まぁセブドラでは割とよくある光景なんすけどね
というか、IIIの絶望感がヤバすぎる
何とかそこまでかけるといいなぁ
トーコ視点
フェルより明後日池袋に行くと聞かされた時には驚いたものだが、目が笑っていないフェルを見て敢えて深くは聞かなかった
翌日、轟音にて叩き起こされた私たちは帝竜という規格外の存在の脅威を改めて思い知らされる事になった
池袋よりの長距離射撃
それが轟音の正体だった
ナツメ、キリノ両名が池袋の帝竜討伐を強硬に主張したのはこの為であったらしい
ここにいたり、イヌヅカ総理とマカベ国防長官も自衛隊の残存部隊まで動員しての池袋の帝竜攻略作戦に同意せざるを得なくなった
本来であれば、先発して偵察するガトウ班(ムラクモ10班)も偵察する余裕はないとして、私達13班と並行して攻略する事となった
だが
「こりゃ、冗談にならない程死人が出るぞ」
とのフェルの呟きに反応するものはいなかった
作戦の概要としては、自衛隊が先行し、ムラクモ両班が道中のドラゴンや魔物を駆逐
然るのちに帝竜を速やかに撃破する。との作戦内容であった
フェルはそれでも、最低限の情報は必要と主張したのだが、避難民の中からも早期に安全を確保して欲しい。との要望があった為に出撃しなくてはならなくなった
新宿、池袋間とはいえ、徒歩では1時間位かかる
自衛隊に残っている装甲車両に分乗する案もあったが、魔物やドラゴンの襲撃に対応できるかが不明として、ナツメ総長は徒歩での池袋への移動を命じた
地下鉄の路線を通る案も提示されたが、自衛隊のカマチ隊長より「逃げ場のない閉所。まして暗所での不必要な戦闘のリスクは避けるべき」との意見により、徒歩での移動となった
「自衛隊のカマチ隊長は良い人ですね」
「だな
問題は殆どの自衛隊員がムラクモに不信を抱いているのが丸わかりな事だがな」
アオイの言う通り、自衛隊の現場責任者であるカマチ隊長はあくまでも理性的に対応してくれている
だが、フェルが言う通りに副官である堂島副隊長を始めとした殆どの自衛隊員が私達、いやムラクモ上層部に不信感を持っている
現場での連携に支障は出ないとは思うが、決して好ましい状況とは言えないだろう
「未知の敵に頼りになるか分からない味方
更に何かを隠していそうなムラクモ上層部
これで犠牲なく帝竜倒せるなら、いいんだがなぁ」
結論から言うと、池袋のダンジョン内で致命的な不和が起きた
こちらに理解を示してくれたカマチ隊長がムラクモ上層部の無謀ともいえる作戦により、亡くなったのだ
いや、あれは作戦ですらないだろう
池袋の帝竜のいるダンジョンは山手線の線路を球体化したものであった
何故か重力は一定に保たれていたが、それでも線路のレールというお世辞にも広いとは言えない範囲での戦闘
それに対して、ダンジョン内の魔物やドラゴンは飛行型や小型なモノが多く、苦戦を強いられた
だが、それだけであれば、どれだけ救いのあった事か
ダンジョン内の至る所には小型の自律型
厳密にはレールガンとは言わないらしいのだが
それに対して、自衛隊員は文字通り『自らを盾』として電磁砲の攻撃を誘導したのである
当然ながら、通常の防弾装備しか身に纏ってない自衛隊員達は次々と斃れていった
幾度もフェルは総長に対して、撤退を進言していたら
「確かに攻略出来るかも知れないが、余りにも犠牲が多すぎる」
私もアオイも同感だった
怒りながらも、泣きながらも自分の職務として『身代わり』となって死んでいった自衛隊員達
確かに此処は戦場なのだろうから、死者は出る
だが、間違いなく不必要な犠牲な事を当の自衛隊員達も理解していながらも彼等は死んでいったのだ
焼き焦げた死体
涙の跡が遺った死体
瀕死になりながらも、私たちに先に行く様に促していた自衛隊員
気が狂いそうだった
そして、決定的な崩壊が訪れるのに大した時はかからなかった
他の電磁砲とは規模が明らかに異なる異質なモノ
自衛隊員の余りの被害に流石のベテランであったアカツキさんも耐えかねたのか、囮をかって出た
それに対して、総長とキリノ氏からの返答はNOであったが、アカツキ氏はこれ以上の犠牲は自衛隊の壊滅につながりかねないと強行
しかし、この電磁砲の性能はアカツキさんの予想を上回り、隠していた小型の砲台により、左足を負傷。機動力を削がれてしまった
そして、主砲がアカツキさんを撃とうとした瞬間、ガトウさんが動いた
ガトウ班班長であるガトウさんはアカツキさんや混乱する私達、自衛隊員を守るために敵自律型電磁砲に特攻
ガトウさんも亡くなる結果となった
フェルはナツメ総長の命令を無視して13班と自衛隊の残存部隊に撤退を要請した
残存部隊の臨時指揮官となった堂島副隊長もフェルの意見に渋々ではあるが、同意した
ナビ達を通さずに総長は直接、進軍の続行を指示したが、フェルと堂島副隊長は速やかに池袋より撤退した
「恥ずかしい女」とはアオイの発言だったが、全く同意する
つまるところ、ナツメ総長はムラクモ両班を生かすためだけに自衛隊員を文字通り肉壁としたのだ
非情ですらない、無情なのだ
何かを成すために犠牲が必要だったとしても、あの様なやり方など続くわけもない
フェルは止めなかったキリノを全力で殴りつけたが、自衛隊員は愚か総理もその秘書も長官も止めなかった
「ドラゴン討伐が必要なのはわかる
だがらアンタらは何を見てやがんだ!」
とはフェルの言であるが、間違いないだろう
この様なやり方をしているムラクモに誰が協力してくれるというのか?
