六話を投稿した後からお気に入りの件数がグッと伸び、ふとランキングを見ると日間ランキングの部分で初の一桁入賞をしておりました!
さすがに作者驚きすぎてスクショをしてしまいましたテレテレ。
みなさまのおかげでございます…ありがとうございます!
遅かれながら感想に返信させて頂きました、届いたお言葉には目を通すようにしております、どしどしください。
長くなりましたね、それではどうぞ。
何時間経っただろうか……もうすぐ下校時間か。
「何やってんだか俺」
特にやる事もないから本館と特別棟を繋ぐ渡り廊下のベンチに座る事……時間数えてなかった、とりあえずもうすぐ最終下校って事くらいはわかる。
しかしなぁ、俺のカバン奉仕部の部室の中だし最悪はこのまま帰る事になるが携帯とかも全部あの中だしなぁ……。
と言っても小町くらいしか連絡する相手いないか……いや豊浜が居たか。
まぁいい、チャイムが鳴ったら帰ろう。この三本のジュースを持って。
比企谷くん!
最終下校チャイムのなる三分前、本館の方から俺と同じ名前を呼ぶ声が聞こえた。まぁ、この場合俺だよな? さすがに。
振り返るとそこに居たのは息を切らした牧之原が居た。目がとんでもない事になっている。まるで誰か死ぬ直前のような、そんな目だ。
「おう、どした?」
「どしたじゃないですよ! いつまで経っても来ないからどこに行ったのかと……」
「いや、携帯から何から全部部室だから」
「……」
絶句である。
感覚としては「いや、携帯はポッケに入れてない?」って感覚なんだろうがつい最近まで電話機能付き目覚まし時計としか見ていなかった携帯をそんな簡単に持ち歩く癖がつくわけが無いのだ。
「それなら一概に比企谷くんが悪いとは言えませんね……仕方ありません」
「まぁ、何やってたかは知らんがすまんな」
「ほんとですよ……君がいないから私と雪ノ下さんは三途の川を渡りかけたんですよ?」
「マジでなにやってんの? 君達は、黒魔術でもしてたのん?」
「ある意味魔術……に近いかな、錬成ですね……あれほどのものを作るとは……帰り道で詳細を話しますね」
さも一緒に帰るのが当然と言わんばかりの言動だが、まぁそこにツッコミを入れるのは野暮ってもんだ。
部室に戻ると雪ノ下と由比ヶ浜が居た為二人に飲み物を渡し教室を去る。
去り際に雪ノ下が飲み物と俺を交互に見て涙が出そうになっていた。そんな恐ろしいことやってたのかお前たちは……。
「由比ヶ浜さんの依頼ですが、クッキーを作って渡したい相手が居たそうです。それでクッキーを作るために家庭科室を借りて調理していたのです……」
「恐ろしい物ができあがったと」
「はい……私も雪ノ下さんも本人を前に食べれないなんて言えなかったので口にしたのですがあれはとても人間が食べれるものではありませんでした」
「もちろんそれ人間が食べる食材を使って作ったんだよな?」
「当たり前じゃないですか……まして人に渡す用なのに食べられないもの使うはず無いじゃないですか……」
それもそうか、贈られた相手もまさか食べられん物くれるとは思わんよな。というかそんな激物来ようもんなら絶交レベルである。
「時に比企谷くん、明日はお時間ありますか?」
「無いとか言ってもある事になるから黙秘で」
だって君はエスパーだものね、何言ってもバレるもんはバレる。
「今日の対策で今度由比ヶ浜さんが来た時に教えられるような策が欲しいのです、一緒に考えてくれませんか?」
「……まぁいいけどよ、俺一人加わったところでまともな戦力にゃならんぞ?」
「私としてはそれでも構いません、君と一緒に居られる時間ができるなら」
高校生なのにまるで大学生かのような微笑み、それくらい今のこいつからは大人な気品を感じてしまった。牧之原に対してのたまに感じる違和感は一体何なのだろうか……気のせいか。
