いつぶりでしょうか、あきこまです。
クリスマス後から新年1週間仕事ばかりしておりました。皆様は新年明けましたところ楽しくお過ごしでしたでしょうか。
個人的には自分の作品はコメディ要素強くなるのかなと思ってますがそんなお話も今日は劇がメインみたいなものです。
毎度グタグタな2部構成になりました、そしていつも遅くてすみません。
もう少しで半年経つ所でしたテレテレ。
いつもお付き合い頂きありがとうございます。次回はこれの更新か現在1番書けそうな球詠のお話か悩んでます。それではどうぞ。
目覚めた俺を迎えたのは照りつける太陽……なんかじゃなくカーテンで締め切られた部屋だ。いつもと景色が違うとすればここは俺の部屋ではなく小町の部屋だからであろう。
せっかく敷布団を用意したのに小町の願いで二人して小町のベッドで寝たのはまぁ兄妹だからという事で俺が妥協した結果でもある。その小町の姿は今ここに無いから先に起きてリビングに行ったんだろう。
「寝るか」
時計を見る事すら億劫になり、俺は再びまぶたを閉じた。
「そんな事はさせないわよ!」
「!! ッ!?」
バァァンという轟音と共に開いた小町の部屋の扉。あまりの驚きで俺は飛び起きた挙句言葉が出ず口をパクパクしていた。
扉の所にはエプロンをかけて片手にお玉を持った桜島麻衣である。
「えっと……お、おはようございます?」
「おはよう、なんで疑問形なのかはこの際いいとして今二度寝しようとしたでしょ?」
「さ、さぁ……? なんのことでせうか」
「確信犯ね……咲太と同じだわ」
「桜島さんは二度寝しようと思った事とかないんですか? こんなに怠惰で素晴らしい行為を……」
「二度寝する気満々じゃない……無いわよ私は。気づいたら仕事してたし二度寝なんて考えられなかったわ。……というか、何時まで私を桜島呼びしてるのよ君は」
「女の人を名前で呼ぶ事に難がありまして……」
「……それが本当なら仕方ないけど、咲太も楓ちゃんも翔子ちゃんも年下の子達はほぼみんな名前で呼ぶから桜島呼びってあまりピンと来ないのよね。……でも唯一双葉さんが昔から桜島先輩って呼ぶかも」
もう学校の先輩後輩でも無いのにね。なんて笑顔で言う彼女に対しての俺の言い訳はいささか申し訳ない気がした。だが事実豊浜の事も牧之原の事も名前で呼んでないのが俺である。
「決めましょうか、私達の呼び方」
「え」
待ってそんな重要案件だった? いつの間にか桜島さん俺が動かないからベッドに腰かけてるし。
「私は君をハチくんと呼ぶ。それは平気?」
「それはいいんですけど、俺が咲太さんに抹殺される気がするんですけど……」
「そんな事は私がさせないわ」
それにと付け加え一気に桜島さんの顔は悪い顔になる。
「あぁ見えて咲太って大学で結構もてるのよ、国見くんっていう咲太の古くからの友達がイケメンで二人並んでると結構映えちゃって……二人とも内面もいい子達だからそれに気づいた人とかがね……」
「それは桜島さんも同じなのでは……」
「私の場合は"女優"の桜島麻衣しか見られないから……ただの桜島麻衣として見てくれてるのは数少ない友人たちよ」
名のある女優と言えど、いや、だからこその悩みなのかもしれない。そんな悩みを嫌な顔より呆れ顔で話す彼女はもうその環境に慣れきってしまったのだろう「ああ、またか」と何度思ってきたのだろうか。そんな感想を抱いていた時にまた顔は悪い顔に戻った。
「だから咲太には、いつも私がドギマギさせられてる仕返しをしようかと思って」
「なんでその戦いに俺巻き込まれてるんですか……」
「それに、のどかにも発破かけたいし」
「何か言いました?」
「何も言ってないわ、気のせいよ。とにかく君は私をなんて呼ぶの?」
「無難なところ桜島先輩って」
「それは双葉さんがいるからダメ」
「まさかの被りNG!?」
「当たり前じゃない」
「えぇ……ンンン……ン?」
「急にどこかの陰陽師が使いそうな言い回しね……」
なんで通じるんだよ……実は大好きなのん?
