり、野生で群れを作る動物はなるべく群れで飼育するよう配慮もされているのであった。

 

 「あそこにはシマウマがいますね!」

 

 ましろが指差した方向にはシマウマが群れを作って行動していた。群れで行動してる辺り、動物園の理念がよく伝わってくる。

 

 「ならあそこには…"ツキノワグマのミッシェル"……?」

 

 京介はシマウマの群れを確認すると、あとはどのような動物がいるか辺りを見渡した。するとツキノワグマの壕に目が入ると、動物園によくある、動物の説明のパネルには"ミッシェル"と書かれた名前と、その"ミッシェル"と思われるツキノワグマの赤ちゃんの写真が記載されていた。

 

 「その子…ミッシェルはつい最近生まれた子で、名前は公募で決まったんですよ。」

 

 偶然壕の近くにいた飼育員が京介がマジマジと見ていたのを察したのか、丁寧に"ミッシェル"について簡単な説明がされた。

 

 「なるほど……(もしかして、こころが応募して抽選の結果、ミッシェルになったのか……?)」

 

 飼育員の説明を聞いた京介はある一つの考えがよぎった。『もしかしたらこころが名付け親だと……?』。しかしそれを確認しようにも、公募で来た名前候補は幾万とあるため、その中からピンポイントでこころを探し当てるのは不可能と判断したのと、こころ以外にもミッシェルと名付けた者もいる可能性があったため、深く考えないようにしてこの場を離れたのであった。

 

 「……ましろ、一回行きたい所があるけどいいか?」

 「行きたい所、ですか……? 分かりました、そこに行きましょう。」

 

 ツキノワグマの壕を離れてから数分後、歩いた先に偶然あった園内マップが記載されているパネルを見つけたので次は何処に行こうか考えてると、京介は()()()()に目が入った。

 

 そしてましろに許可を取った後、彼女の手を引いてそのままその場所に向かって行った。

 

 

 「此処、ですか……?」

 「嗚呼。」

 

 ましろの手を引いて数分後、二人が着いた場所は『コアラ館』と書かれた場所であった。しかしコアラに限らず、周りにはカンガルーやワラビーといった、オーストラリア特有の動物達が飼育されている区域であった。

 

 「でも何で急にコアラを見たいと思ったんですか? もしかして好きとか、ですか……?」

 「いや、羽丘の先輩方が修学旅行でオーストラリアに行ったって話を聞いてな、ふと見たくなったんだ。それに次年度で俺らもオーストラリアに行くとは限らないから今のうちに此処で見ようと思ったんだ。」

 

 しかしましろは何故京介がコアラを見たがったのか疑問に思ったが、彼の口から先輩方の修学旅行の話が出てきたのでそれに便乗したのと、京介達の修学旅行の行く先が前年度と同じとは限らないと踏んだようで早めの対策も兼ねているようだ。

 

 「じゃあ入ろうか。」

 「そうですね。」

 

 そして京介は半ば強引に話を切り上げて『コアラ館』に入ろうと催促した。ましろも早くコアラが見たいと思ったので、即座に賛成した。その後は建物の中に入って行った。

 

 建物に入ると道は一方通行になっていた。その道沿いに歩くと、途中でカメラのフラッシュ撮影や飲食はしないで下さいという注意書きの看板やオーストラリアや有袋類の説明のパネルが壁にかけられていた。

 

 そしてそこから道を暫く歩いて行くと、コアラが展示されているであろうスペースに着いた。しかも幸い人がいなかったので展示スペースの一番前に来れ、コアラを見るのであった。

 

 「可愛い……!」

 

 数十秒してましろが頬をほんのり赤く染めながら何かを見つけて自分の見ている方向を指差した。その方向にはコアラが木にしがみつきながら草(おそらくユーカリ)をムシャリムシャリと食べていた。どうやらコアラののんびりと食事している所に微笑んでいる様子であった。

 

 この場面を京介はコアラをスマホのカメラで撮影した。そして数枚撮ると、今度はましろに気づかないようにコッソリと彼女のコアラを見ているシーンも撮った。

 

 「……京介さん、撮りました?」

 「ゴメン、ましろが可愛かったものだから、つい……。」

 

 しかしシャッター音が鳴っていないにも関わらず、ましろは京介が自分を写真に取っている事にすぐに気づいた。これには京介も思わずたじろいながらすぐに謝った。

 

 「……そんなに撮りたければ、ひと声掛けてくださいよ……。」

 「あー、ゴメンね……。」

 

 京介が勝手に写真を撮った事に対して怒るのかと思ったが、予想とは裏腹に頬を膨らませながら少し残念そうに京介を見るましろであった。

 

 あとはこれ以上追求しなかったが、代わりに『2ショットもお願いします。』と言われたのでましろの要求通り、コアラを背景に入れて自撮りする形で写真を撮った。

 

