京介「やれやれ……で、今回は短編なんだ。」
そう。今回はTwitterのリクエストで短編をやることにしたんだ。まぁ、今回はちょっと練習しようと思って。
京介「練習?」
普段は3人称だけど今回は京介視点にしてみたんだ。まぁ、いずれやるから練習の兼ね合いもあるかな。
京介「なるほど……なら早く始めようか。」
そうだね。では……
京介「『どうぞ。』」
2022年最初の投稿はリクエスト回になります。初めてなので見てくれたら幸いです。あと時系列は気にしないでください。
それでは、はじまり〜
ーーライブハウスCiRCLE
ここはAfterglowやRoseliaと言ったガールズバンドも練習やライブで使用してるわけだが俺達Morfonicaも最近だが時々此処でライブをするようになった。でも、普段のバンドの練習では七深の家のアトリエを使っている。
だから今日は練習をするために来たわけでもない。なら後日練習をするからスタジオを借りるための予約をするために赴いたのかって?残念だがそれでもない。何故なら俺はCiRCLEの外のカフェテリアにいる。それじゃあ何故俺が此処にいるのかって?それは……
「京介く〜ん‼︎」
「話したいことがあるって言ってたから来たけどどうした香澄……と言いたいがとりあえず抱き着くのはやめてくれ……」
突然俺の名前を呼ぶネコミミヘアーの少女…
まぁ、そこは置いておいて……とりあえず香澄の表情を見る限り、何やら困った事か悲しいことがあるようだが、とりあえず今は抱き着くのを辞めてほしい……。
実は今回、沙綾から今度行なうPoppin'PartyとMorfonicaの合同ライブのことで話しがあるからと連絡が来たので、CiRCLEのカフェテリアで待ち合わせすることになったのだ。本来ならMorfonicaのメンバーの誰かも同行する予定だったが、流石に話しだけなので俺だけ行くことになったのだ。
だが、それはさておいて……
「それで話しというのは何だ?」
話しが一向に進まないと判断したので、香澄に話しの本題に入るよう促した。すると香澄はショボンとしながら俺に抱きつくのを辞めて泣きだしてしまった。どうやらそれほど深刻な問題なのだろうと察したが……
「実は中間テストで赤点取っちゃって〜……。」
「……で、俺に泣きついてきたわけか……。」
……訂正、
……待てよ?もしそうなら一つ気になることがあるぞ。
「ていうか何故俺なんだ?俺より他のポピパのメンバーや同じ学校の連中がいるだろ?」
学校が違う俺より同じ学校の友達に頼るべきだろ?俺はそう思いながら香澄に質問した。それを聞いた香澄はただでさえ泣いていたのに、そこから更に泣き出してしまった。
「京介くんも知っての通り、ポピパのみんなはライブの準備で時間取れなくて……美咲ちゃんにも頼んだけど用事があって断られちゃって、イヴちゃんも芸能界の仕事があって時間が取れなくて……。」
どうやら各々で予定があったようで誰にも頼ることができないようだ。まぁ……ポピパや若宮はまだ分かるが美咲、お前面倒だから丸投げしただろ、絶対。
しかし美咲は仕方ないか、普段ただでさえこころ、瀬田先輩、北沢の三人(通称:三馬鹿、美咲が命名)の相手をしてるため、俺の目の前にいる
「他にはいないのか?」
「はぐも同じく赤点取っちゃって……こころんは話しを聞いてもらえずに何処か行っちゃって……。」
「前者は想像はついてたが後者はお前も人のこと言えんだろ。」
どうやら赤点を取ったのは香澄だけではないようだ。北沢は予想通りだが、こころがまさか赤点じゃなかったことに驚いた。ちなみに余談だが、後になって知ったことだけど聞いた話しではこころは今回の中間テストで学年10位に入っていたらしい。(これを聞いた俺は数分思考を停止した。ちなみにこの話しをしてくれた美咲も知った時はマジで驚いたという。)
……話しを戻そう、香澄はこころに話しを聞いてもらえないと嘆いてたが、俺がお前もブーメランだと指摘したらガクンと項垂れてしまった。
此処は断ってもいいが、いかんせん香澄は今度、モニカと合同ライブするバンド…ポピパのリーダーだ。流石に引き受けるわけにはいかないとは言わないが他の打開策を考え……待てよ、上級生に頼んでみるか?
