というか、このままのペースでいくととんでもない話数になりそうな気が
ま、まぁ大丈夫やろ?
東京逆サ都庁
あれは私が様々な帝竜によって歪められたダンジョンの中でも、一番印象に残るダンジョンだった
片瀬刀子元ムラクモ総司令談話より抜粋
トーコ視点
「うぇー、なんですかこれ?」
「空気が悪いな」
「防毒マスクでも次からは申請するか?」
私達は都庁に足を踏み入れた訳だが、試験の時とは明らかに空気が変わっていた
「この赤い花なんですかね?」
「アオイ、やめとけ。その花から瘴気みたいなのが出てんぞ?」
「うえっ!」
アオイは周りにある赤い、いや紅い花を触ろうとするが、フェルの一言で直ぐに距離をとった
魔物は多少手強くなったものの、シェルターから食糧調達で出ていた際に魔物と戦っていた私達だ。そこまで苦戦はしなかった
だが、
「13班、聞こえるか?」
「ミロクか?こちらフェル。どーぞ」
「その階層にはドラゴンの反応がある
気をつけろよ」
『ドラゴン』
その単語を聞いた私達3人のからだが強張った
「アイ、サー」
フェルとて、冷や汗をかいている
仕方ないだろう
都庁屋上での、青いドラゴンとの戦いは他のドラゴンの乱入により私達が逃げ出した
そう『逃げ出した』んだ
あれはどう言い繕おうとも負けだった
魔物とは比較にならない耐久力と膂力に知能
更にブレスまであるとなっては私達で抗うには難し過ぎた
だが、今はもう逃げない
「フェル!」
「挟み込むぞ!トーコは左から!アオイは右からだ!」
「はいっ!」
「任せろっ!」
私の檄にフェルは指示を出す
右利きの私は左。左利きのアオイは右
ターゲットを分散させる
「余所見すんなっての!」
ドラゴンが私とアオイで迷っているとき、フェルは鉄パイプをドラゴンの目をめがけて投げつけた
私とアオイと異なり、フェルはサイキックとやらとはいえ、能力の行使に問題があった様だ
だが、そんな事は関係ない
フェルは出来ることを探せる男なのだから
第三者視点
自身めがけて飛んでくる鉄パイプに煩わしそうに翼で叩き落とす
しかし、それにより隙が出来た
「貰ったっ!」
翼を元に戻したドラゴンが見たものは、自身の眼前に迫る刀と小娘だった
アオイ視点
「やった?」
フェルの鉄パイプ投擲による隙をついたトーコの肉薄攻撃はドラゴンの右眼を確かに奪い去った
「アオイ!油断すんな!」
「ご、ごめん!」
アオイの木の緩みを察したフェルの怒号が飛ぶ
そうだ、まだ倒した訳じゃないんだ!!
ドラゴンは片目を失いながらも戦意は失っていなかった
だが、距離感を喪失したドラゴンに対して、3人は容赦なくそこを突いた
長期戦の末、ドラゴンは遂に力尽きた
戦闘時間、15分35秒
記録に残る人類史上初となるドラゴン討伐の瞬間であった
キリノ視点
「13班ドラゴン撃破しました」
ミイナの声に司令室にいた僕のみではなく、同席していた犬塚総理達も暫し停止した
「おい、どうするんだよ?
このまま探索させるのか、それともひきかえさせるのか?さっさと決めてやれよ」
ミロクの苛立った声に
「っ!すまない。13班のバイタルはどうだい?」
「ちょっと波形が乱れてるけど、問題ないレベルだろうな」
「フェルくんに確認して、問題ないなら探索の続行を」
「了解」
結局、彼等の選択は続行だった
「キリノくん。私達には未だ希望はあると言うのだな」
犬塚総理が震える声で尋ねてきた
当然だろう。既に各自治体からの連絡網は寸断され、国会議事堂とて魔物によって廃墟と化していた。
頼みの綱の自衛隊は初動にて半壊。指揮系統を寸断され、マカベ国防長官の指揮下にあるのは、カマチ隊長以下の特別師団の生き残りのみという有様だ
だからこそ、彼等のドラゴンに対する恐怖心は並大抵ではなかった
それでも彼等は最後まで諦めることなく、このシェルターに辿り着いた。
彼等の責務を果たすために
だが、当然であるがそうであるからこそ、彼等政治家達もまたドラゴンや魔物の脅威を間違いなく認識している
携行火器では殆ど効果のない分厚い皮膚。いやもはや装甲といっても過言ではないだろう
人間であれば、一噛みで殺せてしまう牙。
防弾服の上からでも確実に骨を折る勢いを持つ尾撃。
人では決して対応し切れない機動力。
どれ一つ取っても脅威的だ
世界中でも屈指の練度を誇る自衛隊とて、相手が悪いとしか言えない理不尽な存在
だが、この瞬間
確かにその『ドラゴン』は人間に敗れたのだ
これは閉塞した状況を打破するに足るものであり、極めて重要な事である
「キリノ君。ムラクモの方針に口を出すのはマズイのは分かる
だが、一度彼等を引き返させるべきではないか?」
アリアケ議員はそう提案してきた
議員の考えも理解できる。
だが
「懸念は理解出来ますが、それは悪手と考えますわ」
犬塚視点
私はこの国の総理だ
だが、この未曾有の有事において私に如何程の事が出来るというのだろう
現在ムラクモ機関の臨時隊員である少年、少女達が都庁奪還の為に行動して以来
戦場で文字通り『命懸け』で戦っている彼等。
指揮のためと言って後方に居る我々
何とも無様な大人達だ
ムラクモも2名ほど先行しているとはいえど、それはあくまでの偵察の域を出ないという話
無論、ムラクモは有事の際の専門家集団である。
この状況で動いてもらわねばならないだろう
自衛隊とて、出来る事はあるとの事でカマチ隊長達には動いてもらっている
だが、高校生の彼等まで戦線に投入するというムラクモの考え方には同意しかねる
いや、何も出来ない私にとやかく言える権利など有りはしないか
しかし、食糧が無いのであれば、そちらにこそ自衛隊を動員すべきではないのか?
アリアケ君の言う事は一理あった筈
だが、それをナツメ君は悪手と断じた
嫌な予感がするな
折角の希望が見えた筈なのに、どうにも嫌な予感が纏わりつく
第三者視点
ドラゴンを苦戦の末に撃破した13班は探索を続行
その後、次のフロアにてドラゴン2体を辛うじて撃破した3人はシェルターへと帰還した
これにより、対ドラゴン用の装備の開発がスタートする事になる
だが、この時誰が予想したであろうか
『ドラゴン討伐』によりとある人物の野心に火をつけたと言うことを
2020年
未だ人類は先の見えぬ中にいた
というわけで初ドラゴン討伐でした
ぶっちゃけゲームだからこそ、流されてるけど明らかに偉業だと思うの
まぁ、これからドラゴンなんて腐るほど出てくるんすけどね