 そして暫くコアラを見てから建物の出るのであった。

 

 その後は、ましろが『チョウチョが見たい。』と言った事で『昆虫園』の『生態園』へ訪れて、蝶が舞いながら飛んでいる所を散策や『本館』で外国産の珍しい昆虫を見学した。後は途中で昼ご飯を挟んでから、オランウータンが実際に枝渡りしている所やゾウやキリンの見学もした。

 

 それらを一通り見た後は二人は今ライオンバスに乗って、ライオンの群れをバスの中から観覧してる最中であった。

 

 「そういえばもう羽丘の卒業式ってもうすぐですね……。」

 「嗚呼、それとは限らず花咲川や月の森も時期は同じだぞ。」

 

 ライオンバスを乗りながらましろは何か思ったのか卒業シーズンが近くなる事を呟いた。

 

 「確か京介さんも生徒会のメンバーでしたよね?来年度の羽丘の生徒会長が誰がやるのか話は聞いているんですか?」

 「嗚呼、というより……俺が生徒会長になるって話が濃厚になってきた。」

 

 それと同時にましろは羽丘の生徒会長は誰が務めるのか尋ねたが、京介はバツを悪そうにしながら自分がなる可能性があると言った。

 

 「それはまた……どうしてですか?」

 「日菜先輩に押し付けられた……。」

 

 ましろは何故京介がバツを悪そうにしてるのか探る目的で尋ねたが、現会長の日菜の押し付けに近い推薦である事が発覚したのだ。

 

 「そ、それはまた大変ですね……。」

 「嗚呼、全くだ……。」

 

 京介の事情を察知したましろは苦笑いしていた。一方の京介は頭に手を抱えながら溜め息をついていた。

 

 「で、でも……それって日菜さんは余程京介さんの事を買ってると思いますよ。」

 

 しかしそれは裏を返せば日菜は京介の事を信頼してるのではないかとましろは指摘した。

 

 「……それもそうだな。それにまだあくまでも仮段階だしそこまで考える必要はないか。」

 

 ましろに諭されたのか、京介はある程度考えを改めると同時にまだ確定ではない事を思い出したのか、僅かな望みに賭ける事にしたのだった。

 

 そしてこの話はこれ以上しても仕方ないので此処で打ち切って、バスが終わるまでライオンの観覧を再開した。

 

 バスに乗って暫くすると、京介達は他の乗客とともにバスから降りた。時間を確認すると時刻は16:00を指していた。

 

 「さてましろ、そろそろ此処を出て次の所に行くぞ。」

 「次……分かりました。」

 

 閉園時間はあと1時間もあるが、動物の健康管理上、観覧出来ない種類もいるため此処を後にして次の所に行く事を京介は提案した。ましろも次にどこに行くのか大凡検討がついてないが、時間の都合上そうするしかなかったので、その提案を呑むことにしたのだった。

 

 そして園の出口から動物園を出て、そのまま駅に向かって電車に乗って次の目的地に向かうのであったーー。

 


 

 「シロ!誕生日おめでとう!」

 「おめでとうましろちゃん!」

 「ありがとう、透子ちゃんにつくしちゃん……。」

 

 動物園を出て数十分後、ましろは七深の家のアトリエ内で透子とつくしに祝福の言葉をかけられた。

 

 何故こうなったのか、少し前まで時間を遡ると……

 

 動物園を出て、次に京介達が訪れたのは七深の家のアトリエ前であった。二人は普段から来ているのでそのまま入ろうとしたが、『親しき仲にも礼儀あり』なのを忘れずにチャイムを押して玄関で待った。そして程なくして七深が来て二人を案内した。

 

 七深の案内の元、招かれたのはいつもバンド練で使われている部屋の入り口であった。

 

 「ささっ、しろちゃん。早く入って〜。」

 

 そして七深はましろに最初に入るよう催促されて部屋の扉を開けて中に入った。すると突然破裂音が部屋中に鳴り響いた。何かと思いましろは音のする方向を見るとそこには使い終えたクラッカーを構えた透子とつくしがいた。その後、二人はましろに近づいて祝福の言葉を掛けていた……のであった。

 

 ……それで話を戻る。

 

 「貴女達、倉田さんに祝福の言葉を掛けるのは構わないけど、まずは準備を手伝いなさい。まだパーティは始まってないわ。」

 「八潮さんの言う通りです。貴女達、まだご馳走を出している途中なので手を止めないで下さい。」

 

 しかし瑠唯と優奈にパーティの準備をするよう注意をされた。その証拠に二人の手には料理を乗せたお盆を持っていた。

 

 「えーっ「それとも桐ヶ谷さん、貴女も桜雪さんと同じようにお説教を受けたいんですか?」ごめんなさい手伝いますのでそれだけはご勘弁を!」

 「透子ちゃん、手を急に引っ張らないでぇー!」

 

