今回はましろの生誕記念回をお送りします。3年連続、お付き合いいただきありがとうございますm(_ _)m
話の時系列と時期的に卒業式シーズンなので京介は卒業間近となっていますが、大学の話はまだ出ません。しかし、推薦でもう進路は決まってる所ではあります。その話は気が向いたら番外編にて公開します。
それでは、どうぞ!
「……よし。あと少しで終わりそうだ」
春も近づいていくにつれて温かくなったり寒くなったりの境界を彷徨う今日この頃、俺は自宅で生クリームを泡立てながらオーブンで焼いているスポンジケーキが出来上がるのを待っていた。
『お前学校あるのになんでケーキを焼いているんだ?』と考えてる読者諸君がいるだろうから説明させて貰うと……俺たち3年生は大半が進路が決まってて、あとは卒業式まで自由登校するだけとなった。
でも俺は生徒会もあるからある程度は行かなくてはならないけど、今日はましろの誕生日のため、学校には行かずにケーキを焼いているのだ。まあ今日の分は先日の内に終わらせたから、あとはつぐみやロックだけで充分な案件だから行く必要はないんだけどな。
ちなみにつぐみ達にもちゃんと説明して納得してくれたから押し付けとか勘違いしないでくれよな?まあ2人からは『ちゃんと行ってあげて(下さい)』と言われたから問題無いけどな。
そう考えている内にオーブンから『チンッ!』と音が鳴ってスポンジケーキが出来た合図を出した。俺は生クリームの泡立てを一度手に止めて、オーブンからスポンジケーキを取り出して粗熱を取り出すために一度作業の邪魔にならない所に置いた。その後は手に止めていた生クリームの泡立てを再開した。
そして暫く時間が経つとホイップクリームが出来上がった。その時俺はふと時計を見ると、時刻はまだ11時を過ぎたばかりだ。ましろはまだ学校だからまだ余裕はある。そう感じた俺は先程まで泡出てたホイップクリームを冷やすために一旦中断する事にした。その後は手早く軽食を作って、少し早めの昼食を食べたのだった。
昼食を終えて一息ついてからケーキ作りを再開する事にした。そこから粗熱の取れたスポンジケーキにホイップクリームを塗って、事前に仕込みをしていたカットフルーツを盛り合わせて、最後にチョコ製プレートにチョコペンで『Happy Birthday ましろ』と書いた後は、それをケーキに乗せて完成した。
完成しケーキを一旦冷蔵庫に閉まった俺だが……時計を見ると時刻はまだ13時30分を差していた。実はこの後ましろの家に行くのだが、約束の時間までまだ余裕があるな……。
それなら……コーヒーでも飲んで一息つこうと電気ケトルを手にしたその時、スマホから着信音が鳴った。
「誰だ?ましろ……いや、月ノ森はまだ授業の筈だし、そもそも校内の携帯の使用は禁止のはずだったな。なら、ロック…はまだ授業だからつぐみあたりか?」
此処で誰からの電話なのか予測しながら、急いでスマホを手に取った。まあ緊急の呼び出しかもしれないしな……と思いスマホの表示を見ると、それは杞憂に終わった。何故なら……
「……ましろのお母さんか」
スマホの画面には、『ましろ母』と書かれていたのだ。何だろうと思いながらも、電話を出ることにした。
「……はい、もしもし」
俺は電話を出ると同時に最初にこの一言を言って、ましろのお母さんと電話を始めた。
『あら京介くん。今お暇かしら?』
「えぇ、大丈夫ですよ。俺に何か用事があるのですか?」
最初に話を切り出してきたのはましろ母からで、まず俺が今時点で予定が空いているか確認してきた。まぁ、今は予定は何も入ってないので大丈夫と返した。
「そうよ。貴方に会って話がしたいの…構わないかしら?」
……オイオイ。こんな真っ昼間から人妻に呼び出される事になるとは……。これ、ましろや、彼女のお父さんに知られたら大変な事になるぞ…と思ったが、今日はましろのお父さんは出張でいない事を思い出した。
実はこの後、ましろの家で彼女の誕生日を祝う事も兼ねて、お家デートをする事となっていたのだ。しかしそのお家デートで母親まで介入する事になろうとは……
「……分かりました。今から行きます」
……仕方ない。変な気を起こす事も考慮して此処は彼女の誘いに乗るとしよう。どうせ後から行く事になるんだ。これが先になるか後になるかの違いしかないからな……。
「ありがとうね。それじゃあまた後で♪」
俺から確認を取ったましろ母はそう一言だけ言って電話を切った。電話を終えると、すぐ外出の準備をして、冷蔵庫に閉まった手作りケーキを箱に入れて戸締りを終えると、ましろの家に向かった。
「……着いたか」
家を出て数十分後、目的地であるましろの家に到着した。その後、インターホンを押そうとするが、先程のましろの母親が言ってた話が気になったのか、中々押そう気になれなかった。
