ムラクモ   作:ノイフェル

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 さって、これからセブドラの素敵な世界のはじまりはじまり


アオイが既にいるけど、皆アオイ好きだろうし、許してくれるよね?


 Chapter3-始まり

 フェル視点

 

 

とりあえずはムラクモのシェルターにて待機命令が出た

 

ま、順当な指示だわな

所詮俺達は素人。いきなり鉄火場に放り込まれたところで役に立つとも思えないし

 

ガトウのおっさんとアカツキのあんちゃんが先行偵察に向かった

 

 

目標は新宿の都庁

 

現在の状況如何では他の所も捜索するとの話だが、現状では都庁のみに集中したいとの事

 

まぁ、都庁ともなれば非常時の食糧などの備蓄も期待できるだろうし、あれだけの高層建造物ともなれば、生き残りからしてもわかりやすいだろう

 

問題があるとすれば、あれだけの施設を保持するに足る人員が現在の俺たちにはない事。根本的な問題だが、都庁を拠点化するには都庁の中の魔物を一掃しなければならないし、先のドラゴンもどうにかしないとならないのも喫緊の課題である

 

それに避難時に見た、あの赤いドラゴンどもが都庁方面に向かった以上、最悪の場合は交戦しなければならないということ

万、いや億?違うか。兆に一つの可能性で話し合いが出来るのであれば、最高だが望むべくもあるまいな

 

 

 

うん、冷静に考えると「何、この無理ゲー」という状況やね、これは

 

 

とは言え、だ。曲がりなりにもムラクモ13班とやらのリーダーだ

オワタで済ませて良い筈もない

 

シンも言っていたな。「リーダーとは、時に不可能と思える事にも果敢に挑まねばならない」って

 

 

 

割に合わねえなぁ、ったく

 

 

 

 

 

 

 

 キリノ視点

 

 

「ミロク、ミイナ状況は?」

 

「余り良くはないみたいだな」

 

「アカツキさんも予想以上の魔物に苦戦してます」

 

不味い

オペレーター2人の報告を聞いて、僕は内心で顔を顰めた

 

 

現状におけるムラクモ正規隊員の最大戦力である2人をもってしても、都庁の攻略は愚か、偵察すら覚束ないとなると状況はこちらの想定以上に事態は悪化してるという事だ

 

 

かと言って、あの3人を早期に投入するのには賛成しかねた

 

 

 

確かに彼女達は優秀だろう

だが、それ以上に危険だと思う

 

リーダーである笛吹流亜はまだこちらにも協力的だから良いだろう

 

だが、メンバーの2人。片瀬刀子と雨瀬アオイはこちらの事を敵視まではいかないものの、明らかに怪しんでいる

 

 

 

確かに僕たちの組織は怪しさ満点だろう

自衛隊との相互理解もあるとはいえない

 

必要とはいえ、デザインベビーまで創り出したのは傲慢の極みと言えるだろう

 

だが、それでも前に進む事を選んだんだ。どれだけ困難な道であろうとも

 

 

 

 

 

 ミロク視点

 

 

俺はナビゲーターのミロク

少し前までは妙ちくりんな名前だったけど、フェルって奴に

 

「ないわ、それ

そんなんなら、ミロクとミイナで良いんちゃうんか?」

 

と言われて、俺もミイナも気に入ったからその名前にしてる

 

 

確かにムラクモって組織は妙な所があるんだよなぁ

 

それでもやる事はやるけどな

 

 

ただ、俺たちが言うことでもないとは思うんだけど、こんな物置みたいなシェルターに追い詰められてるのに、悠長にしてて大丈夫か?

とは言いたくもなるよなぁ

 

 

実際、自衛隊残存部隊との連絡も取ってないわけだし、これで13班出すとしたら相当の大マヌケだろうなと思った

 

 

 

 

 

 

 

 

うちの総長はその大マヌケだったようだな。ミイナもため息をついてる。俺だってつきたい

 

 

いやいや

「貴方達はなれていないから、まずはDzを回収してきてもらうわ」

 

じゃないだろ!

