『オーブ市街地』
ルナマリア「いつもありがとね、エル」
エルフェルト「いえ、私も楽しいですから」
ミラに勉強を教えるため、エルフェルトはよくルナマリアの自宅を訪れていた
ミラもユウリも、コーディネーターとナチュラルのハーフになる
ルミナもそうだったが、今の時代、オーブ……いや地球に住むコーディネーターとナチュラルの夫婦は、自身の子供をコーディネーターにすることは少ない
コーディネーターの出生率の低さは軽減されたものの、依然としてナチュラルよりも、遥かに出生率が低いことは変わりない
『夫婦で地球に住む』という結論に至った時点で、子供達をコーディネーターにしないと決めている夫婦は多い
ルナマリアの場合、夫であるナチュラルの職場の都合などもあったが、夫婦で相談の結果、ミラもユウリもコーディネーターにはしなかった
だが、ルナマリア夫婦の意思ではなくミラ自身が、
コーディネーターが多数在籍する学校への進学を希望していた
こういった学校にナチュラルが進学しようとすると、コーディネーターと同レベルの学力が必要なことに加え、ナチュラルのみ身体能力の試験も行われる
学業でも運動でも、相応の能力を持たないナチュラルでは卒業までに至れないからだ
…………そして、残念なことに苛めに発展するケースも多い…………
ミラもユウリも、ルナマリアから身体能力の高さを多く受け継いでおり、その点では試験も問題なさそうであったが、学業に関しては苦戦していた
そんな中、コーディネーターのエルフェルトとの出逢いによって、ミラの学力は大きく上がっていた
ルナマリア「ほんとにエルには感謝ね、私が勉強見る余裕あればいいんだけど、なかなか時間もなくて」
エルフェルト「いえ、ほんとに大丈夫ですよ」
父親を亡くしたことが要因ではないが、エルフェルトは進学ではなく、就職することを選んでいた
まだ就職活動中ではあったが、学業に追われることはない、実際、ミラの勉強を見るぐらい苦ではなかった
……そういうミラの生活が、母親を安心させるということを、無意識に感じてもいた……
エルフェルト「でも、これから世界はどうなるんですかね」
ルナマリア「お兄さんからは?何も聞いてないの?」
エルフェルト「ラム兄さんは、私やお母さんに軍の話をあまりしないし、聞いてもはぐらかすので……」
元々、ラムレザルは家族に軍の話をしなかったが、父親が亡くなってからは、以前までよりも更に軍の話をしなくなっていた
ルナマリア「…………機密事項だけど……この前オーブ沖で奴らを撃退したらしいわよ」
エルフェルト「!?そうなんですか?ニュースでは何も言ってなかったのに」
ルナマリア「ラムレザルも宇宙で戦果を上げたって聞いたわ、詳しくは知らないけど」
エルフェルト「そうなんですか……」
ルナマリア「ま、機密事項だから仕方ないわよ、私だって知ってるのはその程度だし」
エルフェルト「じゃあ…………勝てるんですかね……」
ルナマリア「シュダやサクラも居るし、何よりラムレザルを信じてあげなさい、強いんでしょ?ラムレザル」
エルフェルト「はい!ラム兄さんが負けるなんて、想像出来ません」
ムウやマリューから、もっと詳しく現状を聞かされていたルナマリアであったが、それ以上はエルフェルトに話さなかった
機密事項……というのもその理由の1つではあったが、下手に話してエルフェルトを不安にさせてはいけないという想いが強かった
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