白き蝶に導かれて……   作:なかムー

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 皆さまお待たせしました。

 今回は毎年恒例のましろの生誕記念回をお送りします。

 それでは、本編をどうぞ。


倉田ましろ生誕記念回2026 轟く爆音は樹海をも震わせる

 冬の寒さも本格的になり出した今日この頃。この日は気温は冷たいが、幸いにも雪は降らなかった。此処最近は都内でも雪が降る予報が出ていたため『いよいよか』と身構える者が大半であった。

 

 そんな平日の放課後に、とある場所…もとい七深の家のアトリエにて男女の高校生複数人が集まっていた。尤も、男女の比率に差があるのはご愛嬌であるが。

 

 「ましろちゃん、お誕生日おめでとう!」

 「シロ、誕生日おめでとうー!」

 「しろちゃん、お誕生日おめでとう〜」

 「倉田さん、誕生日おめでとう」

 「ありがとう、みんな!」

 

 アトリエ内にて、同級生達に祝福の言葉を贈られるましろであった。それもそのはず、今日はましろの誕生日で、今は放課後に集まって彼女の誕生日パーティが開かれているのであった。

 

 「ましろさん、お誕生日おめでとうございますわ!」

 「ましろ先輩、お誕生日おめでとうございます…」

 「祥子ちゃんも睦ちゃんもありがとうね!」

 「ましろさんの誕生日パーティに招待された身なので祝うのは当然の事ですわ!」

 

 祥子が当然の事と言わんばかりの顔であった。ちなみに祥子と睦もましろの誕生日に招待された身で、特に後者は同じ学校の先輩後輩という間柄であるのだ。

 

 祥子の方は、同じ学校の先輩でこの誕生日パーティの幹事兼主催の京介に誘われた事と、彼女自身、ましろがボーカルを務めているMorfonicaのファンなのもあって誘いを断る理由は皆無のため参加を決意したのだ。

 

 「まぁ、祥子はこの日を待ち侘びていたようで夜も眠れなかった程楽しみにしてたみたいだけどな」

 「なっ⁉︎京介様、それは言わない約束でしたよね‼︎」

 

 ちょうどその時、京介と彼の後ろに控えていたそよがご馳走を持って現れた。その際、京介は祥子を軽く茶化すも、彼女は頬を赤くして追及した。

 

 ちなみにそよがいる理由としては、睦と同じ学校の先輩後輩なのもあるが、先日京介から直々に誘われた事を受けて急遽参加する事となったのだ。

 

 そんなそよだが、京介の言った事を受けて軽く微笑んでいた。

 

 「はいはい。でも京介さん、時間は有限だから早く始めませんか?」

 「それもそうだな。そんじゃ、始めるとしようか」

 

 そよに遠回しの催促をされたためか、ご馳走と共に運んできた飲み物をグラスに注いだ。それを全員分注ぎ終えると、グラスを全員に手渡した。

 

 「……それじゃましろの誕生日を祝って、乾杯」

 『乾杯(!)』

 

 グラスが全員の手元に届いた事を確認した京介は、音頭を取ってましろの誕生日パーティを始める事となった。

 

 パーティを始めてからは平和的に進める事が出来た。

 

 「そうだきょーさん!せっかくだしヴァンガードやりましょうよ!」

 「えらく突然だな……」

 

 しかし、パーティの最中に透子がデッキケースを手に取りながら突然そんな事を言い出し始めた。

 

 「桐ヶ谷さん。そんな唐突な事を言われても、貴女と同じでデッキを持ってきてるとは限らないわ」

 

 そんな透子に内心呆れながら瑠唯は指摘するのであった。彼女の言う通り、事前にデッキを持ってくるよう伝えられたのならまだ分かるが、今回は突発的に言い出した事なので持参している可能性は無いのだ。

 

 「……まぁお前ならそう言うと思って、持ってきたけどな」

 

 しかし透子の事はお見通しなのか、京介は懐からデッキケースを取り出した。

 