「……(今更会って話したい……何を話すというんだ?)」
実は、ましろの母親と会ったのは1年くらい前の夏である。その時は透子が企画した『夏モニカ作戦』なるもの…要はMorfonicaの合宿なのだが、その時ましろを全員で連れ出す際に彼女の家にお邪魔したのだ。
その時、ましろの母親と初めて会って、
ちなみにその時家を出る前に『彼女の身に何があったかすぐ相談するように』という名目で、ましろの母親と連絡先を交換したのだ。
「(……仕方ない、此処は腹を括るか)」
意を決して俺はインターホンを押した。そして暫くすると、玄関の扉が開かれた。扉の先には、ベージュ色の少しふんわり気味の髪質の女性が俺の到着を待ってたと言わんばかりに笑顔で迎え入れてくれた。
この人が先程言ってたましろの母親、その人である。見た目からしても、外見も若く、母親とは思えない程である。ましろと隣に並べて『年の離れた姉妹です』と言ったら通じるだろうと思えたのは、最初に会った時である。
「待ってたわ。さぁ入って♪」
「では、失礼します」
そんなましろ母にそう言われると、ましろ母にましろのバースデーケーキを渡して、そのままましろの家に入るのだった────。
家に入ると、俺はそのままリビングまで案内されて、ソファに座るよう促された。そして俺はソファに座って暫くすると、ましろ母が紅茶セットを手に持って、俺と対面するようにソファに座った。
「それで、俺に話というのは……?」
紅茶を飲みながら早速俺は話の本題に入った。此処まで来たら回りくどい事はせずに率直に話をする事にした。
「……貴方とましろちゃんの関係よ」
腕を組んでジト目で俺を見ながらましろ母の口から出たのは、俺達の関係であった……やっぱりな。俺とましろは恋愛関係…そんな
「勿論、相思相愛ですよ」
しかし俺は臆さずにはいられないと感じたので、そのままの関係を正直に述べた。仮に嘘をついてもましろに確認するだろうから、そんな事をしても意味は無いのは当然の事だからだ。だから、心象を悪くしない為に正直に言ったのだ。
「でもましろちゃんから聞いたけど……貴方と同じ年のレイって子と、ましろちゃんのクラスメイトの瑠唯ちゃんともお付き合いしてるそうじゃない?それについてはどうかしら?」
……痛いところを突いてきたな。確かに俺はましろと同じく瑠唯やレイとも交際してる。しかし何故バレたの……と思ったが、ましろが喋った事を想像するのは容易にできる。
実はましろ達にもあと2人いるんですが……これを言うと話がややこしくなるので伏せておこう、うん。
「……確かに貴女の仰った通りです。でも……」
「?」
しかしそんな事はさておいて、俺はましろ母の指摘について弁解しようと立ち上がる。
「俺はレイや瑠唯も好きかもしれません。でも…そんなましろも女性として好きなんです。何故なら…ましろは俺が最初に好意を抱いた異性からです」
そうだ。俺が最初に好意を抱いたのはましろ、それは明白だ。その後からレイ、瑠唯と立て続けに好意に気づいたのだ。そんな俺の答えを聞いたましろ母は立ち上がって俺を見た。
「そう。とりあえず貴方の想いは理解できたわ。貴方は優しいからましろちゃんや他の子の好意を無駄には出来ないというのは、ましろちゃんから貴方の事を聞いてそう思ったのよ」
オイオイ、知っていた上で敢えて聞いてきたのか。趣味が悪いぜ……。
「それならよかった。これからもましろちゃんの事をよろしくお願いします。あの子、色々と脆いところがあるの……だからあの子が困ってたりしてたら貴方がそばにいて支えて下さい」
そう言い終えると同時にましろ母は俺に対してお辞儀してきた。母親として娘の事で懇願してくるのは強い覚悟の表れであるとすぐに察知した。
「……分かりました。お約束します」
そしてそんな覚悟を決めたましろ母に対して、俺は彼女の懇願を受け止めて約束を守ると伝える。
「ありがとう、貴女ならそう言ってくれると思ってたわ。あと、孫の顔を見るのが今から楽しみになってきたわ♪」
「孫の顔は…まだ籍も入れてないのですぐには無理です」
……全く、後者のセリフがなければ良い感じに〆れたんだけどなぁ……。しかし母親なりの娘を案じての事だからそれ以上追及するのはよすとしよう。
……と、そんな事を考えてたら玄関の方から『ガチャッ!』…と扉が開けられる音が聞こえた。そして暫くするとリビングにましろが入ってきた。
「お母さん、ただいま。誰か来てるの…って、京介さん⁉︎」
「あらお帰りましろちゃん」
おーい。ましろが驚いてるなか貴女は普段通りに会話しようとしないでくれない?せめて俺がいる事くらい説明してもよきでしょう?……って、そうしてる間にましろも頭に湯気上がってるし!
