白き蝶に導かれて……   作:なかムー

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 皆さま、お待たせしました!今回は最新話をお送りします。

 先に次回の予告をしますと、今年でこの小説は筆納めをして、新年明けるまでは他作品を2〜3本投稿します。

 それでは、どうぞ!


第14話 召集

 日菜が花咲川と合同文化祭を宣言した数日後、羽丘の生徒会は放課後に緊急会議が行われていた。内容はもちろん日菜が言った羽丘・花咲川の合同で行われる文化祭である。

 

 日菜の思いつきで行われる今回の行事に生徒会一同も頭を悩ませいるものの、やらないわけにはいかずに文化祭をどう盛り上げるか生徒会室で話し合っていた。しかし……

 

 「何で日菜先輩がいないんだよ……」

 

 京介は頭を抱えながらため息をついた。何故なら今回の一件を巻き起こした張本人である日菜が会議に参加すらしてなかったからである。

 

 「ホント、あの人何処行ったんだろう……」

 「全く……言い出したのあの人だからせめて会議くらいには参加してほしいよのだよ」

 

 京介とつぐみは日菜に対して呆れながらため息をついた。ちょうどその時京介のスマホから着信音が鳴り響いた。

 

 「日菜先輩、アンタ今どこ『きょ────ーくぅぅぅぅん!あたし凄い事を思いついたよ!』五月蝿い!そんな大声で喋らないでくれ!」

 

 電話に出ると、その相手は日菜のようで、京介は苛立ち気味になりながらも今何処にいるのか尋ねようとした。しかし開口1番が日菜の大声から始まった。電話越しであるが、相当な声の大きさのため生徒会室に日菜の声が鳴り響いた。京介はその日菜の声に驚きながらも怒鳴り声で注意した。

 

 『え────ー……あっ、そうだ!きょーくん今から花咲川に来て!今すぐだよ!』

 「ハァ?アンタ何かきゅ『プツンッ‼︎』……切りやがったよ」

 

 おそらく電話の先には不貞腐れた表情であろう日菜は、花咲川に来るよう伝えてそのまま電話を切った。

 

 「仕方ない、今から花咲川に行ってくるから此処は頼んだ」

 「分かったよ。あとは日菜先輩も連れ帰ってきてね」

 「やれるか分からんが…善処する」

 

 急は呼び出しであるが、上手くいけば日菜を捕まえるチャンスはあると踏んだ京介はすぐさま準備をして、会議をつぐみに全部任せて花咲川に向かった。

 

 花咲川まで電車で2駅分のためそんなにかからないので、京介は羽丘を出て20分程度で到着した。その後は学校関係者に事情を説明して花咲川の校内に入る事は出来たが、肝心の日菜が何処にいるかまでは把握していなかったので渋々スマホを取り出して何処にいるか尋ねようとすると、日菜からチャットが来て『3年B組に集合!』と一言だけが送られてきた。

 

 適当すぎる内容に京介は呆れたが、そのままにするわけにはいかず、偶然見かけた女子生徒に事情を説明して、集合場所の場所を教えてもらって、日菜に指定された『3年B組』と書かれた教室に辿りついた。

 

 すると京介は扉を開けて教室内に入っていった。

 

 「日菜先輩、此処にいたのか…千聖さんもいたんですね」

 「私だけじゃないわ」

 

 教室内に入ると、そこに日菜がいた。しかし、日菜だけではなくて千聖の姿もあった。千聖以外にも彩や花音の姿と確認できた。

 

 「千聖さん、このまま日菜先輩をロープか鎖か何かで縛ってこのまま羽丘に帰ってもいいですか?」

 「構わないわ」

 「ちょっと────ー!まだあたし何も話してないじゃん!」

 『日頃の行いが悪いだろ/でしょ?』

 

 日菜の姿を見ると京介はそのまま彼女を連れ帰ってもいいか千聖に尋ねる。千聖もすぐに容認してくれたが、当の日菜によって遮られてしまった。

 