総長は逃げる様に何処かへ行ったし、キリノはフェルに言われてウォークライの皮膚を転用したシールドの製作にかかった
「如何なる理由があろうとも、安全策が用意できる状況下での無謀な作戦指揮には従いかねる」
フェルはそう宣言した
その宣言をイヌヅカ総理とマカベ長官は受け入れた
普通に考えるならば、完全に越権行為であったが、今は『緊急事態』である
それ故の判断であった
フェルはムラクモの唯一残った前線指揮官として、自衛隊の堂島 凛副隊長達への謝罪に向かった
私とアオイも同行しようとしたが
「くんな」
と同行を拒絶された
その日、フェルは帰ってこなかった
翌日、キリノからウォークライの皮膚を利用した特殊シールドを10枚程製作したとの連絡と昼過ぎにムラクモ本部へ来て欲しいとの連絡があった
昼過ぎ、ムラクモ本部に私とアオイが赴くと、そこにはイヌヅカ総理とマカベ長官に堂島副隊長とフェルにキリノとナビ達の姿があった
「揃った様だね、では始めてくれ」
「今回の任務は池袋ダンジョン『池袋天球儀』の詳細な探索となる
決して、帝竜討伐が任務でない事を理解して欲しい」
総理の言葉を受けて、キリノが任務について説明する
だが、どう言う事だ?
ダンジョン内調査は理解できなくもないが
それに、総長はどうしたのいうのか?
隣のアオイも頭を捻っていた
「あの、それは良いんですけど総長は?
それに、避難してきた住民は大丈夫なんですか?」
「日暈君については今回の池袋での作戦中は謹慎としている
住民については、私達政治家がどうにかすると約束しよう。君たちは焦らず、確実に歩みを進めてくれればそれで良い」
「本来なら、自衛隊やムラクモの正規部隊の仕事であったのです
現地採用と言えば聞こえは良いですが、君達に選択肢を用意できなかった私達です。しかし、だからこそ君達に不必要な負担をかけないと約束しましょう」
アオイの質問に対して、イヌヅカ総理とマカベ長官はそれぞれ話をした後、私達に頭を下げた
「情けないとは思う
だが、今は君達に託す他ない。愚かな大人と蔑んでくれても構わない。今暫くは力を貸してはくれないだろうか?」
フェルも私達の側に戻っていたが、何も言わなかった
「納得出来るかと言われたら、納得は出来ませんが最善を尽くします」
こうして、私達は今一度池袋のダンジョンへ向かうこととなった
不思議な事に自衛隊の新指揮官である堂島隊長とフェルはそれなりに話が出来ていた
アオイには隊員のサスガさんが色々と話しかけてきたりしていたのが印象的だった
「これより、我々とムラクモ13班は合同して池袋天球儀の探索にあたる。各員はツーマンセルで行動し、必ず特殊シールドを持って任務にあたれ」
堂島隊長はフェルに頷くと
「前回、我々ムラクモの無策により多くの犠牲が出ました
今回はあくまでも天球儀内の情報収集が主であり、帝竜討伐については考慮していません
犠牲なく、もう一度都庁に戻りましょう」
フェルの言葉に自衛隊員も頷く
「では、作戦行動に移る!」
自衛隊員と共にカマチ隊長の亡くなった場所、隊員達が多数犠牲になった場所、ガトウさんが亡くなった場所で短時間であるが黙祷した
探索自体は順調といえた
都庁に居たウォークライの皮膚を転用した特殊シールドの効果は絶大だった
未だにダンジョン内に残る電磁砲の攻撃を一切通さないのだ
「行け!13班!」
自衛隊員の1人が特殊シールドで電磁砲の攻撃を防ぎながら叫ぶ
「勝った、勝ったぞ!お前ら!」
電磁砲の攻撃を防ぎ切った隊員は涙ながらに叫ぶ
この様な光景は天球儀の至る所で見られた
?????視点
ホゥ、奴等やるものよな
池袋天球儀の頂上に2つの巨大な影があった
?????よ、油断すれば貴様とて敗れるぞ?
赤い巨体が話しかけてきた
フ、よせ??????。所詮はヒトなど我等が刈る程度の物に過ぎぬ
この俺を倒せるはずもあるまいて
黄色の巨体の発言に赤い巨体は
まぁ、好きにすれば良かろう。奴等は間違いなく此処まで来よう
精々足元を掬われない様にするのだな
そう言い残して、去っていった
我が負けるだと、????ライも愚かな事を言うものよ
彼の名は??ワット
この地を統べる帝竜であった
その日、天球儀の帝竜以外のドラゴンは軒並み殲滅された
更に避難していた元ムラクモ関係者を避難民と共に保護する事になった
こんだけ書いても、まだ二体目の帝竜まで辿り着かないと言う罠
ん、一体目は死んでない?
ソウデスネ(白目)
あ、一体目は帝竜の中でも好き嫌いが完全に定まってます
誰か予想するのもいいかも?(バレバレである)
今年中に何とか此方はケリをつけると思いますので、宜しければお付き合いください