ラクス「その傘はMSに持たせることは可能ですか?」
大統領「それは可能だが……かなりの量のMSが必要になるぞ」
カガリ「しかも、相当危険だな…………傘の1面を月面にしてはどうだ?それなら月を破壊することもない」
国王「確かに、それなら必要なMSの数も減らせるな」
大統領「わかった、では我が国はアルミューレ・リュミエール……いや、陽電子リフレクターの更なる改良と量産を進める」
先日、グラディス隊とファブレ隊により行われた作戦
確かに結果としては、一度捉えたクアンタムは砂となり、クアンタムを捉えるという成果には至らなかったが、上層部には『少なくとも電磁檻を使えば、量子テレポート(転送)で逃げられない』という大きな成果を得られた事実は大きかった
カガリ「だが待て、それならばいっそ都市に傘を展開して防衛してはどうだ?」
大統領「確かに国としては国民や国土の防衛はまず第一だが…………」
キラ「クアンタム捕獲…………が国連の任務ですからね…………」
『自国を守りたい』その想いは各国の代表全員が、もちろん持っている感情であったが、『クアンタム』という夢を目の前にして、防衛と捕獲、その狭間で揺れていた
実際、捕獲に傾いた国は多い、だからこそ国連の総意としてレイヴンに出された指令が『防衛』でも、『阻止』でもなく『捕獲』だったのだ
カガリ「で、では、我が国は月面の捕獲場所特定と整備を行う」
ラクス「それでは、他の国には引き続きクアンタムの捜索をお願い致します」
ザフトは木星周辺の調査
大西洋連邦は陽電子リフレクターの量産
オーブは月面の作戦場所整備
その他の国はクアンタムの捜索
レイヴンは作戦まで有事に備え待機
それぞれの役割を確認し、国際会議は終了した
数日後、プラントはザフトの部隊を編成して、木星周辺の調査に出発することになる
国連は、専門家の同席という名目で、なんとかQRIの数名をザフト艦に乗艦させるのが精一杯だった
キラはそもそも対策室に『各国による軍事会議』と伝えて会議の申請をしていた
しかし、この会議に参加したのはザフトのトップであるイザークではなくラクス、オーブ軍のトップであるアスランではなくカガリ
つまり、実際には軍事会議ではなく、ほとんど国家元首会議が行われていた
実はキラが対策室に提案した文言、これはラクスから出た言葉であった
『国連軍』や『各国軍』という言葉を使わずに軍事会議とだけ伝えた、それによって軍のトップではなく、国のトップとの会議を対策室に承認させた
あくまでも軍事会議という名目で、ラクスは国家元首を会議に立たせた
それも、ラクスやキラは直接的に、各国に国家元首を召還させたわけではない
ラクス、カガリが参加する軍事会議を国連承認の元に行うと、キラは各国に通達しただけだ
世界の2大大国であるプラントとオーブの国家元首の参加、そして国連承認という大義名分
各国が国家元首を出席する理由としては、これだけで十分であった
屁理屈といえば屁理屈でしかないが、実際、政治の世界ではよく使われることだ
国連軍による軍事会議の場合、会議内で決定した事項は最終的に対策室……というよりも国連の承認を得なければならないが、国家元首達が参加している会議であれば、その決定は国連承認と同義である
結果的に会議の開催から、その内容、結果に至るまでの全てが、ラクス・クラインの思惑通りとなった
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