青春目腐り野郎は夢みた少女と学生生活。   作:あきこま

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前回投稿からまもなく半年経ちかけてました、どうもあきこまです。


個人的にどうしても豊浜のss書きたくなって色々模索してたらなんか知らないけど短編の俺ガイルIFを書きまくってた日常です。

それについてはいずれこの作品とは別に投稿する予定なので興味がある方は是非お待ちください。


おでシスはこの話で終了、次の話に幕間話でも入れて本線に戻ろうかと考えてます。

それではどうぞ。


Ep.17

 

 

 

「でかいな……」

「大きいね……」

 

 

 電車とバスを乗り継ぎ、目的地である木更津アウトレットへ到着した直後の二人の感想だ。

 

「考えてみれば私こういう所で買い物するの初めてかも」

「案ずるな、俺も来た事ない」

 

「小町ちゃんとかと来たりしないの?」

「両親は小町と来てたかもなぁ」

 

「そこに八幡くんの名前が出ないのはなんでなんだろうなぁ……」

「それを言うなら花楓の方が意外だろ」

「そう?」

「今もだけど、あんだけオシャレな格好が多いから結構来てるもんだと思ったんだよ」

 

 

 

「……」

「……なんだよ」

 

 鳩が豆鉄砲どころか水鉄砲食らったような顔をしていた。いやどんな顔だよ。

 

 

「……下げてから上げられたらドキッとしちゃうじゃん!」

「何の話だよ……」

 

「今日着てきた服の感想とか無いのかなぁと内心期待してたの!」

「あぁ……そういう」

 

「多分言われないのかなぁと思ってたから急にくるから……」

「俺は俺で初手目隠しから始まってるから恥ずかしいやらなんやらなんだよ」

 

「あっ……」

「ほら、行くぞ」

「え?! ちょっと八幡くん!」

 

 

 照れを隠すつもりだったのに、余計に照れそうな事をしているのに気づかないのは俺も相当テンパっていたのだろう。

 

 花楓の手を引いて、俺達二人はアウトレットの中へ姿を消して行った。

 

 

 見始めてまだ数店舗しか入ってないがとある服屋で花楓の足が止まる。

 

 かれこれに5分くらいは同じ服とにらめっこしている。

 

「気に入ったのか? それ」

「うん、でもバイト代があるとはいえコレ買ったら今日の予定してた予算的にも他のもの買えないなぁって思って葛藤してる」

 

「アウトレットの商品は一点物っていう感じするしなぁ、今を逃すと買えないんじゃないか的な」

 

「中古車屋に来た夫婦の会話みたいだよコレ……」

 

 

 そう? 服屋の一点物感感じない? 俺もそんなに服屋来ないけどさ。

 

 

「一旦置いといてもいいんじゃないか? 全部見て、最後にあったら買えばいいし」

 

「そうだよね……せっかく来たのにずっとここに居ても勿体ないしね」

 

 

 すげぇ陳列棚の向こうからこちらに話しかけようかかけまいか悩んでそうなお姉さん居るんだけど、スルーでいいかな? 

 

 

 

 

 

 

 そこから更に数店舗回った先の某スポーツ系メーカーの中に入り今度花楓がご執心になったのは靴だ。

 

「そういや、随分今日はオシャレな靴だよな」

「うん、でも普段はこういう動きやすいのが多いかな」

 

「もしかして、それも麻衣さん?」

「ううん、さすがに足のサイズまでは合わないよー、これはのどかちゃん」

 

 アイツがこういうの履くのもイメージが湧かないんだけど……履かないからあげた説無い? 

 

「まぁ今日の服装にはどっちも似合いそうだな、印象が違うというか」

「八幡くん的には、どっちが好き?」

 

 

「……俺に聞く? それ」

「今ここにいる八幡くんの意見が聞きたいかな?」

 

「……スニーカーだと着てる服装からして動きやすいだろうなぁと、ボーイッシュ? っていうの? 今履いてるパンプスだと可愛いが勝つと思う」

 

 

「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この顔だよ

 

 

 

 人が珍しく褒めたらなんだこれ……。

 

 

「……なんだよ」

「いや、ほんとに素直に言ってくれるとは思ってなかったから……」

「お前は俺をなんだと思ってるんだおい」

「捻デレお兄ちゃん?」

 

 

「よーし、今すぐここに小町を呼べ。今日という今日は説教だ」

 

「まぁまぁ! 捻くれてない八幡くんもいいと思うよ?! うん!」

「だいぶ無理くりじゃん……」

 

 

 

