「マギア☆レポートの世界に転生させてください、お願いします」
「待って、何があったの?」
女神は突然の青年の土下座にあたふたするしかなかった。
ここ最近の死者は異世界、なのは、まどマギ、デレステ、鬼滅ばっかり要求する。
だが、あの魔境みたいな世界の転生を要求する死者は珍しい。
それも、土下座までして要求するタイプは初めてであった。
「えっと、先に何があったか聞かせてもらえないかな?」
「・・・クラスでいじめられたんです」
「自殺か・・・君みたいなタイプは結構多いというか・・・」
「いえ、自殺じゃありませんよ。どうしてあんなことのために死ななくちゃならないんですか?」
「うわ、この死者メンタル強い」
だからこそ、女神は不思議に思えた。
どうしてこんなのがあんな世界に転生を望むのか。
「僕はね・・・殺されたんです」
「余計に悲惨だった」
「文化祭の後片付けしていたら、首謀者が上からダンベルを・・・」
「ストップ、もういい。辛かったね」
「そういうわけで、次はそういった闇のないギャグ時空プリーズ」
「サザエさん時空だけど・・・いい?」
「そりゃ困ったな・・・でも、いじめをやられるのも見るのも嫌だし・・・」
「というか、どうしてマギア☆レポートなの?」
「色々な意味で他の転生者が来なさそうだからです。
暇つぶしに見た二次創作で転生者同士が争ってたし・・・。
あと、やっぱりレコードより明るいし・・・。
いえ、別にやってたわけじゃないけど、たまにPixivで見ると暗そうだし・・・」
「そうかあ・・・まあ、あなたの判断は正しいと同時に間違っています」
「えっ」
その時、女神はパチンと指を鳴らした。
すると、宙を浮いていた光の玉が青年に吸収されていった。
「君あなたは後始末に必要そうな知識を吸収してもらいました。
たとえば事務仕事とか奇跡論とか隠の隠蔽技術とか」
「急にOffice365を使いこなせそうな気がしてきました」
「それはよかったですね。では、まどかさんお願いします」
どこでもドアとしか思えないドアが現れた。
「へえ、君がうちに就職希望の子か~。
知ってると思うけど、私は鹿目まどかだよ!」
「僕は宮島唯華といいます!今日からお願いします!」
「ふむ・・・女神さん、なかなかいい人材じゃん。
こんなのをもっと早くよこして欲しかったよ!」
彼女は唯華の手をぎゅっと掴んで、ドアの向こう側に連れて行った。
「・・・さようなら唯華さん。後始末頼みますね」
ギャグ漫画、それは色々と危なっかしい世界だ。
街は破壊されるし、人は災厄に巻き込まれるし、地球も割れる。
にもかかわらず、次のコマでは元通りだ。
遅くとも、次の話ではやっぱり元通りだ。
では、どうしてそれが可能なのか・・・。
解釈はいくつもあれど、唯香の転生したマギレポ世界はある方法を取っていた。
それはまともな後始末係に復興を任せるという、至極単純な方法だった。
「じゃあ、さっそく砂漠化した北養区の山の植樹をお願い!」
「えっ・・・まあ、やってみますね。あれ、なんか体が小さくなったような・・・」
宮島唯華(享年17歳)、マギレポ時空にさっそく適応してしまった。