『注意:3秒後、100円玉を落として拾って下さい』
……?
『捕捉:狙われています』
……は?
3秒後、確かに聞こえた
鈍い、小さな銃声が
「あっ、すみません」
100円玉を拾う
焦げた匂いがする。その上、カウンターに小さな穴が開いている
「ありがとうございました」
店を出る際、入り口とは違う出口から出る
ラプラスさん、狙撃した場所は?
『解答:駐車場です』
『捕捉:サイレンサーを装備しています』
『指示:そのまま裏から路地に向かって下さい』
『質問:狙撃主と戦いますか?』
NOで
『承知:未来予測図を提示します。発砲したタイミングで回避して下さい』
了解!!
3…2…1…
銃声が聞こえた
壁を蹴り、宙返りしながら回避する
頭をかすったようで、かぶっていた帽子が落ちる
『測定:銃弾の材質は銀です』
は?
いや、普通鉛だろ
「ハァ、ハァ、」
少し息が荒くなる
というか足早いな、おい
リロードしながら走って追いつくって
「あっ、ヤベ」
行き止まりだった
思わず振り返る
そこにはまるで
◇ ◆ ◇
(吸血鬼か……)
神父がユーノを見つけた理由は偶然だ
同じマクドを利用していたからだ
迷わず猟銃を取り出す
弾には祈りがこもった銀の銃弾が装填させている
銀とは、魔除けの効果がある
実際、オオカミ男は銀の銃弾を頭に当てないと倒せない
他にも、銀のアクセサリーを御守りに持ったりする(実際は勝手にそう思って前向きな気持ちで居られるだけだが……)
(狙うのは支払いの時だな)
ユーノが財布からお金を取り出す
放った直後、100円玉が落ちたのか、回避された
(チッ、奇襲は失敗か)
(最悪、場所が特定され兼ねない)
ユーノが逃げた
(実力に自信がないのか?まぁいい、追撃だな)
(いや、誘導の可能性もある。一定の距離は必要だな)
細心の注意は必要だ
まぁ、ただ逃げているだけとは知らなかっただろう
「あっ、ヤベ」
(え?)
行き止まりだった
荒い息をしながらこちらを向く
(どうやら仲間はいないようだな)
そうして持っていた猟銃を向ける
◇ ◆ ◇
まずいまずいまずい
『忠告:引き金が引かれるまで、残り1.7秒です』
「っ!!」
無理やり回避する
ラプラスさん、残弾は?
『解答:79発です』
あっ、死んだ
とりあえず弾切れを狙うのは難しそうだ
「じゃあ、反撃かな」
空手の体制を取る(空手どころか、格闘技全般知らない)
(チッ、めんどうだな)
神父側も、リスクが増えたようだ
例えでたらめでも、相手は吸血鬼、警戒は必要だ
(
首のネックレスを取り出す
「……」
十字架だった
いや、どうだろう?キリスト教の十字架……
あーあ、なるほど……
「宗教勧誘はお断りだね!!」
「勧誘相手に銃を向けるヤツがいるか!!」
ナイスツッコミである(自分で言う)
(十字架についてちょっとでも知識のある吸血鬼なら肉薄しないはずだが……)
神父は想像出来なかっただろう
そして人間の言葉ではない言葉でこういった──
『神よ、今こそ我に少しの力を、闇に染まった世界に制裁を《ターンアンデット》』
──と
それは神々しい光の束だった
ユーノは知らない、《魔法》という物を
ユーノは知らない、《祈り》に意味があるということを
これが、《聖属性魔法》だ
物質を《黒》と《白》で判別し、《黒》を浄化する魔法
無論、吸血鬼はおもいっきり《黒》である
その上吸血鬼はアンデットであるため、当たれば速攻浄化する
幻覚か……
そんなアホな考えをする者は彼くらいだろう
『
ユーノの表情が固くなる
◇ ◆ ◇
『安心:なんとか撒きました、交代します』
どうやら逃げきったようだ
固かった表情が普段に戻る
「あれ…ここ、どこ?」
周囲を見る
鹿がたくさんいる(かわいい)
「奈良公園?」
間違ってはいなかったが、『鹿と言えば奈良公園!!』という暴論からわかったことだ
携帯を取り出す
時刻は3時、めっちゃ待たせている
「……え?」
携帯が破壊された
後ろでは、鹿が死んでいる
「……っ!!」
逃げるしかないようだ
◇ ◆ ◇
(外したか……)
ユーノがいた所からの距離は約800m
猟銃の射程を超えていた
(移動するか……)
狙撃は警戒されると効果は激減する
よって、移動は正しい判断だ
まぁ、
「動くな」
「なっ!!」
視界の隅で革靴とスーツのような物が見える
(あの吸血鬼の仲間か!助けにきたか!ヤバい!!)
彼の判断は半分正解だった
スーツの男はスマホを取り出し
「お前を動物愛護団体に訴える!」
「………………………………………………………………は?」
スーツの男…セイは確かにそう言った
視界の隅に右手が微かに見える
そこには鹿せんべいが握られていた
ユーノ:「お腹すいたー、ユーノです」
メリー:『私、メリーさん。今、お使いから帰っているの』
ユーノ:「女子の方はメリーさんか~」
メリー:『私、メリーさん。充当法違反で捕まりかけたの』
ユーノ:「だから抜き身包丁は持ち歩かないように言ったのに……」
メリー:『私、メリーさん。弱かったの』
ユーノ:「おい……」
メリー:『さらっと壊れた携帯はどうするの?』
ユーノ:「買い換えようかと……」
メリー:『今時スマホを持ってない方が異常なの』
ユーノ:「じゃあそうするか」
メリー:『《ダンカグ》が事前登録できるの』
ユーノ:「作者が一人で盛り上がってたな」