……いや、ダメだ。白金さんは生徒会で忙しいし、紗夜さんも生徒会の手伝いをしてるうえに風紀委員もある。千聖さんと彩さんは芸能界の仕事で忙しい。花音さんは大丈夫だろうが……いや、美咲と同じで三馬鹿の対応で勉強を教えるどころじゃないな。
そこから思考を巡らせていたその時……
「香澄!急に走り出すなって!」
「だって大事な話しだからさ〜……。」
金髪ツインテール……市ヶ谷が大声を上げて香澄に注意してきた。どうやら他のポピパのメンバーが市ヶ谷を筆頭に到着したようだ。しかも全員を見る限り彼女達も香澄の後に続いて走ったのであろう、全員の額に汗を浮かべていたが、特に市ヶ谷が息を切らしながら立っていた。
ちなみに余談だが、金髪ツインテールの子の
……話しを戻そう、市ヶ谷の様子を見ていたりみりんは、近くにあった椅子を市ヶ谷の前まで近づけて椅子に座るように促した。そして市ヶ谷は『ありがとう。』とりみりんにお礼を言って椅子に座った。
「ハハハ…ゴメンね京介、本来はモニカと合同バンドの件で打ち合わせしたかったんだけど……」
「ゴメンね、私からも謝るよ……。」
香澄と合流した沙綾がまず真っ先に頭を下げて俺に謝ってきた。それに続いてりみりんも俺に頭を下げてきた。まぁ、メンバーの不祥事に対して謝罪するのは当然だが流石にそこまで頭を下げられると俺もたじろぐぞ。まぁここは……
「顔を上げろ、沙綾とりみりんが気を病む必要はない。」
俺は気にしてないと二人に返した。二人はお互いを見合ってまた俺に頭を再度下げた。まぁ、ポピパ全員はいい子だから何故だか知らんが許したくなる気持ちはあるな。俺はそうしみじみと考えていたが……
「ごめんなさい、体で払いますのでポピパのみんなとレイには手を出さないでください……。」
……うん、何故か空気の読めないアホな発言をしてきた花園のせいで雰囲気が台無しになった。さっき思ったこと全て前言撤回したくなってきた。
「よし、この話しはやめだ。合同バンドの話しも当然白紙にする。」
「待て!考え直してくれ流川!おたえも謝れって!」
この話しをここで切り上げて帰ろう。俺はそう思って立ち上がってそのまま家に帰ろうとしたが市ヶ谷も立ち上がって、俺を止めに入った。しかも彼女は逃さんと言わんばかりか俺の腕を掴んできた。手を放してくれ市ヶ谷、俺はガールズバンドのメンバーの中で
それと一つだけ忠告するぞ市ヶ谷、そんな事言っても花園にとって馬の耳に念仏だ。何故なら……
「……有咲が変わりに払ってくれるの?」
「誰が払うか!」
誰よりも斜め上を行くアホなことを言ってくるからだ。当然それを聞いた市ヶ谷がツッコミを入れたのは言うまでもない。
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「……で、順調にいけば赤点回避だったが肝心の解答欄が全てズレてたのと浮かれてて見直しもロクにしてなかったため赤点を取ってしまった、そのためバンド練とライブに支障がきたすから俺に泣きついてきたと。」
その後俺は香澄の懇願とりみりんと沙綾が今度パンを奢ってくれること、市ヶ谷の説得により帰ることを踏みとどまった。……っておい花園、お前は『私関係無いね』って言わんばかりの顔をしてジュースを飲みながらこっちを見るな。お前が事の発端だろ、せめて謝るなりそれなりの誠意を示せ。
……まぁ、コイツに構うと時間が勿体ないので俺は沙綾からことの顛末を聞いた。どうやら香澄はテストは順調に解答できたのはいいが、解答欄がズレていてしかも解けたと浮かれていたのかよく見直しもしなかったという間抜けすぎる理由で赤点になってしまった。これが一教科ならまだ目を瞑れるが今回香澄はそのポカを四教科やってのけたのであった。しかもこれが通らなければ補習になる上に合同ライブが出来なくなる……。
そしてその話しを聞いた時俺は呆れてため息をついた。『呆れてものも言えん』とはこう言うことだな。その一方で、話しを終えたポピパのメンバーは花園以外の全員がしょぼんとして俯いてしまった。……今回ばかりは仕方ない、協力するか。そう思いながら俺は口を開いた。
「……分かったよ、しょうがない。俺が香澄の面倒見てやるよ。」
「本当に⁉︎」
ライブまでは余裕はまだあるが再試験の方はそんなに時間が無いのでここでコケたらライブに支障をきたすので香澄に……というよりポピパの皆んなに力を貸す事にしたのだ。香澄もまさか力を貸してくれると思ってなかったので顔を上げて俺の方を見た。
「嘘をつくメリットが何処にある。それにましろもお前らポピパと合同ライブができると喜んでたからな。流石に台無しにするわけにはいかないよ。」