 「いや、なんで持ってきてるんですかっ⁉︎」

 「えっ、ほらよく言うだろ?『備えあれば憂い無し』って」

 「尤もらしい事言わないでください!」

 

 それに対してつくしとそよに指摘されたのは言うまでもなかった。

 

 「きょーさん先輩、やはりガチ勢ですね〜」

 「……まぁ私も京介さんも、デッキは持ってきてないとは一言も言ってないのは事実ね」

 

 だけど、七深と瑠唯も当然だと言わんばかりに何処からかデッキケースを取り出した。

 

 「いや、七深ちゃんもるいさんもさも当然な事言わないで!」

 

 そんな二人につくしはツッコミを入れたのは言うまでもなかった。それもそのはず、前者はまだ分かるが、後者はあまり乗り気にならないのは目に見えているからだ。

 

 しかしつくしは、『瑠唯は京介絡みなら積極的になる』ことをすっかり忘れていたのはここだけの話である。

 

 「ちょっと待って透子ちゃん!」

 「ん?」

 「まずは私が京介さんとファイトしたい!」

 

 そんなましろも何処からかデッキを取り出してファイトの相手をしたいと言い出し始めた。

 

 『ましろちゃんまで…』とヘナヘナと倒れるつくしであった。

 

 「大丈夫ですわつくしさん。私は持ってきてないので…そもそもヴァンガードは未経験ですわ。ルールは知ってますけど」

 「私も…」

 「私も同じく」

 「それフォローになってないから!」

 

 後輩達(一人は学校は違うが)に慰められるつくしであるが、彼女のフォローになってないからかツッコミを入れるのであった。

 

 「……それじゃ、()()()倉田さんに京介さんの相手を譲るわ」

 「そうだね〜」

 

 その場でのTPOを弁えているのか、または本日の主役はましろと捉えられているからか、瑠唯と七深は彼女に譲るのであった。

 

 「えー、あたしがきょーさんとファイトしたかったなー」

 

 しかし此処に一人、透子が空気を読まずに愚痴を溢していた。

 

 「それなら桐ヶ谷さん、私と広町さんとファイトしましょう?」

 「いいね〜。とーこちゃんに広町の魔刃の一振りをお見せしましょう〜」

 「おっ、いいの⁉︎早速やろうか!」

 

 そんな透子に対して、瑠唯と七深が彼女のファイトを買って出たのだ。当然透子はその話に食い付いて、即座に了承し、ファイトする事になった。しかし透子自身、地獄を見る事はこの時点ではまだ知らなかったのは言うまでもなかった。

 

 「透子ちゃん、大丈夫かな…?るいさんと七深ちゃん相手に…」

 

 ファイトを安易に引き受けた透子を心配する透子であった。ちなみに瑠唯と七深の実力は、京介の手解きを受けて間もなくして、ショップ大会で優勝するほどの実力を有しているのだ。Morfonica内においても京介、瑠唯、七深の3トップなのは此処だけの話である。

 

 「……桐ヶ谷先輩、ご愁傷様です」

 「南無……」

 「いや、透子ちゃんまだ無事だからねっ⁉︎」

 

 早くも葬式ムードになっているそよと睦は透子に対して静かに合掌するのであった─────。

 

☆☆☆

 

 ヴァンガードファイトをやると決まってからは、別のテーブルを急遽用意してご馳走を乗せ替えるなどして、ファイトスペースが確保できる程度にテーブルの上を軽く整理した。

 

 ファイトできる状態まで済ませると、京介とましろが対面になるように向かいあってデッキをシャッフルしていた。ちなみにその時に先攻後攻を決めるコイントスも行なって、その結果ましろが先攻となった。

 

 シャッフルをしている最中、京介は先日颯樹とファイトした事を思い出した。その際メインで使うデッキを交互に入れ替えて50戦程行なったものだ。

 

 しかしその際颯樹から白星を上げるのは至難の業であるが、それでも執念で食いついていた。

 

