こんにちは、あきこまです。
意外と短いような気はしますけど3週間くらい経つんですね…すみません。
思ってたより長くなったってのと、おでかけシスター編まだもう1話続きそうです。
よろしくお願いします。
目の前に現れたこの御仁。豊浜も所属するアイドルグループ 『スイートバレット』で普段はセンターを務めているらしい。本人が語る前に何処かで話を聞いたことある気がするんだが……。
「そういえば八幡くんは豊浜のライブとか見た事ある?」
「小町が元々ファンだったという事もあったので見た事は一応?」
「興味は?」
「これっぽっち「……」……だったんだけどすごい興味あります」
これっぽっちも無かったと言えないくらいに段々豊浜からの黒オーラがこちらに流れてきた。無言やめて! すごい圧だから!
「ちょうどここに僕と麻衣さんで見に行ったライブのDVDがあるんだけど見る?」
「いいんですか?」
「……今見ると、豊浜の顔から火が出そうだから今度一人で見てくれ」
「余計な事言うなっ!」
と、言う会話がありそのDVDを見ていたのだが。
「ア、アイドルパンツ履かない!!」
「あぁ……パンツ履かないアイドルだ」
「?!」
「え? それ私がライブで言ったやつ?! なんで知ってるの?! ていうか恥ずかしい!」
思わず口に出てしまっていた。そうだ思い出した、ライブのMCでテンパリを重ねた挙句パンツを履かないアイドルになっていたんだ。
「あのDVD見たの?」
「せっかくの頂き物だしな」
「……どうだった?」
「何か変だったら直球で言えるし、改善点のひとつでも言えたらいいのかもしれないがなぁ。それが言えなくて残念だ」
「素直に褒めてよ……バカ」
「比企谷くん? って捻デレてるね!」
「変な造語作んな……」
麻衣さんの言う先遣隊がスイートバレットのメンバー二人だった事がよく分かり、そこから麻衣さんの送ってくれた服に加えて元々八幡が持っている服を足して行われたファッションショー。審査員が二名しか居ないのはショーなのか? とも思うが気にしない。
そこからは怒涛の勢いだった。
ヤレ「アタシはコッチがいい」だの「えー?! 絶対こっちがいいよぉ!」だのなんだの言ってる間で俺は無言を貫いて居た。
しばらく黙っていると、各々がこれがいいと推している服を着てそれぞれとツーショットを撮り始めた。もはや明日のお出かけとか考えてないなコイツらとも思ったけど何も言わないことにした。
麻衣さんが合流できる時間になったのでとりあえず今日は普段の格好にする事に。
某南の船橋にあるラァーラァポォーゥトで合流した我々のうち二名が麻衣さんに各々がとった俺とのツーショを見せながらやいのやいの言っていた。そんな麻衣さんは額に手を当て困り果てた顔をしていた。
「ごめんハチくん……私がミスしたわ」
「なんでお姉ちゃん謝ってんの?」
「当たり前よ……明日の花楓ちゃんとのお出かけする服を選ぶ参考人として派遣したのに、二人とも自分と出かける時の服を選んでるでしょ?」
「「違うの??」」
「確かに私もはっきりは言ってないけど……そうね、こうなったら私も自分の想定で選ぼうかしら」
「それ、咲太さんにバレたら俺がドヤされるんですけど」
「咲太がそんな事したら私が制裁を加えるから平気よ」
「お姉ちゃん……それむしろ喜ぶヤツ」
「さすが咲太さん! ブタ野郎だ!」
「「あんたが言うな!」」
広川さんことづっきーの空気の読めなさが発揮された所でそのまま三人に着せ替え人形として連行された俺。各々が選んだ上下セット+装飾品を購入し、比企谷家へ帰宅。ついでに食材も買って家でパーティーをしようと言う流れになった。ちなみに俺は一言も言っていない。あれよあれと三人の中でそう決まったらしい。
「あ、ハチくん」
「はい」
「私達が今日選んだ三セットは明日使用禁止ね」
「え? 俺今日買い物行った意味って……?」
「女の子が誘ったデートの日に、他の女の子が選んだ服着てくのはマイナス点よ」
「いやぁでも変な服着てって相手に微妙な顔させるのは俺的に如何なものかと……」
「仮にもし、それが何処の馬の骨とも知らない女の子ならそれでもいいわ」
「一体誰の話をしてるんですかねそれ……」
「馬の骨の話しよ」
話が一切見えてこないのは俺だけだろうか。
「少なくとも、花楓ちゃんはハチくんがどんなにセンスなくても罵詈雑言なんて浴びせてこないし、なんなら「私が選んであげようか?」とか言ってくれるかもよ?」
要は気持ちがうんたらとかそんな感じなのだろうか。乙女心と言うのは永遠に我々男子には分からないのだろう。しかし……。
「俺今までのこういうおでかけ? の服装って小町が決めてきたんですけど」
「……家族だから不問にしておくわ」
再び頭を抱える麻衣さんであった。
「これでもし花楓ちゃんが自分で選んだ服じゃなかったら私の立つ瀬が無いわね……」
「と言いますと?」
「花楓ちゃんには昔から私が着てたお下がりとか撮影で使った衣装とかプレゼントしてたの」
え、それ豊浜にあげた方が良かったのでは? あの子シスコンだからプンプンしちゃうんじゃない?
