英雄伝説 南斗の軌跡   作:61886

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遅くなりました、これから週1、2くらいで更新していきます

亀更新ですいません


南斗の軌跡 12話 困惑!レイの苦悩!!

 

 

…………

ここは、教会!?……………!

ここは、まさか!?

 

夜を照らすように、辺り一面が炎に包まれているなか、オヤジとオフクロが教会の前で瀕死で倒れていた。

 

「オヤジ!オフクロ!」

 

…しかしすでにオフクロは息を引き取っており、オヤジもほぼ風前の灯であった。

 

「レイ…か、アイリが………七つの傷を持つ男に…連れ去られた…」

 

それだけ言い残し、オヤジは息を引き取った。

 

「!これは、アイリが付けるはずだった、ケープ!」

 

 

純白のケープは両親の血ですでに赤に変わり果てていたが燃え盛る炎により、より赤く見えた。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆

 

 

「うおっ、……はあはあ、………またか、あの時の…悪夢が」

 

この世界に来る前、復讐の旅が始まった事が稀に夢にでてくるが……一行に慣れはしなかった。

たとえ無事アイリと再開し、ケンが仇を取ってくれたとしても。

 

「…それにしても、何処だここは?」

 

俺は森の中で南斗聖拳を使う男と戦い、毒に倒れて…そこから記憶が曖昧になっているな。

 

自分の体を見てみると、傷を手当てをしてくれたみたいで、包帯が腹と足に巻いてあった。

 

窓から溢れる木漏れ日が眩しいなか、自分がいる部屋を見渡すと、綺麗な豪華な部屋で、装飾がそこら中にしてあり、貴族の家と言っても過言ではないような部屋であった。

 

コンコン

 

扉がなり、一人の気品が良い初老の女性が入ってきた。

 

 

「あら、起きられましたか」

 

 

…ここの主なのだろうか?

 

 

「ええ、…危ない所を助けて頂きありがとうございます」

 

俺は頭を下げ礼を言った。

 

「大丈夫ですよ、運ばれて来た時はびっくりしましたが、傷が深く毒に侵されていましたが、…一体何があったのですか?」

 

「…実は」

 

治療してもらった事もあり、俺はあった事を話した。

 

 

「…そうですか、まさかそんな事が」

 

 

「いえ、大丈夫です、…それより何か…礼を……出来ることは限られていますが」

 

 

助けてもらい、治療までしてもらったのだ、何か借りを返せないだろうか…

 

 

「別に大丈夫ですよ、困った時はお互い様ですから」

 

 

「しかし、ここまでして頂きましたので」

 

おそらくこのご婦人は貴族上がりの富豪かなにかだろう、出来る事などたかがしれているが、借りは返さないと俺の気が済まなかった。

 

 

「そうですか…そうですね…!それでは、少しの間私の孫の執事になって頂けませんか?」

 

 

「……………………………はい?」

 

「ですから、執事をお願いします、もちろんお給金も払いますので」

 

この婆さん本気か!?身元も分からない俺を大事な孫の側に置くなんて。

 

 

 

「…差し出がましいようですが、俺のように身元が分からないような怪しいやつを置くのはどうなんですか?」

 

 

 

「あら、大丈夫ですよ、レイ・ブライトさん」

 

「なぜ!?知っているのですか!?」

 

 

「申し訳ありませんでしたが所持品の方を拝見させて頂きました、そうしたら名字がブライトでして、確かカシウスさんに息子さんがいると聞いていて、もしかしたらと思いカシウスさんに連絡してみたら息子さんとの事で、…あっ、カシウスさんも此方に向かわれているそうです」

 

 

そうゆうことか、しかし親父の知り合いだとは。

 

 

「…そうでしたか」

 

 

 

女性は何かを思い出したように手を叩き、微笑んだ。

 

「自己紹介がおくれましたね、私はアリシア・フォン・アウスレーゼと申します」

 

 

アシリアさんか…ん!?アウスレーゼ?……………アリシア・フォン・アウスレーゼ!!??まさか…

 