 その際、ファイトの休憩中にてこんな会話を交わしていたのであった。

 

 『今のましろの力、お前は理解してない訳じゃないだろう。だが、読み違えれば敗北を招く』

 『……そうだな、あんたの言う通りだ。導いた者はそれ相応の責任を負わねばいけない、そう言う事か』

 『あと30戦……容赦はしない、僕から一度でも勝利を挙げてみろ!』

 

 その会話の後にファイトを再開するのであった。その後は5戦程颯樹が白星を上げたのだが、それ以降は京介が颯樹の戦術のパターンを掴み取ったようで、残り全部は颯樹に言われた通り、無事白星を挙げる事ができたのだ。

 

 戦績は5割程度であったが、50戦相手をした颯樹曰く『マムシの数十倍はタチが悪い』『ガラガラ蛇の数百倍の執念深さ』との事で、その時は彼であってもげんなりとした表情でぼやくのであった。

 

 「……京介さん?」

 

 しかしましろに声を掛けられて京介は我に返るのであった。相手は颯樹ではなくましろであるのだ。

 

 京介にとって相手としてはまだまだ発展途上であるが、颯樹の指摘もあるので油断は出来ないのだ。現に瑠唯や七深ほどではないが、ショップ大会でも好成績を残したのは耳にしている。

 

 「すまないな…ましろ、君であっても手加減する気はない」

 「私もそう覚悟はしていました」

 

 充分に覚悟を決めていたましろを再確認した京介はウンウンと頷いた。そして裏向きにしているFV(ファーストヴァンガード)に手をつけた。ましろもそれに倣って、自身のFVに手をつけた。

 

 「行こうか」

 「……はい!」

 

スタンドアップ

ル・

ヴァンガード

 

 ヴァンガードの掛け声と共に、ファイトが始まるのであった────。

 


 

 しかし誕生日パーティにヴァンガードをやるとは思わなかったわ。でもヴァンガードね…颯樹さんもやってるから私も始めてみようかな?

 

 あぁ、でも愛音ちゃんが後で五月蝿くなるか。「そよりんもやろうよー!」ってしつこく勧誘してきて、その度に断ってたから。

 

 「 樹角獣 ローテ

 「ディアブロス "無垢(イノセント)" マット

 

 ……一応私もヴァンガードのルールとか国家などの世界観は頭に入っているからある程度の事は分かるけど…倉田先輩が使用する国家は【ストイケイア】で、京介さんは【ダークステイツ】なのは理解している。

 

 「私のターン、ドロー。手札1枚破棄して《花めく樹角獣 カリス》にライド。ライド時に《エネルギージェネレーター》をセットしてターンエンドです」

 (手札5→6→5/ドロップ0→1)

 (ソウル0→1)

 

 「俺のターン、ドロー。手札1枚破棄して《ディアブロス "悪童(バッド)" スティーブ》にライド。《エネルギージェネレーター》をセット、後攻のためEC(エネルギーチャージ)3。マットのスキルで1枚ドロー、更にスティーブのスキルでソウルのマットを自身の後ろにスペリオルコールしてSC(ソウルチャージ)1」

 (手札5→6→5→6/ドロップ0→1)

 (ソウル0→1→0→1/エネルギー0→3)

 

 【ソウルチャージされたカード】

 《ディアブロスラピッドキャリア ジーノ》

 

 「処理は終わってバトルだ。マットのブーストしたスティーブで攻撃」

 「ノーガード」

 「ドライブチェック《ディアブロスストライカー オーリンド》。ノートリガー」

 (手札6→7)

 

 「ダメージチェック《誠実なる奉奏 サンセリーテ》、此方もノートリガーです」

 (ダメージ0→1)

 

 「ターンエンド」

 

 まずは1ターン目が経過したけど、お互いがリアガードを展開せずにライドだけ済ませたってところか。

 