 「それで日菜ちゃん、話って何かしら?」

 

 一度千聖は咳払いをして、怪訝な目をしながら日菜に尋ねる。先日突然日菜が言い出した羽丘と花咲川の合同文化祭の件で相当警戒心を抱いてあるようだ。また何かしら思いつきで振り回される危険があるため、千聖の日菜に対する警戒がいつも以上であった。

 

 「それはねー、此処にいる彩ちゃんの事なんだけど……」

 

 しかし日菜の要件というのは、彩のようだ。彩も照れ隠しなのか、何処かかしこまりながらペコペコとお辞儀をしていた。

 

 「彩さん?あー、もしかしてロケでトチって事務所クビになったんですか?」

 「違うから!」

 「もしかして……彩ちゃんがやらかした一昨日のロケの失敗が「千聖ちゃんまで!酷い!」

 

 彩の事だと判明した京介は、即座に彩が不祥事を起こしたから色々と問題が発生したのだと解釈した。千聖もそれに乗るように、彩のやらかした事を冗談交じりで語ろうとしたが、彩本人に遮られ無理矢理話は終わった。

 

 「冗談はさておいて、本当の話って何かしら?」

 「千聖ちゃんが言うと冗談にならないよぉ……」

 

 しかし千聖も冗談だとすぐに分かっていたようで、本当の要件を早く教えるよう日菜に催促する。その時彩が何か言い出しているのだが、千聖はそれを無視して話を進める。

 

 「実は彩ちゃん……今日体重が10キロ増えちゃって……」

 「なんでそれを…じゃなかった!だから違うって!増えても5キロだから」

 「アンタ、今自分で墓穴を掘ってる事に気づいてないのか?」

 

 すると日菜もありもしない嘘話をした…が、彩の口からとんでもない問題発言が出た。京介はそれをすぐさま指摘したが、もう時既に遅しであった。

 

 「彩ちゃん?また体重が増えたの?ダメじゃない、自己管理はしっかりしなさいってあれほど釘を刺したじゃない……?」

 

 もちろん千聖がそれを聞き逃す事はせず、腕を組んで黒い笑みを浮かびながら彩を見る。彩も、千聖の背後から放たれる異彩のオーラにやられたのか恐怖で足を竦ませていた。

 

 「京介くん。今度の休日に颯樹の家でタコパをやる事になったから貴方も来なさい。歓迎するわ」

 

 その後千聖はメモ帳から一枚のメモを切り取って京介に差し出すと同時に今週末の予定について話す。内容は颯樹の家でプチホームパーティが開かれるのでそれのお誘いだった。

 

 「いいんですか?ではお言葉に甘えて……それと、以前貴女に話した幼馴染なんだけど、実は先日再会したから、彼女の予定が空いてたら連れてきても構わないですか?」

 「あらそうなの?よかったじゃない、再会できて……いいわよ。私もその京介くんの幼馴染に興味があるから連れてきても問題無いわ」

 

 千聖の差し出したメモはおそらく颯樹の家の住所だろうと察した京介は否定する事なくすぐにメモを受け取ったと同時に千聖に自分の幼馴染…レイと同行していいか許可を求める。すると千聖はすんなりと許可を出した。

 

 「それと彩ちゃんと日菜ちゃん。貴女達はその日おしおきするから絶対参加ね?」

 「そんなぁぁぁぁぁぁぁぁ⁉︎」

 「え────ー!何であたしも⁉︎」

 「言わせる方にも罪はあるのよ?それに、先日の件も含めて何処かでおしおきすると颯樹も考えてたそうよ」

 

 今度は彩と日菜の方に振り向いて、ニッコリと笑いながら死刑宣告をした。もちろん彩はショックを隠せなかったが、日菜は反論した。しかし千聖は即座に日菜を一蹴した。

 