 透子が何か言おうとした瞬間、優奈が黒い笑みを浮かべながら鶴の一声を発した。その気迫に怯えた透子はすぐさま片付けてつくしを無理矢理引き連れて瑠唯達の手伝いに入った。

 

 「はぁ……仕方ない、俺も微力ながら手伝おう「京介さんは大丈夫です。」しかし、優奈さん……。」

 「貴方は倉田さんとのデートでお疲れでしょう? でしたらパーティの準備は私達に任せて、倉田さんと一緒にゆっくり休んで下さい。」

 「……分かりました。」

 

 透子と優奈の一部始終を見ていた京介は、透子に呆れを感じつつも自分もパーティの準備の手伝いをしようとしたが、優奈にましろと休むように言われた。最初は抵抗を感じたが、優奈に諭された事でそれを受け入れて、ましろと一緒にソファに座った。

 

 その光景を見ていた透子は『甘……。』と口に出してたが、優奈は透子の言葉を受け取ったからか、自分が持っているお盆からフォークを一本手に取って透子目掛けて投げた。しかしフォークは透子に直撃する事なく彼女の頬をスレスレで横切り、壁に刺さった。

 

 全てを察した透子は恐る恐る優奈の方向を見ると、彼女は黒い笑みを浮かべて右手にはフォークが手一杯に、左手には肉を切り分ける時に使うであろうナイフを一本投げる構えをしていた。ちなみに余談だが、お盆は既にテーブルの上に乗せた後であった。

 

 「……何か言いました?」

 「ごめんなさい、何でもありません。」

 

 蛇に睨まれた蛙の如く、透子は優奈に土下座するしかなかった。この光景を見た京介と瑠唯は呆れながら溜め息をついたが、他のメンバーは苦笑いするしかなかった。

 

 

 同日 17:00

 

 そして京介とましろがアトリエに来て程なくして、準備の方は無事に終わってパーティを始めていた。その際ましろに祝福の言葉をかけて(透子とつくしは再度であるが)、彼女の誕生日を祝った。そしてパーティはご馳走に舌鼓したり余興としてパーティゲームに夢中になって楽しむなどして大いに楽しんだ。

 

 そしてパーティを開始してから約1時間後……

 

\ピンポーン/

 

 盛り上がっている最中に突然チャイムが鳴った。チャイムの音を聞いた京介と七深は一旦部屋を出て来客の対応に向かったのであった。そして……

 

 「みんな、お待たせー!」

 「香澄さん⁉︎」

 

 扉が開くと同時に部屋に入ってきたのは茶髪のネコミミヘアの少女…香澄であった。普段と変わらないが、その手には紙袋を掲げていた。

 

 また、香澄の後ろには順番に七深、京介と彼に身体を支えられて息を切らしている有咲の姿が見えた。

 

 「ど、どうして香澄さんが⁉︎」

 「実は今回の誕生日パーティのサプライズゲストだ。」

 

 当然ましろは驚きを隠さなかったが、京介の口から今回の為に呼ばれたゲストだと告げられた。

 

 京介曰く『今回のパーティの準備の最中に偶然香澄と出会って経緯を話すと香澄がパーティに参加したいと言い出したので参加する事になった。ちなみに市ヶ谷もその場にちょうど居合わせて、香澄に誘われた。最初は固辞したが、香澄が何かやらかすか心配になって彼女のお目付け役も兼ねて参加した。』との事である。

 

 「京介くんから話を聞いた時、私も参加したいと思ったんだ。でも急に言い出したから準備には手間取っちゃったけどね。」

 「香澄さん……。」

 

 その後香澄は自分のせいでスケジュールに大幅な変更があったおかげで迷惑をかけた事に対してましろに頭を下げて謝罪した。

 

 「大丈夫ですよ。私、香澄さんが来てくれただけでも感謝してます。」

 

 しかしましろは気にしてないようで、むしろ香澄が来てくれた事に感謝していた。ましろ以外のメンバーも『招待した甲斐があった。』と言わんばかりの表情で頷いていた。

 

 「ありがとう…あっ、そうだ!つい忘れる所だった! はいコレ、ましろちゃんの誕生日プレゼントだよ!」

 「あ、ありがとうございます……!」

 

 お礼を言われた香澄だったが、ましろに渡すプレゼントがあると言って紙袋から一つの小包を取り出して、そのまま彼女に渡した。しかしましろだけでなく一部除いた全員に小包を渡した。

 

 そして全員の手に小包を行き渡ると、優奈が『開けてもよろしいでしょうか?』と確認した。すると香澄は満面の笑みを浮かべて首を縦に振った。

 

 それを見た全員は一斉に小包のラッピングを外して開けた。すると中には星を象ったキーホルダーが入っていた。しかも全員形は同じであるが、色が違っていた。

 