 「私のターン。ドロー、EC3。手札1枚破棄して《仁恵の樹角獣 ラティス》にライド。カリスのスキル。山札の上から3枚見てグレード2以下のノーマルユニットを1枚選んで……《フラッポイ・リリッコイ》をリアガードサークルにスペリオルコールします。残りはドロップゾーンに送ります」

 (手札5→6→5/ドロップ1→2→4)

 (ソウル1→2/エネルギー0→3)

 

 【ドロップゾーンに置かれたカード】

 ・《樹角獣 コマドレット》

 ・《樹角獣 ゴイルドート》

 

 「更にフラッポイの登場時スキル。EB(エネルギーブラスト)3してドロップゾーンの《樹角獣 ヴォルジャール》をスペリオルコール。バトル、まずはフラッポイでヴァンガードに攻撃」

 (ドロップ4→3)

 (エネルギー3→0)

 

 「《ディアブロスディフェンスライナー グレイディ》でガード」

 (手札7→6)

 (ドロップ1→2)

 

 「ラティスでヴァンガードに攻撃」

 「《ディアブロスガールズ マイマイ》でガード」

 (手札6→5)

 (ドロップ2→3)

 

 「ドライブチェック《誠実なる奉奏 サンセリーテ》。ノートリガーです。ヴォルジャールでヴァンガードに攻撃」

 (手札5→6)

 

 「此処はノーガード。ダメージチェック《ディアブロスナックラー ジャミル》。ノートリガー」

 (ダメージ0→1)

 

 「ターンエンドです」

 

 倉田先輩は3回攻撃してきたのに対し、京介さんはダメージ1でなんとか抑えた。しかし先攻2ターン目から攻めるな……。こういう特徴なのかな?

 

 「俺のターン。スタンド&ドロー、EC3。手札1枚破棄して《ディアブロス "憤怒(アンガー)" リチャード》にライド。リチャードの登場時スキル、マットをソウルインして1枚ドロー」

 (手札5→6→5→6/ドロップ3→4)

 (ソウル1→2→3/エネルギー3→6)

 

 「続けて《ディアブロスプレイメイカー イーライ》をコール。イーライのスキル、EB3して山札の上から7枚見て「ディアブロス」を含むユニット2枚選んで公開する」

 (手札6→5)

 (エネルギー6→3)

 

 【公開されたカード】

 ・《ディアブロスストライカー オーリンド》

 ・《ディアブロスボーイズ ハインズ》

 

 「ハインズをスペリオルコールしてオーリンドをソウルに。ハインズの登場時スキル、ドロップのグレイディをソウルインして自身のパワー+5000。オーリンドのスキル、デッキからソウルに送られた時、EB3してヴァンガードの後ろにスペリオルコール。バトル、ハインズでフラッポイに攻撃」

 (ソウル3→4→5→4/エネルギー3→0)

 

 京介さんも倉田先輩に負けじとリアガードを展開してきて攻めてきた。しかも回数も同じ…お互いが攻め特化の軸を使用しているのはよく分かった。

 

 「ノーガード。フラッポイは退却」

 (ドロップ3→4)

 

 「続けてオーリンドのブースト、リチャードでヴァンガードに攻撃」

 「《樹角獣 ジャッカローブ》でガード、ヴォルジャールでインターセプトします」

 (手札6→5/ドロップ4→6)

 

 「ドライブチェック《ステムディヴィエイト・ドラゴン》。ゲット、クリティカルトリガー。効果全てをイーライに。続けてイーライでヴァンガードに攻撃」

 (手札5→6)

 

 「ノーガード。ダメージチェック。1点目《プラナプリベント・ドラゴン》。2点目《樹角獣 アルピン》。どちらもノートリガーです」

 (ダメージ1→3)

 

 「ターンエンド。ハインズは退却する」

 (ドロップ4→5)

 

 この時点で今リードしているのは京介さんの方だ。でも勝負は始まったばかりだから何が起こるか分からない…それだけは言える。

 

 「私のターン。スタンド&ドロー、EC3。手札を1枚破棄して……行きますよ?」

 (手札5→6→5/ドロップ6→7)

 (ソウル2→3/エネルギー0→3)

 

 「……ギア、上げていくんだ?いいだろう……来なよ」

 「はい!」

 

 ギアを、上げる……?なんの事?