 「あのー……結局本題は何なの?」

 

 そこに割り込むように、花音が控えめに小さく手を上げながら話の本題に戻すよう促した。

 

 「そうだよ!肝心な話をしてなかった!実はね……」

 

 千聖の死刑宣告から逃避するが如く、彩が花音に同意するように大袈裟気味に話に乗っかるように事情を説明した。しかし千聖は『絶対逃がさないわよ?』という目をしながら彩を見ていた。

 

 「なるほど、彩さんの思い出づくりねぇ……」

 

 彩から事情を聞いた京介は、顎に手を当てながら相槌をついた。要約すれば、『本当はパスパレで文化祭にライブしたかったが、事務所NGが出たので叶わずになった。しかし、日菜が『じゃあ新しいバンド組めばいいんじゃない? パスパレじゃなくて何でもない高校生の彩ちゃんだったらOKでしょ?』という一言で、期間限定バンドを結成しよう』……との事である。

 

 「彩さんはまあ置いとくとして、何故千聖さんと花音さんなんだ?他にも声かけられるのがいるでしょう」

 

 しかし、京介は他にもこの案に声を掛けられる人物は他にもいるだろと指摘する。確かに花咲川にはガールズバンドを結成してる人物が複数いるから人数なんてすぐ集まると予想しているようだ。

 

 「友達だから……」

 「私はパスパレのメンバーでしょ?あなたも」

 

 だが、『友達だから……』と言う単純な理由で千聖と花音に召集を掛けたようだ。しかし千聖の言う通り、彩と千聖はパスパレのメンバーだから事務所がNGを出したのが意味の無いものとなってしまう。

 

 それを尻目に日菜は話し合いに参加せず、姉である紗夜の席をマジマジと見つめていた。

 

 「日菜ちゃんはプロデューサーなんだ」

 「プロデュースねぇ……。どうせなら生徒会の仕事もこのくらい真面目に取り組んで貰いたいものだ」

 

 彩の口から日菜はプロデュースであると告げられるが、京介は日菜に対して愚痴を溢す。千聖も京介の言い分は正しいと理解しているようで、目を瞑りながら無言で首を縦に振った。

 

 「花音ちゃん一緒にやらない?彩ちゃんと同じバイトしてるじゃん」

 

 すると日菜は紗夜の席を見れた満足していたからか、花音をバンドにスカウトした。京介は何故最初にいた花音も最初からメンバーじゃなかったと疑問を抱いてたようだが、千聖の口から『偶然彩ちゃんに声を掛けられたのよ……』と返ってきたのであった。

 

 「うん、やろう」

 「えぇ⁉︎」

 

 日菜のスカウトを受け、花音は即座に参加すると了承した。これには思わず千聖も驚きを隠さなかった。

 

 「本当にいいの!?実は日菜ちゃんに弱みを握られているとか!?正直に答えて花音!」

 

 すると千聖は花音の右手を両手で握りながら日菜に何かされてないか追及してきた。花音も『ふぇ~!?』と言いながら困惑していた。

 

 ちなみに千聖の慌てぶりを目の当たりにした京介は『あの千聖さんが……⁉︎』と驚愕したのは言うまでもなかった。

 

 「どんどんいこー!」

 「オイ、その前にまずはこの光景をどうにかしろ」

 

 日菜はある種自分が蒔いた種なのに、ほっといて自分だけ先に進もうとしたが、京介に首根っこを掴まれて千聖と花音をどうにかするよう釘を刺す。

 

 その後は何とか事態を収めた日菜は京介と彩と花音を連れて花咲川を後にして次の目的地に向かうのであった────。

 

 

 そした数十分後……

 

 花咲川を後にした日菜一行が向かったのはとあるコンビニであり、そこでバイトしたリサに声を掛けて今までの事を説明して、リサも参加のOKを出す。

 