 店員の一人がめちゃくちゃ微笑ましそうにこっち見てるし、その反対からキャスケット被ってメガネをしたすげぇ知ってる人にそっくりな顔してるやつがハンカチ噛んで唸ってるし……どういう状況だよ。

 

 

 

 結局花楓は靴を購入した。本人曰く「最近外に出かけることが増えたから靴の痛みが早い」だそうで、ストックしておきたかったらしい。いるよね、今まで履いてた靴自分に合うからって言ってネットショップとかで全く同じやつ買う人。同じだから実店舗でわざわざ試し履きしなくてもいいからね。

 

 

 お昼時にはフードコートはかなり店選びは悩むかなと思われた、しかしさすがの花楓さん。アウトレットに到着してマップを見た時初手で見つけたお店があった。それが。

 

 

 

「……パンダだな」

「うん! パンダ!」

 

 そう、パンダのロゴが描かれた中華系のレストランなのだろうか。

「中華系か?」

「でも、かりふぉるにあ? 発ってなってるよ」

「おもくそ自由の国じゃねぇかよ……」

 

 

 やはりよくわからん。

 

 

「最近西東京の方にできたアウトレットにもこの店あるって書いてあるぞ」

「グランベリーの事かな、お兄ちゃんと朋絵さんと行った事ある!」

 

「咲太さんには女性の知り合いが相変わらず多いのね」

「……あ、あはは」

「安心しろ、他意は無い」

 

 

 

 花楓がうんうん唸りながら美味しそうに食べてる最中、俺はとても食事に集中できずにいた。

 

 

 やれ一方からは「のどかのそれ当たり引いたわね」とか、逆サイドから「双葉は素材がいいからな、何を合わせても似合うよな咲太」とか、……俺の正面に至っては「服を選んでから靴、そしてやはり何か一つは選んでもらう方が……楽しそうだなぁ」とか。

 

 

 

知ってたけどさ、もうちょい隠してくれてもいいんじゃない? 

 

 

 バレバレなんですよみなさん……なんでみんなして同じ場所で飯食うのさ……。

 

 

 

 

 花楓は気付いてないのか、目の前の料理にご執心である。

 

「参ったなこれ……」

「八幡くん食べないの?」

「あーすまん、考え事してた」

 

 

 そこから先花楓と回った店には先程の3グループの何かしらが居て、特に単独で行動してる奴の所に余計な人物が一人合流してる事に俺は項垂れそうになったのを耐え、説教をかましてやろうかと思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡side

 

 

 

 

 

 

 

 花楓がお手洗いで場を離れた時、目の前には最初に花楓が動かなくなった服屋があった。

 

 

 

「……」

 なんかの運命なのか、花楓が悩みまくってた服が見事に残ってた。

 

「使うとしたら今か……」

 

 

 遡ること今日の朝。

 

 麻衣さんに向かって精一杯の嫌な顔を向けてドアを閉めてから5秒後の事。

 

「ハチくん待って!」

 振り返った先に居たのは先程めちゃくちゃ俺を(ドS的な意味で)嬉しそうに見ていた麻衣さんがパタパタと焦った様に走ってきた。

 

 

「すみません……なんか忘れもありました?」

「ううん! 違うの! 咲太から預かったものを渡し忘れてて」

 

 

 麻衣さんから預かった物は、封筒だった。

 

「これは?」

「それを使って花楓ちゃんに服とか買ってあげてくれって」

 

 中を見ると、8万入っていた。

 

「でも……それなら咲太さんがやればいいんじゃ……?」

「咲太も買い物の時にそうしようと思ったんだけど……「お兄ちゃんに選ばせたらセンスが怖い!」って断られたらしいのよ」

 

 

 なんと不憫な……俺も小町にそう言われるのだろうか。

 

「だから、花楓ちゃんが気に入った服を買ってあげてって」

 

「にしたって額でかいっすね……」

 

「咲太からは5万預かったわ。残りは私」

 

「……それ咲太さんに言ってます?」

 

「勿論言ってないわ。だからハチくんも、咲太にはナイショよ?」

 

「あー、内緒の話ですか……」

 

「そう、ナイショの話」

 

 

 麻衣さんが歌い出しそうだったので俺は急いでその場を離れた。

 

 

 

 

 

 

 例の店に入ってその服の前に立った時だった。

 

「お客様……先程の方のお連れ様ですよね?」

「えっ、あーっとその……恐らくそうでひゅ」

 

 

 ……死にてぇ。

 

 