 

轟け!

樹海を震わす蒼き咆哮!

《樹角獣皇 マグノリア・パトリアーク》にライド!《b》

 

 「まずはラティスのライドされた時のスキルは…今回は使いませんが、マグノリア・パトリアークがヴァンガードに登場した時、ゴイルドートを自身の後ろにスペリオルコール!ドロップゾーンのコマドレットのスキル、自身を前列にスペリオルコール!《樹角獣 マールゴール》をコール。マールゴールの登場時スキル、山札から自分の『樹角獣』と名のつくユニットの数…4枚見てその内1枚…《樹角獣 カラルケイル》をドロップゾーンに送ります。その後CB(カウンターブラスト)1してドロップゾーンに送ったカラルケイルを手札に加えます」

 (手札5→4/ドロップ7→6→5→6→5)

 

 「カラルケイルをマールゴールの後ろにスペリオルコール。カラルケイルの登場時スキル、SB(ソウルブラスト)1して山札の上から7枚見て『マグノリア』と名のつくユニットを1枚選んで公開します」

 (手札4→3)

 (ソウル3→2)

 

 【公開されたカード】

 ・《樹角獣皇 マグノリア・パトリアーク》

 

 手札2枚だけ使用して4体のリアガードを展開してくるとは…見ているだけで凄いと感じた。でもヴァンガード以外グレード2だからブーストは出来ない…どうするつもりなんだろう?

 

 「パトリアークを手札に加えます。更に行きますよ?」

 (手札3→4)

 

 「(パトリアークのスキルか……)いいだろう、来い」

 「パトリアークのスキル。CB1して自分リアガードを相手ヴァンガードのグレードの数…2体まで選んで、そのターン中、《b》『このユニットは後列からでもアタックできる』を与えます!対象はもちろんゴイルドートとカラルケイル!」

 

 「えぇーっと、という事はつまり…」

 「このターン、ましろさんは最高5回の攻撃を可能にしましたわ」

 「嘘っ⁉︎」

 

 マグノリアにそんなスキルが…だからグレード2を何の迷いもなく後列に呼び寄せたんだ。

 

 「これでバトルに入ります。まずはカラルケイルでイーライに攻撃します」

 「ジーノでガード」

 (手札6→5/ドロップ5→6)

 

 「それならマグノリアでヴァンガードに攻撃です」

 「ノーガード」

 

 「ツインドライブ。1枚目《プラナプリベント・ドラゴン》。2枚目《狂乱の令嬢》。ゲット、フロントトリガー!前列のパワー+10000します!」

 (手札3→5)

 

 「ダメージチェック。《ディアブロスナックラー ジャミル》。ノートリガー」

 (ダメージ1→2)

 

 「次はマールゴールでヴァンガードに攻撃!」

 「ノーガード。ダメージチェック《リキューザルヘイト・ドラゴン》。ノートリガー」

 (ダメージ2→3)

 

 「コマドレットでヴァンガードに攻撃!」

 「コイツもノーガード。ダメージチェック《ディアブロスガールズ ナタリア》。ゲット、フロントトリガー。前列のパワー+10000させてもらう」

 (ダメージ3→4)

 

 「ゴイルドートでヴァンガードに攻撃!」

 「此処は流石に通さないよ。オーリンドでガード」

 (手札5→4/ドロップ6→7)

 

 「ゴイルドートはバトル終了時に自身を退却させて1枚ドロー。これでターンエンドです」

 (手札5→6/ドロップ5→6)

 

 5回攻撃を終えて京介さんのダメージは一気に4になった。でも京介さんはダメージ受けすぎじゃないかな?後でピンチになりそうなんだけど。

 

 「俺のターン。スタンド&ドロー、EC3。手札1枚破棄して…行くぞ?」

 「(来る…!)」

 (手札4→5→4/ドロップ7→8)

 (ソウル4→5/エネルギー0→3)

 

轟け爆音!

