後始末は辛いよ。でも、楽しいよ。   作:ryanzi

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いつものように忙しい一日

今日も今日とてギャグの影響で滅茶苦茶になった場所の復興だ。

今回は矢宵かのこの暴走により、きのこだらけになった水名女学園の復旧だ。

まあ、きのこが生えているだけだからすぐに済むのだが。

ちなみに、これも含めて、今日は三件ぐらい仕事をこなした。

 

「何をどうすればこうなるんですかね・・・」

 

唯華は溜息をつきながらも、作業を始めることにした。

対きのこ特効剤(人畜無害)をゆっくりとばら撒いた。

それを三十分間続けるだけで、あっという間にきのこは消滅した。

 

「あれ、私の分は?」

 

「そうだろうと思って、何本か取っておきましたよ、ひみかさん」

 

すぐに中和剤を展開し、保護バッグからきのこを何本か渡した。

 

「ありがとー!」

 

「いえいえ。早く本編程度の経済力に辿り着けることを祈りますよ」

 

「まだまだ大変だけど、どういうわけか暮らしは楽になりつつあるんだよー」

 

市長が逮捕されて以降、神浜市の経済は少しだけ上向きだった。

まあ、市民の血税をマギアストーンに注ぎ込む輩だったから当たり前だ。

血税どころか、こちらの予算まで横領していたのだ。

実のところ、彼の逮捕には唯華も貢献していた。

 

「唯華くんも頑張ってねー!」

 

「ええ、もちろん!」

 

水名女学園での仕事を終えた後は書類仕事が待っている。

なにしろ、街の設備はしょっちゅう壊れるから。

資材の発注はもちろんのこと、経済支援も求めなければならない。

そういうわけで、書類仕事は避けられない課題だ。

そこで、Office365技能の出番である。

市長の余罪をでっち上げるのにも実に役に立った。

愛車であるT型フォード(改良済み)で事務所に戻っていく。

 

「やあ、唯華くん!今日も渋い趣味してるねー!」

 

エア・カーに乗ったまどか先輩が話しかけてきた。

フォードとエア・カーが並走している光景・・・なんじゃこりゃ。

時間がたっぷりとあるこの世界は、本編とやらよりも技術が発展していた。

現実よりもはっちゃけているので、研究者もはっちゃけたからだ。

 

「まどか先輩、今日はどちらに?」

 

「今日もいろはちゃんの様子を見にね」

 

「この前みたいに巨人になってほしくはないですね。

あの時は街全体が結界に包まれてしまいましたから。

あの後の修繕とか、意外と大変だったんですよ・・・」

 

「まあ、悪いのは引き弱ないろはちゃんだから!」

 

「あはは・・・」

 

二人は別方向に分かれた。

さて、唯華の事務所は中央区にある。

正確に言えば、中央区の地下だ。

こんなギャグ世界で地上に建てたら、吹っ飛ぶに決まっている。

 

「さて、今日も今日とて領収書の山と格闘ですか・・・」

 

領収書の内容を帳簿に着実に書き込んでいく。

複式簿記の知識は既に吸収させられたので問題なかった。

まあ、それを日々続けられるかどうかはまた別の話だったが。

 

「・・・よし、今日の分はこれで終わりですね!」

 

もう唯華には手慣れたものだったので問題なかった。

次に、備蓄用の資材や対きのこ特効剤の注文書を作成する。

こちらもOffice365の技能があれば、意外と文書作成が早く終わる。

あらかたの仕事を終えた後、まどか先輩から電話がかかってきた。

 

『唯華くーん、暇?』

 

「ええ、ちょうど仕事が終わったところです」

 

『アクセルとブレーキ踏み間違えちゃった』

 

「仕事を増やしてくれたありがとうございます。

・・・それで、どこに突っ込んだんですか?」

 

『このみちゃんのバイト先。あと、このみちゃんが倒れてる』

 

「そうですか・・・では、まどか先輩はそこで待機してください。

車を直す必要もあるので。それに・・・いえ、なんでもありません」

 

『りょうかーい』

 

次に当局に連絡することにした。

 

「もしもし、千里さん?まどか先輩から連絡がありまして・・・」

 

唯華と千里は急いで現場に急行する。

案の定、まどか先輩は呑気にガチャを引いていた。

 

「逮捕するわ」

 

「ちょっ・・・謀ったね!唯華くん!」

 

こうしてまどか先輩は連行されていった。

滅茶苦茶になった店を高速修復材(別世界のブラック鎮守府から盗んだ)で修理する。

本来は兵器に使うものだが、建築物にも応用可能だったことが判明した。

お詫びも兼ねて花を買った後、このみの入院した病院に向かう。

なお、エア・カーはレッカー車が回収してくれた。

唯華の事務所の予算となってくれることだろう。

 

「このみさーん、大丈夫ですか?」

 

病室に入ると、さっそく花の香りに包まれた。

 

「ちょっと撥ねられただけだから大丈夫だよ。

それより、唯華くんも少し休んでいったら?

朝から大変だったでしょ?」

 

「ええ、書類仕事は片付いたので・・・。

また高速修復材を調達する必要がありますけどね」

 

「そういえば、いつも使ってる高速修復材ってどこから調達してるの?」

 

「このみさん、失われた手足の幻肢痛に関してどのような方法でも決定は覆せないんですよ」

 

「都合が悪くなったからってロシア大使館ネタでごまかすのどうかと思うよ???」

 

このめっちゃくちゃ忙しい世界でも、癒しというものはある。

このみはその数少ない癒しの一つだ。

彼女の周りを漂う花の香りと彼女自身にいつも癒されるのだ。

お互い、色々と不遇というのもあって意気投合している。

なお、夏目書房も癒しの場だが、高確率でフェリシアが現れるのでプラマイゼロだ。

余談だが、過去に「ぐへへ・・・しゃぶってもらおうか」とフェリシアに近づいた変態がいた。

その男は目も当てられない惨状になってしまった。

彼女の歯を見て、何もリスクを考えなかったのであろうか?

何はともあれ、今日もこうして一日が過ぎていく・・・はずだった。

 

『もしもーし、唯華兄さん!物理学の実験で変な穴が開いちゃった!』

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