「やっぱり来てくれた! お連れ様相当悩んでたからまた後で来てくれるかなぁって思ってたんです!」

 

「あとで見て、残ってたら買おうかって話をしてましたね」

「うんうん! 私もお二方の立場なら恐らくそう考えます! だからこそ正解でした!」

 

「えーっと、何がでしょう?」

「その服のタグ、見てください」

 

 

 

 言われた通りタグを見ると、そこには立派な5桁のお値段が!! ……じゃなくて。

 

「……購入済み?」

「はい! 絶対来るという私の第六感を信じて、店長に内緒で取り置き品にしました」

 

 

 

 

 

 

 

 何この店員さん、読みすごいしまさかのシックスセンスて。

 さっきスルーしてごめんね、ホント。いやごめんなさい。

 

 

「でもそしたらここにずっと陳列してたのは……」

 

「これを見たからお兄さん、来てくれたんですよね?」

 

 

 

 

 ……誘われてたって訳か。

 

「完敗ですね」

「絶対あの子に着て欲しかったんです! あの笑顔にはきっとこれが似合うから」

 

 店員さんと二言程話した後、お会計に進んだ。

 

 麻衣さんに貰った予算を残して咲太さんのが消えた。服って恐ろしい……。

 

 

 

 

「そうだ、ついでにこんなサプライズはいかがでしょうか?」

「めちゃくちゃ楽しんでますね……」

 

 

 

 店員さんにあれよあれよと乗せられて購入後の流れも決まった今、俺は今お花をつみにいってる花楓を待つ場所へと戻る。とは言え店出て目の前だから距離の心配は無い。

 

 俺が心配してる点……言うならば。

 

 

「「「「「……」」」」」 「はぁ……」

 

 いつの間にか吸収合併されていた梓川咲太率いるグループと桜島麻衣率いるグループがこちらを少し離れたところから談笑しつつガン見していた。もう隠す気ないじゃん。

 

 二人、俺が会ったことの無い人が居るけどその内五人から離れて一人でため息をついている人がいた。あれがきっと咲太さんが言ってた双葉さんって人なのだろう。

 

 

 現状この場にいない牧之原とさっき謎の合流を果たした我が妹は捨ておいて、つみ終えた花楓と二人先程の店へ向かった。

 

 

 

「……ない」

「……ないな」

 

 そりゃそうだ、俺が買ってしまったのだから。

 

「結構気に入ったやつだったのになぁ……こんなに後悔するならやっぱ買うべきだったかなぁ」

 

 

 余程ショックだったのか、かなり項垂れた様子。横から見てもわかる様なガックリ具合だった。

 

 ……なんかここまで落ち込んでるの見ると、普通に買ってあげた方が正解だったのではと考えてしまう。

 

 

 

 その様子を見て割と慌てたのか、さっきのお姉さんも急いで俺の後ろに回り込んでくる。

 

 

「花楓」

「なぁに?」

 

「そんなお前にお兄さんからプレゼントがある」

 

「……え?」

 

 俺が花楓にそう伝えながら横にズレると、息切れしかけてるお姉さんがラッピングに包まれた袋を抱えており花楓に向かって差し出す。

 

「こちら、お連れ様と一緒にご用意させて頂きました!」

 

 なんて事言ってるけど、事実上服を確保していたお姉さんと資金を用意した咲太さんのファインプレーで俺は特に何もしてない。とか言うとムード下げそうだから言わない。

 

 

「……開けてもいい?」

 

 一応確認の意味を込めてお姉さんの方を向くと。

「もちろんです!」

 

 なんて返ってきたので、花楓はラッピングを破らない様に慎重に解いていった。

 

 

「これ……さっきの!」

「サプライズで用意しようと思ったんだけど、思いのほか花楓がショック受けてたから失敗したかと思ったよ」

 

「お連れ様がお一人で戻ってきたので、お手伝いさせて頂きました!」

 

 

 

 花楓はお姉さんと服を交互に見て、何回かに1回俺をの方を見て、服をぎゅっと抱きしめた。

 

「ありがとう……本当にありがとう!」

 

 

 とてつもない笑顔で服を抱きしめる花楓。これを1番見なきゃダメな人は、どこかで見てるだろうか。

 

 

 拝啓、咲太さん。あなたの妹はとても嬉しそうにしております。

 

 

 

 

 ひとまずお店で騒ぎすぎた事もあり、これ以上居ると迷惑になりそうだったので退散する事に。その際先程お世話になった店員さんから名刺を貰った。

 

「彼女さんができたらまたいつでもご相談してくださいね? もちろん、彼女さんでなくてもいいですけど」

 