「あー、実は…(事情説明中)……なんだ」
このままだと拉致が開かないと感じた俺は先程まで起きた事を色々と掻い摘んでましろに説明した。ましろも落ち着いたからか、帯びていた熱も引いていた。
「それじゃあ私は夕ご飯の準備でもしちゃうから、ましろちゃんは京介くんと一緒に部屋でゆっくり話しててね♪」
頃合いを見計らったましろ母は夕飯の支度をするという体で、俺達をリビングに追い出す形で2人きりの時間を作ってくれた。
最初は強引かと思いつつも、流石にましろ母のご厚意を無駄にするわけにもいかないので、俺たちはましろの部屋に行く事となった。
「ごめんなさい、ウチの母親が……」
「気にしてない。だから頭を上げろ」
ましろの部屋に着くと、真っ先に彼女が俺に土下座してきたのだか……うん。流石にやめてね?俺怒ってないから。それだと俺が土下座させてるみたいになるし、女の子にそんな事させるわけにはいかないからな?
しかしましろの部屋を見ると、如何にも彼女の性格が改めてはっきりと伝わってくるのが分かるよ。部屋にはタンスやベッドにはふわキャラのぬいぐるみが置いてある。
まあ、ましろの家に訪れたのはほんの数回くらいだし、部屋に入ったのも5回もないからな……。
「そういえばお母さんと何を話してたんですか?」
……って、オイ!人が分析してる中、それについてサラッと聞いてくるな!しかも眉を
「別になんでもない、ただの世間話だよ」
「ホントにですか?」
「ホントだよ」
「ホントにホントですか?」
「ホントにホントだよ」
あのー、ましろさん?そこで食い気味になって追及しないでくれないか?しかも数回聞き返してくるから納得してくれてないな、こりゃ……。
仕方ない、此処は強引に話題を変えるか……。
「そういえばお前にプレゼントがあるわけだけど……」
そう言って俺は鞄からプレゼントをちらつかせるように見せた。しかし、こんなんでましろの機嫌が変わるわけ……
「ホントにですか⁉︎」
……うん。変わったよ。というより変わりすぎだよ。思いっきり掌返ししやがったよ。
「ホントだよ」
しかし、この話の流れを無駄にはいかない……!それなら此処でプレゼントを渡して夕飯の時間を稼ごうとした。しかし……
「ましろちゃーん…あら、何かお取り込み中だったかしら?」
……って、このタイミングでましろ母が入ってきた⁉︎凄く間が悪いんだけど⁉︎
「どうしたのお母さん?」
「ご飯の準備だからまだかかりそうだから、先に
あーなるほど風呂ね。まだ出来上がらないから先に入るよう言ってきたわけか。
…………ん?
「あのーすみません。聞き間違いじゃあなければ
「あら聞き取れなかったかしら?
…………ハァッ⁉︎
いやいや、流石にそれはマズイっしょ!いくらましろを任されるとはいえ、異性との風呂はどうかと思うぞ!母親公認だからって、そりゃ無いでしょう……
「行きましょう、京介さん♪」
「えっ、ましろ?何手を掴んで…って、うおぁぁぁぁ⁉︎」
しかしましろは問題無い…というより、むしろ待ってましたと言わんばかりか俺の右腕を両手で握り締めてそのまま風呂場まで直行するのだった。……てか、お前こんなに力無かったろ?