 

 

 

 

自衛隊のカマチ部隊長と連絡が取れた

 

それは吉報だった。間違いなくな

 

 

で、自衛隊残存部隊と共同で東京都庁の攻略に向かう

まぁ分かる

 

引き続き、ムラクモガトウ班(ムラクモ10班)は先行して敵情を偵察。可能であれば、敵を排除する

当然だよな

 

それに伴い、ムラクモ13班も前線投入

わけ、わかんねぇ

 

 

 

Dzてのはドラゴンを倒した時に出る素材みたいな物

 

貨幣経済が殆ど機能しない現状では、物々交換が主流にならざるを得ないんだよな

 

 

武器や防具、道具の開発資源として、Dzが必要だからじゃないだろ!

 

 

 

 

ああ、3人とも呆れてら

 

 

 

 

いや、ホント大丈夫なのかよ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アオイ視点

 

今、私たち『ムラクモ13班』は『元』東京都庁に向かっている

 

向かっているんだけど

 

 

「末期戦の様相だな、これは」

 

「さしずめ俺らは学徒動員兵ってか。笑えないな、そりゃ」

 

「まさか、補給にすら支障をきたしてたなんて」

 

トーコの言葉にフェルが茶化すけど、笑い事じゃないよね

 

「しかも、シェルターに人が集まりつつある

が、備蓄を浪費するだけの人間が多すぎるな、あれは」

 

 

 

フェルの言う通り、シェルターには避難してくる人が大勢押し寄せてきた

 

それは仕方ないと思う。誰だって死にたくはないのだから

 

 

でも、殆どの人達はシェルターに避難したら、それで終わり

 

 

 

 

これはマズイとのフェルの提案で、私達はムラクモから指示のない限りは、出来るだけ外に出て食糧の確保に奔走している

 

 

幸いというべきか、シェルターのある地区から、主要駅である神田や秋葉原は徒歩でも1時間もかからない距離

 

特に秋葉原は飲食店も多いので、少なくない量の食糧を手に入れる事が出来てはいる

 

 

だが、人員増加と食糧調達量のバランスは前者に偏っているために、備蓄資源は日を追うごとに減ってきている

 

 

収容スペースもそうだが、食糧の面において、そう遠くない内にシェルターは崩壊するとフェルは見ている

 

 

 

 

ムラクモのトップの2人がどの程度現状に危機感を抱いているのかは分からない

 

でも

 

 

「現状を考えると、唯一食糧を供給している私達を前線に投入するのはどうかとは思うが」

 

「まーな。でも、このままだとジリ貧なのも事実。ここらで変化を求めるのも間違いではないだろうよ」

 

言葉でこそ、トーコを諌めている様に聞こえるが、フェルも明らかに不満そうだ

 

「でも、フェルは不満そうだけど?」

 

 

ため息をついて

 

「たり前だろ?

確かに都庁を解放出来りゃスペース、食糧面で大きく改善はするだろうさ。

だがな、果たしてそこまでシェルターの人間が耐えられるか?

悪いが、俺はどれだけ逼迫しようとも、準備が整わない内に攻めかかるなどしないからな」

 

「むう」

 

「攻略は急げ。でも犠牲は出すな。情報は無いに等しい

こんなんでどうしろというのやら」

 

「確かにね」

 

 

フェルの言う通りだろう。

言ってしまえば、私たちの状況は薄氷の上に居るようなもの

 

確かに食糧の面を考えたなら、早期決着こそ望ましいだろう

 

でも、事前の調査が出来ていない以上、大胆な行動は取れない

仮にとったとしても、犠牲が出るだろう。この3人の誰かの『死』という形で

 

言いたくは無いが、私たちの誰かが死んだとしたら、ただでさえ少ない前線要員が少なくなって、維持できなくなるのではないのか?とも思えてくる

 

 

実際に出発前、ミイナちゃんから聞いたところによると、ガトウさんもアカツキさんも魔物こそ打倒出来ているそうだが、ドラゴンについては厳しいという

 

ましてや、ドラゴンは都庁内だけでも10くらいは居るとか。

正直な話、どうしろと言うのか?