「あ、いっそ麻衣って呼び捨てにしてみない?」
「あんた楽しんでんだろ! 俺が殺される未来しかないわ!」
「楽しんでるわよ、こんな機会滅多にないもの」
「なんだかなぁ……」
相手はトップクラスの女優だ。顔が良すぎて直視できないのも無理なかろう。
「桜島先輩はダメ……麻衣さんは咲太さんが使ってる……だからといって呼び捨ても無理……ナニコレ詰みじゃん……」
「そんなお兄ちゃんに朗報です!」
「まずどっから聞いててどっからでてきたか説明願おうか我が妹よ」
「そんなの、今来たばかりだよ。でもお兄ちゃんが何に悩んでるかはわかってる。そんなお兄ちゃんにはこんな技を授けようじゃないか」
小町が俺の耳元に顔を寄せてボソッと呟いた一言は、とてつもなく破壊力がありながら間違えなく咲太さん以外にも二次被害が出る言い回しだ。
「……小町ちゃん?」
「意見を許す、言ってみたまへ」
「お兄ちゃんに旅立てと? どこにとは言わないけど」
「でも、それしかないと思うなぁ小町」
「決まったかしら? ハチくん、試しにそれ私に言ってみて」
「……文句言っても受け付けませんからね……?」
「どうぞ」
「……ぇさん」
「もう一回はっきりと」
「お義姉さん!」
半ばヤケクソで言った俺の言葉は最初とちょっと違う気もするが意味は変わらないからいいだろう。
当の本人を見てみると、少しポカンとした顔をしていてその様子を例えるなら鳩が豆鉄砲をくらった様な顔をしていた。少しして再起動した彼女から一言。
「……それありね」
「いやったぁー! 小町ちゃん大勝利ー!」
「いや勝利してないしなんならそれ俺が敗北案件なんだけど」
「でも、のどかと結婚したら私はあなたの義理の姉になるんだけど」
「自分の妹を俺になんか献上するのは些か不憫だと思うんですが……」
「それ、本気で言ってる? それとも照れ隠し?」
「どっちもありますよそりゃ……」
「だとしたら10割照れ隠しにしなさい、私は君の事結構評価してるんだから」
「……お兄ちゃん……今年に入ってからどうしちゃったの? 随分人間的評価ダダ上がりなんだけど。いや小町的には凄く嬉しいけどさ」
「……なんでですかね」
全ての元凶はあの二年生の始まりの日に昨日の主役様に出会ったからだと思うが。
「話が脱線したわね、今から即興劇始めるわよ。期限は翔子ちゃんとのどか、及び咲太が起きるまで。いいわね?」
反抗できる訳もなく、素直に応じた。
「あ、あと咲太を最初に起こすからその時は私に対して敬語禁止ね」
なんか条件増えてるんですが……?
