オチなしホラー   作:わさびのり太郎

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雛人形

私の家には古い雛人形がある。

その雛人形は昔からひな祭りに使われていた雛人形だそうで、おじいちゃんはとても雛人形を大切にしていた。なにか怖いことが起きたなら雛人形様に助けてってお願いしてみなさい助けてくれるかもしれん。なんてのがおじいちゃんの口癖だった。

 

おじいちゃんが病気で亡くなった時に蔵の整理をする事になってその時に古い雛人形を見つけてきた。

それをお母さんが引き取りひな祭りの日に使うことにした。

雛人形は古い箱に入っていたけどとても状態が良く綺麗だった。

ひな祭りの日も終わり雛人形を元の箱に戻して家の倉庫に片付けた。

来年のひな祭り楽しみだなぁと思う程には雛人形が好きになっていた。

 

それから不幸な事が沢山起き始めたらしい。

親戚の叔父さんが急死したり、あばあちゃんが車に轢かれたりと。私たちの親戚の人達に不幸な事が降り注いたのだ。

その時はなんてことは無いよくある事だと思っていて、雛人形がとかは思ってなかったんだけど親戚だけじゃなくて、私の家でも不幸では無いんだけど、おかしな事が起こり始めた。

誰もいないはずの風呂場でシャワーが勝手に流れていたり、ある時は食器が無くなっていたり、ある時は足音が聞こえたりと他にも色々。

さすがにここまで怪現象が起こると能天気なお父さんとお母さんでも雛人形に呪いでもあったのだろうかと言い始めたのは。

 

「流石に気味が悪いわね、処分しましょう」

 

「うーん、そうだな今週の日曜日に燃やそうか」

 

お母さんもお父さんも怖くなったのか雛人形を燃やして処分することになった。

お寺に持っていこうって言ったけど家で燃やせばお金がかからんと言われて却下された。

そして燃やす日の前日、その日は一際怪現象が大きかった。

怖くなった私は自分の部屋の押し入れの中で隠れることにした。お気に入りの本とスマホそして犬のぬいぐるみ。

ドタドタと大きな足音が廊下を歩いている。早く終わってと神に祈るような気持ちでいると、私の近くで足音が止まった。

一際強くぬいぐるみを抱きしめてお願い雛人形様、どうか助けてください。なんて怪現象の原因がその雛人形なのに祈ってしまうほど錯乱していたと思う。

 

ドタドタズリズリドタドタズリズリ

 

隣の部屋から何かを引きずる音が聞こえてそれっきり怪現象は収まった。雛人形が私のお願いをきいて静まってくれたのかも、と思い押し入れから出てその日の夜はベットで眠った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さあ、燃やそう。

お別れを言わなきゃ、今までありがとうございます。

私、頑張るから

 

 

お父さんお母さん、じゃあ燃やすね。

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