「ミナが人間一人を《眷属》にしようとしました」
「そうか…約束通り、殺してもかまわない」
セイと吸血鬼が話す
「その事ですが、今はやめておきます」
「何故だ?」
「その人間が生きていました」
「!?」
「あなたも奥様も、王族…純血の吸血鬼ですよね?」
「ああ…」
この発言から察するに、ミナは吸血鬼の王族になる
「《眷属化》の条件は、《自分の血の濃さ》が《対象の適正値》より低い、または同等の時ですよね?」
「その通りだ、そのため純血で血が100%の王族には《眷属》はできないはずだが」
「よっぽど器の適正値が高かったのでしょう」
「100%の適正か…化け物だな」
「吸血鬼の王がそれを言っても……」
「ハッハッ、最強の魔神様に言われてもな」
「話を戻しますが、あと一つだけ問題があります」
「何だ?」
「《眷属》…ユーノは、その事を素で気付いていませんでした」
「面白い冗談だ、《眷属戦》の大会で楽しみだ」
「ミナの判断で変わりますが……」
「あいつの事だ、絶対にドヤッてくるだろう」
「そうですね」
「何より、王族に《眷属》がいると分かると、反乱も多少は治まるからな」
「……」
現実の裏側に、魔界と呼ばれる世界がある
吸血鬼の王国はそこの一部だ
王国の唯一の問題、反乱
起きた理由は《眷属》によるものだ
王国は、純血の王族が国を治める
『《眷属》を作れない時点で俺らの方が上じゃね?ザーコ』と言い出したバカが現れた為、王国は王族肯定派と否定派にわかれた
しかし、唯一勝っている《眷属》の差を埋める者が現れた場合、話は代わる
どの点でも純血が勝っているとなると、認めざるを得ない
「近いうちに会える事を願っているよ」
「そうですね」
セイは帰った
◇ ◆ ◇
「こんな感じだ、持ち物はな。しおりにして渡す」
昨日もシャワー浴びれなかった…
チクチクして痛い…
ついでに気分も悪くてトマトジュースしか摂取してない…
お腹すいたー
「ユーノ、ポッケーとするな」
「すみません」
世の中とはどうしてこんなに切ないのだろうか
「ついでにおやつは300円な」
「「「「「「「「遠足か!!」」」」」」」」
僕も含め、全員が突っ込む
「先生ー」
「どうしたミナ、バナナはおやつに入らないぞ」
「ちっ……血はおやつに入りますか?」
面白い冗談だな
舌打ちが聞こえた気がする
「諦めろ、お前は血液の高さが分かっていない」
そっち?
「液体金属も含め、世界で十指に入るほどだ」
「へ~」
知らなかった…
あれ、病院はそんな高価なものを『命を助ける為です、輸血の為の血を分けて下さい』と頼んでいたのか…
「勉強も終わった所で、この山を使って鬼ごっこでもしようじゃねーか」
「やったー」
「おっ、ユーノ。元気がいいな」
何で皆、そんなに絶望しているのだろうか?
◇ ◆ ◇
「死んだ……」
先生ヤバすぎ
気が付けば真後ろにいるし、動けなくなるし、足速いし…
「そういう事だ、あの先生はマジで何でもできる」
「そういうレイン君も足?手?速かったじゃん」
「先生が手加減に手加減を重ねたからな」
「はっへー」
「実際、地形が変わっていなかっただろ」
「うん」
「俺も自分なりに鍛えたが、
「へ~」
種族差?聞き間違えだろう
「電車に轢かれなければ、こんな体じゃなかったのに…」
レイン君は事故でこうなったようだ
「では、また明日」
シャワー、使えるかな……
ミナ:「今回、意外とシリアスが多いわね…」
ユーノ:「ついでにレイン君の種族のヒントも出ましたしね」
ミナ:「さすがに皆、分かると思うけれど?(挑発)」
ユーノ:「向こうの僕は素で気付いていませんね」
ミナ:「いろいろとね」