青春目腐り野郎は夢みた少女と学生生活。   作:あきこま

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こんばんは、あきこまです。

直近一ヶ月で投稿した二つの話でお気に入り件数がその当時の約二倍に増えるという作者びっくりな結果をたたき出しました。ありがとうございます。


長々話してもよくないと思うので、早速どうぞ。


Ep.8

「おはようございます、私です」

 

 のっけからいいパンチ打ってきやがったこいつ。

 というか俺は豊浜が帰ってきたの確認して即その場で寝たはずなんだが? 

 なんで牧之原いんの? やっぱ俺隣に住んでるのバレてた? 

 

「どうしたんですか"あなた"? そんなに不思議そうな顔して」

 

 ……あなた? 比企谷くんじゃなくて、"あなた"と言ったか? 

 世間一般で言うその呼び名は夫婦の奥さんが旦那さんを呼ぶ時に使う名称だと思うのだが……朝起きたら目の前にいてその挙句あなたとはなんのジョークか……もはや訳が分からない。

 

「なぁ牧之原、なんで朝から家にいるんだ? 俺お前に家教えたっけ?」

 

「懐かしい呼び名ですね、私はもう牧之原じゃありませんよ? 寝ぼけてるんですか? 今の私は"比企谷"翔子ですよ? それにここは私達の家です」

 

「えぇっ!?」

 待って? こいつが何を言ってるのかほんとに分からない。何処ぞの千葉の兄貴みたいな声出しちゃったじゃん……。

 俺と牧之原が結婚した? それにこの家……よく見たらうちの内装と違う。

 

「……小町は?」

「小町ちゃんなら千葉ですよ? ……本当にどうしたんです? なんだか様子が変ですよ?」

「俺達の今居るここは?」

「神奈川県の藤沢ですよ?」

 

「今の俺達歳はいくつだ?」

「32ですけど……女性に歳の話したらご飯奢るルール適用しますか?」

 ……そこは変わって無かったのか。しかしおかしい。朝起きたら十五年経ってるとかシャレにならんのだが、しかも結婚してるし。

 

「そろそろ杏歌(きょうか)が起きる時間ですし、ご飯にしましょうか!」

 

 子供いんの!? その発言を聞きふと周りを見回す一枚の写真立てがあった。そこに写ってた光景とは、目の腐りが相変わらず取れていない十五年後の俺と微笑みながらその隣に並ぶ十五年後の牧之原、そしてその間には非常に牧之原に似ている小さな女の子が立っていた。

 

 ……まさか、俺たちの娘……なのか? 本当に俺は今32歳の俺なのか? 

 

 

「あ、そうだ」

「今度は何? 何が襲いかかるの?」

「そんな……朝から襲うだなんてあなたったら……」

「なんで頬染めんの? どこに反応してるの君は……」

 

「その話をしようとしてたんです」

「……は?」

 

 顔を近づけ、俺の耳元で囁いた言葉は。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そろそろ杏歌が弟か妹欲しいって言ってたんですけど……私もおねだりしたらダメですか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そんな事があってたまるかぁ!!!」 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お兄ちゃんうっさい! まだ朝なんだけど!?」 

 

 

 

 

 

 へ? 今小町の声聞こえた? 

 

 

 

 

 

 

 

 瞬きをし、目の前の風景を見直すとそこにはまだまだ十代の小町が立っていた。

 

 

 ほんとに何がなんだかわからないんだが。

「お、おはよう? 小町」

「なんで疑問形なの……おはようお兄ちゃん」

 

 さっきまでの世界線は一体なんだったのだろう……まさか未来の一部とでも言うんじゃないよな……? 

 

「お兄ちゃんがなんか言ってほしそうな顔してるから言ってあげるよ」

 

「え? なにを?」

 

 

 

「んんっ!!」

 

 一息ついた小町は、まるで俺のような腐り目を発動させて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お前ら何寝てんだよ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 言い終わった小町はとてつもないドヤ顔をしてこちらを見ている。

 

 

 

 

 

 

 とりあえず小町に言える事は。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前も寝てたじゃん……タキシード着てやり直せ、あと小町ちゃん? 君髪結べるほど長くないでしょ? そして"ら"って俺だけでしょ?」

 

 

 

「お兄ちゃんや……メタ発言は大変宜しくないでございますよ」

 

 

 

 

 

それをお前が言うなお前が! 

