どこにいれても違和感があったので、閑話にしました。
非常に短いですが、何があったかわかると思います(願望)
ウンディーネがピエタの町広場付近で壁を背に休んでいると、まだナンバー15だった頃にチームを組んだことがある幼い戦士オリヴィアが走り寄ってきた。
『姉御ー!』
「おー、チビ助じゃないか。相変わらずなに言ってんのか分からねぇけど。元気だったか?」
「ん。カティアをよろしく」
ウンディーネは思わず小さな頭を撫でてしまった。カティアとは、同じチームに振り分けされた32番の戦士の事だろう。ウンディーネは32番の戦士に、それなりに力を持っているように感じたが、所詮30番台だろうと考えていた。
「……あぁ」
ウンディーネが少し考えてから返事を返そうとすると、オリヴィアは既に手を振りながら走って行ってしまった。
「けっ。忙しないやつ」
ウンディーネがおもむろに広場に中心をみやると、オリヴィアとナンバー17のイライザが手合わせを行うようだった。ウンディーネは、以前一緒に組んだときを思い出していた。あのときもオリヴィアは、当時の隊長エバと手合わせをしていた。北の地で散ったエバを思い出し、ウンディーネは少々もの悲しくなった。
突如始まったイライザとオリヴィアの手合わせは、多くの戦士達が観ていた。
「くっ、この! 真面目にやりなさいよ!」
どうにも手合わせは、オリヴィアの方に分があるように見受けられた。オリヴィアは、イライザの中々に速い剣をあっさり見切っていた。どこか遠いところを見つめながらも全て躱しており、一合も打ち合わせていなかった。
ウンディーネは、エバとの手合わせの焼き回しを見ている気分になった。
(あー。たしか、攻撃に移ると途端にダメだったよな)
以前は攻撃に移ってあっさり撃墜されていたが、多少は成長したのだろうか。
しばらく見ていると構えを変えたオリヴィアがイライザの斬り下ろしを
「!」
『あ゛っ』
蹴るつもりだったのだろう。オリヴィアの鋭い蹴り上げは、顎を少し引いただけのイライザに避けられた。悲しいかな、それはひどくリーチが足りないように思われた。
ふわーっと逆さまな姿勢のまま不自然に真上へ昇っていくオリヴィアに、激昂したイライザの拳が突き立った。
「真面目に、やれ!!!」
後頭部に拳を受け、きりもみして跳んでいったオリヴィアは、民家の壁に当たり墜落した。当たった衝撃で屋根の雪が落ち、オリヴィアに降り注いだ。雪に埋もれ、2本の足だけがそこに愚かな戦士が居ることを示していた。
手合わせを観ていた戦士達は思った。
こいつが噂に聞く〈痴呆〉と呼ばれる戦士だと。