「驚いた……よく俺が彼女いないとわかりましたね」

 

 ……いやまぁ分かるか、そんな事誰でも。

 

 考えてみれば確かにこの人は俺の事を(お連れ様)としか呼んでなかったなぁ。

 

「はい、お二人はそのぉカップルと言うより兄妹みたいだったので」

 

 

 その言葉を聞いた俺と花楓は互いに笑うのであった。

 

 お互い、やはり"兄と妹"というポジションになるんだろうなぁと。

 

 ただ、花楓は俺がもらった名刺を見た後、顔と名刺を何回か交互に見返した。

 

「どした」

 

「いや、私がお世話になった先生と同じ苗字だなって」

 

「だとしたら、もしかしたら私の姉かもしれないですね。確か、スクールカウンセラーをしてるので」

 

 

 その店員さん、友部雫さんが微笑んで告げた言葉を聞いて花楓は更に驚いたという。

 

 花楓を含めて梓川兄妹がお世話になった人と言うのが友部美和子さん。確認したらやっぱり同一人物だったみたいだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 花楓はここから家も遠いので、一通り見終わった14時過ぎには帰り始める方向に落ち着いた。

 

 千葉駅まで戻った時に彼女の携帯が鳴り始めた。なってる携帯を握りしめながら花楓がこちらを見る。

 

「出なくていいのか?」

「出てもいい?」

「お好きにどーぞ」

 

 花楓は頷き通話を開始する。

 

 

 

「もしもし?」

「あ、花楓ちゃん? アタシ」

 

「どしたの?」

「今、お姉ちゃんと千葉にいるんだけど花楓ちゃんも一緒にどうかなって、帰りは家まで送るよってお姉ちゃんが!」

 

「ちょっと待ってください」

 

 

 

 

「のどかちゃんが千葉にいるって、麻衣さんも一緒だって」

「そうか、行かなくていいのか?」

 

「行ってもいいの?」

 

 一人で帰らせるよりかは知ってる人が一緒、まして車という状況はかなり安心できそうなので俺としてはその方がいい気もする。と言うより、その二人しかいないならづっきーは帰ったのか。

 

「自分の欲に従え、それに元々ここで解散予定だしな」

 

「わかった! じゃあ行ってくるね」

 

「おう、気をつけてな」

 

「今日はほんとにありがと! 靴だけじゃなく服も」

 

「さっき言ったろ、お兄さんからのプレゼントだって」

 

 念の為、アウトレット出たあと辺りで改めて咲太さんからのプレゼントという事は説明した。そしたら

 

 

「確かにお金はお兄ちゃんかもしれないけど! あの時八幡くんが買ってくれてなかったらもうなかったかもだし……」

 

 ほんとにこの子は……とても俺と同い歳とは思えないくらいしっかりしている。

 

 

 

 

 

「じゃあね八幡くん! これは今日のお礼!」

 

 

 こちらに駆け寄ってきて、文字通り花楓は俺の胸に飛び込んできた。

 

 頭の処理が追いついていない俺はフリーズ、そして花楓は去り際に顔を近づけて…する。

 

 

 

「言っておくけどそれ…だからね!」

 

「お、おう……」

 

 

 そのまま花楓は駅の改札めがけて走って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ニコニコ笑顔で今日の戦利品を抱えながら去っていた花楓の顔は、いちご色だったか」

 

 

 

「ッ?!」

 

「驚かせてごめんね八幡くん、今日はありがとう。妹が大分世話になったな」

 

「いやまぁ……来てたのは知ってましたけどここまで着いてきてたとは……」

 

 

「二人が家路につくまでに藤沢に帰らなきゃと思ったんだけど、麻衣さんが気を利かせてくれたみたいだからさ。僕は僕で君に今日の事を根掘り葉掘り聞きたいところなんだ。それに、せっかくだから僕の親友二人を紹介したいしね」

 

 どうやら、咲太さん達も牧之原と小町の存在に気づいてたらしくあの二人も合わせてみんなで夜ご飯を食べようという話になったらしい、我が家で。 ……え、うち? 

 

 

 

 まだまだ今日は終わらないらしい。

 

 花楓とパーティーを解散した後、初対面の二人と咲太さんをパーティーに加えた俺は、自らの家路につく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 やはり俺の青春ラブコメは。

 

 

「いっちょんわからん……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






友部美和子さんを出したかったのにオリキャラの妹さん、友部雫さんを出してしまいました。ハハハ

次回もよろしくお願いします。
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