過去作を作っている中でどうしても新企画ばかり進むのは何故でしょうか…。
今回はタグに付け足した二人と翔子で回し、次話より俺ガイルキャラ出始めです。
それではどうぞ。
「初めまして桜島麻衣です。翔子ちゃんの友達って事でいいのかな?」
「少なくとも私はそう思っています!」
誰もが知る有名人、桜島麻衣が俺の目の前にいた。さすがに俺も開いた口が閉じなかった。
「初めまして! 豊浜のどかです!」
もう一人は豊浜のどかと言った、こっちはこっちで俺の知っている人物だ。確かスイートバレットという小町の好きなグループのメンバーだったか。
テレビの向こうの彼女を見ていた時はとても気丈に振舞っているように見えていたが現実は……。
「あざといな……」
「!?」
「のどかさん、比企谷くんに接するときは咲太さんと同じで大丈夫ですよ? 恐らく本当ののどかさんに気付いてると思うので」
俺の呟きを聞いたのか、豊浜さんの顔を見たからなのか、牧之原が説明に入った。
「まさか咲太みたいなのがこっちにもいるとはね……」
「翔子ちゃん……まさか彼に声かけた理由って……?」
「否定はしませんよ? でもまぁ普通に気になったと言うのが大きいですね」
「あーえっと……比企谷八幡です」
しばらくして牧之原と桜島さん、その向かいに俺と豊浜さんという座り方をしている。
正面の二人は積もる話があるらしく先ほどから会話が止まらない。
対するこちらはと言うと。
「……………………」
「ジ────────────────────────」
もうずっとこの状態よ、俺なんかしたか? メッサ見られる……。
「ねぇ」
「なんだ?」
「なんでわかったの? 私がONとOFF分けてるって」
「大体の芸能人が分けてるもんだ、お前の場合は妹の影響で他の人より見る機会が多かったからな。それで判別がついたのかもしれん」
「妹さんいるんだ……で? 誰が好きだって?」
「目の前にその人が居なければ気を使わなくて済むんだがな……そうできなくて残念だ」
「……アタシ!?」
「どかちゃんってお前の事だろ、あと妹の部屋を見たとき金髪の女の子グッズがあったから。お前のグループだと金髪お前だけだろ?」
「アタシのグッズってまだそこまで出てないんだけど……そっか!」
それを聞いた時の豊浜さんの顔つきは打算にまみれた表向きの顔は無く、純粋に何かを喜ぶ少女の顔そのものだった。
「随分と、楽しそうですね?」
直後、俺の正面からとてつもない威圧を感じた。
目の前にいる牧之原が笑ってるのに笑ってない。
隣にいる豊浜さんがさっきまで満面の笑みを浮かべていたのにガクブルしており、あまりの怖さに俺の袖をつかんでいる。
正面隣の桜島さんは苦笑いを浮かべていた。
なんだかんだで四人で食事を始めてから一時間以上経っていたらしく、桜島さんのマネージャーさんが気を利かせ「帰り道だから」と言って二人を乗せて帰るらしい。
「じゃあ翔子ちゃん、いつでもこっちに遊びに来てね? 私が仕事でも咲太はいると思うから」
「その時は是非伺います! と、言っても何回も行ったことありますけどね」
「それもそうね、比企谷くん! 翔子ちゃんの事よろしくね? 今日はあまり話せなかったけどまたお話ししましょう?」
そう言いながら桜島さんは何かを差し出してくる、どうやら名刺の様だ。
「あ、あぁお気遣いいただいてすみません、……楽しい時間でした」
その言葉を満足と捉えたのか、にっこりした顔を残して桜島さんは車に乗り込んでいった。
「翔子ちゃん、また今度ね! 今度は楓ちゃんも一緒に!」
「楽しみですね、いっぱいお話ししましょう!」
「はい! 私からもこれ。……今度妹さんに会いに行くからその時案内よろしく」
「おう、待ってるわ」
豊浜からも名刺をもらった後、彼女も車に乗り込んだ。
食事の時間に主に妹の話題で盛り上がり彼女と少し打ち解け、同学年という事もあり俺は「豊浜」と呼び捨て。向こうは「八幡」と呼ぶ仲になった。
いや女子の打ち解け速度半端ねぇわ、超ビビる。
名刺を見ると、それぞれからメッセージが付いてた。
「(翔子ちゃんの友達と言っている子を初めて見たわ、慣れない千葉でもあるから翔子ちゃんの事気にしてあげてね。
今度私の彼氏を紹介するわ、多分君もよく話せるタイプだと思う。翔子ちゃんと一緒に遊びに来てくれる日を待っているわ。 麻衣)」
「(まさかあんたに妹がいてその妹がアタシのファンというのは驚いたわ。あんたの妹と話したいし、アタシが素で話せる同年代なんてお姉ちゃんを除けば翔子ちゃんや咲太、その妹の花楓ちゃんくらいだったから話せる相手が増えて嬉しい。イベントで千葉に来ることが多いからその時にでも相手して頂戴。……連絡しなさいよ! ……待ってるから。 のどか)」
ご丁寧に二人の名前の後には連絡先が書いてあった。これ牧之原に見られたら機嫌悪くなるだろうか……。
車が走り去った後、夜も遅いので牧之原を家に送る事にした。
「少し、意外でした」
「何がだ?」
「いえ、今のところ人と話すところを滅多に見ないのであそこまで社交的に話せるんだなぁと少し感心してました」
「社交的な会話はうちの社畜両親を見てたら自然とな、だが人と話すのは嫌いじゃなければ好きでもないがな」
「私の少しあった感心は今の発言でゼロですよ……」
「明日、平塚先生から何を言い渡されるんでしょうね?」
「なんだろうな、それ相応の何かはあるんだろうなぁ。明日休んでいいかな?」
「良いわけ無いじゃないですか、意地でも引っ張って行きますからね?
あ、私の家ここです。送っていただきありがとうございました」
ではまた明日、と言いながら手を振り家の中に入ったのを見送った所で俺は歩き出す。
歩き出しておよそ数秒、左を向き息を吐く。
「隣の家なんだよなぁ、俺の家」
そう言えば母ちゃんが「先日越してきたお隣さんの娘さんは八幡と同い年ですって」とか言いながらニマニマしてきたのを思い出した。
「そんなことってあるんだなぁ」
誰にも届かない独り言を呟き、家へ入った。
次回、八幡&翔子、奉仕部へ向かいます。
いやぁ…キャラ崩壊タグ付けとくべきか…?