 

「…大変失礼ですが、もしかしてリベールの女王陛下でよろしいでしょうか?」

 

 

「はい、そうです」

 

 

レイは空いた口が塞がらず、困惑していた。

 

「(…何故そんな雲の上の人間が…俺のような一個人と……)」

 

するとカツカツと歩くよりもどちらかというと小走りに近い足音が聞こえてきて、部屋の前で止まり扉を叩く音が聞こえてきた。

 

「失礼するぞ、レイ目を覚ましたようだな…!?女王陛下!な…何故」

 

 

俺が保護されたかと聞いて急いで来たらしく顔に汗を滲ませていたようだが、より一層とんでもないイレギュラーにより親父の汗が目立つようになっていた。

 

「お久しぶりです、カシウスさん。

それでは親子水入らずでどうぞ」

 

それだけ言い残し陛下は部屋を後にし扉を開けて、退室していった。

 

 

「……まあ無事そうで何よりだ、レイ、軍に保護されたと聞いて飛んできたよ」

 

 

「……あぁ、すまない」

 

「それよりも、お前が襲われるなんて一体どうしたんだ?」

 

親父自身も信じる事が出来ないような顔つきであった、少なからずゼムリア大陸を代表する実力者の親父に勝ったという本人同士でしか知らない事ではあるが、その俺が負けたのであったのだ、親父の顔つきは険しく困惑を隠す事が出来ない様だった。

 

 

「あぁ、それが…」

 

奇襲にあった事と、女王陛下に何を聞かれたかを、親父は終始顔を顰めながら聞いていたが、どうにか納得することができたようであった。

午後の日差しが傾き、夕日に変わり涼しい風が部屋を通り抜けてきた。

 

「………そうか、しかしお前レベルの達人か、すまないが全く今まで聞いたこともないぞ」

 

 

「…そうか、親父なら知っているかと思っていたのだが」

 

 

「……レイ、今回の事をどう考える?」

 

不意の質問であったが、少し考え一つの仮説を立てみた。

 

 

「おそらく今回の襲撃は唯の殺人未遂事件ではないのかもしれん、確率は低いが教団の残党の可能性も零ではないと思う、しかし…何故俺なのだ」

 

「私もほぼ同じような答えだ、レイの世界から来たなどあるが、それより重要なのは、その男を知らない事と確保するのが難しい事だ、今まで様々な国家の実力者と会って来たが、お前クラスの達人など聞いたことがない、……おそらくだが元の世界でお前さんの事を知っていて、危険除去のまたは報復の為に襲撃したのでは?」

 

 

「………」

 

南斗聖拳でありシンの南斗孤鷲拳に近い流派など聞いたことが無く、そんな男を俺は知らなかったし、聞いたこともなかった。

 

 

「すまない、全く身に覚えがないな、だが報復なら…恨みなら死ぬほど買って来た」

 

 

「そうか…」

 

不毛な会話とはこの事なのだろう、幾つか仮説を立てるが全く答えに辿り着く気配が感じられなかった。

部屋は既に電気の光で明るくなり、外を見ると月が出てきていた。

 

 

「レイ、しばらくの間女王陛下の頼みを承諾しなさい」

 

 

「何故だ親父!?」

 

「普通ならば断るべきであろう、しかし状況が状況だ、おそらく今までそのような存在を聞いたことがないような男なのだ、表沙汰に出たくないのだろう、ならば城内などという警備が厳しい場所であればまずこの先現れる事はあるまい、陛下もそれを気にして気遣って頂けたのだろう」

 

確かにそうなのだが、納得する事が出来ないでいた、守ってもらうなどプライドが邪魔をしてた。

 

「レイ、気持ちは分かるが今は様子を見るべきだ、城内ならば情報も入りやすく、男を見つけ一番に動く事も出来る、お前にも悪い話ではないはずだ」

 

 

「……分かった」

 




少々強引ですが、ご都合主義だと思って納得して下さい





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