ウマが合うからいつも一緒   作:あとん

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独自設定で、ウマ娘はトレセン学園を卒業した後、別のプロリーグみたいな所に行きます。

ですが本編にはあんまり関係無いです。


弱小チームの今事情

 

「通告っ! 今後一ヶ月以内にウマ娘を五人集め、正式にチーム登録を行わなければ、チーム・アンタレスは解散とする!」

 

 死刑を宣告された罪人の気持ちとは、このような感じだろうか。

 現在、俺はトレセン学園の一番上にある理事長室にいた。真っ正面には俺を呼び出した張本人である、秋川理事長が高級そうな革製のソファーに腰を降ろしている。その横には秘書であるたづなさんが、苦笑して立っていた。そしてその二人の視線の先にいる俺は、魂の抜けたような顔になっているのだろう。

 とうとう来たか、と思った。だがよくここまで待ってくれたな、とも思う。

 マルゼンスキーが卒業して以降、何の業績も無かったアンタレスがここまで存続を許されたのは偏に、理事長とたづなさんのおかげである。

 広島から一人で上京し、右も左も分からなかったトレーナー候補生の俺を何かと目にかけてくれたのは、この二人だ。

 そのおかげでただのカッペだった俺はトレセン学園に何とか馴染むことが出来、個性豊かなウマ娘たちと出会うことが出来たのである。

 マルゼンスキーと俺が初めてチームを立ち上げた時も、彼女が卒業して他のメンバーが抜けていきチームが存続の危機に陥った時も。

 理事長とたづなさんが、色々と便宜を図ってくれたのだ。

 だからこそ、申し訳なかった。

 マルゼンだけの一発屋。たまたま規格外の天才を担当しただけの男。

 そんな風に言われた俺をかばってくれていた。後から入ったタマやオグリ達がシングルで活躍してくれているおかげで、何とかチームも存続を許されてきた。だがそれも限界なのだ。

 

「提案っ。私達は君のトレーナーとしての才能は評価している。チームの運営は上手くいかなかったようだが、君をトレーナー助手として受け入れたいというチームは多くある」

 

「同期の皆さんは勿論、貴方の指導役だった桐生院さんもウマ娘ごと受け入れる用意があると言っています」

 

「・・・・・・桐生院先輩が」

 

 桐生院先輩は俺がトレーナー候補生の時にお世話になった御方だ。

 当時はトレセン学園を卒業した後に本場でブイブイいわせていた、ハッピーミークを育てたことで有名だった人だ。

 あの時はまだチームすら持っていなかった先輩は、今やトレセン学園を代表する大チームのトレーナーだったりする。

 そんなチームに呼んで貰えるのはありがたいことなのだが・・・・・・

 

「すいません。大変ありがたいお話ですが、お断りさせて頂きます。自分は・・・・・・やっぱりマルゼンと作ったチームをここで終わらせたくないんです」

 

 全てにおいて圧倒的だったマルゼンスキーのおかげで本来、チームなんて組めない若造がアンタレスを結成し、多くのレースを制した。

 チーム・アンタレスは俺の夢だ。

 マルゼンと当時のメンバー達で一度、栄光は掴んだ。

 だがまだ終わりじゃない。

 マルゼンスキーだけのチームで終わらせたくない。

 そして今の俺に着いてきてくれているウマ娘達に、あの栄光の景色を見せてあげたかった。

 

「あと一ヶ月で必ず一人を見つけて、チームを完成させます。自分に最後のチャンスを下さってありがとうございます」

 

 そう言って俺は深々と頭を下げた。

 その気があれば今すぐにでもチームを解散させられるハズだ。だが二人は俺に最後のチャンスをくれたのだ。ならば最後まで頑張ってみようじゃないか。

 

「うむ! 君ならそう言ってくれると思ったぞ! あと一ヶ月、本気で足掻くがよい! チーム・アンタレスの復活を私も望んでいるぞ!」

 

「ありがとうございます!」

 

 俺はもう一度頭を下げ、理事長室を後にした。

 重い扉を閉じて、襟元を正すと俺は歩き出す。

 まずは今、こんな斜陽チームにいてくれる四人のウマ娘にこの事を言おう。そう思い、俺はチームのホームであるプレハブ小屋へ向かうのだった。

 

 ・・・

 ・・・・・・

 ・・・・・・・・・・・・

 

「・・・・・・見つけられますかね、五人目のチームメイトが」

 

「当然っ! 見つけるだろう。そう信じたから私は送り出したのだ。一ヶ月後には、きっと新しいアンタレスがターフにそろい踏みするだろう」

 

 秋川は閉じた扇子をトントンと叩くと、不釣り合いに大きい背もたれの椅子にもたれかかるのだった。

今後、展開について

  • 基本的にコメディで、時々シリアス
  • 基本的にシリアスで、時々コメディ
  • シリアスは無い方がいい
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