ポピパと合同ライブすると俺が言った時、ましろが大変喜んでいたのを思い出した。ここでライブがおじゃんになったら流石に彼女に申し訳ないからな。さっきの白紙の話し?アレはジョークだよ。……まぁ、ジョークって言う前に花園以外が説得に入ったから罪悪感が……。それと言い出す雰囲気でもなかったからな……。
そんなこんな考えてると香澄が俺に向かって抱き着いてきた。
「ありがとう京介くん!」
「分かったから抱き着くな。それより何処かに電話しようとしてる馬鹿者を止めろ。流石にこの歳で冤罪になりたくないし警察のお世話になりたくないよ。」
そう言って俺は花園の方を指を差した。花園はスマホを操作している、どうやら電話を掛けるようだ。おそらくヤツは110する気だ、俺が止めようとした時沙綾と市ヶ谷が止めに入ったのは言うまでもない。
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その後結局話し合った結果、俺はMorfonicaをCiRCLEに呼び出して全員に事情を説明して香澄の再試験が終わるまでの間はポピパと合同練習する事にしたのだ。ポピパ側も流石に自分達の不祥事であるからか、俺のこの提案に承諾したようだ。
それで今現在はMorfonicaとポピパが練習している最中、俺はCiRCLEのカフェテリアで香澄の再試験の勉強を手伝っているわけである。
「……で、この問題はこうなるわけだが分かったか?」
「うん!京介くんって教えるの上手だね!」
香澄から今回の再試験で出る範囲を教えてもらい、そこから俺は香澄から教科書を借りて彼女に伝わるように噛み砕いて説明した。すると香澄の方もすぐに理解できたのか納得したようだ。
「俺の知り合いに赤点常習者が少なくとも二人いるからな。テストの度にソイツらに泣きつかれて勉強見てたら自然とそうなった。」
俺は慣れているからそんな事は大したことないと返した。だがその瞬間、俺の脳裏に
二人を思い出したくないので俺は頭を横に振って忘れることにした。その光景を見てた香澄は『?』となって首を傾げて俺の方を見た。その時俺は『幻覚を見た。』と言って誤魔化したが、『流石に無理があるな……』と思いながら香澄を見ると彼女は納得してくれたようだ。気遣ったか単に香澄が単純かどうかは不明だが……
まぁその話しはおいといて……再試験の教科は四つもあるので、勉強に戻ることにした。そこから集中していたためか一時間も経っていた。一息いれるため俺たちは少しばかし休憩をとることにした。
「ほらよ。」
「ありがとう京介くん!」
「これくらい問題ない。」
休憩に入って数分後、俺はカフェテリアでコーヒーを二つ買ってきて、うち一つを香澄に渡した。コーヒーを渡された香澄はすぐに受け取って俺に礼をしてコーヒーを飲み始めた。それを見た俺も椅子に座ってコーヒーを飲んだ。そして多少の息抜きも必要と思ったため雑談を始めた。
「そういえばライブで思い出した、私達が初めて会った時ライブ来るって言ってくれてありがとうね。」
「あの時か、気にするな。」
俺達が雑談してる最中に香澄がライブの事を思い出したからか、自分達のライブに来てくれたことに俺にお礼をしてきた。まぁ、あの時はましろは悩んでたみたいだし俺も彼女の話しを聞いたわけだしな……そのまま何もしなかったじゃ話しにならないからな。
「あの時、何も知らない人が初めて私達のライブに来てくれたから私的には張り切ってたんだ。まぁ……ましろちゃんはともかく、京介くんにチケットを渡した後に有咲に『見ず知らずのヤツにチケットを渡すんじゃねぇ!』って怒られちゃったんだけどね……。」
「そりゃそうだろ……。」
あの場はましろだけでなく近くにいた俺にも声を掛けられたからな……まぁ、あの時は香澄の勢いが強かったこともあってかライブに来ると言ったわけだしな。……ていうか香澄、嬉しいのは分かるが勢いでやることに限度があるだろ。もし俺が市ヶ谷の立場なら彼女と同じでまず注意するわ。
「なぁ、香澄。お前にとってバンドって、どういう存在なんだ?」
「えっ、どうしたの急に?」
「ただ単に気になったんだ。お前の中に何か原動力があると感じてな。」
俺は気になってたことがあってからか、香澄に『バンドってなんだ?』って質問した。どこか哲学的に聞こえるが、これは単純にどう思っているかであるのだが、香澄は『うーん』と言って眼を瞑って腕を組んで考えてる素振りをした。……質問の内容が悪かったようだ、そう思って俺は質問の内容を訂正しようとした時、香澄は答えがまとまったのか眼を開けて俺の方を見た。
「キラキラドキドキ!」
「キラキラドキドキ?」
香澄から思いもよらぬ言葉が返ってきた。『キラキラドキドキ』?……うん、全然分からん。俺がそう思いながらも香澄は言葉を続けた。
「うん!そうだよ!バンドって『星』みたくキラキラして自分でやってみたらすごくドキドキして、みんなが集まるとワーって楽しくって!それだけじゃないんだけど……とにかく凄く面白いって感じるな!」