 リサの了承を得てコンビニを出たちょうどその時、つぐみもそこに現れて生徒会の仕事に戻るよう促すが、日菜に参加するよう無理矢理スカウトされる。この時つぐみは何も理解していなかったようで二つ返事で了承してしまう。しかし気づいた時は既に遅し、日菜はニッコリと笑ってサムズアップをしていた。

 

 ちなみに何故つぐみは此処に来たのかというと、京介が日菜に気づかれないようにコッソリとつぐみに日菜と同行してる事と何処に行くかを伝えていたからであった。

 

 そして、場所は変わって羽丘の生徒会室……

 

 「というわけでボーカル彩ちゃん、ベース リサちー、ドラム 花音ちゃん、キーボード つぐちゃん、マネージャー きょーくん、そしてあたし、ギター&プロデューサーの生徒会長!」

 「アンタだけ色々盛り込みすぎだろ」

 

 今此処に、期間限定バンドが結成されたのであった。その際、1人だけ明らかに肩書きの多さに京介のツッコミが入ったのは言うまでもなかった。

 

 「でも1時間もしないうちにすぐメンバー集めちゃったね……」

 「もしかしてバンドですか?」

 「彩さんがバンドやりたいって駄々こねてな」

 「そこまでしてないよ!」

 

 此処にいるメンバーが結成までに1日いらなかったどころか、数十分で出来てしまったのに驚きを隠せなかった。先程まで理解できてなかったつぐみも、これを見てやっと理解できたようだ。

 

 「失礼します」

 「Afterglowでーす」

 

 そこに、蘭を筆頭としたつぐみ以外のAfterglowのメンバーが生徒会室に入ってきた。その時の蘭の顔は怒りに満ちていた。

 

 「どうした赤メッシュ?もしかして文化祭で出し物したいから生徒会まで殴りこんできたのか?」

 「出し物をする気はないけど、日菜さんに話があってきただけだから」

 

 京介は蘭に何故乗り込んで来たのか尋ねた。蘭は『赤メッシュ』という言葉に苛立ったが、もう慣れたのと目的はそれではないので今回はそれを置いといて日菜に用があると返す。

 

 「日菜先輩に?何か話す事あんの?」

 「あるよ。それは……」

 

 蘭が何か話そうとした。京介も固唾を飲んで蘭の話を聞こうとした。

 

 「告白だってー」

 「あーやっぱり?」

 「そう。このタイミングじゃないとチャンスを…って、違うわ!」

 

 しかし、途中でモカが話に割り込んで濁してきた。京介は納得したが、蘭は途中まで話して違うと気づきすぐさまノリツッコミをした。

 

 「蘭!さっきまで告白の練習してたのに……今になってヘタレたか!」

 「勿体ないよ、蘭!意気地無し!」

 「アンタらまで話に乗るな!」

 

 蘭とモカの後ろに控えていた巴とひまりも蘭の行動に対して咎めたが、蘭本人にすぐさまツッコミを入れられた。

 

 「ったく……話って言うのは……」

 

 蘭は一度落ち着くために咳払いをする。そして目的を話そうとした……

 

 「文化祭の出し物で『赤メッシュ一発芸』をするから、それの申請をしに来たんだよー」

 「だから違うって言ってるでしょうが!」

 

 しかし、またもやモカが話しに割り込んできて話を濁らせた。

 

 「よし、採用!」

 「即座に採用するな!第一、生徒会序列の下っ端のアンタが採用しても意味無いでしょうが!」

 『採用!』

 「だから即採用するな!つぐみや日菜さんならまだともかく、なんで生徒会と全く関係の無いアンタらまで採用するの⁉︎泣いていい⁉︎泣いていいよね、あたし!」

 

 それを聞いた京介や日菜とつぐみ達は即決でモカの要望を受け入れるように採用した。この時羽丘生徒会組だけでなく、一緒に同行した巴やひまり、(花咲川の生徒である)彩や花音も採用されてしまうのである。

