英雄伝説 南斗の軌跡   作:61886

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前回猟兵が赤の鎧を着ているとの表現がありましたが、正しくは黒装束でした…訂正させて頂きました、すいません


南斗の軌跡 閑話 北斗神拳伝承者の!?

 

………………

 

燃え盛る村から傷だらけの、満身創痍…そんな言葉が似合う一人の銀の髪をしている青年が全身に汗をかき今にも倒れそうになりながらも全力で走り、幼馴染とその弟の跡を追っていた。

 

「ッ…カリン、ヨシュア……」

 

村から走り出してすぐに遠目ではあるが、二人の姿を見つける事が出来たのは幸運であった、しかし見知らぬ黒髪の男と共に黒装束の男共に囲まれていて万事休すと言ったところであろう、悲鳴を上げる足に鞭を打つように走り向かって行ったが、様子がおかしい、すると黒髪の男は何かの構えをとり

 

「北斗羅漢撃!!」

 

技の名前らしきものを叫び猟兵に向かい、目にも止まらない速さで次々と薙ぎ倒して行った。

 

「なっ!?」

 

一体この男は何者だ?暗くてよく分からないが……とにかく…急がなくては。

 

………………………

 

 

目の前まで駆け抜けて目を開けて見て見れば、一番最初に目に付いたのはヨシュアを抱きしめ、血に塗れた幼馴染の姿であった。

 

「カ……カリン……」

 

そっと近づき、肩の辺りを撫でるとおびただしい血が手に付いているのが分かる、肩から背中を引き裂かれながらもヨシュアを抱きしめている手だけは強く暖かい。

 

「……レーヴェ」

 

「もういい、…喋るな」

 

既にカリンの命は、今にも燃え尽きそうに弱く、数分前の元気な姿は無かった、まだ辛うじて息が残っている、…その程度だ。

 

レーヴェは涙を流しながらもカリンを抱きかかえたが、なぜかカリンは穏やかで満ち足りた表情を浮かべていた。

 

そしてハーモニーをヨシュアに託し

 

 

「…ヨシュアのこと……お願い…」

 

それだけ言い残し、そして……静かに逝ってしまった。

 

「うっ………」

 

涙を流してながら、変わり果てた姿の幼馴染…いや恋人を強く抱きしめた。

 

だが、今はヨシュアを……カリンから託された……唯一の……

 

 

カリンの亡骸をそっと手から離し、ヨシュアの方を見てみると……カリン同様に変わり果てたヨシュアの姿がそこにあった。

 

「ヨ…ヨシュア……」

 

目が虚ろになっており、表情は全くと言っていい程生気が無かった。

 

 

とにかく此処を離れなくては

 

「…貴方は黒装束の男共と関係がなさそうですね……共にとりあえず移動しませんか?」

 

黒髪の男は少し考えたあと「いいだろう…」と言い、レーヴェの後ろについて来た。

 

 

◇◆◇◆

 

ハーメル村から離れた深い森の中、すぐそばにカリンの亡骸をそっと置き、ヨシュアをそのそばで寝かせレーヴェは黒髪の男に語りかけた。

 

 

「……ありがとうございます…貴方がいなければおそらくヨシュアは……」

 

人呼吸置き、ジャギは

 

「……けっ、たまたまあいつらが気に入らねぇから形上は助けたが、…それだけだ、それより…此処は何処なんだ?」

 

 

「?…リベールとの国境付近にあるハーメル村の近くですが…存じないですか?」

 

 

 

 

(……嘘は言ってないようだな、って事は…………やはり元の世界ではないか、まあそうだと思ってはいたが…)

 

レーヴェの目を見た限り嘘は言ってない事がよく分かる、まず嘘をつくメリットがなさすぎる

 

 

緑が生い茂る森、見たことも無いような銃、そして聞いたこともないリベールとの国境付近のハーメル村…疑惑が確信に変わった瞬間だった。

 

「…それであなたは何故こんな所に?」

 

 

…さてどう答えるか、…気がついたら異世界でした………莫迦か……

 

 

「…知らねぇな、気がついたらそこにいてそれで黒坊主共が村を襲っているのをしばらく見物していて、…」

 

次の瞬間、対峙していたレーヴェは表情を変え、ジャギの顔面に拳を突きはなったが、ジャギは顔色一つ変えずに片手でレーヴェの拳を受け止めた。

 

 

「おい、…なんのつもりだ?」

 

「あなたは…何故あなたは最初から助けてくれなかったのですか!?

意図も簡単にあいつらをなぎ倒す力がありながらも…しばらく見物していた!…ふざけないで下さい!!それだけの力があれば……答えて下さい!!」

 

俺にもそんな力があったなら、村みんなを、両親を、…カリンを……

 

 

だが、期待していた答えは返って来ることは無かった。

 

 

「あっ?……おめぇ、なにを勘違いしている!…助けた"形"になっただけだと言ったはずだ、まさか俺が正義の味方に見えてたのか?…………だとしたらお笑いだな、フフフッ…」

 

 

レーヴェの拳を振り払い、ジャギはほくそ笑むようにして笑っていた。

 

 

「なっ!?」

 

「フッ、まぁいい、俺はなぁ奴らすら霞むぐらいの…外道だ!、運が悪かったな、現れたのが俺でな」

 

それだけ言い残し、ジャギは立ち上がり森の中へと向かって行った。

 

 

「…最後に、あなたは何者なんですか?」

 

 

力なく、元の場所から聞こえてきたが、ジャギは振り返らずに立ち止まり

 

 

「ジャギ………北斗神拳伝承者の………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

搾りカスだ」

 

 

 

かつてあれほどのコンプレックスはもはやジャギの中には既に無かった。

 

 

 

それだけ言い残し、ジャギは深い森の中へと消えていった。

 

 

 

 

「……………」

 

 

残されたレーヴェはただ涙を流して、地面に拳を殴りつけた。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆

 

 

 

少し離れた森の中、眼鏡をかけた男が不気味に声を殺して笑っていた。

 

 

 

「くくくっ、嬉しい誤算とはこの事をいうのかね……ジャギか、素晴らしい…」

 

 

それだけ言うと、元からいなかったかのようにして一瞬にして消えた。

 




お疲れ様です!


まず一言……どうしてこうなった!?


なんか初めとジャギのイメージが全然違くなってて……


反省もしていますし、後悔もしています…

これからどうしよう……

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