「最近はのどかや翔子ちゃん達と一緒に買い物とか行ってたみたいだけど」
なんにせよ楽しみね。なんて言ってた麻衣さんはパーティー? の準備に戻った。
「……んー」
「花楓ー? もうかれこれ二時間はにらめっこしてるぞー」
「だって、明日の服決まらないんだもん」
「どんな服着てっても花楓が可愛い事には変わりないんだから平気だって」
「そうは言っても気になるじゃん!」
「いっちょんわからん……」
花楓が先程からにらめっこしてる姿見の前には二着の服が置いてある。
一つは麻衣さんからプレゼントして貰った黒のロングスカートに白シャツを合わせるタイプ。通称パンダコーデ(咲太命名)そしてもう一つはこの間豊浜達とお出かけした時の収穫品だろうか。白のショートパンツに黒シャツと、シャツ自体はどの道着用確定らしいけどその上から所謂シースルー? のブラウスを着るかどうかで悩んでるらしい。
麻衣さんおかげはもちろんあるんだけど……花楓の着る服装が一気に大人っぽくなったのは嬉しいような寂しい様な……成長って凄いな。
「これも八幡くんのおかげかね」
麻衣さんのコーデを使うにしても、花楓自体のコーデを使うにしてもどの道パンダコーデなのは面白いが花楓が自分から進んで外に出かけるようになった事は今でも嬉しい。
「あー!」
「今度はどうした……」
「ショートパンツにすると私生脚だ……」
「何時もの黒いやつ履けばいいじゃん。タイツ? ストッキング?」
「レギンス! でもそうすると……子供っぽさ出ない?」
「お前は八幡くんに何を求めてるんだ……」
「だって……」
「彼がそんな事一々言ってくると思うか?」
「思わないけど……せっかく自分から誘ったんだからよく思って欲しいじゃん!」
「大丈夫だ花楓、生脚出してても出してなくても今の花楓は十分に色気がある」
「お兄ちゃんに聞いた私がバカだったよ……」
「まぁ冗談抜きにして、彼なら何を着ても間違えなく褒めてくれる」
「その自信はどこから沸いてくるのか……」
「妹を持つ兄としての同調意識だ」
「もう自分で選ぶ!」
バンッ! ととてつもない勢いでドアが閉められ同時に追い出された僕はリビングに戻り固定電話である連絡先にダイヤルする。
「……プリーズヘルプミー」
「……なに?」
「花楓に追い出された」
「おめでとう、これでもれなく家無きブタ野郎に昇格だね」
「なんだその不名誉な称号は……昇格したくは無い」
「とりあえず今必要なのは僕じゃなくて女なんだよ双葉」
「そのセリフ、ほんとクズにしか聞こえないから辞めた方がいいよ」
「言い方を変える……女の子の意見がとても欲しいんだよ今。男の僕が見ても意見としては適当じゃないんだと思う」
「そもそもの花楓ちゃんの今の悩みは何?」
「明日男の子とデート何だが、服装をどうしようかって」
「……梓川」
「なんだよ」
「私の私服姿知ってる梓川がその様なイベントを私に頼むか?」
「そう思ったんだけどな、麻衣さんと豊浜、ついでにづっきーは今日その相手の男の子の方に付いてるんだよ」
「翔子ちゃんは?」
「家族旅行中」
「消去法で私か……どうしても女の子がいい?」
「男子で当てがあるというのか?」
「どうしても女の子なら梓川と尻を蹴りあった後輩ちゃん」
「古賀の事言ってるのか?」
悪い選択肢では無い。出会った当初の古賀は上京したてという事もあり芋っぽさが抜けなかったが、大学生になった今はかなり都会寄りの服装になっている。ありよりのありだが……。
「一応男子の方を聞こうか?」
「国見、彼女持ちだし単純に何着ても似合うし」
「その何着ても似合うという国見の印象に双葉フィルターはかかってないよな?」
「……梓川」
「なんだよ」
「とりあえず1回私に蹴られて見ないか? 尻をだせ」
「断る」
「いいから出せ、ブタ野郎」
「……話が大きく逸れてしまった。とりあえず双葉、今日はいいから明日空けておいてくれないか?」
「何する気?」
「双葉の服を選びに行く」
「……必要性を感じないんだけど」
「因みに、双葉が来ようが来まいが僕は明日国見と出かける予定である」