「♪」
「まさか本当に入る事になるとは……」
結局成すがままに、あの後ましろと脱衣所で服を脱いで風呂に入る事となった。そこの読者諸君、お互い大事な所は隠してるから勘違いするなよ?これだけのためにR-18のタグは付けなくないからな。
……と、まあそんな事はおいといてだが、今俺はましろを背後から抱きしめる形で湯船に浸かっている。湯を張った湯船にはゴム製のアヒルがちょこんと浮いており、俺と目が合うたびに『何見たんだよ?』と言ってるんじゃないかと聞こえてくる。
「……京介さん?」
「……なんだ?」
……と考え事をしているうちましろが不思議そうな目をして俺に声をかけてきた。
「さっきから無言ですけど、もしかして
「あっ、いやぁ
「そうだったんですか……」
ふぅ、危ない。とりあえず言い訳でなんとか済んだ。しかしましろを心配させてしまったか、次からは気をつけないとな……。
「京介さん……」
「なんだ?」
しかしそんな矢先、ましろに声を掛けられた。こんな立て続けに彼女の方から声を掛けてくるとはな……状況が状況なだけに積極的になるのも無理はないか。
「今年度も……色々ありましたね」
……そうだ。ましろの言う通り…月ノ森の新理事長就任や俺の羽丘生徒会長就任を皮切りに今年度も色々とお騒がせな1年を過ごしてきた。そしてあと1ヶ月もすれば、俺も高校を卒業する。
「でも私としては寂しさを感じます。私達の年齢は
その時ましろの表情は立ち位置と湯気が相まって見えてないが、寂しさを感じるな……。
そういえば以前千聖さんから聞いた事だが、若宮もましろと同じような悩みを抱えてたな。パスパレ内ではアイツだけ一学年違うからな……。
でもましろと若宮で違う事は立ち位置は同じといえど、人数までは違う。彼方は自分以外に対して此方はたった1人、そこは対比になるのだから。
「……そんなのは関係無い」
「へっ?」
「俺は俺だ。卒業しようが進級しようが、俺はMorfonicaから離れる気は無い。それだけは断言する」
そうだ。結局は俺がどうするかだ。Morfonicaが始動したのはまだまだ最近の部類…これからもその行く末を見届けなければならないのだ。マネージャーとして、1番歳上としても。
「……そうですね。私や京介さん、モニカの皆んながいる限りモニカは続く……それでしょげても仕方ないですね」
するとましろも俺の言葉をちゃんと受け取ってくれたようで、先程とは違う感じで決意を固めたようで、熱意が籠っているのが伝わってくる。
その後は俺達は夕飯を理由に、風呂を出て身体をよく拭いて着替えてからリビングに向かう事となった。
「すみません、お泊まりまでする事になって……」
「いいのよ、貴方はましろちゃんの彼氏だもの。それにいずれ貴方の
「だからそこは気が早いって……」
その後俺達は一緒に夕食を摂った。献立もましろの大好物のビーフシチューやローストビーフといった洋食メインであった。ちなみにましろが教えたのか、俺の好物のナポリタンまで用意してくれた。
その後は問題無く夕飯を食べていたが、途中ましろがニンジンとか俺の所にさりげなく避けようとしたけど、『やったらプレゼント無しな?』とコッソリ耳打ちをしてからは我慢して自分で食べた…という事を除いてだが。
そして俺が持ってきたバースデーケーキを食べ終えた所で時間を見ると、時刻は20時30分を差していたのでそろそろお
なんとかして帰ろとしたその時、俺のスマホから着信音が鳴ったのだ。誰かとスマホの表示画面を見ると瑠唯からで、電話に出ると『生徒会の仕事が忙しいので、泊まり込みで作業をするから桜雪は泊まる』といった内容であった。
その話を聞いていた2人は好機と捉えたのか笑顔で『問題ないよね?』って、感じで圧力をかけてきたのだ。
正に四面楚歌…逃げきれないと悟った俺はこのまま倉田家にお邪魔する事となった。
そして俺はましろ母から寝る際に何処の部屋を使えばいいか…などの話を聞いている最中である。しかし、ましろと同じ部屋になるとは……流石にマズイとは思うが、ましろ母はそこは譲らなかったので、渋々ましろの部屋を使わせてもらう事になったのだ。
「……話はここまでね。それじゃあ京介くん、ましろちゃんが待ってるから早く行ってあげてね?」
ましろ母はそう言うと、懐から何かを取り出して、それを俺のポケットに強引に突っ込んだ。そしてニコニコしながらてを振っていた。