 

 「……これ以上つぐみに負担かけないでくれます?まあ流川の馬鹿ならボロ雑巾になるまで使い潰してもいいですが。……それと、つぐみを文化祭準備でもあちこち連れ回して。私たちが黙ってると思ったら大間違…「手伝ってくれるってこと!?やったー!ありがとう!」」

 

 しかし蘭はこれ以上取り乱さずに、もう一度咳払いして生徒会室に来た目的を話した。だが、途中日菜は話を遮って手伝いをしてくれると本気で勘違いしていた。

 

 「それと、きょーくんがボロ雑巾になるのは月ノ森から桜雪ちゃんが何十人もの不良の軍勢を引き連れて報復目当てに羽丘に乗り込んで来るからそれは無理な相談だよー?もしそうなったら真っ先に蘭ちゃんを売っちゃうからね♪」

 「あたしを売るな!そもそも桜雪(アイツ)だけなんで世紀末の世界の住人になってるの⁉︎」

 

 京介を手荒に扱えばどうなるかその後の末路を教えると同時に、もしそのような事が起きたら、責任転換を蘭にさせようする日菜であったが、

 

 「蘭、やっぱりこれは無謀だったんだよ」

 「そーだよ、蘭。勝ち目ないって」

 「日菜先輩ハンパなーい」

 

 だが蘭以外のメンバーは、日菜に対して勝ち目が無いと来る前から既に察していたようで、既に諦めムードであった。

 

 「それじゃあモカちゃんはあたしとバトンタッチで」

 「およ?」

 

 それを尻目に、日菜はモカの肩をバトンタッチをする感覚で叩いた。

 

 「この5人で合同文化祭記念バンドをやってもらいまーす!」

 『えぇー⁉︎』

 

 すると突然、日菜は今バトンタッチしたモカ含めた彩筆頭の5人で期間限定のバンドの結成の宣言をした。もちろん日菜とそれを呆れながらため息を京介を除いた全員は驚きの声を上げたのは言うまでもなかった────。

 


 

 そして時間は流れ、今度の休日。

 

 「さて2人とも。何か言う事は無いかな……?」

 

 この日、颯樹は自宅に彩と日菜を呼び出して2人を正座させていた。しかも颯樹は腕を組んで2人の前で仁王立ちをしていた。

 

 この2人…先日の彩の一言が颯樹の耳に入ったのがきっかけで、彼からのお説教を受ける事となっているのであった。しかも彩に至ってはその日の数時間後に颯樹に呼び出されて、数時間のお説教を受けた後に特別レッスンを果かせられる…という彩にとっては理不尽ではあるが、事情が事情のため、因果応報な結果を辿る事となった。

 

 「ねぇルカくん……あの人達はあのままでいいの?」

 「問題無い。むしろあの2人が招いた結果だ」

 「同意見よ♪」

 

 この光景を見ていたレイは恐る恐る京介に尋ねるも、京介はリビングのテーブルで、当然の事と言わんばかりにたこ焼きを焼いていた。それに同意するように千聖も冷蔵庫から()()や調味料を取り出して取り皿や箸をテーブルに運んでいた。

 

 「さて、颯樹さん。今たこ焼きが出来たぞ」

 「こっちもお豆腐の準備が出来たわ♪」

 

 その時千聖から取り皿を受け取り、京介はちょうど出来上がったたこ焼きを取り皿に3個三角形になるように盛り付けて、その出来た窪みに1個乗せてピラミッドの形にしてソースやマヨネーズ、青のりと鰹節をかけた。千聖は京介がたこ焼きを盛り付けている間、豆腐に刻みネギと生姜を乗せた後にその上から醤油をかけていた。

 

 京介達は盛り付けが終わるとそれらをお盆に乗せて颯樹に差し出した。

 