 「よかったな、ましろ。」

 「はい!」

 

 京介に言われた事を期にましろは笑顔になった。そしてその後、ましろは香澄にお礼を言った事を皮切りにプレゼントをくれた京介達も、彼女にお礼を言った。

 

 そしてパーティは香澄も有咲も加わって再開した。中断してたパーティゲームを一から始めたり、唐突にカラオケ大会を始めるなど、パーティを時間いっぱいまで楽しむ事となったのであった。

 

 気がつくと時間は21時30分を指しており、楽しいパーティはお開きになった。今回はお泊まりであるが、翌日全員学校があるので後片付けを早く終わらせて就寝する事になった。

 

 その後は広間に布団を敷いて寝るだけの用意になったが、途中香澄と透子が枕投げ大会を始めようとしたが優奈の鶴の一言で断念した。

 

 そして時刻は夜の23時30分。部屋の電気は完全に消えており、全員が布団の中で寝静まってる中、ましろも布団に被っているが何やら寝転がりながら何かを見つめていた。

 

 「コレは一生大切にしないといけないですね……。」

 

 先程香澄から貰ったプレゼントの隣りには、蒼い蝶を象った飾りが一際目立つチェーンタイプのネックレスが置いてあった。実はこれは京介と動物園でデートしてる最中に、彼が全員に先駆けて渡したプレゼントである。

 

 隣りで寝息を静かに立てている京介を見ると、ましろは彼を起こさないようにソッと起き上がった。そして静かに京介の頰にキスをして、そのまま彼の布団の中に潜り込んだのであった。

 

 「おやすみなさい、京介さん♪」

 

 それから程なくしてましろは夢の中に入っていった。

 

 「(……今回だけだぞ。)」

 

 しかし京介はましろの大胆な行動に呆れながらもそれを止めずにただ彼女のしていた事を邪魔せずに静観していた。実は京介は目が覚めていて、寝たフリをしながらましろの行動をコッソリと見ていたのであった。

 

 そして京介は自分に寄り添いながら眠っているましろを起こさないように、彼女の前髪を少し掻き上げてその額にキスをした。

 

 「……おやすみ、ましろ。」

 

 そう言って京介もそのまま目を瞑って夢の中に入っていった。

 

 ちなみに余談だが、京介が寝静まった後に瑠唯も彼に気づかれないように彼の布団の中に潜り込んで、京介の背中に抱きつきながらそのまま眠った。その後、早起きした透子が京介達三人が仲良く同じ布団で寝ている所を写真に撮って茶化したが、当然彼らに粛正されたのは言うまでもない。

 

 ーー倉田ましろ生誕記念回 完!

 


 

【ちょっとしたオマケ!】

 

 ましろの誕生日パーティが行われているのと同じ頃。

 

 「うぅ……こんなの理不尽すぎますわ……。」

 

 月の森の正門前にて、桜雪が正座をしていた。しかも両手を縄で縛られて、足には逃げる事が出来ないように重りが乗せられていた。しかも首には『私は他人のデートの邪魔をしようとした愚か者です。』と書かれた看板がぶら下がっていた。

 

 瑠唯の狙撃(スナイプ)を受けた桜雪は、目が覚めるといつのまにか月の森にいて、その直後に優奈に数時間に及ぶ説教を受けた後、今の状態に至るのであった。

 

 「こんなのあんまりですわぁーーーーーー!」

 

 桜雪は悲痛な叫び声を上げたが、周りには誰もいない為これが誰かの耳に届く事はなかった。

 

 そして翌日、校内で奉仕作業に勤しんでいる桜雪の姿があったのは言うまでもない……。(その際、優奈と瑠唯が見張りについていたので実質逃げるのは不可能であった。)

 

 ーーホントに終わり!




 まずは最新話を読んでくれてありがとうございます!こんな拙作を読んでくださるなんて感謝感激です!

 今回のましろ生誕記念回、如何でしたか?実は今回は本家が『卒業式記念コンテンツ』を開催致しまして、それ関連のネタを少々、本家のイベントストーリーの話を含ませて執筆しました。いやぁ、見てると小説の話でやりたくなるものですわ〜。

 あと、今回登場致しました『長瀬 優奈』さんは『咲野 皐月』様考案のオリジナルキャラクターです。『咲野 皐月』さん、毎度ありがとうございますm(_ _)m

 そんなわけで次回の投稿は『咲野 皐月』様とのコラボ回を予定しております。相互のオリジナキャラクターが出ますので、お楽しみにお待ちくださいますようよろしくお願いします。

 ちなみに投稿はするのは別小説のD4DJとデュエル・マスターズを投稿してからとなりますので今暫くお待ち下さいますようよろしくお願いします。

 それでは……次回もお楽しみに!

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