「……はぁ」
よく良く考えれば花楓は自分で選ぶって言ったんだから、これで誰かを呼んだら花楓の折角の努力を無に帰す事になりそうだ。
そう言い訳をしつつ、明日どうしようかなと考える事にした。
「とりあえずハチくんには黒パンツメインのスタイルがいいと思う」
「そうですよね! この強烈な印象を残す目を引き立たせる黒スタイルが」
「づっきー、その言葉かなりダメージ入ってるのわかる?」
こんな調子でご飯後もリビングでガールズトークに花を咲かせてる三人。
俺はと言うと、気を使ってさっさと自分の部屋に戻ろうとした。……したんだが。
クイックイッ
逃げるもとい部屋に帰ろうとしたのがバレたのか右袖をのどか、左袖をづっきーに引っ張られて逃げ道がなくなってしまっている。
これ、スイートバレットのファンに見られたら俺やばいのでは無いか? 端的に言うと小町に見られたらやばいのではないか? なんて頭の悪い事を考えてしまっている。
そんな事を考えてると麻衣さんに「翔子ちゃんにはもう送ってあるわよ」なんて言葉が返ってきたのが数十分前。
何故牧之原?
俺はてっきり小町に送られてるのかと思ったよ、なんでもいいけどさ。
今日の布団の割り振りとしては、俺の部屋に豊浜とづっきー。小町の部屋に麻衣さん。リビングソファーに俺となっている。
当たり前だ、小町がいれば俺もベッドのありがたさに恩恵を預かれると思うがそうもいかない。
先程の会話の途中にづっきーが眠気を模様し、豊浜に連れて行かれた。
そしてしばらく麻衣さんと二人で会話してたのだがその麻衣さんも就寝した。
豊浜も戻って来ないことを考えればづっきーを運んでそのまま寝たのだろう。
……一応明日着ていく服は決まっている、あとは俺が寝坊しなきゃいい話なんだが。
「な、なななななな! なんですかこの羨まけしからん写真は!」
私の元に一枚の画像が届いた。そこに写ってたのは最近私のお気に入りである一人の男の子が真ん中に。そして何故かその両脇には親友の姿と親友のアイドル仲間の姿が。
これは……やはりアレを実行するしかないのか……。私だって比企谷くんの服を選びたいのに。
「どうして無駄にパーツが整ってるんだろうなぁ、変なところ咲太さんにそっくりだし」
慣れない環境にいきなり飛び込んで飛び込んだ先に慣れた環境で好いてた人にそっくりさんがいたらそれは靡くなと言われる方が無理がある。という建前は置いておいて、私は考えてたアレを実行に移さないとダメになった。
「お父さーん! お母さーん! 私明日やっぱり!」
その言葉が来るのを待っていたと言うか、まぁ来るだろうなと考えていた両親はにっこり頷くだけだった。
「やっぱり、あの子私に似てるわね」
「それは僕達が高校の時の話をしてる?」
「ええ、行動力とか好みになる異性のタイプとか、かしらね」
「……僕あんなに素直じゃなかったかい?」
「自覚ないの? あなたが無自覚に女の子落としていくから私はハラハラしてたんですからね?」
「初耳だ……」
「初めて言いましたからね」
「翔子と比企谷くんもそうだけど、僕は咲太くんと桜島さんの方が僕達見たいかなと思ってたよ」
「明日からしばらくあなたの事をブタ野郎と呼ぼうかしら」
「……ごめんそういう意味ではなかったよ」
二人は夫婦になる前も、夫婦になってからも喧嘩こそするがその日のうちに終わるくらい仲の良さは一般家庭より上々だ。そんな自分達の娘も立派に成長して自分の為に恋愛に対して真剣に向き合いをしている。
「ねぇ、翔子のアレの手伝いが終わったら私達も久々に二人で羽を伸ばさない?」
「それもそうだな、昔に帰ってやれる事やってみるか」
牧之原夫妻は嬉しさと寂しさが半々で攻めてくる自分達の気持ちに加え、願わくば娘が夢としてくれている私達夫婦の様に学生結婚を、娘が気に入っている彼としてくれないかなと未来に想像を耽けていた。
シスター達の前日譚にヒロインの両親の話ぶっこむとか何考えてんだろうねこの作者。
ご覧いただきありがとうございます!次話終了後はまた俺ガイルの話に行く予定です。