その後、お義姉さんに頼まれた小町は咲太さんを起こしてきたのだが……。
その咲太さんは俺とお義姉さんの会話を見て眠い目が一気に覚醒していた。
「ハチくん、お皿出してもらっていい? もうみんなの分できそう」
「了解、お義姉さんケチャップ使うよね?」
「出しておいてもらえると助かるわ」
ケチャップの件はつい数秒前に決めた。実際お義姉さんは使うらしいから信憑性は増す。
「比企谷くん! ぜひ僕の事はお義兄さんと呼んでくれ!」
「咲太はバカ言ってないで顔洗ってきなさい!」
とぼとぼした様子で洗面所に向かう咲太さん。
「ちょっとアプローチ方ミスしたかもね」
「といいますと?」
「私の目的は咲太に私が普段ドキマギしてる気持ちを思い知らせてやろうと思ったんだけど……あれは普通に」
「俺達を姉弟としてみてますね」
案の定、顔を洗い終わってこっちに来た咲太さんにネタバラシした時は。
「比企谷くんが姉と呼んでましたし、何も心配はしてませんでしたよ? 大人な麻衣さんが意外にも余裕が無いってことがわかりましたけど」
と言われちょっとムッとした顔をしていた。
「さて、咲太も加わったところで本格的にあの二人を騙す即興劇を……」
「まだやるんすか……? これ」
「やるわよ。咲太はほんの序章に過ぎないわ」
「で、麻衣さん設定は?」
「対のどかに関しては今の設定を流用でと思ったんだけど翔子ちゃんが居るのよね……」
「どうにかのどか単体できてもらう必要があるわね……」
「なんだそれなら簡単ですよ、翔子ちゃんが起きて無ければの話だけど」
そう言い残して、咲太さんは玄関出ていく。
「翔子ちゃんのお母さんにお願いして、仮に早く起きても足止めするようにお願いしときました」
イタズラの為にここまでやるのか……無駄に気合が入ってると言うかなんというか。
「よし、条件は揃ったわ。これより作戦に移行するわよ」
気の所為だろうか、麻衣さんの背後には片目から翼のような紋章を飛ばすあの人の姿が見えるんだが……。
仕舞いには「R1とK1! あなたの設定はこうよ!」とか言うし……。絶対意識してるよね?
結局さっきの役割と余り変わらず、いつの間にか起きてきた花楓と咲太さん、それに小町を加えて始まった即興劇はこうだ。
とある一軒家でみんなで暮らしている設定。
梓川咲太には梓川麻衣という奥さんが居て、そこで一緒に暮らす豊浜となった俺とのどかが居てさらに一緒に暮らす両家男側の妹、梓川花楓と比企谷小町である。
色々つっこみたいけど一つだけにしておこうかな……うん。
「なんで俺豊浜なのん?」
「え、そこ!?」
「お兄ちゃんが豊浜になったら……というか比企谷じゃなくなったらうちの家系は小町で終わりだね……」
いらん心配をしている比企谷兄妹であるがやはり俺達の思考は似るんだろうか。
「それから比企谷くんはさっき通り麻衣さんを義姉さん、僕を義兄さんと……」
「咲太は咲太で充分よ」
「なしてぇ……」
「お兄ちゃんそれ……もしかして朋絵ちゃんの真似? 変に似てて気持ち悪い……」
「花楓、世の中の兄には言ってはならない一言というのがあってだな?」
結局、咲太さんは咲太で通す事になった。
もう朝だった。
昨晩は久々に私とのどかさん、それに花楓ちゃんが揃ったこともありずっとお話してたら3時頃になっていた。さすがに遅いと寝る事にしたのだが気づいたらこんな時間だった。
「もう9時……のどかさんはまだ……うん寝てる、でも花楓ちゃんは居ないなぁ」
同時刻、もそもそと控えめな金色の髪の毛が動き始めた。
「オハヨォ……」
「おはよう、のどかさん」
「やっぱりオフはいいわね……目覚まし時計を気にしなくても寝ていられるなんて……」
「そんな事をその歳で言えるのはのどかさんくらいじゃないかな?」
二人して眠い目を擦りながらリビングへと向かう。
「おはよう翔子、のどかちゃん」
「おはようございます」
「おはようお母さん……お父さんは?」
「あの人なら早朝ゴルフからまだ帰ってきてないわよ? あ、あとのどかちゃん
顔洗って着替えたら比企谷くんの家に向かって。さっき麻衣ちゃんが呼んでたわよ」
「お姉ちゃんが?」
なんだろうとボヤきながら洗面所に向かうのどかさん。
「じゃあ私も……」
「あ、翔子は待ってて、お父さんが帰ってきてから話があるって」
「お話?」
「そうお話」
私が頭上に? を浮かべてると緩くまだ眠そうな声で「行ってきま〜す」と聞こえてきた。
?! ちょっと待って!