 

 

 

 

「なぁ小町……変なこと聞くが今日は何月何日でここは何処だ?」

 

「ほんとに変だよ? お兄ちゃん頭でも……いや打たなくても変か」

「妹が兄に対してとてつもないほど辛辣なんだが……」

 

「一応答えてあげるよ、今日は4月の10日でここは比企谷家のお家でございまぁす」

 

「千葉に居るのか俺は……元の世界に戻ったのか……」

 

 

 

 

 

「おハヨォ」

 

 最初の第一声だけ大きな声でそこから萎んでった声を出したのは昨日、いや正確には今日の夜中に帰宅された豊浜のどかさんである。いやこここいつの家じゃねぇな。

 

「どかちゃんおはよー!」

「おう」

 

 兄弟それぞれの挨拶を返すと眠そうな顔してる金髪はにこやかにこちらを見る。

 

 

「あんたら兄弟見てると、なんか微笑ましいわ」

 

 何かを悲しむような悔やむような声で吐き出された言葉、名字の違う姉と何か昔あったのだろう。でも今はそれを聞くときではない。

 

「まぁな、小町は唯一のマイラブリーシスターだからな……千葉の兄ならこうなって当然だ」

 

 

「うわっ気持ち悪っ!」

 

 実の妹にこうも否定されると中々にくるものがあるが、実際ここまで妹大好きフリスキーな兄も現実には珍しいのであろう。悲しきかな。

 

「八幡……時間は?」

 

 豊浜に言われ時計を見ると、割とギリギリな時間であることに気づく。

 

「やっべ出るわ、じゃあな」

 

「あ、八幡!」

「あ? なんだよ」

「今日翔子ちゃんの誕生日だから、伝えとく」

 

 ほう? 

「わかった、なんかあったらお前に頼むわ」

「生憎今日はオフだから頼まれてあげるわよ」

 

「そいつは助かるわ、ありがとよ」

「あと、それと……」

 急にモジモジしだしたが一体何をしてるのだろうか。

 盛大に赤くなった顔での一言が。

 

「昨日……ベッドありがとう、すごく良かった」

 

「おう、そら何よりだ」

 

 そう言い残し、俺は牧之原の家に向かった。

 

 

 

 

なんだよ何がすごくいいんだよ主語を言いなさい主語を……

 全く……訓練されたぼっちじゃなかったらあれはやばいな、うん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

というかあの娘いつまで家にいるのん? 

 

 

 

 

 

 

 

 

 のどかside

 

「小町ちゃんも素直じゃないね」

「へ? どして?」

 

「いや、あそこまで妹を気にかけてくれるお兄ちゃんってのも珍しいからさ。いいお兄ちゃんに恵まれてるなぁと思って」

 

 

「……それに関しては小町も同意見ですけど、どうしてもいじめたくなると言いますかねぇ。お兄ちゃん優しいから」

「私も欲しかったわ、あんなお兄ちゃん」

「……いくらどかちゃんでもあげませんよ?」

「取らないわよ……」

 

 

 さっきの言葉だって、本気で思ってるわけはない。でも15年という歳月を二人で過ごしてできたこの兄弟の絆に少しばかり嫉妬してるのかもしれない。

 

 

 

「(兄妹の好き好き具合が逆ではあるものの、やっぱり八幡はどことなくあいつ(咲太)に似ている)」

 

 

「今考えても仕方ないか……」

「? どしたの?」

「何でもないわ、さてと翔子ちゃんの誕生パーティーの準備でもしますか! 小町ちゃんも手伝って!」

 

「あいあいさー! ……ん? どかちゃんいつまで家にいるの?」

「千葉での仕事が落ち着くまでかな? お義母さんには許可とってるよ」

「おかしいな……小町の呼ぶお母さんと発音が違う気が……てかそんなパーティー企画してたの?」

 

「いや、たった今八幡が企画したのよ。詳細と揃えて欲しいリストは届いたわ」

「なんか……お兄ちゃんがお兄ちゃんじゃない……」

「少なくとも翔子ちゃんに影響は受けてるのかもね」

 

 

 お互いに笑い合いながら、シスターズは準備を進める事に。

 シスターK(小町ちゃん)は材料の買い出し、シスターN()はとある人物への連絡をする事から始めた。

 

 

 

 

 

 八幡side

 

 

 

 

 

 どうせ祝うならびっくりしまくった顔を見せてもらいたいよなぁ……。

 

 普段の仕返しを夢に見る俺はこのイベントに心を踊らせていた。

 

 今日、俺があいつの家を訪ねるのは部活に来た依頼の対策だ。

 つまり、その対策に時間をとればとるほど豊浜や小町に時間を渡せるという解釈である。

 

「参ったねぇ」

 この男、その作戦の内容が全くと言っていいほど浮かんでいないのである。とりあえず場の雰囲気に合わせて何とかしようとしか考えてない。

 それに、今回の作戦を実行に移すということは確実に一つ犠牲にしなきゃならない事がある。会場(比企谷家)が何処にあるか知られてしまうという点だ。

 

 この際仕方ない、それと引き換えにあいつの驚きの顔が見れるならと腹を括った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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