「まぁ……いいけどよ、ほんとにあてにすんなよ? 俺なんかよりよっぽど妹の方があてになるまである」
「何度も言わせないでください、対策もそうですが私は比企谷くんといる時間が楽しいのですからそれでいいのです。……あとのどかさんへの牽制で……」
「最後の方全部聞こえてんぞお前、俺はどこぞの難聴系じゃねぇんだよ。そしてその発言で思い出したわ、あいつ今日居るんじゃん!」
「なんで当の君がそれを忘れてるんですか……全く」
そんな何気ない当たり前な会話をしている最中、牧之原の家に到着した。
「やっぱり君と居ると飽きません、ものすごく楽しいです!」
「俺を珍獣扱いしようってんならそうはいかんぞ何故なら俺はれっきとした人「ゾンビ?」……お願いだから最後まで言わせて? しかもゾンビは目だから、俺人間だから!」
「わかってますよ、ではまた明日の九時頃お待ちしてますね」
ニコニコ顔で家へと入っていった少女は果たして気づいてるのだろうか、はたまた気づかないフリをしているのか、俺が隣の家に住んでる事を。
「たでーま」
「あーお兄ちゃん、おっかえりー」
「春の陽気はリビングへと程よく気持ちいい風を送り、エプロン姿の小町はとても見栄えがよろしい。なるほど、これが映えってやつか」
「偉い勘違いしてる挙句に突如何言い出すんだこのごみいちゃんは……しかも長い、尺取りすぎ。あ、小町を褒めてるところはポイント高い!」
「すげぇダメ出しするじゃんお前……豊浜は?」
「ついさっき仕事行ったよ、あと三時間後くらいに帰ってくるってさ」
「あっそ、じゃあ俺部屋に……「ストップです! 」痛ってぇ! ていうか指超痛てぇ」
こいつ今俺の指折りに来てなかったか? 凄まじい音したぞ……。
「どかちゃんと知り合いになったわけを話すまで部屋行くの禁止」
「じゃあ別にリビング居ますよ」
「ご飯も抜き」
「ありがたく話させて頂きます!」
「よろしい!」
小町に根掘り葉掘り聞かれること一時間、ようやくご飯にありつけているのだが。
「小町ちゃん」
「なに?」
「今日なんかすごいわよ?」
「なんの事ざましょうか?」
「肉じゃがの肉が凄い良いお肉なのはなぜ?」
「マネージャーさんが泊めてくれるお礼にと、つまりお兄ちゃんは小町をどかちゃんに会わせてくれただけでなくこんないいお肉まで頂くきっかけをくれたMVPってわけ」
「それで俺のおかず少し多いのん?」
「そゆこと」
「でもさっきまでずっと正座してたような……」
「それとこれとは別です」
「……あい」
妹と和気あいあいと話しながら食卓を囲み、その後直ぐに風呂に入った。
二時間後、俺はそのままリビングのソファで寛いでいるといつの間に寝てしまった。
「待っててくれたの?」
意識が少し浮上した頃、急に頭の上から声がかかった。寝ぼけ眼でよく見るとそこには豊浜がいた。あーそう言えばこいつが帰ってくるの待ってたのか俺は……。
眠くて思考が全然回らん。
「小町が作ったご飯なら冷蔵庫にあるから良ければあっためて食ってくれ」
「ごめん、なんかこんな遅くまで待ってもらって……」
「気にすんな、お前今日俺のベッド使え。身体疲れてんだろ?」
「え!? い、いやぁ! あんたのベッドでなんて……第一あんたどうすんのよ!!」
「このまま寝るわ……おやすみ」
「あ、ちょっと!! ……風邪引くでしょ……バカ」
世間的には布団を譲った偉い子かもしれないが、真実は眠過ぎて動きたくなくなっただけである。
新しいパターン、そのまま部室開くまで待つという感じです。
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