「のどかさん今絶対スッピンじゃ……」
私が止めようと思ってリビングを出た時には丁度扉が閉まり、むしろ私が玄関に止められてしまった。
「お父さん……早く帰ってきてよぉ」
「どかちゃん接近であります!」
「よし! みんな配置につけ! 豊浜をあっと言わせるぞ!」
「……どうでもいいけどなんで咲太が仕切ってる訳?」
「麻衣さんの負担を少しでも減らそうと」
「二人ともそんなの後でいいから早く!」
桜島麻衣プレゼンツ、自分の妹とその友達を驚かせよう選手権in比企谷家が始まった。
ピーンポーン
「はいはーいどちら様ですか?」
「あ、小町ちゃん私。のどか」
「おはようございまーす! 玄関の鍵空いてるんでどぞー!」
作戦通り小町がインターホンに出る。しかし我が妹ながらそれでいいのかお前……もはや家族扱いだぞアレ。あ、設定ね? もうなりきってるのね? さすが我が妹。
「おはようございまーす……お姉ちゃんが呼んでると聞いたんだけど」
朝だからなのか、とてもいつものうるささはなく凄く大人しめな感じだ。
何時ものサイドポニーテールにはしておらず簡単に後ろで纏めただけのポニーテールだった。割と新鮮である。
さぁ始めよう。
題して、
「あ、八幡オハヨォ」
「おはようさん、まだ寝ぼけてるのかのどか」
「久々にオフで迎えた朝は眠たい気持ちが……ある……の?」
「最近は忙しそうだもんな……仕事貰えるのはいい事だな。……どした?」
眠い目でこっちを見ていたのどかの目は次第に覚醒していき、顔はみるみるうちに紅潮していく。
「今、なんて言ったの?」
「え?」
「今なんて言った?!」
「仕事貰えることはいい事だって……」
「その前!」
「まだ寝ぼけてるのか?」
「その後!!」
「のどか?」
「!! ///な、なななななんで急にな、名前呼びなのよ!!」
「何を冷たい事を言う、俺達夫婦だろ? 名前で呼ぶのに不都合か? てかいつも呼んでるし……」
「そうよのどか、いつもハチくんに名前呼びされて頬が緩んでるのはどこのどなただったかしら?」
「八幡くんも罪な男だよなぁ、あの豊浜をここまで骨抜きにしたんだから」
「のどかちゃん、随分丸くなったよねー昔に比べて」
「あのどかちゃんにお兄ちゃんを貰ってもらえるとは小町感動だよ……」
「私が、八幡と……夫婦?! 」
「俺がお前に婿入りしたの忘れたか? どうしちまったんだよ」
照れながら言う俺の後ろで桜島・梓川兄妹が笑いを堪えられなそうにしてる。あんたらが作った設定だからもうちょい粘ってくれたまへ! なんなら俺がいちばん恥ずかしいんだから!
状況をただ一人理解できてない豊浜氏は自分の顔をこねくり回し、ぺたぺた触り、やがて1つの結論に至ったらしい。
全速力でリビングを駆け抜け、いちばん大きい窓を開けて空に向かって叫ぶ。
「アタシ今スッピンだったわぁぁ!!」
「「絶対気にするとこそこじゃない!」」
「のどかやめなさい! 近所迷惑でしょ!」
「なんか……みんなズレてるね……」
「色々残念な人達だなぁ……お兄ちゃん含めて」
「おい」
この叫びが当然聞こえてた牧之原翔子某は「あー、やっぱりね」とボヤいたらしい。
次回、牧之原翔子は劇にどんな反応をするか。
次回もまた見てくださいね?ジャンケン! …何を出したかはご想像におまかせします。
何点か修正した点が治っておらず、作者自身、あれ?ってなってる状況です。
思い出したら直します。