止まらぬ衝撃!

立ち塞がる者、その悉くを粉砕する!

ライド、《ディアブロス "爆轟" ブルース》!

 

 「やはり来ましたね、ブルース…!」

 「当然だ。イーライを後列に移動、その後前列に《ディアブロスナックラー ジャミル》とハインズをコール。ハインズのスキル、ドロップゾーンの《ディアブロスダイバー ジュリアン》をソウルに置いて自身のパワー+5000だけど、相手ヴァンガードがグレード3以上なら自身のパワー+10000。更にジャミルのスキル、自身の登場時SC1する」

 (手札4→2/ドロップ8→7)

 (ソウル5→6)

 

 【ソウルチャージされたカード】

 ・《ディアブロスディフェンスライナー グレイディ》

 

 「…その後ソウルのジュリアンをハインズの後ろにスペリオルコール」

 (ソウル6→5)

 

 これで京介さんの盤面は完全に埋まった。でも…

 

 「えっ、あのユニットってブーストアイコン持ってないですよね?なんで後列にスペリオルコールを…?」

 「今に分かる事だわ」

 「あっ、るいさん」

 

 双葉先輩が私も思っていた疑問に対して、ファイトが終わったのか八潮先輩と広町先輩がロープで簀巻きにされて口をテープで塞がれている桐ヶ谷先輩を引き摺りながら戻ってくる形で口を挟んできた。

 

 今の桐ヶ谷先輩について色々指摘したかったけど、それをした瞬間、私の命の危機に瀕するのでやめた。あとは八潮先輩が京介さんと倉田先輩の盤面を確認していたからなのもある。

 

 「倉田さん。一つ忠告するわ」

 「?」

 「…京介さんのバトル、7回行われるわ」

 

 確認を終えた八潮先輩の口から出た一言を聞いて「…はい?」ってなった。

 

 だってさっきの倉田先輩の5回攻撃で驚いているのに……

 

 「それは覚悟してた…」

 「どうやら腹は括ってるみたいだな。バトルに入らせてもらう。バトルフェイズ開始時、ブルースのスキル…」

 

一気、爆勢!

 

 「俺のユニット全てが「ディアブロス」を含むユニットのため、"一気呵勢"になるが、相手ヴァンガードがグレード3以上なら"一気爆勢"になる!」

 

 「さぁ、瑠唯の忠告通り7回攻撃だ。何処まで耐えられるかな?まずはハインズでヴァンガードに攻撃」

 「コマドレットとカラルケイルでインターセプト!」

 (ドロップ6→8)

 

 「後列からインターセプト…?」

 「マグノリア・パトリアークは、相手ヴァンガードがグレード3以上ならリアガードは後列からでもインターセプトできるスキルとパワー+5000されるスキルを持ってるんだよ〜」

 

 広町先輩の説明を聞いてなるほどと感じた。どうやら【マグノリア】は攻撃だけでなく守備も抜かりないんだ。

 

 「次はジャミルでヴァンガードに攻撃。ジャミルのパワーはパワー+10000されてるぞ?」

 「ノーガード。ダメージチェック《樹角獣 ギュノスラ》、ノートリガーです」

 (ダメージ3→4)

 

 「オーリンドのスキル、リアガードのバトル終了時に前列のジャミルとハインズを退却して1枚ドロー。ジュリアンをイーライの前に移動する。ハインズのスキル、SB1してCC(カウンターチャージ)1」

 (手札2→3/ドロップ7→9)

 (ソウル5→4)

 

 えっ、リアガードを退却して前列に移動⁉︎それならブーストを持たないユニットを後列に置いたのも納得できる。でも此処からどうやって合計7回も攻撃するんだろう…?