……なるほど。つまり大まかにまとめると、『キラキラ』というのは他のバンドのライブを観て星のように輝いていたこと、『ドキドキ』というのは実際自分が演奏する側になった時、その場の緊張感やライブが出来たことによる達成感……自分が星になった気分ってわけか。
そうなってくると香澄は『星』に対して強いこだわりがあるな……俺が香澄の髪型をネコミミと指摘したが本人が『これは星を意識したの!』と主張してくるし、彼女の持っているギターを密かに調べたら『ランダムスター』という名前であったのは覚えているな。なるほど……香澄は星に縁がある。だから彼女の言葉に何処か説得力があると感じたわけだな。
「そうか……お前がバンドに一生懸命に取り組んでいるのが分かるよ。俺、そういうの好きだよ。」
「本当に⁉︎」
「あぁ。」
「ありがとう京介くん!」
俺が率直の意見を言ったら香澄は俺に抱きついてきた。……うん、そこがお前の悪い癖だぞ。桜雪ならもう少しマイルドに対応するぞ?……いや、変わらないか。ただ人前でやらないくらいしか違いがないな。
「今度ポピパのライブを観に行きたい。」
「取り置きしておくよ!」
「俺とましろの分、取っておいてくれ。」
「もちろん!」
今度は自分からライブに行きたいとお願いした。香澄はOKしてくれた上に取り置きまでしてくれた。そしてそこからしばらく雑談に花を咲かせた。
だが
「二人はそういう……。」
……花園が木の陰に隠れて俺達のことをジッと見て何やら呟いていた。ていうかお前、いつからいた?俺がそう思っていると花園はどこか納得したようにその場から立ち去った。
「おたえ?」
「オイ香澄、今すぐ花園を追いかけて止めろ。絶対勘違いしてやがる。」
俺は椅子から立ち上がって花園が向かった方向に走りながら香澄に花園を止めるように進言した。すると香澄は理解していないながらも俺の言葉に従ったのか、立ち上がって俺の後を追いかけた。
俺はその後、沙綾と市ヶ谷と瑠唯に事情を説明して花園を確保するよう頼んだ。そしてその数分後、彼女達に囲まれて正座して確保された花園を見たのは言うまでもない。
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そして数日後、ライブ当日
「みんなー!今日はライブに来てくれてありがとうございまーす!」
CiRCLEのライブ会場のステージにて今香澄が元気良くMCを務めていた。……あの後、彼女の再試験の勉強の面倒を頼まれた日から再試験当日まで勉強に付き合ったことをざっとまとめると……何とか再試験は通って合同ライブを行えることができた。
そこまではよかった。だが香澄本人の口から四教科全て満点とって合格したと告げられた時は驚いた。俺は当然このことに耳を疑ったが市ヶ谷の証言と実際の満点の答案という物証を突きつけられて納得せざるを得なかったのであった。
まぁ……合格したのは変わりないので、俺達はそこから合同ライブに向けての打ち合わせと練習を行なった。一方、ポピパ側のセトリは香澄が再試験の勉強で遅れたので、彼女に合わせてを調整する手筈だが、香澄の強い要望があって再試験を告げられる前のセトリになったのは言うまでもないが。そして今日、合同ライブを迎えたのであった。
「き、今日のPoppin'PartyとMorfonicaの合同ライブ、楽しみにしてた人、いるかもしれないけど私達も楽しみにしてました……。」
そして香澄のMCが終わった後、今度はましろの方にMCが回ってきた。ましろは何処かぎこちなかったが、自分が思っていることを淡々と観客達に述べた。
「それじゃあまずはポピパから行きまーす!」
そう言ってステージの幕が下ろされた。幕が下ろされて数分後、ステージにはポピパのメンバーが各々の立ち位置にいて楽器をスタンバイしていた。これでもうは演奏出来るところまで行っている。
「それでは聞いてください……《イニシャル》。」
香澄がそう言って曲のイントロが流れてきた。これからライブが始まる、そう感じたのであった。
ーー終わり
読んでくれてありがとうございます!
今回は咲野 皐月さんからのリクエストで『香澄で短編書いて』をお送りしました〜。
本編が進んだらリクエストを受け付けようと思います。その時は活動報告に載せますので、要望がありましたら執筆しようと考えています。
次回はましろちゃんの誕生日を予定しております。2月19日に投稿しますのでよろしくお願いします。あと本編はその前後になりますので、そちらの方もどうぞよろしくお願いします
R-18の小説を……
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