 

 

 

「とはいえ、やるしかなかろうな」

 

「いや、まぁそうなんだけどな、トーコ

それの可能性を上げる様に考えんのが、俺の役割なわけでして」

 

「ふむ、あてにしてるぞ?リーダー」

 

「無茶振りだー!!」

 

 

「ふふっ」

 

学校での頭の悪いやり取りをこんな状況でもしてる2人

 

そんな姿に私はつい笑いを堪えられかった

 

 

 

 

 

「行きましょ!2人ともっ!!」

 

 

私の突然の元気な声にフェルもトーコも少し呆然としていたけど

 

「勿論だ」

 

「あのなぁ。ま、いいけどな」

 

いつもの様に冷静に返してくれる刀子先輩と、いつも通り諦めた様な言い方をしてる流亜先輩

 

でも、2人とも私の好きな顔をしてる

 

常に諦めない、そんな顔を

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 フェル視点

 

 

俺達は東京都庁についた。はずなんだけどなぁ

 

 

「何なんでしょうなぁ、これ」

 

「うむ。奇々怪界とはこの事か」

 

「あの、重力が仕事サボってません?これ」

 

 

 

明らかに上下逆さです。本当にありがとうございました

 

 

 

「よう。来たか」

 

「お、ガトウのおっさん」

 

 

 

 

とりあえず情報交換した

 

 

「そいつはヤバいな」

 

ガトウ氏も流石にそこまでの状況にあるとは思ってなかったらしい

 

 

 

仕方ないといえば、ないだろう

 

恐らく規模から見て数十人、最高でも40人位を目処にしていたと思われる

 

 

 

ところが、いざ開けてみれば犬塚総理を始めとした大臣や秘書に議員で5人

 

ムラクモ関係者で総長、キリノ、ミロク、ミイナに職人の3人。医療スタッフが4人。そこに関係者の家族で2人に今はここに居るがガトウ、アカツキに俺たちで16人。

 

自衛隊の隊員で6人

 

避難民で35人

 

合計で62名である

 

 

 

 

しかも自制のきく自衛隊員やムラクモ関係者と異なり、避難民の中には配給制に理解の無い人間もいる

 

更に集団生活を嫌がるのにも関わらず、配給だけは受け取りたいと言う自分勝手な奴等も20人程、シェルターの側にいる

 

 

 

 

つまり、単純計算で予定の倍の人員をシェルターの備蓄資源と調達していた食糧でどうにかしていたのだ

 

 

しかも、シェルターは緊急避難用であったらしく、ひと月しか備蓄がないと言う話

 

 

既にシェルターに来てから、1週間。 

誤差は出るだろうが、備蓄のみならば後2週間と少し位であろう

 

 

 

 

 

「つまり、時間的猶予は無いって事か」

 

ガトウ氏もため息をつく

 

正直な話、俺もつきたい

 

 

「とりあえず、この穴に飛び込めば行ける

大丈夫だ。心配すんな」

 

そう言い残し、ガトウ氏は先行する

 

 

 

 

 

「んじゃ、行くか」

 

「そうだな」

 

「行きましょう!」

 

 

俺達は東京『逆サ都庁』へと足を踏み入れた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これから2年、ドラゴンとの戦いに身を置く事になるなど、この時の私達には想像もしていなかったのです

 

出会い、別れ、裏切り

様々なものが私達の行手に待ち受けているなど、当時の私達には知る由もなかったのです

 

 




 セブドラの特徴として挙げられるのが、割と人間のエゴも全面に打ち出してくる事だとおじさんは思う

セブドラIIIは心がマジで折れそうになったけどね(涙)

お前のせいだぞ!ヘイズゥ!(豹変)
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