青春目腐り野郎は夢みた少女と学生生活。   作:あきこま

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おはようございます、あきこまです。川なんとかさん編を二部構成でお送りします。

私個人の近況としては、処方された薬による薬漬け生活です。
とはいえ別に重い病などでは無いのでご心配は無用です。

それではどうぞ。


Ep.20

 

 

「いやぁ、えーっと……違うんですよ。重役出勤って言葉があるじゃないですか、エリート志向の高い俺は今のうちから重役になった気持ちをですね?」

 

「君の志望は専業主夫だろうが、働いたら負けとまで言っていたか?」

 

 

「あ、あれです。そもそも遅刻が悪という認識が間違えなんですよ」

 

「ほぅ。殴る前にい一応聞いておこうか?」

 

「警察は事件発生してから動くものですし、ヒーローは遅れてやって来るのが定石です。だからと言って彼らが遅れて来る事に文句を言う人がいますか?」

 

 

 平塚先生が深いため息をする、これは押し切れるのでは? 

 

「これはもう逆説的に言って遅刻は正義ですよね」

 

 と、言い切った所で平塚先生を見ると右拳を既に構えていた。

 

「ちょま、殴るのはNO!」

 祈りは通じること無く俺はダメージを負いそのまま仰向けで倒れた。

 

 

 俺が仰向けで動けずにいると、その横を1人の女生徒が通過して行く。

 

 

 

「黒のレース……?」

 

 今俺が見てしまった被写体の名称が思わず口からこぼれてしまった。

 

 

 しかし、当該の生徒は特に思うことも無いのか一言。

 

 

 

 

「バカじゃないの?」

 

 

 と言い歩き出す。

 

 

 そのまま次の授業に出る気が無いのか、次は移動教室だと言うのに席から動くつもりがない。

 

 

 

 

 

 昼休み、俺は屋上にいた。

 

 

 たまたま屋上を閉めている南京錠の緩みを発見し外に出れたのだ。

 お弁当を片手にマッ缶を2本。なんで2本かって? 予備だよ予備。

 

 

 外に出るとこの南京錠が壊れてるのを知ってるのか先客が2名居た。

 

 1人は先程の黒のレースさん、もう1人は……あぁ、あいつか。

 

 

 黒のレースさん……長いな、クロと命名しよう。クロさんは俺を視認するや否や「こっちに近づくなよ?」的な視線を向けてくるので行かない。そもそも呼ばれても行かないから。

 

 

 

 だからと言ってもう1人の方に行くかと言うとそうでもなく、1人ぼっち飯を敢行しようと考えていたのだが。今回はさすがに顔見知りの為声はかけることにした。

 

 

「また、空の撮影か?」

 

「今集中してるからちょっと待って」

 

 ……さいですか。

 

 ここで思いっきり突き放されようものなら俺も気にすること無く離れていくのだが、待ってという言葉が出てるので一応話す気はあるのだろう。

 

 人2人座れる位の間隔をあけて座り、小町の作った弁当、通称コマ弁を食べ始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後

 

 

 

 

「お待たせ。珍しいじゃんこんな所まで来るなんて」

 

 目的を果たしたのか、先程の人物が声をかけてきた。

 

「随分前に言ってた南京錠の破損? してる出入口たまたま見つけたからな。外に出てみたらお前が居た」

 

「んー、確かにあんたの定位置は今日空いてないみたいだしね」

 

 屋上から俺が弁当を食べる普段の位置、ベストプレイスを見やりその言葉を落とした。

 

「で? 真名様に置かれましては本日も空の撮影ですか?」

「誰が真名様だ!」

 

 俺の言葉が終わるとほぼ同時に頭にチョップが落ちてくる。この役割俺じゃなくてコイツの妹のはずなんだけどな……。

 

 

 

「全く、普通に真名でいいのに何故様がつくかな?」

 

「女子の名前を普通に呼ぶ事に抵抗があるから」

 

「恥ずかしいのね……」

 

「ばっかちげぇよ、その何……慣れないんだよ」

 

「それ、恥ずかしいとほぼ変わらないって。石月より呼びやすいでしょ?」

 

 こちらに微笑みながら言葉を落とす彼女を少しだけ紹介しておこう。

 

 

 石月真名と言う名前の少女は俺のクラスメイトである。

 

 俺が車に轢かれ入院し、入学ぼっちを確定させてた時に俺の病室へ割と頻繁に……というか毎日遊びに来ていた少女がいた。それがコイツの妹の石月こより。自販機で欲しそうな飲み物を奢ってお話し相手になっただけなんだが懐かれたらしい。あ、あと折り紙教えたか。

 

 

 この石月真名は妹が病室に来る時にセットで訪問していた。妹に手を出す輩は許さん的な俺の同族かと思ったがそうでもなく、単純に妹のお世話になってる相手に挨拶を、程度の感覚だったらしい。

 

 

 俺より早くこよりが退院して行った時はもう会う事も無いかと思っていたが、俺が退院した後に初登校を果たした教室でまさかの遭遇。お互いにどこの学校とかいう話はしてなかったのでこれも何かの縁だと連絡先を交換していた。

 