 「ありがとう、2人とも。僕は今からこの2人のおしおきを執行するから、レイって子と一緒に先に食べてて」

 

 颯樹はお盆を受け取ると、そのお盆ごと彩と日菜の前に差し出した。颯樹のおしおきが執行されるのを察知した京介達は、彼の言いつけ通りに先に焼き上げたたこ焼きを取り皿に颯樹の分含めて盛りつけ、食べ始めた。

 

 「さて2人とも、京介と千聖が真心込めて用意したものだ。もちろん食べてくれるよな?」

 

 颯樹は黒い笑みを浮かびながら彩にたこ焼きを、日菜に豆腐を食べるよう強要した。しかも2人に差し出されたのは、お互いが嫌いな食べ物なので颯樹が本気で怒りを感じていると窺える。

 

 「あのー、颯樹くん。私タコはダメなん「何か言った?」…なんでもありません……」

 「さっくーん!なんであたしも「元を正せば日菜のせいだろ?それに加えて勝手に合同文化祭の提案した件がまだだよね?」…ごめんなさい……」

 

 もちろん彩と日菜は颯樹に反論しようとしたが、彼がニッコリと笑って黙らせた。しかも彩は笑みの奥に潜む圧力で、日菜は正論で一蹴されてしまった。

 

 「ちなみに逃げたら特別として次のレッスン、3回分を5倍やってもらうよ。あともし無事に完食できても、2倍だから無駄な事は考えないでね?」

 

 『まさかの自分達がやってるレッスンが増える事になるとは……』と感じつつ、どっちに転がり込んでも地獄という現実を突きつけられ、2人は逃げ道を塞がれた事に絶望を感じていた。2人は助けを求めようと京介達の方を見た。

 

 「へぇ、白鷺さんと盛谷さん達って幼馴染なんですね」

 「そうよ。あと、私は千聖でいいわ。私も『レイちゃん』って呼ばせてもらうから♪」

 「分かりました、千聖さん」

 

 しかし、京介達は彩達がおしおきされるのを尻目にたこ焼きに舌鼓になっていた。その間、千聖とレイはお互い自己紹介を済ませて、たこ焼きを食べながら談笑に花を咲せていた。この時、レイはベースをやっていて、千聖もバンドではベース担当である事と、お互いに異性の幼馴染がいる事が相まってか、自然と仲良くなり意気投合するのであった。

 

 この光景を見た彩達は、助けは来ないと悟った。しかも2人の目は絶望に満ちていて、死んだ魚のような濁った目になっていた。

 

 「さぁ2人とも、よそ見をしてないで始めようか?」

 『……イヤァァァァァァァァ!

 

 おしおきを始めると宣言するとともに、自分から食べないと感じた颯樹は、2人が嫌いなものを各々の口に入れさせた。それと同時に、彩達の悲鳴が木霊するのであった。そして数分後、彩と日菜は颯樹に食べされられて完食した後、気絶するのであった。

 

 2人のおしおきを終えた颯樹はその後、千聖や京介達と合流してタコパを楽しむのであった────。




 まずは読んでくださった方、お気に入り登録をしてくれた方、こんな拙作を応援いただきありがとうございます!こんな拙作読んでくれるだけでもありがたいです!

 やっと最新話書けたよ……。他の作品の執筆が遅れた……。

 さて、次回予告をしますと……投稿予定日は1月13日、京介と幼馴染のレイヤこと和奏 レイの生誕記念回を予定しております。

 今年の投稿予定は、14日にD4DJを、27日くらいにとある作家さんからお声がかかって彩生誕記念の短編になります。もし余裕がありましたら迷仮かポケモンも投稿しようと思います。

 それでは、また次回。

 ※投稿日の本日は、本編とは関係ありませんが、12月4日…… Poppin'Partyのリードギター担当の花園(はなぞの)たえちゃんのお誕生日です!この場を借りて、改めてお祝いをさせてください! おめでとう、おたえ!

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