気になった俺はポケットに手を入れると…何かが入っていた。そしてそれを取り出して何かを確認すると…『『コ』がつくアレ』であった。
「(オイオイ待て待て!いくら母親だからってそこまでするか普通⁉︎)」
しかしましろ母は終始変わらず笑顔で俺に手を振っていた。マジですか……
「(仕方ない、覚悟を決めるか……!)」
(元からだけど)逃げ道が無いと覚悟した俺は何も言わずにましろの部屋に向かった。しかしその際、ましろ母からお茶のセットを手渡されて『寝る前にお茶でもしてね?』と言われたのでお言葉に甘えてそうする事にした。
そして部屋に入ると、ましろがベッドの上に腰掛けて俺を待っていたのだ。
「京介さん遅かったですね。お母さんと何を話してたんですか?」
「ああ、お前の部屋を使ってくれという忠告と軽い注意事項だよ」
「ホントですか⁉︎」
そう言うとましろが目を輝かせて俺の方を見る。うん、嬉しすぎだろ……。
「ホントだよ。とりあえず寝る前にお茶でもしようか?」
「はい!」
そこから俺達は暫くの間ティータイムに嗜む。お茶を飲みながら最近の世間話といったごく定番なものであるが。
「そうだ。ましろ……忘れずに
その時、俺はまだましろにプレゼントを渡してなかった事を思い出したので、持ってきた紙袋からプレゼント用にラッピングされた1つの箱を取り出してましろに差し出した。
「あの…開けてもいいでしょうか?」
「勿論」
ましろは一言俺に言ってからラッピングを開けて箱から中身を取り出す。すると中から1つの箱が出てきた。
「京介さん、コレは……?」
「オルゴールだよ。君の誕生日に用意した特注品だ。ネジを回してみな」
ましろの誕生日プレゼント…それはオルゴールだ。知り合いのツテをあらゆる方法を使って作られた世界に1つだけの品物だ。そのオルゴールの持ち主になるましろはネジを回す前にオルゴールの外装や中身を確認した。
外装は青を基調としており、
オルゴールを一通り確認したましろは俺に言われた通り、オルゴールの底にあるネジを数回回した。するとオルゴールから俺とましろにとっては縁深い曲が流れてきた。
「コレって……!」
そう、Morfonicaでも代表的な曲…『Daylight-デイライト-』がオルゴールである。ちなみにこのオルゴールを作るためだけに『Daylight-デイライト-』の音源や譜面を職人に渡して作るようお願いしたのはまた別の話である。
「京介さん、こんな貴重な物をプレゼントに頂けるなんてありがとうございます!一生大事にします!」
「そう言って貰えると此方も用意した甲斐があったよ」
ましろは今日の中でもっともとびっきりの笑顔で俺にお礼を言った。俺も思わず笑顔で返した。
「さて、ましろ……」
「?」
不意に呼ばれたましろが疑問符を浮かべながら首を傾げた。しかしお構いなしに俺はましろを優しくベッドの上に押し倒した。
「えっ、えっ?」
「すまないましろ。君のお母さんにこうするよう言われたのでね」
実際あそこまでご膳立てしておいて何もしないのはましろ母が恥をかくだけだからな……。しかしましろは今も驚いているが、目から一筋の涙が流れていた。
「(お母さんったら、でも……)嬉しいです……」
「それじゃあましろ、今夜は寝かさないからな?」
「……はいっ!」
そういうと俺達はキスをすると、肌と肌を重ね合わせて、濃厚な一夜を過ごす事になった。
しかし翌日、昨夜の一件がましろ母の耳に入ったのか、朝から赤飯が出てきた上に『昨日はお楽しみだったね♪』と揶揄われた。更にその日の午後に透子がニヤニヤしながら尋ねてきたり、桜雪に追い回される事になるのは、また別の話である────。
まずは最新話の読了とお気に入り登録をしてくれた皆様、ありがとうございます。こんな拙作にお付き合いいただいた事に感謝します!
今回のましろ生誕記念回……実は久し振りにAmazon Prime Videoで『Morfonication』を見返して、ましろ母が出ていた事に改めて気づき、急遽ましろ母を出して序盤京介とお話させました。その後にましろとお話……結構場面転換が多かった……(オイ)
次回の更新は、暫くは迷仮が多くなると思います。しかし、ポケモンとD4DJを更新してから本格的に進めようと思います。
それでは、また次回!
R-18の小説を……
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