 

 「続けてイーライのブーストしたジュリアンでヴァンガードに攻撃!」

 「あれ?でもそのユニットはグレード2だからブーストできないはず…」

 「イーライは"一気呵勢"なら『ブースト』を得て、"一気爆勢"なら更にパワー+5000だ!」

 

 スキルを付与してブースト…だから先程後列に移動させたんだ。

 

 「まだスキルの処理は終わってない。ジュリアンのスキル、CB1してこのターン中、ダメージの数だけ自身のパワー+2000。更にダメージゾーンのカード2枚につきSC1するから今回はSC2だ」

 (ソウル4→6)

 

 【ソウルチャージされたカード】

 ・《ディアブロス "爆轟" ブルース》

 ・《ディアブロスダイバー ジュリアン》

 

 「その後SCされた枚数だけ空いているリアガードサークルにスペリオルコールする。空いている縦列にソウルの《ディアブロスラピッドキャリアー ジーノ》と《ディアブロスディフェンスライナー グレイディ》をスペリオルコール!」

 (ソウル6→4)

 

 リアガードがまた展開された。7回まで後半分に迫っていた。

 

 「《狂乱の令嬢》でガード、マールゴールでインターセプト!」

 (手札6→5/ドロップ8→10)

 

 「グレイディのブースト、ジーノでヴァンガードに攻撃」

 「ノーガード。ダメージチェック《樹角獣 ズラトロク》。ゲット、ヒールトリガー!ヴァンガードにパワー+10000、ダメージ1回復」

 (ダメージ4→5→4)

 

 「オーリンドのブースト、ブルースでヴァンガードに攻撃。ブルースのスキル発動、自身のアタック時に"一気爆勢"なら、CB1してジュリアンとイーライをスタンドしてそれらのパワー+5000。更にジーノのスキル、SB2してジーノ自身と後ろのグレイディをスタンドしてそのターン中、それらのパワーを+5000する」

 (ソウル4→2)

 

 此処でやっとヴァンガードの攻撃で5回目だけど、リアガードをスタンドした⁉︎7回攻撃はブラフじゃないのがハッキリと理解できた瞬間だった。

 

 「手札を1枚破棄して《プラナプリベント・ドラゴン》で完全ガード!」

 (手札5→3)

 

 「ツインドライブ。1枚目《怨恨の冥竜神 ゴルマギルエド》。ゲット、オーバートリガー!」

 (手札3→4)

 

 「まずはゴルマギルエドを除外して1枚ドロー、ジーノにパワー+100,000,000。追加効果発動、このファイト中、俺は『あなたのターン中、あなたのヴァンガード全てのパワー+10000とクリティカル+1』を得る」

 (手札4→3→4)

 

 「セカンドチェックに入る。2枚目《ディアブロスガールズ マイマイ》……ゲット、クリティカルトリガー!効果全てをジュリアンに。そのままイーライのブーストしたジュリアンでヴァンガードに攻撃」

 (手札4→5)

 

 「(マズイ、手札にギュノスラとマグノリアとアラナだからどちらも防げない!こうなったら……)行きます、ノーガード。ダメージチェック1枚目《樹角獣 ヴォルジャール》、ノートリガー。2枚目《樹角獣 ズラトロク》。ゲット、ヒールトリガー!パワー+10000をマグノリアに、ダメージ1回復」

 (ダメージ4→6→5)

 

 倉田さんはガードが出来ないと悟ったのか渋々ダメージを受けた。でもヒールトリガーのおかげでなんとか首の皮が繋がったけど、リアガードの攻撃はまだ1回残ってる。

 

 「トリガーに救われたか。だが1億超えのパワーはどうする?グレイディのブーストしたジーノでヴァンガードに攻撃」

 

 「ノーガード。行きます、ダメージチェック……」

 『…………』

 

 そして最後の攻撃も受ける事になった。最後のトリガーチェックでヒールトリガーが出れば逆転のチャンスはあるけど…

 

 「……《樹角獣皇 マグノリア・パトリアーク》。ノートリガー…私の負けです……」

 (ダメージ5→6)

 

 ……だけどそんな事は起こらずにダメージが6になった瞬間、倉田先輩の敗北が決まるのでした────。

 