 以来、家が近所という事実も相まって妹と共にたまにうちに来て朝飯を食べたりしていたのだが最近は牧之原騒動があった為ほぼ来ていなかったのだ。

 

 

 

 趣味は空の撮影。これまたこよりが絡んで来る訳だが、公園で俺らと同い歳くらいのお姉さんに折り紙を教わったらしい。そのお姉さんが空を見るのが好きなようで、あの空はどうだのこの空はどうだのと聞いてるうちに興味が湧いた様だ。 たまたま両親がこよりを撮るように買ったカメラがあったのでそれを使い空の撮影をしていたところハマったという経緯を本人から聞いた事があった。

 

 

 ……こよりのコミュニケーション能力バグってね? すげぇなアイツ。

 こよりに一度、何故そんなに折り紙が好きなのか? と聞いた時は「奥が深いんですよ中々に」と返答が帰ってきて、本当に小学生か疑ってしまった事がある。

 

 

 

 

 

「そういえば」

「ん?」

 

「そろそろまた朝ご飯食べに行ってもいい? こよりがしばらく行ってないから八幡と小町に会いたいってさ」

 

「別に構わんぞ」

 

「わかった、こよりに伝えとく」

 

「ちゃんと連絡してから来いよ?」

 

「覚えてたらねー」

 

 

 彼女は自分のおむすびを食べ終わった後、物足りなかったのか俺の弁当から卵焼きを奪って行った。

 

 奴はとんでもないものを盗んでいきました、小町の作った卵焼きです。

 

 

 

 

 

 

 放課後のこの時間、普段なら奉仕部室へ向かうところではあるが先程牧之原より本日は部活無しとの通達を受けたので俺は俺の目的を果たしに帰路へついた。

 

 

 

 

 

 資料集めが終わり、小腹を満たしがてら課題でも終わらせていこうとマリンピアへ。

 フードコートへ向かうと見知った顔がボックス席で座っていた。

 

 

「では国語より、次の慣用句の続きを述べよ。風が吹けば……」

 

「んー 京葉線が止まる?」

 

 千葉県横断ウルトラクイズでもしてんのか……由比ヶ浜よ、最近は止まらず徐行運転が多いだ。

 

「いえ、きっと武蔵野線が止まります!」

 

 変わんねーから……西船橋から先に出たら京葉線と同じ線路だから。

 

「正解は桶屋が儲かるよ。では次は地理から。千葉の名産を二つ答えよ」

 

「……味噌ピーと……茹でピー?」

 

「いえ、ピーナッツバターかもしれません!」

 

 

「落花生しかねぇのかこの県には」

 

 思わずツッコミしたくて席をたちこちらの方にまで来てしまった。というか牧之原、雪ノ下が答え二つって言ってたろ。

 

 

 

「なんだヒッキーか……変な人に声かけられたかと思った」

 

「八幡も勉強会呼ばれたの?」

 

 

 由比ヶ浜が視線を下げて目が合わないようにしている。なにその「やっばー誘ってない奴来ちゃったー」みたいな顔。

 

「比企谷くんは勉強会に呼んでないけれど? 何か?」

 

「人を傷つける事を目的とした事実確認は辞めろ……」

 

 ヌっと牧之原が俺の背後から耳付近に顔を寄せる。近い近いそしてすげぇいい匂い……。

 

 

「すみません、やるとしてものどかさん達とやればいいかと思って今日は部活が無い事だけお伝えしました」

 

「いや別にフォローとかいいから」

 

「ホントの事なのに……」

 

 

 本当に勉強会云々に関しては全く気にしていない。だって俺イヤホン派だしほぼ意味ない。

 

 

「八幡、それは?」

「ん? あぁ夏期講習の資料」

 

「凄いね!もう受験勉強してるんだ」

「ほかの進学希望連中もこの時期くらいから勉強し始めるやついるんじゃねぇの? 俺の場合はスカラシップ狙ってるから尚更」

 

「スクラップ?」

 

「スカラシップよ、由比ヶ浜さん」

 

「最近の塾は成績の良い奴の学費を免除してるんだ、学費代貰ってスカラシップ取ればまるまる俺の金になる」

 

「詐欺じゃん」

「タチが悪いわね……」

「あはは……」

「これを機に一緒にバイトしましょうよ!」

 

 

 実際バイトは考えたが、夏期講習もやってバイトなってやってられるか。

 

 

「あ、お兄ちゃん!」

 

「小町? なにしてんの?」

「いやぁ友達から相談受けててさ」

 

 突如現れた妹と一緒にいるのは何処の馬の骨だ? 今すぐここで土に還さないとならぬか。

 

「八幡くん、今すぐその禍々しいオーラ消してください」

 

 牧之原がチョップをしながらそう言った。なに、オーラ出てた? そんなつもりないんだけど。

 

 

 

 人数が7人になってしまった為、ソファー席から通常席へ移動し、ツンツン頭(害獣)の相談をとりあえず聞く事になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






17年前のアニメ「Sola」より石月姉妹を参加させました。蒼乃らしきお姉さんを登場もさせましたがこのアニメのメイン3人は登場させる予定は現時点でありません。

次回もよろしくお願いします。
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