 

 「対戦ありがとうございました」

 「此方こそだ」

 

 ファイトが終わると京介とましろは握手をして健闘を称えていた。

 

 「2人とも、いいファイトだったぞ」

 「あっ、颯樹さん」

 

 そんな中、2人に声を掛けてきた人物…颯樹が壁に寄りかかりながら拍手をしていた。

 

 ちなみに何故颯樹もいるのかと言うと、彼も今回のましろの誕生日パーティに招待されたのだが、生憎大学の補講と被っていたので、遅れての参加となって、先程到着したばかりであった。

 

 「しかし無言でファイト観戦とは趣味が悪くなったな、アンタも」

 「そう言うな。そのお詫びと言ってはなんだが、僕もファイトに混ぜて貰えるか?」

 

 颯樹は京介の苦言に対して苦笑いしながらも、デッキケースを掲げながらファイトの申し出をした。

 

 「それなら俺とどうだ?ちょうど俺の分身の一体がアンタの分身の一体たファイトしたいと疼いてたところだ」

 「そうか、でもそれは後に取っておこう。まずは本日の主役のましろとファイトしてからで構わないか?」

 「構わない」

 

 思う事があるのか、ファイトの相手を自分から買って出た京介であるが、まずはましろとファイトする事を望んだ颯樹であった。

 

 「それならきょーさん先輩〜。颯樹先輩の前に、広町とファイトしませんか〜?」

 「お前とか。まぁお前の分身とはいずれファイトしなきゃならない運命にあるからな」

 「貴女という人は…まぁ私は盛谷さんの後にファイトを申し込むとするわ」

 

 さりげなくファイトの申し出を予約した瑠唯であった。

 

 「それなら時間の方は…みんな大丈夫か?」

 

 しかし時間は有限なので、一応全員のスケジュールは大丈夫か確認を取った。

 

 「あっ、それなら俺は今日此処に泊まるから」

 『同じく(〜)』

 「私も…」

 「私もです」

 「私もですわ。獅音は今日、燈と愛音さんとお泊まりの予定なので。しかし初華は此処数日連絡が取れてないので心配ですわ」

 

 全員此処に宿泊すると同時に、祥子だけは自身の同居人の心配をするのであった。それを聞いた京介と颯樹は何故か気まずそうにしていた。

 

 しかしそんな事を気にしても仕方ないので、ファイトの準備を手早く済ませて、いつでも始められるように整え終えた。

 

 「それじゃやろうかましろ」

 「ハイ!」

 

 「きょーさん先輩〜。広町が勝ったらデートしてくださいね〜♪」

 「勝てたらな。行くぞ……」

 

スタンドアップ

ザ(ル)・

ヴァンガード!

 

 全員の掛け声と共にファイトが始まった。結果の方は、神のみぞ知る────。




 まずは感想、お気に入り登録をしてくれた方、こんな拙作を応援いただきありがとうございます!こんな拙作読んでくれるだけでもありがたいです!

 今回生誕記念回にヴァンガードの話を持ち込んだ理由としましては、先日の2月14日に発売されたヴァンガードのブースターパック『幻真星戦』の影響と、3月27日にヴァンガードで『タイトルブースター プレミアム「バンドリ! ガールズバンドパーティ!」』が発売されるから取り入れてみました(サブタイトルもヴァンガードっぽくしたのもそれが理由です)。

 ちなみに後者の方は購入予定自体はまだ未定ですが、もし購入予定があるとしましたら、Morfonicaを組もうか考えております。

 あとはましろや七深の声優さんも絶賛放送中の『カードファイト!! ヴァンガード Divinez 幻真星戦編』にて出演していまして、ヴァンガードと結構シナジーもあったのもあるからです。

 ……さて、次回の更新はまた未定ですが、D4DJメインの『可憐な少女達が紡ぐ日常』を予定しております。

 それでは、次回をお楽しみにくださいませ。

R-18の小説を……

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